漆黒の夜に君と。[BL]
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#281 [ちか]
「…冥が言わないなら、僕の好きなようにするよ。」
少しムッとした顔でそう呟くと、俺の両手首を押さえ込んだ。
それと同時にシャツ越しから俺の突起に吸い付いた。
「んぁっ!!///ハァッ…!!//」
喘げば喘ぐほど恭弥の愛撫は激しくなっていく。
:09/02/16 23:24 :P906i :kedn8OFA
#282 [ちか]
「やめっ…ろ!!ハァッんン//」
「やだ。」
『やだ』って……。
てめえはガキかっ!!!!
怒りとその激しさにおかしくなりそうだ。
必死に捕まれている手を動かそうとするが、恭弥はびくともしない。
:09/02/16 23:53 :P906i :kedn8OFA
#283 [ちか]
その強引さに俺は、怒りとそれ以上の苦しさを覚えた。
なんで…
なんで…――っ!!!
「こ…う言う事はっ…ハァッ、彼女としろよ…っ!!!!!」
気づけば俺は力を振り絞ってそう叫んでいた。
:09/02/17 00:06 :P906i :1RMuTNrs
#284 [ちか]
そう言い放った瞬間、恭弥はピクッと眉間にシワを寄せ、
「意味わかんない。」
そう言って俺を睨んだ
「っな…〜!!!!」
それはこっちのセリフだ!!!!!!
俺はそう言って恭弥を突き飛ばし保健室を飛び出した。
:09/02/17 18:21 :P906i :1RMuTNrs
#285 [ちか]
どれくらい走っただろうか。
校舎裏に着いた俺は壁伝いにずるずると崩れるように座った。
思い出すのは、さっきの恭弥の顔…
「なんであんな顔されなきゃいけないんだよ…っ!!!」
俺はそう言って両手で顔を覆った。
:09/02/17 19:25 :P906i :1RMuTNrs
#286 [ちか]
胸が締め付けられる。
どうしようもなく切ない
俺はアイツにとってなんなんだ…――?
彼女が居るクセになんで俺にあんな事ばっかり…
考えれば考えるほど胸の締め付けは強くなっていった。
:09/02/17 19:31 :P906i :1RMuTNrs
#287 [ちか]
その頃、恭弥は1人取り残された保健室でベッドに腰かけていた。
「『彼女』ってなんの事なんだ…。」
不機嫌そうに眉を寄せてはそう呟いて俯いていた。
:09/02/17 19:38 :P906i :1RMuTNrs
#288 [ちか]
暫くしてガラガラと扉が開く音がし、恭弥はその音の先を目で辿った。
「君は……――、」
「どーも。」
言葉を遮って軽く頭を下げたのは透だった。
その手には冥の物と思われるカバンが握られている
:09/02/17 19:45 :P906i :1RMuTNrs
#289 [ちか]
「…あの、冥は?」
どうやら部活に出る前に冥にカバンを届けに来たらしい。
「だいぶ前に出ていったよ。」
他人から聞く『冥』と言う響きに、さっきの『彼女』と言う言葉を思い出して恭弥はまた眉間にシワを寄せた。
:09/02/17 19:53 :P906i :1RMuTNrs
#290 [ちか]
その表情に透も何かを察したのか目つきを変えた
2人の間に続く淀んだ沈黙。
「―――……もしかして冥に何かしました?」
冷たい声が室内に響いた
:09/02/17 20:02 :P906i :1RMuTNrs
#291 [ちか]
「………別に。」
「なんですか、その『間』は。」
「僕はしたつもりない。」
「…じゃあ、心当たりはあるんですね。」
「‥‥‥‥‥。」
(分かりやすい奴…。)
睨みあっていた目を逸らして黙りこむ恭弥に透は呆れた顔をして心の中でそう呟いた。
:09/02/17 20:12 :P906i :1RMuTNrs
#292 [ちか]
「別に先輩にどうこう言うつもりはありませんけど、冥の事傷つけたら…」
「傷つけたら?」
「ぶっ殺しますよ。」
目だけが笑っていないその冷たい笑顔を向けて、透はまた扉に手をかけた。
:09/02/17 20:18 :P906i :1RMuTNrs
#293 [ちか]
「君、冥のなんなの?」
透の後ろ姿をキッと睨んで言った。
「……幼なじみですよ。」
そう言い残して透は保健室を去っていった。
:09/02/17 20:27 :P906i :1RMuTNrs
#294 [ちか]
張り詰めた空気の残りが保健室に漂う中、一度大きくため息を吐いて恭弥もその場を後にした。
─────────
────‥‥
─────────‥‥
気がつけばグラウンドから学生達の声が沢山聞こえてきて、今が放課後だと言う事を知った。
教室に置きっぱなしのカバンを思い出して、俺はそこから立ち上がり、教室へと重い足を運んだ。
:09/02/17 20:38 :P906i :1RMuTNrs
#295 [ちか]
今何時だろ‥‥‥。
アイツもしかしてまた校門で待ってたりして!!!
