今でも
最新 最初 🆕
#1 [なおみ]
きみちゃん。

夏樹さんと連絡取るの、もうやめるね。

いつまで経っても、きみちゃんが心の中にいるんだよ。

だから、きみちゃんに繋がる愛しい存在たちから、逃げることにしました。

ずるいかもだけど、分かって欲しい。

⏰:12/07/08 23:43 📱:Android 🆔:GJAqCz4M


#2 [なおみ]
ゆっくり書いて行くので、読んで頂けたら嬉しいです:-)

>>1-100
>>101-200
>>201-300
>>301-400
>>401-500
>>501-600
>>601-700
>>701-800
>>801-900
>>901-1000

⏰:12/07/08 23:48 📱:Android 🆔:GJAqCz4M


#3 [なおみ]
夏も終わりかけのある日。

幼馴染みのまりととし○えんのプールに行く約束をしていた。

まりとは毎年どこかのプールに行っていた。

夏を満喫するため。

と、出逢い目的。

⏰:12/07/08 23:57 📱:Android 🆔:GJAqCz4M


#4 [なおみ]
そんな出逢いばかりだったから、まりと私はいつまで経っても落ち着く気配がなかった。

まりはもう何年も彼氏がいなくて、私は付き合ってもすぐ別れる。

分かってはいた。
このまんまじゃやばいってことくらい。

けど、恋愛一つ一つ、私たちは私たちなりに真剣だった。

今となっては全部いい経験だったと思える。

⏰:12/07/09 00:04 📱:Android 🆔:Au8ytOjE


#5 [なおみ]
携帯の時計は待ち合わせ時間を30分過ぎていることを知らせていた。

「...遅い。」

私も10分遅刻したけど、まりが連絡なしでこんなに遅刻するのは珍しい。

「...寝てんな!まりさん。」

私は恐る恐る電話をした。

倖田來未のメロコが流れる。
意外に早くまりが出た。

まり「まぢごめ〜ん今起きた〜」

私「あ、やっぱり?駅前のマックで待ってるからダッシュね。」

まり「うんーすっぴんダッシュ!」

まりは夜系のお客さんを相手にした仕事だったため、お昼の12時待ち合わせでもキツいときはキツかった。

⏰:12/07/09 00:37 📱:Android 🆔:Au8ytOjE


#6 [なおみ]
電話を切った私は、チケットをまりの分も買って、マックに向かった。

私も寝坊してたため、中途半端だった化粧を再開した。

終わる頃にまりが到着した。

まり「まぢごめんねー昨日帰り遅くてさー」

私「いいよいいよ。いっつもあたしが待たせてんだし。...それより化粧しちゃいな。」

まり「まぢすっぴんダッシュだったかんねー!」

まりは慣れた手つきで化粧をし始めた。
まりは倖田來未似で可愛い。

小学生からの付き合いで、まりには話してないことは何もないってくらい、仲がいい。

⏰:12/07/09 00:50 📱:Android 🆔:Au8ytOjE


#7 [なおみ]
まりの化粧が終わった。
いつものまりだ。

私「改めておはよー!やっとまりに会えたー!」

まり「ちょっと。」

私たちはちょっとテンション上げつつプールへ向かった。

向かう途中遊園地を見ながら、ちっちゃい頃お父さんとよく来てたなーなんて懐かしい気持ちになってた。

まり「浮き輪忘れたんだけど!持ってきた?」

私「持ってきてないー!買う?」

まり「買おう!私シートは持ってきた!」

私「さすがまり!」

まり「あんた何にも持ってきてないね!」

まりは紫の浮き輪、私はピンクの浮き輪を買った。

