漆黒の夜に君と。[BL]
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#647 [ちか]
いつの間にっ!!!!!

女の人はベッドを出て、
いつの間にか恭弥に抱きついていた。


硬直する恭弥。


硬直する俺。


さらにきつく抱きつく謎の女の人。

⏰:09/03/13 22:24 📱:P906i 🆔:wTLUQSGQ


#648 [ちか]
謎の修羅場。

ん?修羅場なのか?


もうなんなのか解らない


俺の思考は停止したも同然だ。


だって、こんなの…
優里ぶりで‥‥―――

⏰:09/03/13 22:33 📱:P906i 🆔:wTLUQSGQ


#649 [ちか]
「く、苦し‥‥っ」

絞り出すような声を出し、ますます青ざめていく恭弥。

「私の愛の証です!」

そう言ってさらにぎゅうぎゅうと締め付ける女の人。

え、愛?
LOVEって意味の?
あ、俺英語強くなった?

って、そう言う話じゃないっ!!

俺は目の前に浮かぶ光景に困惑し、一人ツッコミまでしてしまう始末。

⏰:09/03/13 22:41 📱:P906i 🆔:wTLUQSGQ


#650 [ちか]
「そんな愛は要らない!!
て言うか、なんでお前がここに?!」

もはや恭弥の顔は青を通り越して、白くなっていた。

「クスッ、相変わらず恭くんは照れ屋さんですね。
でも、婚約者が婚約者に会いに来るのに理由なんて要らないでしょう?」


そして俺の頭も今さっき
真っ白になった。


 

⏰:09/03/13 22:47 📱:P906i 🆔:wTLUQSGQ


#651 [ちか]
「こ…んやく…しゃ…?」

耳に入ってきた言葉を
おうむ返しのように
口にする。


だけど意味は一向に理解出来なかった。

いや、きっと理解することを頭が、身体が拒否したんだろう。

だってそんなの…

⏰:09/03/14 16:53 📱:P906i 🆔:tb7s0gDM


#652 [ちか]
俺の間抜けな声に女の人は俺の存在を思い出して、恭弥から体を離した。


「あ、お恥ずかしいところをお見せして申し訳ありませんっ!!」

そう言って顔を赤くして、頭をペコリと下げる。


しかし何を言われても
今の俺の頭は回転せず、
ただ恭弥とその人を交互に見るだけだった。

⏰:09/03/14 16:58 📱:P906i 🆔:tb7s0gDM


#653 [ちか]
頭をあげると同時に栗色の長い髪がふわりと宙を描いた。



「私、九谷神楽(クタニ カグラ)と申します。」



九谷 神楽 ‥―――

その聞き覚えのある名前が何度も何度も頭の中でエコーした。

⏰:09/03/14 17:03 📱:P906i 🆔:tb7s0gDM


#654 [ちか]
神楽‥‥―――


もしかして、この人が優里の言ってた『神楽姉』って人‥‥?


だけど気をつけろ

って何を?
どう言う意味?

婚約者だから、バレないしろって意味…?

⏰:09/03/14 17:40 📱:P906i 🆔:tb7s0gDM


#655 [ちか]
考えれば考えるほど、
思考は悪い方へと進んでいくばかり。


ついには涙まで浮かんできた。
胸がズキズキと痛い。


なんで?ねぇ、恭弥‥

青ざめたのは、婚約者って言う関係がバレてしまうと思ったから‥?
そうなの‥――?

⏰:09/03/14 17:50 📱:P906i 🆔:tb7s0gDM


#656 [ちか]
黙りこむ俺に、暫くして
女の人は口を開いた。


「あ、私はもうお気づきかも知れませんが、私は恭くんの、」

聞きたくない…
聞きたくない…っ
改めて言われたら俺…ッ

「婚約‥‥―――、」

そこまで口にしたところで、今まで生気が抜けたように黙っていた恭弥が突然声を張りあげた。



「婚約者になった覚えは微塵も無い!」

⏰:09/03/14 18:01 📱:P906i 🆔:tb7s0gDM


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