クソガキジジイと少年。みそ汁編
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#1 [ザセツポンジュ]
前作
クソガキジジイと少年
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前作に引き続き感想版
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⏰:09/02/04 04:45 📱:W61S 🆔:wM/brRX.


#2 [ザセツポンジュ]
私の名前は
三ツ八 九。

ミツヤ キュウと
読むのですが

昔、近所に住んでた
同級生の木田トミオ君に

『ミツバチキュウちゃん』

と呼ばれてから
“ミツヤさん”とは
呼ばれなくなりました。

⏰:09/02/04 04:55 📱:W61S 🆔:wM/brRX.


#3 [ザセツポンジュ]
その木田トミオくんの友達に、
鈴木ジョウジロウくんてのが
いまして

私はその二人に
また会える時が来たら

ありったけの
ありがとうを
どうやったら伝えられるかと

考えていますが
いい案が思いつきません。

⏰:09/02/05 07:53 📱:W61S 🆔:WCm6wMQw


#4 [ザセツポンジュ]
_____

キュウは
当時マンションに住んでいた。

その向かいに並んだ
二軒の家に
たいそう変わった
ジジイが二人、生息していた。

右斜め向かいの一軒家で
暮らすジジイ。
その名を木田シゲルと言い


きーさんと呼ばれていた。

⏰:09/02/12 03:05 📱:W61S 🆔:xfEO8M/w


#5 [ザセツポンジュ]
このジジイの日課は
毎朝掃き掃除をする事。



『キュウちゃん。おはよう。』

『おはよう。きーさん。』


4歳だったキュウでも
きーさんが
真面目に
“掃き掃除”を
しているのでは

ない。


と言う事は分かっていた。

⏰:09/02/12 03:07 📱:W61S 🆔:xfEO8M/w


#6 [ザセツポンジュ]
これまた涼しい顔で

枯葉やゴミを
移動させているだけだったのだ。


きーさんは
絶対にちりとりを
持たない。

⏰:09/02/12 03:09 📱:W61S 🆔:xfEO8M/w


#7 [ザセツポンジュ]
『キュウ!おまえ早くしろ!今日こそは乗れるようにしてやるぞ!ジョウジロウちゃんも呼ばなくちゃ!ジョージロちゃーん!』

そう言って
大げさにダッシュする
ヤンチャぼうずは

木田トミオ。
通称トミー。
きーさんの孫だ。

キュウは補助輪を外した
自転車を押しながら
トミーを追いかける。

⏰:09/02/12 03:12 📱:W61S 🆔:xfEO8M/w


#8 [ザセツポンジュ]
木田家の隣に住む老人を
鈴木ひとしと言い、

すーさんと呼ばれている。

このジジイは
変態の上に変人で有名であり

一歩間違えれば逮捕なのだが
そこをなんとか切り抜けて

この町で生活できているのだ。

⏰:09/02/12 03:15 📱:W61S 🆔:xfEO8M/w


#9 [ザセツポンジュ]
『キュウちゃん。おっぱいよう。』


『。。。うん。おはようすーさん。』


幼少期のキュウでも
すーさんには
冷たい目線を送らなければ
ならないと言う事は

分かっていた。

すーさんはキュウを
大人にしたのだ。

⏰:09/02/12 03:17 📱:W61S 🆔:xfEO8M/w


#10 [ザセツポンジュ]
『ジョウジロウちゃん!すいとう持ったか?今日はオレ、ムシトリアミ係で、キュウはおにぎり係だったろ!』


『持ったよー。氷も入れたよ。』


シャンシャン。と
すいとうをふる男の子の名を

西村ジョウジロウ。
通称ジョウジロウちゃん。

⏰:09/02/12 03:20 📱:W61S 🆔:xfEO8M/w


#11 [ザセツポンジュ]
すーさんの孫とは
到底想像もつかないほど
優しくて
どちらかと言えば
大人しい子供だ。

ジョウジロウちゃんちの
表札には

“西村・鈴木”