⏰:12/07/09 01:06 📱:Android 🆔:Au8ytOjE


#8 [なおみ]
まりと私は混雑する女子ロッカーで手早く着替えた。
浮き輪を持ってプリクラを取り、場所確保に向かった。

私「人やばくなーい?シート広げる場所ないっしょ!」

まり「とりあえずあっち行ってみる?」

2人で人ごみをかき分け、波のプールの近くに向かった。
日陰の場所は空いてるわけもなく、日当たり抜群の場所がいくらか空いていた。

私「もうここでいいよねー?ずっとプール入ってるっしょ?」

まり「うん!ここでいいよー!」

私とまりはシートを広げた。

⏰:12/07/09 14:35 📱:Android 🆔:Au8ytOjE


#9 [なおみ]
荷物を放り投げて、履いてたビーサンを脱いで、流れるプールまで向かった。

地面が熱くて、足の裏が焦げそうだった。
そんな感じにも、テンションが上がった。

その間にもナンパされたが、どれもヒットしなかった。

流れるプールに到着して、足をつっこんでみた。

私「ぎゃー!やばーい!爆笑」

まり

⏰:12/07/09 14:54 📱:Android 🆔:Au8ytOjE


#10 [なおみ]
↑シクりましたX-<

まり「やばーい!ちょー冷たーい!爆笑」

騒ぎまくって2人でゆっくり入ってった。
このときがテンションピークだった。

段々プールの温度に慣れてきて、テンションが落ち着いてきた。

まり「やっぱいいねー!」

私「ちょー気持ちいいー!謎に叫びたくなる!!」

浮き輪に乗って流されながら、近況報告会が始まった。

まりは今微妙な関係の男がいて、私は一ヶ月前に別れたばかりだった。

結論として、フリーは楽って話になった。
でも、お互い強がってたのは、言うまでもない。

⏰:12/07/09 15:05 📱:Android 🆔:Au8ytOjE


#11 [なおみ]
何組かナンパしてくる人たちが私たちのとこに来ては、少し話して離れていった。

私「いい感じの人いた?」

まり「いや、タイプはいなかった!なおみはさっきの人気に入ってたんじゃないの?」

私「いや!やたらくっついてきてむしろ無理だった。」

まり「お触りは禁止禁止〜!笑」

私「ね!そーゆーのやってないから!」

そんな話をしていたら、斜め前にちょっと年上っぽい2人の男の人が、小学生と遊んでいた。

親子ではないことは分かった。

一人は塚本高史似のイケメン。
もう一人はMATSU似のワイルド系だった。

あー!MATSU似のアナタ、タイプなんですけどー

とか思ったけど、流れに負けて、それ以上は特になかった。

⏰:12/07/09 15:29 📱:Android 🆔:Au8ytOjE


#12 [なおみ]
2時間半くらい流されて、ジリジリ太陽にめげそうになっていた。

私「まりー喉乾いたからなんか買いに行こー!」

まり「いいよー!」

私たちはプールから出てシートに向かった。

浮き輪を置いて、小銭を持って、飲み物を買いに行った。
私はコーラフローズン、まりはメロンソーダフローズンを買った。

2人でほおばりながら、まりはコパトーン、私はアネッサを塗っていた。

日当たり抜群の場所だけど、体力のないウチらはタオルをかぶってちょっと寝ようってことになった。

⏰:12/07/09 16:17 📱:Android 🆔:Au8ytOjE


#13 [我輩は匿名である]
読んでます(^O^)
頑張ってくださいテ

⏰:12/07/09 18:23 📱:S005 🆔:uU00Ztx2


#14 [なおみ]
>>13

匿名さん

ありがとうございます!
頑張ります〜!