そんな事がふと頭を過り、少し足を速めた。
が、
なんであんな奴に気遣ってんだ、俺!
と1人ツッコミをしてまた速度を落とした。
:09/02/17 20:46 :P906i :1RMuTNrs
#296 [ちか]
放課後の廊下は静まりかえっていて、足音がよく響いた。
教室に入ると、ガランとした薄暗い中を夕日の光が差し込んでいてなんとも不思議な雰囲気。
カバンを取ろうと自分の席に目線をやると1人の男が窓に持たれながらこっちを見ていた。
:09/02/17 20:54 :P906i :1RMuTNrs
#297 [ちか]
逆光でその顔が良く見えず、俺は目を細目ながら近づいていく。
「遅い。」
漸く(ヨウヤク)顔がはっきりと見えたところで、昨日と同じセリフが教室に響いた。
:09/02/17 20:56 :P906i :1RMuTNrs
#298 [ちか]
「なんで…居るの…。」
目の前に立っていたのは恭弥だった。
「冥は僕の事勝手だって言うけど、冥も相当勝手だと思うよ?」
俺の質疑なんかまるっきり無視で恭弥は俺に言った。
その目があたりに真っ直ぐすぎて俺は目を逸らす事が出来なかった。
:09/02/17 21:09 :P906i :1RMuTNrs
#299 [ちか]
>>298訂正
その目があたりに真っ直ぐすぎて
└→×
その目があまりに真っ直ぐすぎて
└→○
すいません
:09/02/17 21:12 :P906i :1RMuTNrs
#300 [ちか]
「……俺のどこが勝手だって言うんだよ。」
俺はその真っ直ぐな目に負けないように強く睨んだ。
「さっきみたいに言い逃げするところとか。」
「あれは‥‥っ!!!」
あれは?と聞き返されてもその後の言葉がまとまらず、俺は口をパクパクした。
:09/02/17 21:23 :P906i :1RMuTNrs
#301 [ちか]
「言っておくけど、僕に『彼女』なんか居ないから。」
教室にそんな声が響いた
「え‥‥」
思ってもみなかった恭弥の言葉に俺は短く声を漏らした。
:09/02/17 21:31 :P906i :1RMuTNrs
#302 [ちか]
「で、でも、副会長と付き合ってるって‥‥!!」
「副会長?僕が佳山さんと?
それ誰から聞いたの。」
「誰って言うか…噂で‥」
グイグイと近づいてくる恭弥に俺は目を逸らしながらぎこちなく答えた。
恭弥はそんな俺に大きくため息をついた。
:09/02/17 21:36 :P906i :1RMuTNrs
#303 [ちか]
「そう言う勝手になんでも決めつけるところも勝手だよ…。」
俺の気のせいだろうか。
一瞬恭弥がすごく悲しそうな顔をしたような気がした。
また胸がズキンと痛んだ。
ガタンッ‥‥
:09/02/17 21:48 :P906i :1RMuTNrs
#304 [ちか]
グイグイと迫ってくる恭弥に後退りしていると、足が机に引っ掛かってしまった。
バランスを失った俺は思わず目の前に居る恭弥の服を必死に掴んだが、そんな抵抗も虚しく、
「うわ‥‥っ!!」
と、声をあげてその場に倒れ込んだ。
:09/02/17 22:09 :P906i :1RMuTNrs
#305 [ちか]
「ったぁ…〜。っ!!!///」
目を開けると超至近距離に恭弥の顔があった。
俺の上に恭弥が重なって倒れこんでいたのだ。
あまりにびっくりした俺は体に力が入らず、ただ赤面するだけだった。
心臓がドキドキと脈を打つ
この距離ならその音も聞こえてしまってるかもしれない。
そう思うと余計に鼓動は速くなった。
:09/02/17 23:30 :P906i :1RMuTNrs
#306 [ちか]
「ど、どいてっ!!!///」
「‥‥‥‥。」
恭弥はどくばかりか、さらに顔を近づけてきた。
「僕は君が思ってるよりずっと君にハマってるんだからね。」
真っ直ぐにその声は俺の耳へ届いた。
:09/02/17 23:39 :P906i :1RMuTNrs
#307 [ちか]
どう言う意味…?
