漆黒の夜に君と。[BL]
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#742 [ちか]
先生がプリントに目を通してる間、俺はそれを頬杖をつきながら見つめた。
地毛だか染めてんだか知らないけど焦げ茶色の短髪に、切れ長な目。
筋の通った高い鼻に薄い口の、高橋先生はいわゆるイケメン。
こりゃ女子から人気にもなるわな。
モテるの自覚してるところが恭弥に似てるかも。
「‥‥先生ってさ、彼女とか居るんですか?」
先生を見てるうちに、いつの間にかそんなことを口にしていた。
:09/03/22 18:07 :P906i :DXTf0Jxg
#743 [ちか]
案の定先生も突然の質問に驚いて目を丸くしていた。
「まさか男の生徒からそんな質問されると思ってなかったわ。」
そりゃそうだろうな。
先生の苦笑いに俺も苦笑いで返す。
「まぁ…居るけど。」
少し先生の頬が赤らんで見えた。
:09/03/22 18:49 :P906i :DXTf0Jxg
#744 [ちか]
「どんな人?どんな人?」
急かすように食いつく俺に、先生は暫く黙りこんだあと、
「かなり美人…。」
と言って、照れ隠しなのか片手で顔を隠した。
相当その彼女に惚れてるんだろうな、なんて思わせるほどに真っ赤な顔が微笑ましくて、ついニヤついてしまった。
:09/03/22 19:13 :P906i :DXTf0Jxg
#745 [ちか]
「へえ〜!中身は??」
赤くなる先生を面白がってさらに質問を続ける俺
「んー、俺なんかより全然頭良くて大人で…、」
先生より頭の良い美人な大人かー。
へえー。ふーん。
「って!!そんなこと聞いてる暇あったら単語覚えろっつってんだろーが!!」
「い゙たっ!!んな分厚いのんで普通頭叩く?!?!」
「黙って覚えろっつの。」
…やっぱこの人鬼だ。
:09/03/22 21:18 :P906i :DXTf0Jxg
#746 [ちか]
覚えろって言っても…
じんじんと痛む頭を擦りながらふいに窓の外へ目をやった。
梅雨時には珍しい快晴。
校門の方に目をやった時、ふと神楽さんのことを思い出した。
神楽さん、あの後大丈夫だったかな…?
:09/03/22 21:50 :P906i :DXTf0Jxg
#747 [ちか]
そこから、頭に浮かんでくるのは神楽さんと恭弥のことばかり。
昔からって言ってたけどいつからの仲なんだろ?
神楽さんは恭弥のどこを好きになったんだろ?
恭弥のこといつから好きだったんだろ…?
恭弥はなんであんな綺麗な人好きにならなかっ‥‥‥あ、破壊力のせいかな?
て言うか、
:09/03/22 21:55 :P906i :DXTf0Jxg
#748 [ちか]
:09/03/22 21:57 :P906i :DXTf0Jxg
#749 [ちか]
そう言えば、俺なんかのどこが良かったんだろう?
俺、バカだしガキだし、
顔だって童顔でカッコいいとは言えないし…
俺なんかよりカッコいい人も可愛い人もアイツの周りならいっぱい居るだろうし…家柄だって、俺、全然恭弥に相応しくないし…
あの夜、もし出逢ってなかったら恭弥は好きになってなかったのかな?
:09/03/22 22:20 :P906i :DXTf0Jxg
#750 [ちか]
そう考えた瞬間、胸の奥が苦しくなって無償に切なくなった。
今じゃこれが何故だかちゃんと解る。
だからこそ苦しいんだ。
いつか俺以外の人を見つけて、俺の手の届かないどこかに行ってしまいそうで。
「せんせー。」
「ん?」
呟きのように小さな声に、短い返事が返ってくる
その目は紙の束を見つめたまま。
:09/03/22 23:10 :P906i :DXTf0Jxg
#751 [ちか]
「もしもの話だけどさ…」
「なんだ?」
雑な返事。
「ほんとにもしもだよ?」
そう。これはあくまで“もしも”の話。
「だからなんだよ。」
なかなか本題に入ろうとしない俺に先生の返事も乱暴になる。
:09/03/22 23:18 :P906i :DXTf0Jxg
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