⏰:12/07/09 19:06 📱:Android 🆔:Au8ytOjE


#15 [なおみ]
2人で1個の浮き輪を枕にして、サングラスかけて、私が持ってきた超巨大タオルを2人ですっぽり被った。

最初は暑ーいとか2人で笑ってたけど、夕方ってこともあって意外に寝れた。

たぶん10分くらいしか経ってなかったと思うけど、浮き輪が大きく揺れた。

まりは疲れてたせいかまだ寝てて、私はタオルからそっと顔を出して浮き輪を見た。

そしたら私たちが寝てる反対側に、知らない2人組が浮き輪を枕にして同じように寝てた。

誰??って思って気付かれないように覗きこんだ。

そしたらさっきチラ見してた塚本高史とMATSUだった。

まぢ?!
私は本日2回目のテンションピークを迎えた。

⏰:12/07/09 19:19 📱:Android 🆔:Au8ytOjE


#16 [なおみ]
またタオルを被ってまりを起こした。

私「ねーねー!誰か反対側で寝てる!笑」

テンションが上がり切ってる私はきっとでへでへ言ってたと思う。

半分寝ぼけているまりと一緒にもう1回覗きこんだ。

私「あのー...」

私の声に塚本高史が起き上がった。

塚「あ、ごめん、間違えた!」

え?!何を?!てかまぢイケメンなんですけど!!

そしたらMATSUも起き上がった。
笑った顔が可愛かった。

笑顔が止まらない私。そんな私を見て笑うまり。

塚「あのさ、良かったら一緒にトイレ行かない?」

はー??
新しくて私たちは爆笑だった。

⏰:12/07/09 20:37 📱:Android 🆔:Au8ytOjE


#17 [なおみ]
私たちは自己紹介をした。

塚本高史似のイケメンは亮という名前だった。
歳は23で、介護福祉の仕事をしていた。

MATSU似のワイルド系は公貴という名前だった。
歳は亮と同じ23で、電気屋の取り付け工事の仕事をしていた。

亮「まりちゃんとなおみちゃんは学生なの?」

まり「あたしは働いてるよー。夜系のお客さん相手の花屋さんなんだ。」

私「あたしは大学生。」

そのときまりと私はまだ19歳くらいで、特に学生の私なんか、亮と公貴が大人に見えた。

⏰:12/07/09 22:02 📱:Android 🆔:Au8ytOjE


#18 [なおみ]
公「亮ってよくしゃべるけど、まぢイケメンだろ?チャラそうに見えて実際一途だからよ。」

亮「いやいや、公貴こそワイルドでかっこいいっしょ?EXILEにいるでしょこいつ!」

急に2人の誉めあいが始まった。
そんな感じにまりが突っ込んだ。

まり「いやいや、誉めあいとかいらないから!暑いからプール行こうよ!」

私たちは笑いながら立ち上がり、まりと私はサングラスを外した。

公「可愛い眼してんな!さっきも思ったけどよ。」

公貴が私の顔を覗きこんできた。

私「ちょ...」

私は照れて面白い返しがまったくできなかった。

今のは、ずるいでしょ。
てか、さっきっていつ?!

私は照れてるのを隠し切れずにやにやしながら3人についてった。

⏰:12/07/09 22:18 📱:Android 🆔:Au8ytOjE


#19 [なおみ]
亮「てかさっきトイレ行こうつったじゃん?まぢで俺行きたいんだよね!」

私「んー!あたしも!」

亮「お!じゃあ行こう!」

あたしと亮はトイレに向かった。
亮と公貴は背はあまり大きくなかった。

ちょっと話しただけで、2人が無邪気で優しい人たちなんだなって分かった。

トイレから出てくると亮が待っててくれた。

亮「おー。そこ滑るから気を付けろよ。」

そう言って亮は手を出してくれた。

こいつら...全力だな?!

まんまとキュンキュンしちゃってる私は、本能に従うことにした。
手を繋ぐって、私的に一番どきどきする!

