漆黒の夜に君と。[BL]
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#745 [ちか]
「へえ〜!中身は??」
赤くなる先生を面白がってさらに質問を続ける俺
「んー、俺なんかより全然頭良くて大人で…、」
先生より頭の良い美人な大人かー。
へえー。ふーん。
「って!!そんなこと聞いてる暇あったら単語覚えろっつってんだろーが!!」
「い゙たっ!!んな分厚いのんで普通頭叩く?!?!」
「黙って覚えろっつの。」
…やっぱこの人鬼だ。
:09/03/22 21:18 :P906i :DXTf0Jxg
#746 [ちか]
覚えろって言っても…
じんじんと痛む頭を擦りながらふいに窓の外へ目をやった。
梅雨時には珍しい快晴。
校門の方に目をやった時、ふと神楽さんのことを思い出した。
神楽さん、あの後大丈夫だったかな…?
:09/03/22 21:50 :P906i :DXTf0Jxg
#747 [ちか]
そこから、頭に浮かんでくるのは神楽さんと恭弥のことばかり。
昔からって言ってたけどいつからの仲なんだろ?
神楽さんは恭弥のどこを好きになったんだろ?
恭弥のこといつから好きだったんだろ…?
恭弥はなんであんな綺麗な人好きにならなかっ‥‥‥あ、破壊力のせいかな?
て言うか、
:09/03/22 21:55 :P906i :DXTf0Jxg
#748 [ちか]
:09/03/22 21:57 :P906i :DXTf0Jxg
#749 [ちか]
そう言えば、俺なんかのどこが良かったんだろう?
俺、バカだしガキだし、
顔だって童顔でカッコいいとは言えないし…
俺なんかよりカッコいい人も可愛い人もアイツの周りならいっぱい居るだろうし…家柄だって、俺、全然恭弥に相応しくないし…
あの夜、もし出逢ってなかったら恭弥は好きになってなかったのかな?
:09/03/22 22:20 :P906i :DXTf0Jxg
#750 [ちか]
そう考えた瞬間、胸の奥が苦しくなって無償に切なくなった。
今じゃこれが何故だかちゃんと解る。
だからこそ苦しいんだ。
いつか俺以外の人を見つけて、俺の手の届かないどこかに行ってしまいそうで。
「せんせー。」
「ん?」
呟きのように小さな声に、短い返事が返ってくる
その目は紙の束を見つめたまま。
:09/03/22 23:10 :P906i :DXTf0Jxg
#751 [ちか]
「もしもの話だけどさ…」
「なんだ?」
雑な返事。
「ほんとにもしもだよ?」
そう。これはあくまで“もしも”の話。
「だからなんだよ。」
なかなか本題に入ろうとしない俺に先生の返事も乱暴になる。
:09/03/22 23:18 :P906i :DXTf0Jxg
#752 [ちか]
「もし…先生の前に、どう考えても先生より彼女に相応しい男が現れたとしたら…」
「なんだソレ。ヤな話だな。」
先生はふっと小さく笑ってそう言った。
「まぁまぁ。それで、その男が先生の彼女を好きだって言い出したら…どうする?」
そう、これは今の俺の現状に似せた例え。
先生ならどうするかなって。
:09/03/22 23:27 :P906i :DXTf0Jxg
#753 [ちか]
俺が質問を投げ掛けたところで先生はやっとプリントから目を離し、俺の方へその目を移した。
「どうするって‥別にどうもしないだろ。」
「え?」
どんな答えが返ってくるだろうと半ば緊張していた俺に返された答えは、予想以上にあっさりしたモノだった。
その単純な答えに俺は思わず間の抜けた声をもらす。
:09/03/23 12:43 :P906i :O6X.h/Hk
#754 [ちか]
「‥なんで?落ち込んだり、焦ったり‥しないんですか?」
「そんなことしても疲れるだけだろ。」
その口振りに余裕さが窺える。
その余裕さゆえに俺の頭はさらに疑問で埋まってゆき、小首を傾げた。
そんな俺を見て先生はさらに言葉を続けた。
:09/03/23 12:49 :P906i :O6X.h/Hk
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