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#101 [なおみ]
3ヶ月が経った頃、私に彼氏ができた。

10歳年上の弘樹。
私がよく行く飲み屋の店長で、毎日フラフラしてる私を保護してくれた。

今思えば、誰でも良かったのかも。

弘樹はすごく優しかった。
大人だった。

私は弘樹といるときは寂しくなかった。

⏰:12/07/31 09:14 📱:Android 🆔:rZCFLJt2


#102 [なおみ]
久しぶりにまりに会った。

まりは仕事が忙しくてなかなか予定が合わなかった。
今は閑散期が終わる頃と言っていた。

まり「ちょっとー!詳しく聞かせてよー!きみちゃんと弘樹さんのこと!」

私はきみちゃんの話をした。
まりは少し泣いた。

まり「辛かったね...。」

私「あたしさ、きみちゃん本当は元カノときちんと決着ついてなかったと思うんだよね。」

まり「なんで?」

まりは鼻をすすって煙草に火をつけた。

⏰:12/07/31 09:21 📱:Android 🆔:rZCFLJt2


#103 [なおみ]
私「何回か夜中に電話かかってきてて、会社の先輩だって言ってたけど、1時2時に普通電話してくる?」

まり「しないねー。」

私「それにね、きみちゃんと会ってるとき、きみちゃんに亮から連絡きたことがあってさ。」

まりは乗り出して私の話を聞いた。

まり「亮とか懐かしー笑」

私「亮が暇なら今呼べば?って言ったんだけど、あたしと会ってること内緒にしてたいって。」

まりは眉間にシワを寄せた。

まり「なんで?」

私「亮がヤキモチ妬くからだって。」

まり「謎〜笑」

まりと私は笑った。

⏰:12/07/31 09:29 📱:Android 🆔:rZCFLJt2


#104 [なおみ]
私「1回、きみちゃんがなんで亮と遊ばないのって聞いてきたときがあってさ。たぶん、きみちゃん的にはあたしが亮とくっついてたら幸せになれるのにって伝えたかったのかなあって。」

まりは何か考えてた。

まり「きみちゃんて大バカ野郎じゃない?」

私「なんで?笑」

まり「心の中ではなおみと会うことだめだめーって思ってるのに、なおみにハマっちゃったわけでしょ?」

私はまりのストレートな表現がおもしろくて好き。

⏰:12/07/31 09:40 📱:Android 🆔:rZCFLJt2


#105 [なおみ]
まり「でさ、元カノと別れた理由って浮気が原因なんでしょ?だったら、中絶した子どもだって、こんな言い方アレだけど、どっちの子か分かんないじゃん。」

...確かに。そんなことなーんにも考えてなかったー!

まり「なのに元カノのこと思って、きみちゃんが責任取るとか言っちゃってさ。」

で、私とも関係を絶ち切って。

まり「自分の幸せはいつ考えるんですかー?って!」

私「...。」

まり「自分の幸せはどこですかー?この大バカ野郎ー?って!」

まりのそのフレーズ2回目に我慢できなくて吹き出した。
2人で爆笑だった。

⏰:12/07/31 09:49 📱:Android 🆔:rZCFLJt2


#106 [なおみ]
2人で大笑いしたら、なんだかすっきりした。

もうきみちゃんのことで泣かないって確信した。

まり「で、弘樹さんて誰?すぐ彼氏できるんだもんなー出会いがたくさんあっていいよね!笑」

私は弘樹のことを話した。

一通り話したあと、まりが聞いてきた。

まり「ねーなおみ?ほんとに弘樹さんのこと好き?」

私「なんで?笑 好きだよ。」

まり「だったらいいんだけどさー。なんかきみちゃんのこと話してるテンションと全然違うから。」

私は笑って流したけど、自分でもう気付いてた。

ひろき

⏰:12/07/31 15:43 📱:Android 🆔:rZCFLJt2


#107 [なおみ]
↑またまたシクりました(;o;)