でも、平然を装ってすぐに手を放した。

私「ありがとっ!」

私は謎に小走りした。
亮は笑ってた。

⏰:12/07/09 22:41 📱:Android 🆔:Au8ytOjE


#20 [なおみ]
まりと公貴を待たせてる場所に戻ると、2人は楽しそうに何か話してた。

亮「なんかあの2人黒いもん同士、お似合いだな。」

私はその言葉にちょっとヤキモチを妬いた。

私「亮は焼かないの?真っ白!」

亮「おいっ気にしてんだから言うなよ笑」

戻ってきた私たちを見るとまりがブーブー言ってきた。

まり「遅い〜!2本目に火つけるとこだった!」

私「ごめん!行こ!」

私はビーサンをぽいっと脱いで浮き輪を持ってまりの腕を引っ張った。

まり「どうしたの?なんかあった?」

まりはにやにやしながら聞いてきた。

私「別にー!」

このときの気持ちは、自分でもよく分かんなかった。

⏰:12/07/09 22:55 📱:Android 🆔:Au8ytOjE


#21 [なおみ]
4人で波のプールに行って、他愛もないことを話してた。

どこに住んでるとか、亮と公貴の関係とか、私とまりの関係とか。

会話の中で、私は公貴って名前を呼べずにいた。
恥ずかしさもあったけど、公貴って、なんか気軽に呼べる長さじゃない。
亮は勢いで呼んじゃってたけど。

だから、急に呼んでみた。

私「え、きみちゃんっ!...は、さあ、あのあの、どうして介護福祉の仕事辞めちゃったの?」

よしっ、自然だった!

亮「笑。どうしてなのよーきみちゃん!」

公「なんか亮にきみちゃんて呼ばれても嬉しくない。」

あ、自然じゃなかったのかな。ま、いっか!

公「さっき俺と亮は同じ大学卒業したって言っただろ?卒業したあと亮と同じ職場に就職したんだけどよ、違う道もあるんじゃねえかって思っちゃってよ。」

亮「それで辞めちゃったんだよな?条件悪くはなかったと思うんだけどな。」

まり私「ふうん。」

公「まあ、ゆくゆくはまた介護福祉に戻ると思うんだけどよ。」

きみちゃんの話をもっと聞きたいと思った。
もう既に、私はきみちゃんに惹かれていた。

⏰:12/07/09 23:40 📱:Android 🆔:Au8ytOjE


#22 [なおみ]
私たち4人は閉園ギリギリまでプールで遊び、着替えてから合流する約束をして、それぞれのロッカーに向かった。

まり「なおみ、きみちゃんタイプっしょ?」

私「うん!まぢストライクー!!
まりは?亮タイプじゃん?」

まり「うーん、ちょっと違うかなー!でも2人とも性格良さそうだよね。」

あ、そっか!まりのタイプはもうちょっと可愛い系か!

そんな会話をしながら着替えて、化粧直しをして、ロッカーを出た。

そしたらきみちゃんと亮が待ってくれていた。
私服もお洒落でいい感じだった。

⏰:12/07/10 00:32 📱:Android 🆔:4gt1AjAo


#23 [なおみ]
私「お待たせ〜!」

私ちが手を降ると亮が食い気味で言ってきた。

亮「このあとまだ時間ある?遊園地行こうよ!」

私はまりの顔を見た。
行きたいです!って顔に出してみた。

まり「笑。いいよー行こう!」

4人で遊園地に向かった。
ジェットコースターとかお化け屋敷とかミラーハウスに行った。

ずっと爆笑してた気がする。

その間、階段登り降りするときとか、お化け屋敷の中歩くときとか、亮が手を引いてくれてた。

違う〜!きみちゃんがいいのー!

とか思ってたけど、そんなこと言えないし、大人しく手を引かれてた。

⏰:12/07/10 08:19 📱:Android 🆔:4gt1AjAo


#24 [なおみ]
遊園地も閉園の時間になって、最後に4人で写メを撮ろうって話になった。
そのときは頑張ってきみちゃんの横をゲットした!

