漆黒の夜に君と。[BL]
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#522 [ちか]
「あ…ごめん、今から出掛けなきゃいけなくて…」

「えー…なんで?」

口を尖らす優里。

え、じゃあ俺またコイツと2人っきり?!
耐えられないって…

「ちょっとこの前の商談の続きがあってね。」


ん?商談?
て事は‥‥――!!

⏰:09/03/09 23:42 📱:P906i 🆔:QJ4p4rAQ


#523 [ちか]
「お、俺も行く!!!」

「「え?」」

2人の視線が一気に集中する。

「挨拶も無いままバイト辞めちゃったし…荷物とかあるし‥‥‥だめ?」

俺は恐る恐る恭弥を見る

恭弥は暫く考えるような顔をしたあと、
「いいよ。」と、返事をくれた。

⏰:09/03/09 23:47 📱:P906i 🆔:QJ4p4rAQ


#524 [ちか]
「やったあ!!」

いい機械だ。
ちゃんと店長に挨拶して、お礼を言おう。

ついでにこのギャップの激しい奴とも離れられて好都合だ。

「俺も一緒に行く…っ!!」

喜ぶ俺とそれを見て微笑む恭弥の間を割って入るような声。

⏰:09/03/10 00:50 📱:P906i 🆔:iBV6D6kI


#525 [ちか]
「優里、お前はダメだ。」

なんの躊躇もなく恭弥は優里を見据えてそう言った。

「なんでコイツは良くて俺はダメなんだよっ!!!!」

「それはお前が一番良く分かってるだろ?」

「でも…っ「優里。」

いつもは優しく慰めるように言う筈なのに、この時は違った。
優里の言葉を遮って、最後までOKを出さなかった

⏰:09/03/10 00:55 📱:P906i 🆔:iBV6D6kI


#526 [ちか]
「兄貴の馬鹿…―っ!!!!」

吐き捨てるようにそう言って優里は部屋を飛び出していった。

部屋に流れ出す沈黙。

恭弥もそれをかき消すように、
「じゃあ、下で待ってるから。」
と微笑んでドアを閉めてしまった。


だけど、なんでそんな悲しそうに笑うんだろう…

⏰:09/03/10 14:45 📱:P906i 🆔:iBV6D6kI


#527 [ちか]
下に降りていくと、黒いスーツを身に纏った恭弥が居た。


スラリとした身体つきによくに合っていて、つい見とれてしまった。



あの漆黒の夜を思い出して。

⏰:09/03/10 15:12 📱:P906i 🆔:iBV6D6kI


#528 [ちか]
「冥?」

名前を呼ばれて、俺は我に返った。

「ほわ?!?!なに?!」

あー…また変な声出してしまった…


「クスッ、行こっか。」

笑われた事が少し恥ずかしくて、俺は小さく頷いた。

⏰:09/03/10 15:24 📱:P906i 🆔:iBV6D6kI


#529 [ちか]
久しぶりにまたあの長いリムジンに乗った俺は、なぜか緊張して畏(カシコ)まってしまった。


「クスッ、なんで固くなってるの?」

「だって、なんか…」

いろいろ思い出すし…

恭弥は俯く俺を見て、ふふっと笑うと優しく頭を撫でた。

⏰:09/03/10 15:49 📱:P906i 🆔:iBV6D6kI


#530 [ちか]
「子供扱い…するな…//」

「冥は素直じゃないね。」

この余裕な表情がムカつくんだよ‥っ///

俺は照れ隠しに、撫でられる手をはらいながら話題を変える事にした。

「て、て言うか、なんで優里連れて来なかったの?別にあんな厳しくする事ないのに。」

⏰:09/03/10 16:08 📱:P906i 🆔:iBV6D6kI


#531 [ちか]
そう言って恭弥の顔にチラリと目をやると、そこには哀しげな表情(カオ)があった。

「ごめん、俺…っ、そんな顔させるつもり無かったんだけど‥‥、」

俺は慌てて言葉を付け足した。

「や、冥は何も悪くないよ。謝らないで?」

そう言ってまた作られる哀しげな笑顔。

⏰:09/03/10 16:28 📱:P906i 🆔:iBV6D6kI


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