弘樹を心から好きじゃないってこと。

私は最低な女だった。

ただ、自分が寂しかっただけで、弘樹を利用した。

でも、徐々に心から好きになっていくこともあるって、誰かの話を聞いていたから、それを信じてみることにした。

けど、一向にその気配はなく、私と弘樹はちょっとした喧嘩で呆気なく終わった。

⏰:12/07/31 15:51 📱:Android 🆔:rZCFLJt2


#108 [なおみ]
その後、就活も無事に終わり、残りの学生生活を満喫してた。

相変わらず夜遊び、クラブ通いは続いてた。

男はもういいなんて言って、男関係の話は遠退いてた。

私は卒業旅行の資金を貯めるために、まりの紹介でキャバをちょっとやった。

でも、客との色恋がめんどくさくて、1ヶ月くらいで辞めた。
その代わりお金は学生の私にはビビるくらい貯まった。

⏰:12/07/31 15:59 📱:Android 🆔:rZCFLJt2


#109 [なおみ]
夜を辞めた理由は他にもあった。

同伴で出勤してる最中に、きみちゃんに見られた。

きみちゃんからメールがきて、内容としては私らしき人を西麻布で見たという内容だった。

たぶん、時間的にも私であることは間違いなかったと思う。

誰が見てもキャバ嬢と客って分かったと思う。
きみちゃんも分かったと思うけど、あえて聞いてこなかったんだと思う。

⏰:12/07/31 21:11 📱:Android 🆔:rZCFLJt2


#110 [なおみ]
きみちゃんのメールを見たのは受信してから何時間か過ぎていたけど、私はすぐに返事をした。

西麻布にいたことを認めるべきか。

私はとっさに嘘をついた。

きっと、きみちゃんに知られたくなかったんだと思う。

私は、その週に夜を辞めた。

きみちゃんからの久々の連絡は、まだきみちゃんへの想いを吹っ切れてないことを、悲しいくらい実感させた。

⏰:12/07/31 21:33 📱:Android 🆔:rZCFLJt2


#111 [なおみ]
その連絡があってから、ちょっとずつきみちゃんとは普通に連絡を取るようになっていった。

なぜか、私の夜遊びがそれから減った。



きみちゃんの誕生日。
私はメールをしようか迷ったけど、思いきってサラッとしたメールを送った。

私『きみちゃんはぴばー☆
この1年がきみちゃんにとって良い年になりますように!』

しばらくして、きみちゃんから返信がきた。

公『メールありがとな♪
今でもなおみにもらったピアス、大事にしてるからよ!』

あのピアスか...。

もうすぐお別れしてから1年なんだね。

⏰:12/07/31 21:44 📱:Android 🆔:rZCFLJt2


#112 [なおみ]
新年を迎え、卒業旅行も無事に終わり(因みにイタリアとフランスとグアム行った!)、私は晴れて社会人になった。

教授のコネもあり、一部上場の会社に入社できた。

やりたい仕事に就けたから、毎日が楽しかった。
半年の研修はあっという間に終わった。

その間、きみちゃんとは連絡を取ってなかった。

⏰:12/08/01 00:55 📱:Android 🆔:0FsuvAW6


#113 [なおみ]
社会人になってから、みんなに変わったと言われた。

まず見た目。
これは言うまでもないけど、髪、メイク、カラコン、爪、服装、とりあえず落ち着いた。

そして言葉遣い。
ここではあんまり書いてないけど、私はカナリ言葉遣いが悪かった。
今もイラっとするとたまに出るけど、社会人ノリの言葉はマスターできた。

そして雰囲気。
刺々しさが抜け、穏やかになったみたい。
そんなにツンツンしてた気はないけど。

時が経って、色々変化してた。

⏰:12/08/01 01:06 📱:Android 🆔:0FsuvAW6


#114 [なおみ]
研修後、本配属になり、2ヶ月後彼氏ができた。

省吾といって、私の猛プッシュで付き合えた。
省吾は同じ職場の人。

この頃には、きみちゃんのことは吹っ切れてた。

というより、省吾のことが好きすぎて、きみちゃんを含め、他の男の人のことを考えもしなかった。

仕事も楽しくて、毎日が順調だった。

⏰:12/08/01 08:16 📱:Android 🆔:0FsuvAW6


#115 [なおみ]
省吾と付き合って、半年以上が経ち、ある日突然きみちゃんから連絡がきた。

内容は、私を気遣ってくれる内容と、結婚したっていう内容だった。

まだ結婚してなかったんだ...。

私はちょっとだけ複雑な気持ちになった。

そんなとき、省吾からメールがきた。

省『今日失敗したことあんま気にすんなよ!明日帰りにラーメン食べに行こう!』

今日の仕事のミスを気遣ってくれる省吾のメールに、心が和んだ。
私はきみちゃんに素直におめでとうと返信ができた。

⏰:12/08/01 08:28 📱:Android 🆔:0FsuvAW6


#116 [なおみ]
省吾と付き合って1年が経つ頃、省吾と私は別れるか別れないかの大喧嘩をした。

このお話はきみちゃんとの話がメインなので、省吾の話はまた別の機会に。

その日の夜、きみちゃんから連絡が入った。

内容は、あの思い出の曲を聞いて、私に連絡したくなったという内容だった。
私は心がすごく揺らいだ。

もう、きみちゃんのことは吹っ切ったはずなのに。

その日は返事をせずに、次の日気持ちを落ち着かせて返信した。

⏰:12/08/01 08:40 📱:Android 🆔:0FsuvAW6


#117 [なおみ]
私『久しぶり〜!
私もあの曲どこかで聞くと、
やっぱりきみちゃんを思い出すよ。』

公『またなおみとカラオケ行きてえな!』

私は少し迷って、返事した。

私『いいね!
行こう行こう!』

公『じゃあ来月のシフトもうすぐ出るからまた連絡するわ!』

私は少し複雑な気持ちできみちゃんからの連絡を待った。

⏰:12/08/01 08:48 📱:Android 🆔:0FsuvAW6


#118 [なおみ]