そのあと飲みに行こうかって流れもあったんだけど、明日まりは仕事だし、と思って断った。

アドレスを交換して大人しくバイバイした。

帰り道にまりにきみちゃん攻めます宣言をした。

私は結構肉食で、自分からガンガン行くタイプだ。

まり「頑張れ〜!笑」

まりはおもしろがって応援しつつうきうきしてた。

⏰:12/07/10 08:33 📱:Android 🆔:4gt1AjAo


#25 [なおみ]
地元の駅でまりと別れて、家に着いた頃にメールが来た。
亮からだった。

ちょっとがっかりしたけど、すぐに返事をした。

『今日はありがと!
楽しかったね♪
またみんなで遊ぼー;-) 』

返信した1分後くらいにメールがきた。

はやっ!
って思ったらきみちゃんからだった。

メールを読んで即効返事を返した。

『今日はちょー楽しかったね!
一緒に遊んでくれてありがとっ☆
今度飲みに行こう♪』

自分でも笑っちゃうくらいのこの違い。
まあ、分かりやすくていいよね!

⏰:12/07/10 18:49 📱:Android 🆔:4gt1AjAo


#26 [なおみ]
きみちゃんと亮はマメで、メール一通一通が丁寧だった。

何日かやり取りは続いたが、いつしか亮とはメールをしなくなり、きみちゃんとだけメールをするようになっていた。

夏休みが終わり、9月になった。

私の大学は夏休みが短い。
朝からしっかり授業はあったが、起きれるわけもなく、昼過ぎに大学に着いた。

先週も会ったメンツ、久しぶりに会ったメンツ、みんな元気そうだった。

「なおみきみちゃんとどうなの〜?」

仲良し3人には既にきみちゃんの話をしていて、みんなわくわくしながら聞いてきた。

私「どーもこーも!会う約束もしてないよ〜」

私はテーブルに伏せて見せた。

「いやいや!まだ出会って2週間も経ってないのにヘコむところじゃないでしょ!」

うーん、確かに!
けどさ〜けどさ〜

と思ってたらメールがきた。

⏰:12/07/11 08:27 📱:Android 🆔:3EtwJjYM


#27 [なおみ]
あ!

私「はい!きみちゃんからメール来ました〜!」

私はみんなにアピールした。
みんなは手を叩いて私の次の言葉に注目した。

メールを読んでみると、学校頑張れってことと、きみちゃんが今お昼休みだってことと、昨日の話の続きと、おいしい焼肉屋さん見つけたから今度行こうってことだった。

まぢ!!

私「はい、デートのお誘い来ました〜!」

私はまたみんなに言った。
みんなは爆笑しながら良かったねって言ってくれた。

その日はすごく嬉しくて、授業もバイトも絶好調だった。

⏰:12/07/11 08:52 📱:Android 🆔:3EtwJjYM


#28 [なおみ]
そのあとも何回かやりとりをして、2人の予定があったのは2週間後だった。

それまで毎日が長くて長くて、その間も毎日メールして、きみちゃんへの気持ちが募っていった。
一日千秋とは正にこれ!

ついにデート前日!
会うのは夕方からだったけど、私はいろいろと準備した。
そう、色々と。

一番悩んだのは服だった。
毎日見てる服ばかりのせいか、どれも納得できなくて、なかなか決まらなかった。

なのできみちゃんに相談してみた。

私『きみちゃんは女の子の服装何系が好き??』

今考えると自分で恥ずい!

公『似合ってればなんでも可愛いよ!この間のワンピースも可愛かった!』

ちょっ...!!
嬉しすぎるけど参考にならない...!!!

悩んだあげく、焼肉だしと思って、シンプルにした。
ショーパンに、デコルテ強調のロンT。
小物系はカラフルにした。

今ではそんなカッコもうできません。

⏰:12/07/11 21:39 📱:Android 🆔:3EtwJjYM


#29 [なおみ]
興奮して寝れない!とか思ってたけど、意外にすぐ寝れた。
寝る前にいろいろ考えてた。
カラオケも行く約束をしてて、何歌おうとか、何話そうとか。

デート当日。

私はすっごい気合いが入ってた。
髪をぐりぐりに巻いて、逆毛立てて、化粧もばっちりだった。

珍しく待ち合わせ時間前に到着した。
そわそわしつつ、きみちゃんを待った。

ちょっとしたらきみちゃんが来た。

私「あ!久しぶり〜!」

公「おー。早いな!」

相変わらず笑顔が可愛くて、お洒落だった。

公「なんかこの前と雰囲気違う。髪の色変えた?似合ってる!服も可愛いな!」

この!誉め上手が!
きみちゃんは誉め上手。
さらっと人が喜ぶことを言って、照れた顔をする。

私「きみちゃんもこの短パンと帽子可愛い〜!」

私の照れる中での精一杯の言葉だった。

⏰:12/07/14 08:32 📱:Android 🆔:4PXd3e.M


#30 [なおみ]
PCから更新します:-)

