漆黒の夜に君と｡[BL]

｢気にしすぎだっつーの！
頭あげろって。｣

崎田さんはそう言って俺の頭を軽く叩いた。

俺ってつくづく幸せだよな…
こうやって温かく迎えてくれる人が居て…

それから店長達とたくさん話をした。

最近あったくだらない話や、常連さんの面白話…

店が込みだせば、手伝ったりもして、あっと言う間に時間は過ぎていった

夜が深くなり、街はさらに活気を増していく。

柄の悪い連中も増える時間。

｢なんか店の外が騒がしいな。｣

店長がドアの方を見ながら呟いた。

｢喧嘩は勝手にしてりゃあ良いけど、ウチの前でされちゃあ困るんだよなー｡｣

店長は眉間にｼﾜを寄せながら腕を組んだ。

途切れ途切れに聞こえてくる喧嘩の声。

｢…～っ!!!はなせってば…!!!｣

この声、聞いた事ある…

これは…

｢～…触んな､馬鹿野郎!!!｣

この声は…

｢おい、冥!!?｣

気づけば俺は店の外に飛び出していた。

｢優里？！？！｣

目の前に飛び込んで居たのは、柄の悪そうな二人と掴み合いになっている優里の姿だった。

｢どこ見て歩いてんだよ、ガキが!!!!｣

｢おっさんこそ目見えてないんじゃねーの?!?!
あんたが悪いんだろーが!!｣

｢誰がおっさんだコラｧ!!｣

そう言って優里に拳が振り上げられた。

バキ‥‥――ッ

鈍く生々しい音が辺りに響いた。

｢いﾞってーっ!!!!!｣

俺、頭がどうかしちゃったんだろうか。
優里をかばって、自分が殴られるなんて。

｢お前…っ、なんで!??!｣

｢そりゃこっちのセリフだっつーの…｣

左の頬がジンジンと痛んだ。

｢なんだてめえっ!!!‥‥‥‥あ、お前この前のっ!!!｣

大声を張り上げる男を見上げると、そいつは偶然にもあの夜に恭弥にやられた二人組だった。

｢てめえ、あの時はよくも…っ!!!!!｣

ガタイのでかい男がもう一度拳振り上げる。

｢やめろ。｣

｢あﾞ?!なんでだよ!!!｣

｢‥‥‥‥俺にもっといい考えがある。｣

>>551訂正
目の前に飛び込んで居たのは→×
目の前に飛び込んで来たのは→○
すいません´;;`

>>553訂正
拳振り上げる→×
拳を振り上げる→○
本当にごめんなさい;

>>553
― 恭弥side.―

思ったより商談が長引いてしまった。

ふと時計に目をやると、短い針が３を指す手前まで来ていた。

早く迎えに行かなきゃ。

そんな事を考えながら車を走らせて、冥の待つ店に向かった。