それから3日くらい経った。

私と省吾はまだ喧嘩していた。
お互い似た者同士で、頑固だからよく喧嘩するし、なかなかお互い謝れない。

でも、このときは私は悪くなかったけどね!笑

するときみちゃんから連絡がきた。

公『シフト出た!
○日、○日、○日が大丈夫だな。
なおみはいつなら大丈夫?』

私は迷った。

喧嘩中とはいえ、きみちゃんと会うって、なんか、気が引ける。

私は省吾の顔ばっかり浮かんできた。

⏰:12/08/01 22:53 📱:Android 🆔:0FsuvAW6


#119 [なおみ]
だめだめ!
きみちゃんに会ったら、省吾を裏切る形になる気がする。

私は数分考え込んで、きみちゃんに電話した。

公「おう。お疲れ。」

懐かしい声を聞いて、何かが込み上げてきた。
きみちゃんの声を聞いたのは、約3年ぶりだった。

私「あ、こ、こんばんはー。」

私は謎にど緊張していた。

⏰:12/08/01 23:00 📱:Android 🆔:0FsuvAW6


#120 [なおみ]
公「はは、なんだよそれ。」

きみちゃんは心なしか、嬉しそうな声だった。

私も嬉しさを隠しきれなかった。
それから他愛もない会話をして、1時間くらいは話してた。

私「あたしさ、今彼氏と喧嘩してて...」

私は省吾と喧嘩した理由を話した。
きみちゃんと会うことをためらってるってことも話した。

一通り聞いてくれたきみちゃんは、口を開いた。

⏰:12/08/01 23:08 📱:Android 🆔:0FsuvAW6


#121 [なおみ]
公「会うのやめるか!なおみの後ろめたい気持ちも分かるからよ。そんなんで会っても心から楽しめねえだろ。」

きみちゃんは優しく言った。

私「うん...。まぢごめん。」

私はちょっと泣きそうだった。

公「気にすんな!またいつでも会えるからよ。」

私「うん...。」

きみちゃんはちょっと間を置いて、こうも言った。

⏰:12/08/01 23:14 📱:Android 🆔:0FsuvAW6


#122 [なおみ]
公「なおみ、覚えてねえかもしんねえけど、俺のためだったら都合のいい女でもいいって言ってくれたこと、あったよな?」

約3年前、あのお別れをした次の日、きみちゃんから長文メールが来てた。
内容は、ごめんってことと、今までありがとうってことと、私の幸せを願ったものだった。

私は、その返事に、きみちゃんが辛いときは私を頼っていい、私はきみちゃんのためなら都合のいい女になっても構わない的な内容を返した。

その返事を、きみちゃんに怒られた。
もっと自分を大事にしろって。

私「...うん。」

そのとき、本当にそう思った。
心からの言葉だった。

⏰:12/08/01 23:22 📱:Android 🆔:0FsuvAW6


#123 [なおみ]
公「今回は純粋になおみに会いたかっただけだからよ。今もこれからも、なおみを都合のいいように使う気なんてまったくないからよ。」

そんなの、きみちゃんのことだから、そんな気で誘ったんじゃないってことくらい、分かってる。
私はただ返事しかできなかった。

いろいろ話したら泣きそうで、でも、なんかもうきみちゃんとは会わない気がしたから、全部話そうと思った。

⏰:12/08/02 09:02 📱:Android 🆔:KTCykzvo


#124 [なおみ]
私「私さ、あのお別れした日、きみちゃんに告ろうと思ってたんだー。」

きみちゃんは少し照れたように笑って私の言葉を待った。

私「で、告る前にフラれちゃってさ。」

私はちょっとふざけた口調で言った。

私「あのあとね、結構荒れちゃって、すぐ付き合った人はいたんだけど、本当に好きで付き合ったわけじゃなかった。」

きみちゃんは黙って聞いてくれてた。

⏰:12/08/02 09:11 📱:Android 🆔:KTCykzvo


#125 [なおみ]
私「すぐ別れたんだけど、彼には悪いことをしたなあって思う。」

公「うん。」

私「でもね、今付き合ってる人は本当に大好きなの。結婚も考えてる。」

公「うん。」

私「だからね、今は幸せだから大丈夫だよっ!」

私は最後のまとめ方が分からなくて早口で言った。
きみちゃんは笑った。

⏰:12/08/02 09:17 📱:Android 🆔:KTCykzvo


#126 [なおみ]
公「俺もさ、なおみに気持ちを伝えたかった。」

私はその言葉を聞いた瞬間、泣いた。

公「でも、それができないってなって、今の奥さんに当たり散らしたこともあったよ。最低だったな。」

私は電話口のきみちゃんにバレないように涙を流した。

公「けどよ、その期間も乗り越えて、今は穏やかな毎日だよ。」

きみちゃんは笑った。

⏰:12/08/02 09:26 📱:Android 🆔:KTCykzvo


#127 [なおみ]
公「じゃあ、なおみが幸せ絶好調なときにまた会おう!のろけ話聞かせてくれな!」

私ときみちゃんは笑った。

私ときみちゃんは電話を切った。

なんだか、きみちゃんからはもう連絡が来ないと思った。
また、会うことはもうないかもしれないと思った。

⏰:12/08/02 09:31 📱:Android 🆔:KTCykzvo


#128 [なおみ]
その後、省吾とは無事に仲直りをし、平和な毎日が戻った。

ある日、仕事中に知らない番号から着信が何回か来てた。

私は誰だろうと思い、お昼休みにかけ直してみた。
電話の相手は2コールくらいで出た。

「あ、亮だけど、覚えてる?」

懐かしい!
私は亮とは連絡先を交換したあと、少し連絡を取っていたが途絶えた。
もう連絡することもないだろうと思い、削除していた。

⏰:12/08/03 09:25 📱:Android 🆔:zMjh171g


#129 [なおみ]
亮「久しぶりだね。今、俺仕事中だから長く話せないんだけど、短く言うね。」

私はちょっと興奮気味の亮に圧倒されてた。

亮「公貴が事故った。」

え?