他愛ない会話をしながら歩いていたら、きみちゃんお勧めの焼肉屋さんに着いた。

お店に入ると、きみちゃんは予約をしていてくれたみたいで、すぐに席に案内された。

私「お店予約してくれてたんだ♪ありがと!」

公「俺短気だからよー。こういうの予約しないとだめなんだよな。」

確かに、そのお店は人気があるせいか、まだ夕方なのにお客さんが数名待っていた。

きみちゃんと私は最初の一杯を注文した。
きみちゃんは生、私はウーロンハイ。

2人「カンパーイ!」

きみちゃんと飲めるということもあって、最初の一口がすごくおいしかった。

⏰:12/07/14 14:16 📱:PC 🆔:17K1L1mg


#31 [なおみ]
公「なおみ、酒強そうだな?」

私「うち、ちょー強いよ!笑 だからみんな先にべろべろになっちゃうから、更に全然酔えないの!」

その後、3時間くらい飲んでたけど、きみちゃんもお酒が強そうだった。
私はどきどきとかもあって、全然酔う気配がなかった。

色々な話をした。
くだらないことから、ちょっと重要なことまで。

やっぱりどうしても気になっちゃうこの質問。

私「きみちゃんはどれくらい彼女いないの?」

私は恐る恐る聞いてみた。

⏰:12/07/14 14:46 📱:PC 🆔:17K1L1mg


#32 [なおみ]
公「んー...2ヶ月くらいかな。」

え!最近じゃん!
とか思ったけど、私もそれくらいだった。

私「あたしもそれくらい!...。」

どうして別れちゃったの?とか、どれくらい付き合ってたの?とか、聞きたかったけど、聞けなかった。
そしたら、そんな私の様子を察してくれたのか、きみちゃんから話してくれた。

公「前の彼女とは3年近く付き合っててよ。向こうの浮気で別れたんだよ。」

私「そうなんだ...。」

長かったんだなーっていうのと、まだ好きなのかな?って気持ちが、ちょっと私のテンションを下げた。

公「まあでもよ、こうやってなおみと遊べるようになったわけだし、俺的には何も気にしてねーよ♪」

きみちゃんはエスパーだと思った。
私が欲しい言葉、そのまま言ってくれるんだもん。

⏰:12/07/14 16:21 📱:PC 🆔:17K1L1mg


#33 [なおみ]
公「なおみは?」

きみちゃんが聞いてきた。
私の話なんかくだらない!
付き合って3ヶ月くらいで別れちゃったし、別れた理由もくだらなくて覚えてない。

でも、そんな内容だったけど、きみちゃんが真剣に聞いてくれたことは覚えてる。

公「まあ、お互いタイミング良かったんだな!」

私「うん!」

私はこの数時間で、どんどんきみちゃんのことを好きになって行くのが分かった。

場所を変えようってことになって、テンションが高かった私たちは、なぜか勝負魂が燃えてきた。
そんなこんなでビリヤードに行った。

⏰:12/07/14 16:26 📱:PC 🆔:17K1L1mg


#34 [なおみ]
ビリヤードは、不得意。
惨敗だった。

負けた方はテキーラ一気飲みっていうルールで行った。
きみちゃんは激弱な私を見るに見かねて、ハンデを与えてくれた。
だからきみちゃんも何杯かテキーラを飲んだけど、それでもやっぱり私がほとんど飲むハメになっていた。

