クソガキジジイと少年。みそ汁編
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#73 [ザセツポンジュ]
『ねぇねぇ、じぃちゃん。ママはお出かけしたら帰って来なくなるの?』

トミーはキュウんちのお母さんが“お出かけに行った”まんま帰って来なくなったと言う事実に不安を抱いていた。

それ以来、ママが出かけるのを嫌がって甘えてばかりいるのだった。

⏰:09/03/04 06:13 📱:W61S 🆔:2upng3Ik


#74 [ザセツポンジュ]
保育園が無い日の昼間
きーさんは
春の日を浴びながら
暴れん坊将軍を見ていた。
そんな気持ちのいい午後、
クソガキの話などどうでも良かったが、不安そうな我が孫の顔を見て、ジジイは考える。

『今のトミオに話して、意味が分かるとは思えん。すまんが、その話はできん。クソガキには。』

⏰:09/03/04 06:16 📱:W61S 🆔:2upng3Ik


#75 [ザセツポンジュ]
『なんでー!教えてじぃちゃん。』

トミーには珍しく
あまりの不安感からか、
きーさんにまとわりついた。

『おい、トミオ。ガムいるか?』

きーさんは、10枚入りのガムを、ひとつだけ飛び出させてトミーに差し出した。


『いーるー!』

⏰:09/03/04 06:20 📱:W61S 🆔:2upng3Ik


#76 [ザセツポンジュ]
バチン!

『いてー!!』


きーさんが差し出したのはパッチンガム。100円のドッキリおもちゃだ。
素直にガムを抜いたトミーは
バチンと指を挟まれてしまった。


『やーいやーい。トミオよ、お前はまだ子供なんじゃ。だから教えられん。』

⏰:09/03/04 06:23 📱:W61S 🆔:2upng3Ik


#77 [ザセツポンジュ]
『クッソー!クッソジジイ!』

トミーは挟んだ指を痛そうに握ってきーさんを思いきり蹴った。

『おーおー。かゆいかゆい。トミオ、そのキックの素晴らしさゆえ、一個だけ教えてやろう。』

きーさんは、トミーを正面に座らせた。

⏰:09/03/04 06:27 📱:W61S 🆔:2upng3Ik


#78 [ザセツポンジュ]
『寂しい思いをせずには生きて行けんのじゃ。トミオだって、寂しい思いをすることがこの先あるかもしれないけど、それはそれでいいんじゃよ。悪い事じゃないとワシは思う。』


トミーはまじまじときーさんを見つめた。


『ママがいなくなるっていい事なの?』

⏰:09/03/04 06:31 📱:W61S 🆔:2upng3Ik


#79 [ザセツポンジュ]
『あぁあ。めんどくさいなぁもう。そうとは言っとらん。トミオ、じぃちゃんは今何が言いたいか分かるか?』

きーさんは、正面に座るトミーを横にずらした。


『わかりませーん。』


『フン。ワシは今テレビが見たいんじゃ。男ならそれくらいの事把握しておけ。』

⏰:09/03/04 06:34 📱:W61S 🆔:2upng3Ik


#80 [ザセツポンジュ]
トミーはきーさんと討論するのはやめた。

まだ指がジンジンと痛む。

『じぃちゃん。オレ、キュウんち遊びに行ってくる。』


『おう、じゃあな。』


きーさんはコマーシャルになったと同時に立ち上がり、台所へ移動した。

トミーは金魚のフンのようにきーさんに付いていく。

⏰:09/03/04 06:39 📱:W61S 🆔:2upng3Ik


#81 [ザセツポンジュ]
『なにかしら、トミオちゃん。おじいちゃんに何か用でも?お前も飲むか?』

きーさんはコップにカルピスの原液を注ぐ。

『いらない。ねぇ、あのね。ママがお出かけしないように見張っててね。』


『おう、じゃあな。了解なまこん。』

⏰:09/03/04 06:43 📱:W61S 🆔:2upng3Ik


#82 [ザセツポンジュ]
信用ならないふざけたジジイを前に、トミーはなかなか玄関まで踏み出せないでいた。


『うん、うまい。なんじゃ?トミオまだいたのか。お前も一口飲んでみろ、カルピス。よく見ろ、ワシが口をつけたのはココじゃ。ココ以外で飲め。』


『いーいらない!ねぇママがね…』

⏰:09/03/04 06:46 📱:W61S 🆔:2upng3Ik


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