私はしばらく何も言えなかった。

亮「で、今○○病院に入院してんだよ。なおみに病院来てほしいんだけど、今週の土曜とか平気?」

私「う、うん...。」

私は反射的に返事をしてた。

亮「分かった。俺今日夜勤だから、明日の夜詳しく話すよ。じゃあ、俺戻るね。」

わけが分からなかった。

⏰:12/08/03 09:39 📱:Android 🆔:zMjh171g


#130 [なおみ]
事故ったって?

いつ?

入院してるってことは、無事なんだよね?

でも、なんで亮はあんなに興奮してるの?



私はすぐにきみちゃんに電話した。

全身が心臓になったみたいに、脈を打ってた。

『お客様のおかけになった電話は、電波の届かない場所にあるか、電源が入ってい...』

嘘でしょ...。

私は一気に寒くなって震えが来たのを覚えてる。

⏰:12/08/04 08:39 📱:Android 🆔:aalJBOtU


#131 [なおみ]
私は亮にかけ直そうとしたけど、なんとか理性を保とうとして、堪えた。

でも、不安で不安で仕方がなかった。

私はとにかく誰かに確かめたくて、何も知らないであろうまりに電話した。

まりは電話に出なくて、私は泣き出しそうな気持ちを必死に我慢してた。

すると、まりから着信があった。

⏰:12/08/04 08:43 📱:Android 🆔:aalJBOtU


#132 [なおみ]
まり「おつー!どーしたー?」

私「まりっどうしよう...。きみちゃんが事故ったって。」

まり「え?!どうして?」

私「分かんない...。亮から電話あって、病院行こうって...。」

まり「とりあえず落ち着きな!今きみちゃん入院してるの?」

私「うん...。」

まり「じゃあ無事だってことじゃん?」

私はただ頷いた。

⏰:12/08/04 14:59 📱:Android 🆔:aalJBOtU


#133 [なおみ]
まり「病院、すぐに来てって言われてるの?」

私「ううん。今週の土曜に行こうって。」

まり「じゃあきっと大丈夫だから。落ち着いて。あたしも一緒に行ってあげたいけど、土曜は仕事だから。ごめんね。」

私「うん。大丈夫。こっちこそ急にごめん...。連絡する人、まりしか思い浮かばなくて...。」

まりと話してたら落ち着いた。
電話を切って、深呼吸をした。

⏰:12/08/04 15:20 📱:Android 🆔:aalJBOtU


#134 [なおみ]
そのあとは、気になっちゃって仕事が捗らなかった。

次の日になって、亮からの連絡をずっと待ってた。



仕事が終わり、家で落ち着いた頃、亮からの着信があった。
私はすぐ出た。

私「お疲れ。」

亮「ごめんなー遅くなって。」

私は早く本題に入りたかった。

⏰:12/08/06 23:51 📱:Android 🆔:PGnufB12


#135 [なおみ]
亮「さっそくなんだけど、公貴の話。」

私は少し体が冷えてきたのを感じた。

亮「一週間くらい前、仕事帰りに事故に遇ったんだ。」

私の心臓は徐々に早く鳴っていく。

亮「夜勤終わりでさ、注意力が少し欠けてたのかもしれない。」

私は緊張し過ぎて泣き出しそうだった。

⏰:12/08/07 00:16 📱:Android 🆔:3SWE5aJ6


#136 [なおみ]
亮「そこに、居眠り運転してたトラックが向かいから来て、正面衝突した。」

私はその場にへたりこんだ。

亮「公貴、ハンドル切った跡はあったらしいんだけど、少し遅かったのかな。」

亮の声も震えてた気がする。

亮「最初は助からないだろうって話でさ。俺ら病院に呼ばれたんだよ。」

私は息が荒くなってきた。

⏰:12/08/07 00:24 📱:Android 🆔:3SWE5aJ6


#137 [なおみ]
亮「それでこの間...。」

亮は何かを堪えるように黙った。

私は亮の言葉を待った。

亮「それでこの間、脳死って診断された。」



え?

その頃まだ世間は脳死に対して疎かったと思う。

私は恥ずかしながら、その頃、脳死とはどんなものかということすら知らなかった。

⏰:12/08/07 08:28 📱:Android 🆔:3SWE5aJ6


#138 [なおみ]
亮「脳死ってさ、知らないと思うんだけど、名前の通り脳が死んだことを意味しててさ。手足を動かすこともできないんだけど、呼吸も自分でできなくなるんだよ。」

私は亮の言葉を飲み込むことにいっぱいいっぱいだった。

亮「俺介護やってるから分かるんだけど脳死って、医者的には死んだことと同じだと思ってるんだよ。」

わけが分からなくて、泣けもしなかった。

助かるの?助からないの?