散々騒いで楽しんで、気付けば終電間近になっていた。

私「きみちゃん、あたしそろそろ電車なくなっちゃう!帰ろう!」

公「おーそうだな!帰るか!」

さっきの焼肉屋さん、おごってもらったしと思って、私がお会計をしようと
思って受付に行った。
伝票が見当たらなかったから、そのまま行って、テーブルナンバーを伝えた。

店員「お客様のお会計はお済みになっています。」

え???
私がぽかーんとしていると、後ろからにやにやしながらきみちゃんが来た。

私「ちょっ!どうしてできる男風なことするの!」

それにまんまとやられちゃってる私。

公「今日はいいよ。俺が誘ったんだからよ。今度なおみが俺のこと誘って?」

はい。完全にやられました。

もう、後戻りできないくらい好きになりました。

⏰:12/07/14 16:36 📱:PC 🆔:17K1L1mg


#35 [なおみ]
そのまま2人でお店を出て、駅に向かった。

なんか、くっつきたくて、でもくっつけなくて、もじもじした。

改札に着いて、きみちゃんの様子がちょっと変だった。

私「あれ、きみちゃんって何線だっけ?」

公「えーっと...俺、終電なくなっちゃった。」

私「え?!...何時だったの?!」

公「1分前。笑」

私「ええ?!なんかよく分かんないけど、まぢごめん!」

公「いやなおみは悪くねーよ!俺も楽しすぎて終電のこと忘れちまったからよ!」

私はどうしようって気持ちしかなかった。

公「ほら、なおみ早く電車乗れよ。」

私「乗れよってきみちゃんどーすんのさ?」

公「俺は漫喫行って寝るからよ。」

ええ??
私は申し訳ない気持ちでいっぱいだった。

きみちゃん明日仕事って言ってたしな。
このまま私が帰るのもな...。

⏰:12/07/14 16:45 📱:PC 🆔:17K1L1mg


#36 [なおみ]
私「じゃあ、あたしも残る〜♪」

私は取り出してたスイカをしまった。

公「え、大丈夫なのかよ?」

私「平気!カラオケ行ってちょっと歌って寝よう!」

きみちゃんは、それならって納得してくれた。
2人でカラオケに向かった。

カラオケに向かってる途中で、きみちゃんの携帯が鳴った。

公「やべっ会社の先輩からだ!」

きみちゃんはちょっと前を歩いて話してた。
こんな夜中にまで電話かかってくるなんて、社会人って大変だなーって思ってた。

テキーラが効いたのか、ふわふわしちゃって、頭が回らなかった。
カラオケ行っても、歌わなくてこのまま寝ちゃうんだろうなとか思った。

明日、きみちゃん仕事だし。

カラオケで寝るのは可哀想かなあ。

電話が終わって振り向いたきみちゃんに、提案した。

私「きみちゃん、やっぱカラオケやめて、ラブホ行こう!」

公「...ん?笑」

⏰:12/07/14 16:58 📱:PC 🆔:17K1L1mg


#37 [なおみ]
きみちゃんは唖然として私を見てた。
むしろ引いてたかも。

当然ですよね!
けどこのときの私はこんな発言が相手にどう思われるかなんて考えてなかった。

次の言葉が出ずにいるきみちゃんを見て、当時の私はすごい発言したことに気付いた。

私「あ!違うの!あのあのー変な意味じゃなくて、ベッドで寝る方が疲れのとれ具合違うじゃん?きみちゃん明日仕事だし!」

あんまりフォローになっていなかったけど、きみちゃんは何か考えてた。

私「お風呂もあるし!」

必死でフォローしてる私を見て、きみちゃんが笑った。

公「なおみがそれでいいんならよ、俺的には有難いけどよ。」

そう言って、適当なラブホ探しを始めた。

ラブホ街は色んな事情がありそうな男女がたくさんいた。
どこも満室で、やっと空いてた部屋があって、そこに決めた。

⏰:12/07/17 08:45 📱:Android 🆔:cAaIoL22


#38 [なおみ]
