漆黒の夜に君と。[BL]
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#848 [ちか]
そんな2人の姿を不思議そうに見つめていると、やがて神楽さんの視線が俺へと戻った
企んだ笑顔が俺の方静かに歩み寄ってくる。
「大人しくしていてくださいね。」
「は?!えっ、ちょっと…ッ!!」
神楽さんがそう言うとスーツ姿の人が俺をがっちりと掴んだ。
「それから‥これから先、一言でも喋ったら冥さんの負けですから、ね?」
口元に細い人差し指を当てる神楽さん。
…俺、どーなんの?!!?!
:09/03/31 23:34 :P906i :otdL5Ofc
#849 [ちか]
―恭弥side.―
何処からこいつらは沸いて出てくるの?
と、言いたくなるほどの数。
僕の下で気を失っている大柄の男で何人目だっけ
とにかく鬱陶しい。
早く終わらせて僕は帰りたいんだよ。
「犯人見つけたらただじゃおかないから。」
そんな独り言を呟いてまたエレベーターに乗った。
:09/04/01 13:20 :P906i :5FE0IVk.
#850 [ちか]
エレベーターの中から外を見ると、自分が今けっこうな高さに居ることが分かった。
そろそろ最上階に着いてもいい頃なのに。
そんなことを思っていると、小さくベルの音が鳴って扉が開いた。
その度に訳の分からない奴が飛びかかってくるもんだから、自然と身体が構えてしまう。
が、扉が完全に開いてもかかってくる奴は居なかった。
:09/04/01 13:50 :P906i :5FE0IVk.
#851 [ちか]
警戒しながらエレベーターを降りてみる。
「‥‥‥‥?」
飛びかかってくる奴どころか、見渡す限り物もドアも何一つ無い。
今までに無い不思議な空間。
ゆっくりと進んでいくと、やがてこのビルの造りには似つかわしくない白い襖が見えてきた。
:09/04/01 16:52 :P906i :5FE0IVk.
#852 [ちか]
不審に思いながらもその白い襖を開けてみる。
すると、目に飛び込んできたのは
「冥‥ッ、と神楽…?!」
手足を鎖で縛られた2人の姿だった。
2人の周りには体格が良く黒いスーツにサングラスと言う、いかにも首謀者であるような風貌の4人の男が立っている。
それにしても、
「どうして此処に神楽が?」
状況が飲み込めず、僕はそう呟いて男達と神楽を交互に見た。
:09/04/01 21:37 :P906i :5FE0IVk.
#853 [ちか]
「恭くん…ッ!!助けてください!!!うちにも脅迫文が届いたんです!!それで、駆けつけたら捕まってしまって…っ!!!」
涙目で神楽がそう叫ぶと、傍に居た男が神楽の口を手で覆った。
「喋るな!!!!」
もう一人の男が神楽を睨む。
あれ‥この声どこかで‥――
:09/04/01 22:37 :P906i :5FE0IVk.
#854 [ちか]
「この女が本当に1人で此処まで来たから人質が2人も出来ちまった。アンタが来るまでの暇潰しにしようと思っただけだったのによ。」
そう言って、ため息をつくスーツの男。
やっぱりこの声、喋り方、聞き覚えがある。
仕事関係の奴か?
‥‥‥いや、違う。
僕に恨みのある奴はいくらでも思い付くけど、その中にこんな奴は居ない。
僕はその男を睨み付けるようにまじまじと見つめた。
:09/04/01 23:35 :P906i :5FE0IVk.
#855 [ちか]
男はさらに話し続ける。
「そうだ、どっちか1人は返してやるよ。
けど、もう片方は俺達の好きにさせてもらう。
俺達はなぁ、アンタに恨みがあんだよ。
どっちもお前の大事な奴なんだろ?
目の前で殺ってやる。
せっかくだしアンタにどっちか選ばせてやるよ。」
そう言い終わると、男はゲラゲラと笑った。
他の3人は胸元から銃を取り出すと、2つを冥と神楽それぞれの頭へ、残る1つを僕に向けて構えた。
:09/04/01 23:55 :P906i :5FE0IVk.
#856 [ちか]
どちらか一人を選べなんて悪趣味な奴。
しかし迂闊(ウカツ)に相手を刺激すると両方を喪(ウシナ)いかねない。
どうしようか。
選ぶつもりは無い。
返してもらう人数が1人増えただけ。
しかし相手が銃を持っていると、さすがの僕も簡単には動けない。
僕は下唇をきつく噛みながら、思考を巡らせた。
:09/04/02 00:26 :P906i :Mc5Yvxbs
#857 [ちか]
しかし何か違和感がある
畳が一面に敷かれた和風の造りの広い部屋。
他の階には無い雰囲気。
何かが引っ掛かる。
眉間に皺を寄せ考え込んでいると、静かな部屋に鎖の音が響いた。
:09/04/02 12:14 :P906i :Mc5Yvxbs
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