そんなことばっかり思ってた。

⏰:12/08/07 08:46 📱:Android 🆔:3SWE5aJ6


#139 [なおみ]
私「なんか...全然分かんないし、信じられない。ごめん...。」

亮はやっと口を開いた私に少し安心したような感じだった。

亮「まあ、当たり前だよ。俺もこんな説明偉そうにしてるけど、実は分かってない。」

私はまた黙り込んでしまった。

亮「なおみ、土曜は何もない?病院行けそう?」

私「うん...。」

亮「じゃあ、池袋に10時待ち合わせで!」

私は元気なく返事をした。

⏰:12/08/07 21:58 📱:Android 🆔:3SWE5aJ6


#140 [なおみ]
亮「あんま落ち込むなよ!脳死でも回復したって事例はあるらしいからさ。俺も夏樹も、その奇跡を待ってんだよ。」

私「ナツキ...?」

私は聞き覚えのない名前に反応した。

亮「ああ、夏樹って、公貴の奥さん。」



私は色んな思いが駆け巡った。

ただ、今の状況で夏樹さんを避けたいという気持ちは少しもなかった。

⏰:12/08/07 22:10 📱:Android 🆔:3SWE5aJ6


#141 [なおみ]
むしろ会いたい。
そんな気持ちだった。



あっという間に土曜になり、私は亮との待ち合わせ場所に少し早く着いた。

省吾には今日のことは嘘をついて出掛けてきた。
私はこの時も、今もこれからも、省吾にきみちゃんの話をするつもりはない。

省吾に余計な心配をかけたくない。
そんな気持ちからだった。

⏰:12/08/07 22:18 📱:Android 🆔:3SWE5aJ6


#142 [なおみ]
しばらくしたら、亮が到着した。

亮「お!久しぶり。雰囲気変わったな。あの頃のギャルギャルしさが抜けちゃって!大人な女性になった。」

亮は笑った。
亮はあの頃のままだった。
相変わらず塚本高史だった。

それから2人で30分くらい電車に乗った。

その間、私の空気を和ませようと、亮は色んな話をしてくれた。
私はそんな亮の優しさに泣きそうになった。

⏰:12/08/07 22:25 📱:Android 🆔:3SWE5aJ6


#143 [なおみ]
電車を降り、病院に向かう道中、亮は急にしゃべらなくなった。

きっと、私に気をつかいすぎて疲れたんだろう。
自分だって、重い空気のはずなのに。

私「夏樹さんてどんな人?」

今度は私から話しかけてみた。

亮「ん?ああ...。おもしろい奴だよ。ちょっと変わってるかな。大学時代からの知り合いでさ。」

私「ふうん。てか、あたしが行ってどんな繋がりって説明すればいいの?」

私は急に不安になった。

亮「うーん...。とりあえず夏樹と話してみろよ。」

亮は優しく笑った。

⏰:12/08/07 22:41 📱:Android 🆔:3SWE5aJ6


#144 [なおみ]
しばらく歩くと、病院に着いた。

大きくて、意外に人がいなかった。

裏口から入ったのか、小さな入口だった。
節電しているのか、薄暗く感じた。

私はこの時、初めて大きな病院に来た。
ドラマでの病院のイメージがあったから、もっと人がわんさかいて、明るくて、看護師さんたちが慌ただしくしてるものだと思ってた。

亮「公貴が病室移動してから俺も初めて来るんだよ。部屋番号聞いてくるな。」

亮は受付で質問していた。

⏰:12/08/08 08:17 📱:Android 🆔:qJLOHZs6


#145 [なおみ]
待ってる間、まだ実感が湧かない自分に、戸惑った。

私はただ亮の背中を見つめてた。

亮はいそいそと戻ってきて、私を案内してくれた。

エレベータを降りたら、人がいくらかいた。
廊下がずーっと向こうまで続いていて、すごく長く感じた。

亮「ここだ。」

亮は一室の前で立ち止まり、ドアを開けた。

⏰:12/08/08 08:39 📱:Android 🆔:qJLOHZs6


#146 [なおみ]
部屋に入った瞬間、きみちゃんの匂いがした。

私は急に切なくなった。

亮が部屋に入り、夏樹さんと何か話していた。
私は夏樹さんに挨拶もできずに、夏樹さんを見ることもできずに、ただ一点に集中していた。

部屋の奥のベッド。

頭に包帯をぐるぐる巻いていて、色々な機材が繋がれている人。

間違いなく、きみちゃんだった。

⏰:12/08/08 08:48 📱:Android 🆔:qJLOHZs6


#147 [なおみ]
私「きみちゃっ...」

私は思わずきみちゃんの両肩を掴んだ。

きみちゃんは眠っているようで、ただ繋がっている機械の音が響いていた。

私「や、きみちゃん!きみちゃん...!」

私は恐くて揺することはできなかったけど、何度も名前を呼んだ。

腫れ上がっている顔を見て、別人のような気もしたけど、紛れもなくきみちゃんで、これが現実なんだって実感した。

⏰:12/08/08 20:34 📱:Android 🆔:qJLOHZs6


#148 [なおみ]
泣きながらきみちゃんの名前を呼ぶ私を見て、亮も夏樹さんも泣いていた。