ハマってる…──?
言葉意味を理解しきれてない俺の顔を見て、しびれを切らした恭弥は続けた。
「…〜だからっ!!!
君が思ってるよりずっと僕は君が好きなんだよっ!!!」
静かな教室によく響いて、何度も何度も俺の頭の中でエコーした。
:09/02/17 23:49 :P906i :1RMuTNrs
#308 [ちか]
>>307訂正
言葉意味を
└→×
言葉の意味を
└→○
すいません
:09/02/17 23:50 :P906i :1RMuTNrs
#309 [ちか]
コイツが俺を好き?
本当に…──?
「だから、変な噂信じるとか、避けるとか…――。
そう言うのされるとむかつくって言うか悲しいって言うか‥‥、」
早口で独り言のようにそう呟く恭弥の顔は真っ赤だった。
きっと俺よりも。
:09/02/17 23:56 :P906i :1RMuTNrs
#310 [姫ちゃん]
あげぇイ
:09/02/18 11:39 :W52S :TpsnVTfA
#311 [ちか]
>>310└→姫ちゃんさま*
あげてくれてありがとうございます★
:09/02/18 18:53 :P906i :zV8Xvg6c
#312 [ちか]
『好き』
その言葉を聞いた瞬間、
さっきまで苦しかった胸が暖かくなった。
さっきまでの切なさも
悲しみも、
不思議なくらい
消え去っていく‥──
:09/02/18 18:53 :P906i :zV8Xvg6c
#313 [まな]
あげですっ★
:09/02/18 19:06 :PC :5zupChv6
#314 [ちか]
>>313└→まなさま*
あげてくれてありがとうございます♪
今から更新しますねっ★
:09/02/18 21:29 :P906i :zV8Xvg6c
#315 [ちか]
横目でチラリと俺を見た恭弥は急に驚いた顔をした。
「なんで泣いてんの…?!」
「え‥‥?」
気がつけば、恭弥の顔がぼんやりと滲んで見えた
:09/02/18 21:31 :P906i :zV8Xvg6c
#316 [ちか]
なんで俺、
泣いてるんだろう‥‥?
胸が苦しいワケじゃない
悲しいワケでもない‥
恭弥は俺を起こして優しく涙を拭った。
「僕は‥‥、別に冥を泣かしたくて言ってるワケじゃないよ‥‥。」
:09/02/18 21:49 :P906i :zV8Xvg6c
#317 [ちか]
そう言って恭弥はすごく悲しい顔をした。
違う…
俺だってそんな顔をさせたいワケじゃないよ‥‥
「そんな思いさせるくらいならさっきの忘れてくれていいから。」
そう言って作り笑顔を浮かべる恭弥がとても痛々しかった。
「違うんだ‥‥っ」
:09/02/18 22:14 :P906i :zV8Xvg6c
#318 [ちか]
無意識に俺は恭弥の服の裾を掴みそう言っていた
「冥‥‥?」
「違うんだ…
俺、わかんないけど‥‥、悲しくて泣いてるワケじゃなくて‥‥っ、その…」
まとまらない言葉を必死で並べた。
どうしても伝えたかったんだ。
コイツにこんな顔させたくなくて。
:09/02/18 22:23 :P906i :zV8Xvg6c
#319 [ちか]
「なんか‥‥俺、あんたが付き合ってるって噂聞いただけで苦しくなって、ずっと頭から離れなくて‥‥――
でも“好き”って言われた時、そう言うの全部無くなって‥‥、なんて言うか嬉しかった…。」
言葉に詰まりながらも、俺は必死にそう伝えた。
伝わった‥‥?
ちゃんと伝わってる‥?
なかなか返事が返って来ないのが不安で俺はさらに裾を強く握った。
:09/02/18 22:49 :P906i :zV8Xvg6c
#320 [ちか]
「‥‥言ってる事遠回しすぎ。」
恐る恐る俯いていた顔をあげると、頭をクシャクシャと撫でられた。
「だ、だって‥‥―――」
頭を撫でる大きな手をどけようと俺はその手を掴んだ。
「僕狡いからそう言う言い方されると、良い意味でとっちゃうよ?」
掴んだ手を握りかえされて俺の体は少し熱くなった。
:09/02/18 23:13 :P906i :zV8Xvg6c
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