漆黒の夜に君と。[BL]
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#865 [ちか]
「そう言うことね。」

向こう側から小さく恭弥の声が聞こえた。

“そう言うこと”‥?

何が分かったんだ?


咄嗟に顔をあげると、恭弥は笑っていた。

いや、目は完全に獲物見つけた肉食動物の目だけど。

⏰:09/04/02 15:49 📱:P906i 🆔:Mc5Yvxbs


#866 [ちか]
一歩、また一歩と恭弥がこっちに歩いてくる。

「来るなッッ!!!!!それ以上近づいたら2人とも…ッ「いい加減にしてくれませんか?‥‥倉田さん。」

面倒くさそうな口振りで恭弥がそう言うと一瞬、スーツの人達の動きが止まった。

それを見て恭弥はクスリと笑うと神楽さんに視線を落とした。

⏰:09/04/02 16:52 📱:P906i 🆔:Mc5Yvxbs


#867 [ちか]
「全部神楽の仕業ってわけ?なんのつもりなの?こんな事して。」

そう言って恭弥は神楽さんをきつく睨み付ける。

恭弥気づいたのか…?!
でもなんで‥‥‥、

「なッなにを仰っているんですか!!私は捕まって…ッ」

「ソレ。」

神楽さんの動揺で震える声を遮って恭弥が指差したのは俺達を縛っている鎖だった。

⏰:09/04/02 16:59 📱:P906i 🆔:Mc5Yvxbs


#868 [匿名]
>>300-500
>>500-800

⏰:09/04/02 17:39 📱:SH905i 🆔:y.H7GPLA


#869 [ちか]
>>868
└→匿名さま*
アンカーありがとうございます★今から更新するので、続きも楽しんで頂けたら嬉しいです♪´ω`*

⏰:09/04/02 18:10 📱:P906i 🆔:Mc5Yvxbs


#870 [ちか]
>>867
「それくらいの鎖、本気出せば壊すことなんて簡単だよね?
それにこのビルの造りに似合わない畳の部屋。神楽の趣味でしょ?
それから気づくまで時間がかかちゃったけど真ん中の人は神楽の執事(世話係り)‥‥、どう考えても君の仕業だよね?」

すらすらと言ってのける恭弥に神楽さん苦笑いを浮かべた。

「…さすが恭くんですね。降参です。」

神楽さんがそう呟くと同時に構えられていた銃がゆっくりと降ろされる。

⏰:09/04/02 18:28 📱:P906i 🆔:Mc5Yvxbs


#871 [ちか]
「なんでこんな事したの。君が犯人じゃなかったらこのビルごと燃やしてやろうと思ったのに。」

いや、それはまずいんじゃ…?!

と、思わず言いたくなったけど必死にその言葉を飲み込んだ。
そんな俺の心とは反対に神楽さんはしゅんとした表情(カオ)で恭弥を見た。

「すいません‥‥。」

か細い声がぽつりと零れる。

⏰:09/04/02 18:48 📱:P906i 🆔:Mc5Yvxbs


#872 [ちか]
その声を聞いて恭弥はあからさまにため息をつくと、この上ないくらいに鬱陶しそうな表情を浮かべながら話した。

「全くいい迷惑だよ。
なに、遊びのつもり?
それとも僕のこと馬鹿にしてるの?
いい加減にしないと、幼馴染みでも許さないよ。」

恭弥のきつい目付きに俺も少し恐怖感を抱いた。

⏰:09/04/02 19:07 📱:P906i 🆔:Mc5Yvxbs


#873 [ちか]
「……ッ悔しかったんです‥!!」

隣で鉄のがバキバキと音をたてて壊れる音がして、それと同時に震えた声が耳を通り抜けた。

咄嗟に右を向くと、小刻みに肩を震わせている神楽さんが見えた。

まさか、暴れる気?!!?!

俺は無意識に身体を守るような体勢をとっていた。


……が、飛んでくる物は無い。

⏰:09/04/02 19:23 📱:P906i 🆔:Mc5Yvxbs


#874 [ちか]
瞑った目をゆっくり開けると、目に入ったのは大粒の涙を溢(コボ)す神楽さんの姿だった。

恭弥も驚いたように目を丸くしている。

「私はずっと恭くんが好きでした…ッ、子供の頃からずっと…!!!なのにこんな最近ひょっこり現れたような男の子を恭くんは大切だと言って……っ!!!
私や、他の人にも見せた事のない表情(カオ)で微笑んで……っ
悔しかったんです…ッ
恭くんが遠くに行ってしまったような気がして…っ」

そう言ってぽろぽろと涙を流す神楽さんの姿から、恭弥をどれだけ好きだったか伝わってきた。

⏰:09/04/02 19:34 📱:P906i 🆔:Mc5Yvxbs


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