私は亮からきみちゃんのことを聞いたあと、脳死のことをちょっと調べてた。
内容は、亮が言ってた通りだった。

回復する事例は奇跡的なこと。

その回復したっていう事例だって、脳死って誤診だったんではないかって書き方もちらほらあった。

セカンドオピニオンを受けるとか、色々まだやれることはある。
けど、私は赤の他人だってこと。

奥さんでもなければ、親戚でもない。

私がとやかく口出しできる立場じゃないってこと。

そんなやるせない気持ちでいっぱいだった。

⏰:12/08/08 20:51 📱:Android 🆔:qJLOHZs6


#149 [なおみ]
私がいつまでもきみちゃんの手を握って泣いている状態を見て、亮が椅子を持ってきてくれた。

亮「なおみ...。」

私は立てなかった。
それを分かって、亮が私を持ち上げて座らせた。

ティッシュで私のぐちゃぐちゃになった顔を拭いてくれた。

その光景が、お別れをしたときのきみちゃんの姿と重なって、また泣けた。

⏰:12/08/08 20:58 📱:Android 🆔:qJLOHZs6


#150 [なおみ]
私「うっ...」

私はまた泣き出した。
亮はそんな私を抱き締めてくれた。

亮「泣くな泣くな。公貴の前では笑ってろ。」

私は亮のその言葉に余計泣いた。

夏樹さんがお茶を買ってきてくれた。

夏「なおみちゃん?初めまして。公貴の妻の夏樹です。」

夏樹さんはしゃがんで、お茶を渡してくれた。

⏰:12/08/09 10:06 📱:Android 🆔:GbTiD2/k


#151 [なおみ]
私「初めまして...。すみません、なんか、あたし...こんな...。」

夏樹さんは少し笑って私を撫でた。

夏「ありがとう、公貴のためにそんなに泣いてくれて。」

夏樹さんは、線が細くて、大人な女性って感じだった。
イメージと少し違った。

夏「公貴もね、きっと喜んでる。」

眠っているようなきみちゃんを、夏樹さんは見つめてた。

⏰:12/08/09 10:13 📱:Android 🆔:GbTiD2/k


#152 [なおみ]
夏「亮にね、なおみちゃんを呼んでって言ったのは私なの。」

私「え...?」

私は亮の顔を見た。
亮も私を見つめ返した。

夏「公貴が危篤状態のとき、公貴の携帯から色んな人に連絡取ったの。そしたら、なおみちゃんのメールを見て。」

私はそのときまっすぐ夏樹さんを見ることができなかった。

夏「最初は、哀しみしかなかった。」

私は俯いた。

⏰:12/08/09 10:34 📱:Android 🆔:GbTiD2/k


#153 [なおみ]
夏「それで、亮なら何か知ってると思って、私が亮に聞いたの。」

私はいたたまれなかった。

亮「なおみ、ちょっと外出るか。」

亮は私を起き上がらせて、外に連れ出した。



中庭みたいなところに出て、ちょっと歩いてた。

亮「悪いな。夏樹、今情緒不安定でさ。別になおみを責めるつもりで呼んだんじゃねんだよ。」

私は頷いた。
夏樹さんの精神が安定していないのは、目を見て分かった。

けど、申し訳ない気持ちでいっぱいになってしまっていた。

⏰:12/08/09 10:58 📱:Android 🆔:GbTiD2/k


#154 [なおみ]
亮「なあ。泣くなよ?」

亮はにかっと笑って言った。

亮「俺さ、なおみのこと気に入ってたんだよ。」

亮は照れた感じで笑ってた。

亮「でも、なおみが公貴のこと気に入ってたのは、とし○えんのときに既に気付いてた。ちょっと頑張ってみようと思ったけど、なおみのメールの返事で脈なしだってすぐ分かった。」

亮は爽やかに話してた。

⏰:12/08/09 22:32 📱:Android 🆔:GbTiD2/k


#155 [なおみ]
亮「公貴からなおみのこと聞いたのは、その年の暮れだった。おいおい!いつの間にそんなんなってたんだよー!って感じだった。笑」

私はちょっと笑った。

亮「そのときは、公貴も色々悩んでてさ。まあ、なおみのことでさ。」

私は胸がぎゅうってなった。

亮「なおみに中途半端なことしたってさ。でも一緒にいられないって。」

私「ふ...。」

私は案の定泣いた。

⏰:12/08/10 08:13 📱:Android 🆔:rbofEMRk


#156 [なおみ]
亮「おい。泣くなって言っただろ?笑」

亮はポケットティッシュをくれた。

亮「言っとくけど、公貴はマジだったからね!なおみに。」

私「あ、あたしだって、まぢだったもん〜。」

一気に涙が出た。

亮「夏樹と結婚するってなったあとも連絡取ったりしてたの?」

私「たまに...。」

亮はそっかあってどこかを見てた。

⏰:12/08/10 08:20 📱:Android 🆔:rbofEMRk


#157 [なおみ]
亮「夏樹がなおみを呼んだ理由はさ、少しでも公貴に何か刺激を与えたくてさ。それで意識戻るんじゃないかってさ。言い方微妙だけど、ちょっとした賭けだったんだよ。」

