漆黒の夜に君と。[BL]
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#544 [ちか]
「ま、立ち話もなんだし、入れよ!」
「あ…っ」
カランコロンと小さく鈴の音が鳴って、崎田さんに背中を押された俺は店内に入った。
「いらっしゃ…――冥!!」
入って早々、目に飛び込んだのは店長の顔だった
:09/03/10 20:21 :P906i :iBV6D6kI
#545 [ちか]
「お、お久しぶりです…」
目もまともに見れない‥
だけど店長の声は優しかった。
「元気だったか?」
俯いていた顔をあげると、優しい笑顔。
「はい‥、あの…急に辞めちゃって、なんのお礼も言えなくて…すいませんでした!!!」
俺は深く頭を下げた
:09/03/10 20:33 :P906i :iBV6D6kI
#546 [ちか]
「頭あげろよ、お前らしくない。」
頭上で、あははっと笑い声をあげる店長。
「お前が急に居なくなったのにはほんとに驚いたけど、後から黒羽さんに話聞いたから。」
恭弥?
いつの間に…
:09/03/10 20:41 :P906i :iBV6D6kI
#547 [ちか]
「気にしすぎだっつーの!
頭あげろって。」
崎田さんはそう言って俺の頭を軽く叩いた。
俺ってつくづく幸せだよな…
こうやって温かく迎えてくれる人が居て…
:09/03/10 20:46 :P906i :iBV6D6kI
#548 [ちか]
それから店長達とたくさん話をした。
最近あったくだらない話や、常連さんの面白話…
店が込みだせば、手伝ったりもして、あっと言う間に時間は過ぎていった
夜が深くなり、街はさらに活気を増していく。
柄の悪い連中も増える時間。
「なんか店の外が騒がしいな。」
店長がドアの方を見ながら呟いた。
:09/03/10 21:11 :P906i :iBV6D6kI
#549 [ちか]
「喧嘩は勝手にしてりゃあ良いけど、ウチの前でされちゃあ困るんだよなー。」
店長は眉間にシワを寄せながら腕を組んだ。
途切れ途切れに聞こえてくる喧嘩の声。
「…〜っ!!!はなせってば…!!!」
この声、聞いた事ある…
:09/03/10 21:20 :P906i :iBV6D6kI
#550 [ちか]
これは…
「〜…触んな、馬鹿野郎!!!」
この声は…
「おい、冥!!?」
気づけば俺は店の外に飛び出していた。
「優里?!?!」
:09/03/10 21:28 :P906i :iBV6D6kI
#551 [ちか]
目の前に飛び込んで居たのは、柄の悪そうな二人と掴み合いになっている優里の姿だった。
「どこ見て歩いてんだよ、ガキが!!!!」
「おっさんこそ目見えてないんじゃねーの?!?!
あんたが悪いんだろーが!!」
「誰がおっさんだコラァ!!」
そう言って優里に拳が振り上げられた。
バキ‥‥――ッ
:09/03/10 21:40 :P906i :iBV6D6kI
#552 [ちか]
鈍く生々しい音が辺りに響いた。
「い゙ってーっ!!!!!」
俺、頭がどうかしちゃったんだろうか。
優里をかばって、自分が殴られるなんて。
「お前…っ、なんで!??!」
「そりゃこっちのセリフだっつーの…」
左の頬がジンジンと痛んだ。
:09/03/10 21:44 :P906i :iBV6D6kI
#553 [ちか]
「なんだてめえっ!!!‥‥‥‥あ、お前この前のっ!!!」
大声を張り上げる男を見上げると、そいつは偶然にもあの夜に恭弥にやられた二人組だった。
「てめえ、あの時はよくも…っ!!!!!」
ガタイのでかい男がもう一度拳振り上げる。
「やめろ。」
「あ゙?!なんでだよ!!!」
「‥‥‥‥俺にもっといい考えがある。」
:09/03/10 21:54 :P906i :iBV6D6kI
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