と記されていた。


それはただ単に
ジョウジロウちゃんちの
お父さんが

マスオさん状態だった
だけの事なのだが

子供達は
そんな事知るよしもない。

⏰:09/02/12 03:23 📱:W61S 🆔:xfEO8M/w


#12 [ザセツポンジュ]
『おぉおい!なんじゃこのゴミは!きーさん!朝から何の騒ぎじゃ!』

キュウ、トミー、ジョウジロウちゃんの三人は

すーさんと
きーさんの間に挟まれ

立ち止まる。


『すーさん。おはよう。いやぁ。朝からいい事をすると気持ちがいいね。』

⏰:09/02/12 03:28 📱:W61S 🆔:xfEO8M/w


#13 [ザセツポンジュ]
そう言いながら
得意気にほうきを持って
見せるきーさん。

『きーさんのは嫌がらせと言うんじゃよ。』

すーさんは
きーさんがまとめた
枯葉とゴミを
蹴っ飛ばした。

『あぁ!枯葉せっかんじゃ!おい孫共!よく見ろ。あれが枯葉せっかんじゃ。』

⏰:09/02/12 03:31 📱:W61S 🆔:xfEO8M/w


#14 [ザセツポンジュ]
三人は
すーさんをまじまじと
見つめる。


『枯葉せっかんてなぁに?すーさん。』


トミーは
すーさんに尋ねた。


『エッチな事じゃ。』


『キャハハハハ。』


子供達は
何にでも反応する。
おもちゃみたいだ。

⏰:09/02/12 03:33 📱:W61S 🆔:xfEO8M/w


#15 [ザセツポンジュ]
『枯葉をいじめる事じゃよ。せっかんと言うのは意地悪に叩いたりする事じゃ。お前ら、ひとつかしこくなったぞ。よし、遊びに行け。』

満足そうに笑うきーさん。

⏰:09/02/12 03:36 📱:W61S 🆔:xfEO8M/w


#16 [ザセツポンジュ]
『おい待てチビ共!こういうな、楽しそうに嫌がらせをするジジイを見つけたらすぐ交番のおじちゃんに言いつけろ!分かったか!』

⏰:09/02/12 03:40 📱:W61S 🆔:xfEO8M/w


#17 [ザセツポンジュ]
『あっ!ちょうちょ!』

興味がいっぱいのキュウに
ハナクソをほじるトミー。
シャンシャンと
氷の音を確かめる
ジョウジロウちゃん。

すーさんの話は
割りとどうでもいいようだ。

⏰:09/02/12 03:41 📱:W61S 🆔:xfEO8M/w


#18 [ザセツポンジュ]
そんな事はさておき

この物語は
クソガキみたいなジジイ二人と
とても仲良しな少年二人の
お話です。

⏰:09/02/12 03:42 📱:W61S 🆔:xfEO8M/w


#19 [ザセツポンジュ]
bbs1.ryne.jp/r.php/novel/357/

>>2-18

⏰:09/02/12 03:46 📱:W61S 🆔:xfEO8M/w


#20 [りさ]
頑張って

⏰:09/02/15 23:06 📱:SH906i 🆔:i1d89mvg


#21 [ちぃ]
応援してますxx
頑張ってネ

⏰:09/02/18 00:41 📱:W51S 🆔:.wkcmxaw


#22 [ザセツポンジュ]
田畑の目立つのどかな田舎。
そこに海につながった
1本の長い土手があり
その道を通ると
稲穂が風になびき
草木は順々に揺れる。
見上げれば水色の澄んだ空が
一人一人を出迎えてくれるのだ。

⏰:09/02/18 01:25 📱:W61S 🆔:QP.UDvFQ


#23 [ザセツポンジュ]
田畑にかこわれた中に
家がポツポツと立ち並び
その中に4階立ての
白くて古いマンションが
ひょっこり飛び抜けている。

⏰:09/02/18 01:29 📱:W61S 🆔:QP.UDvFQ


#24 [ザセツポンジュ]
そこの1階に
マンションの管理人の
おじいちゃんと、
おばあちゃん。
お父さんに、
看護婦のお母さん。
そして幼き日の
三ツ八 九は
5人で暮らしていた。

⏰:09/02/18 01:35 📱:W61S 🆔:QP.UDvFQ


#25 [ザセツポンジュ]
しかしキュウの父親は
東京の親戚の家に
出稼ぎに行って
あまりに帰って来なかったため
実際は4人で暮らしているようなものだ。
どこに行くにも何をするにも
キュウはおじいちゃんに
引っ付きまわって生活していた。

⏰:09/02/18 01:39 📱:W61S 🆔:QP.UDvFQ


#26 [ザセツポンジュ]
そんなキュウに突然不安な予感が頭をよぎった。

いつも通りの朝
じぃちゃんの朝ご飯を食べて、カバンを持って、じぃちゃんの車に乗って保育園に行く。
何も変わらない朝だった。

家を出て車に乗った瞬間
キュウは突然思ったのだ。



『きょうおかあさんはかえってこない』

⏰:09/02/18 01:46 📱:W61S 🆔:QP.UDvFQ


#27 [ザセツポンジュ]
なぜかそう思ったけれど
じぃちゃんには言わず
保育園に着いたのだった。

そわそわして
早くオウチに帰りたいキュウ。

⏰:09/02/18 01:47 📱:W61S 🆔:QP.UDvFQ


#28 [ザセツポンジュ]
1日中何も手につかず

やっとじぃちゃんがお迎えに来て自分んちのマンションへ帰るのだった。

『きょうおかあさんかえってくる??』

何回も
何回も

キュウは

じぃちゃんに聞いた。
ばぁちゃんにも聞いた。

⏰:09/02/18 01:52 📱:W61S 🆔:QP.UDvFQ


#29 [ザセツポンジュ]
『おかあさんは??おかあさんかえってくる??』

時間はどんどんたちます。

『もうすぐ帰ってくるよ。』

そう言ってキュウをなだめるが
日は暮れる。
星も出る。

『なんでおかあさんかえってこないの??』

キュウは泣いた。

⏰:09/02/18 02:00 📱:W61S 🆔:QP.UDvFQ


#30 [ザセツポンジュ]
何回も
何回も
何百回も
何千回も
お母さんはどこにいるのか
いつ帰ってくるのか
みんなに聞いて回るのだった。
『帰ってくるよ。』

そう言いながら
泣いている、ばぁちゃん。

⏰:09/02/18 02:02 📱:W61S 🆔:QP.UDvFQ


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