私は納得した。
それと同時に、夏樹さんは本当にきみちゃんのことが大事なんだなあと思った。

もし私が夏樹さんの立場だったら、プライドが邪魔して呼べない。

亮が私ときみちゃんのことを、どこまで知ってて、夏樹さんにどこまで話したのかは分からない。
けど、女の勘ってやっぱりすごいから、夏樹さんは分かってると思う。

⏰:12/08/10 08:43 📱:Android 🆔:rbofEMRk


#158 [なおみ]
私が泣き止むのを見て、亮が戻ろうと言った。


部屋に近づくと、女の人の泣き叫ぶ声が聞こえた。

亮がそれに気付いて、部屋まで走った。
私もそれにつられて走った。

ドアを開けると、夏樹さんの泣き叫ぶ声が一気に廊下に響いた。

亮「夏樹っ...!夏樹落ち着いて!」

私は呆然として亮が夏樹さんを抱え込む姿を見てた。

⏰:12/08/13 23:30 📱:Android 🆔:01ohklBo


#159 [なおみ]
夏「なんでっ...起きないのっ!!あたしっ...あたしがあー!!!」

夏樹さんはきみちゃんの腕に跡がつくくらい強く掴んでいた。

するとどこからか看護師さんが来て、夏樹さんに話しかけてた。
しばらくするともう1人看護師さんが来て夏樹さんに何かを注射してた。

夏樹さんは嗚咽混じりに私を見た。

そうすると大粒の涙を流して私に言った。

夏「なおみちゃん...ごめんなさいっ...、あたし、なおみちゃんに悲しい思いをさせた...。」

⏰:12/08/13 23:39 📱:Android 🆔:01ohklBo


#160 [なおみ]
私は恐くて動けずにいた。

夏「ごめんなさっ...。」

泣き崩れる夏樹さんを見て、少しお腹が大きいように感じた。

この人、妊娠してる?

