漆黒の夜に君と。[BL]
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#219 [ちか]
「なに?」

「あの…さ、昨日からずっっっと気になってたんだけど‥‥」

「だからなに?」

「えっと‥、あの、昨日…」

「昨日?」

「その‥――、昨日なんで無視したんだよ。」


まだ気にしてんのか、そう思われそうで、呆れられてしまいそうで、言葉にするのに少し時間がかかった

⏰:09/02/09 22:22 📱:P906i 🆔:ssqUFrOo


#220 [ちか]
「悪いけど、その件に関してはほんとに心当たりがないんだよ。」


恭弥はそう言ったあとに少し間をあけて「ごめんね。」と付け足した。


その面持ちからそれが嘘じゃない事が解ると、俺の頭は余計に混乱してしまった。

確かにあの時‥‥―――

「っでも‥あの時‥――、ちゃんと目合ったよ…」

⏰:09/02/09 22:34 📱:P906i 🆔:ssqUFrOo


#221 [ちか]
シーツを握りしめて、まるで独り言のように呟いた。


苦しかったんだ。


俺が感じた“無視”は、
コイツにとっての“無視”じゃなくて、


俺の瞳にはコイツがうつってたのに、コイツの目には俺がうつってなかった、と言うことが。

⏰:09/02/09 23:58 📱:P906i 🆔:ssqUFrOo


#222 [ちか]
また続く沈黙に俺は俯いた顔をあげる事が出来ない。

いや、今目の前のヤツがどんな顔をしてるのかと思うと、怖くてあげる事なんて出来なかった。


“うざい”って思われてるかもしれない。

“しつこい”って思われてるかもしれない。


さっきまで俺に向けられていた笑顔が、残酷な顔に変わっているかもしれない。


そう思うだけで身体が押し潰されそうで、この話題を出してしまった事を後悔した。

⏰:09/02/10 00:11 📱:P906i 🆔:SdvBzJis


#223 [ちか]
「‥‥‥‥‥あ、」


そう短く声を漏らしたのはのは恭弥の方だった。


「そう言えば、それって体育と昼休みだっけ?」

「うん・・」


俺の弱々しい返事とは反対に、恭弥はそれ聞いて急に笑いだした。

⏰:09/02/10 18:45 📱:P906i 🆔:SdvBzJis


#224 [ちか]
「なっ、なんで笑うんだよっ!!!//俺は真面目に…」


「いや、確かに“無視”してたのかもって思って。」


そう言ってまた恭弥はクスクスと笑う。


ワケわかんねえ‥

結局無視したのか、してないのかどっちなんだよ!

⏰:09/02/10 18:50 📱:P906i 🆔:SdvBzJis


#225 [ちか]
俺は笑い続ける恭弥をキッと睨みつける。

暫くして笑いがおさまった恭弥は口を開いた。

「僕、目すっごい悪いんだよね。」


‥‥‥は?


「普段コンタクトなんだけど、昨日はちょうど体育の時間にとれちゃってね。
眼鏡も忘れちゃったから、放課後運転手に持ってきてもらったんだよ。」


‥‥‥‥‥‥はあ?!

⏰:09/02/10 19:00 📱:P906i 🆔:SdvBzJis


#226 [ちか]
それじゃあ‥‥


「まぁつまり、見えてなかったってワケだ。」


俺の…


「そう言えば昼に話しかけられた気したんだよね。誰かわかんなかったから、スルーしちゃったけど。」


俺の心配って‥‥


一体なんだったんだああ!!!!

⏰:09/02/10 19:35 📱:P906i 🆔:SdvBzJis


#227 [ちか]
一気に怒りが込み上げてきたけど、あまりの馬鹿らしさにソレもすぐ冷めてしまった。


「馬鹿みたい‥‥」

俺はそう言ってため息を吐いた。


「でも僕は嬉しいな。可愛い冥が見れたしね。」


そんな言葉に俺はさらにもう一つため息を吐いた。

⏰:09/02/10 19:47 📱:P906i 🆔:SdvBzJis


#228 [ちか]
「冥怒ってる?」

そう言って俺の顔を覗きこんだ恭弥は満面の笑みだった。


コイツ、まじで喜んでるんだな‥


「怒ってない。」


呆れた口調で返す俺。

⏰:09/02/10 19:58 📱:P906i 🆔:SdvBzJis


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