私は咄嗟に、本当に無意識に、夏樹さんを抱き締めた。

私の腕の中で泣く夏樹さんを、やけに細く、小さく感じた。

⏰:12/08/13 23:45 📱:Android 🆔:01ohklBo


#161 [なおみ]
あとになって亮から聞いた。

夏樹さんには両親がいない。
詳しくは聞かなかったけど、小さい頃からおばあちゃんがお母さん代わりだったらしい。

おばあちゃんのお世話をしたくて、介護福祉士を目指した。

今はそのおばあちゃんも入院していて、夏樹さんが頼りにしていたのはきみちゃんだけだった。

そして、妊娠5ヶ月目だということ。

⏰:12/08/23 20:50 📱:Android 🆔:ZEbLgL4g


#162 [なおみ]
それからというもの、週1で私は病院に通った。

多いときは週3回くらい行った。

夏樹さんはこの前みたいなパニックを起こしたのは2回目だったらしく、病院の人からなるべく1人にしないようにとのことだった。

夏樹さんは毎日、きみちゃんの隣で色々なことを話しかけてた。

私はそんな夏樹さんを見つめることしかできなかった。

⏰:12/08/23 20:55 📱:Android 🆔:ZEbLgL4g


#163 [なおみ]
もちろん、きみちゃんのご両親にも会った。

きみちゃんとの関係を聞かれたとき、咄嗟に言葉に詰まった私を、夏樹さんがフォローしてくれた。

夏「私の友だちです、お義母さん。」

そのときの夏樹さんの笑った顔が、忘れられない。

⏰:12/08/23 21:00 📱:Android 🆔:ZEbLgL4g


#164 [なおみ]
省吾には、ホットヨガに通い始めたと言って、きみちゃんの病院に通っていた。

その日も、ホットヨガに行くと言って、病院へ向かった。

病室に着くと、夏樹さんが笑顔で迎えてくれた。

また、夏樹さんがきみちゃんに話しかけていた。

不思議と、日によってきみちゃんの表情が違うように見えた。
その日は少し穏やかに感じた。

⏰:12/08/23 21:06 📱:Android 🆔:ZEbLgL4g


#165 [なおみ]
夏「なおみちゃん、連絡先、交換していい...?」

私はそのお誘いを快く受け入れた。

その日から、夏樹さんから毎日メールが来た。
内容は他愛もないこと。
普通のやり取りだった。

私は、妊婦さんである夏樹さんに、無理はしないでと幾度となく言っていた。

⏰:12/08/23 21:15 📱:Android 🆔:ZEbLgL4g


#166 [なおみ]
年末に向けて、忙しくなり、私は夏樹さんのメールに返信できないでいた。

というより、返信できる時間はあった。
忙しいとかただの言い訳かもしれない。

徐々に夏樹さんへの返信が億劫になってきた。

きみちゃんが脳死状態になってから、1ヶ月半経とうとしていた頃だった。

⏰:12/08/24 20:42 📱:Android 🆔:rTDx5jGk


#167 [なおみ]
私は一週間とちょっとぶりくらいにきみちゃんがいる病院へ向かった。

前日に夏樹さんに行くと連絡していたが、返事はなかった。

病室に入ると、きみちゃんが眠っているベッドの横に、腰かけている夏樹さんの姿があった。
いつも見る光景だった。

私「こんにちはー。」

私はきみちゃんのお母さんと夏樹さんに挨拶した。

⏰:12/08/24 20:47 📱:Android 🆔:rTDx5jGk


#168 [なおみ]
すると、夏樹さんは私の顔を見るなり私の腕を掴んだ。
廊下へ私を連れ出すと、睨むような目付きでこう言った。

夏「二度と来ないで。」

夏樹さんは徐々に息が荒くなり、私はあのパニックを起こしたときのことを思い出した。
これ以上興奮させないようにと、私ははい、とだけ返事をして帰った。

⏰:12/08/24 20:53 📱:Android 🆔:rTDx5jGk


#169 [なおみ]
訳がわからなかった。

何がいけなかったのか。

もしかして、夏樹さんがきみちゃんと私のことすべてを知ってしまったのか。

そんな不安すら出てきた。

エレベータを待っていると、きみちゃんのお母さんが私を追いかけてきてくれた。

⏰:12/08/24 20:55 📱:Android 🆔:rTDx5jGk


#170 [なおみ]
公母「なおみちゃん、待って!なっちゃんに何言われた?!」

きみちゃんのお母さんは私を気遣うように聞いてきた。

私「あ、すみません...。なんかあたし、夏樹さんを怒らせちゃったみたいです。しばらく来るの控えますね。」

私はうまく笑えていたか気になった。

公母「いいのよお!公貴のためにまたちょくちょく来てあげて?」

きみちゃんのお母さんは私を覗きこんだ。

⏰:12/08/25 19:47 📱:Android 🆔:9UbljvHs


#171 [なおみ]
公母「実はね、亮くんから公貴となおみちゃんのこと、全部聞いたの。」

私はびっくりして、きみちゃんのお母さんの顔を見たまま固まってしまった。

公母「公貴が、なおみちゃんに辛い思いさせちゃったみたいで、ごめんね。」

私「ふ...。」

私は涙が込み上げてきた。

本当の気持ちを隠したまま、病院に通っていることは辛かった。
病院にいる私は、"夏樹さんの友だち"として振る舞ってきた。

本当は泣き叫びたい気持ちを、
先生にすがり付きたい気持ちを、
きみちゃんに触れたい気持ちを、
すべて我慢してきてた。

⏰:12/08/25 19:56 📱:Android 🆔:9UbljvHs


#172 [なおみ]
きみちゃんのお母さんは、私を座らせて、お茶を買ってきてくれた。

公母「なっちゃんね、普通の状態のときとおかしいときがあるでしょ。切り替わるタイミングはよく分からないんだけど、またいつものなっちゃんに戻るから、許してあげてね。」

私は頷いた。

公母「なおみちゃんも公貴とゆっくり話したいでしょ。今度時間作ってあげるから、また来てね、絶対!」

そっか。
きみちゃんのエスパーぶりは、お母さん譲りなんだなあ。

私「ありがとうございます。」

⏰:12/08/25 20:11 📱:Android 🆔:9UbljvHs


#173 [我輩は匿名である]
その日は大人しく帰った。

きみちゃんのお母さんのことも、どんどん好きになっていった。

夜になると、夏樹さんからメールが来た。

夏『今日はごめんなさい。』

私も、返事をしなかったことを謝った。

少しだけ、夏樹さんを煩わしく感じた。

⏰:12/08/27 20:38 📱:Android 🆔:o0SI0U62


#174 [なおみ]
↑すみません名前が消えてました: /

私はしばらく夏樹さんとも連絡を取らず、お見舞いも控えた。
ただ、きみちゃんのお母さんのことが気になり、それから二週間後に行った。

その日は雨が降り、とても寒い日だった。

いつもの時間帯に着くと、病室にはきみちゃんときみちゃんのお母さんがいた。

公母「あら!なおみちゃん、いらっしゃい!」

きみちゃんのお母さんは笑顔で迎えてくれた。

⏰:12/08/27 20:48 📱:Android 🆔:o0SI0U62


#175 [なおみ]
公母「今日なっちゃんね、検診があっていないのよ。」

私はほんの少しだけ、ほっとした。

公母「この間はごめんね。あのあとなっちゃん、泣いてた。」

私「夏樹さんからごめんなさいって連絡来ました。私こそ、すみませんでした。」

きみちゃんのお母さんは首を横に振ると、そうだ、という感じで私に言った。

公母「ね、なおみちゃん、お留守番お願いしていい?あたし、銀行と郵便局行きたくて。」

1時間くらいで戻ってくるからと、きみちゃんのお母さんは出ていった。

⏰:12/08/29 20:40 📱:Android 🆔:v2AjV1iY


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