部屋に入って、一通り部屋の中を探険して、2人でベッドに腰かけた。

私「疲れたねー。」

公「な。」

きみちゃんがテレビを付けた。
そしたら、どーんっと大画面に女の人の秘部がアップで写った。

公私「...。」

きみちゃんは一瞬固まってすぐにチャンネルを代えた。
私は一瞬なんなのか分からなくて、チャンネルを代えられたあとに気付いた。

私「あたし、お風呂入ってくる♪」

気まずい空気をごまかすように、明るく言ってみた。

公「いってらっしゃい!」

きみちゃんの言い方もごまかしてたのかも。

私はお風呂に入りながらどきどきしてた。

やばい!このままきみちゃんとゴールしちゃうかも!
だめだめ!まだ早い!早すぎる!!
そんな軽い女じゃないんだから!
でもきみちゃんだったらいいかも...だめっ!

結構葛藤だった。

⏰:12/07/17 23:21 📱:Android 🆔:cAaIoL22


#39 [なおみ]
お風呂からあがって、バスローブみたいな服があったけど、それを着たら如何にもって感じだから、結局着てた服をまた着た。

とにかく!
普通にして、普通に寝よう!

そう心に決めて、ドアを開けた。

そしたらきみちゃんがお腹を出して寝てた。

えーーーー!

ってガッカリじゃなくて!
いいのいいのっこれでいいの!

自分に言い聞かせて、隣に座った。
寝顔をまじまじと見た。
すーすー言ってて、可愛かった。

私「はあ。」

なんのため息か分かんないけど、一息ついて、きみちゃんをちゃんとまっすぐ寝かせた。
服がめくれあがってるのも直して、お布団もかけてあげた。

テレビを消して、電気も消して、私も横になった。
それでもまだちょっとどきどきしてて、しばらくは寝れなかった。

きみちゃんとの会話を思い出して、いろいろ考えてたらいつの間にか眠ってた。

⏰:12/07/17 23:36 📱:Android 🆔:cAaIoL22


#40 [なおみ]
朝方になって、目が覚めた。
時間にしたら数時間しか寝れてなかった。

隣ではきみちゃんがまだすーすー言ってる。
私はちょっと窓を開けてみて、外の光を入れた。

そういえば、きみちゃん何時に起こしたらいいか聞くの忘れたと思って、また時計を見た。

もう電車が動いてそうな時間だった。

私「きみちゃん、そろそろ行かなくて平気?」

私はきみちゃんを揺すった。

公「ん〜...。今何時?」

私「もうちょっとで5時。」

公「んー。行くかー...。」

きみちゃんはそう言って二度寝した。

私「ちょっと!笑 時間大丈夫なの?」

公「6時くらいに出れば平気...。」

じゃあいっかと思って、私はポットでお湯を沸かし始めた。

⏰:12/07/18 21:15 📱:Android 🆔:kW0vHGxc


#41 [なおみ]
普段はこんなことしないんだけど、お茶を入れてみた。
なんか寝れなくて。

顔を洗って歯磨きして、軽く化粧をした。
髪が若干うねってるけど、まあいっか。

そんなこんなしてたら、6時ちょっと前になった。

私「きみちゃん、コーヒーとお茶、どっち飲む?」

公「コーヒー...」

そう言ってきみちゃんは起きた。

私「おはよ。笑」

公「おはよう。悪いな。ありがとな。」

きみちゃんはちょっと照れたように言った。
そんな感じがすごく可愛かった。

きみちゃんがコーヒーを飲み終わって、歯磨きしてる間に私が精算を済ませた。

公「あ!」

きみちゃんは泡だらけの口で叫んだ。
慌てて口をゆすいで、お財布から1万を取り出して私に渡してきた。

私「いーの!あたしが誘ったんだから!それにもうお財布しまっちゃった!」

公「いやいや悪いからよ。」

私「いーの!笑」

私は部屋を飛び出した。

⏰:12/07/18 21:29 📱:Android 🆔:kW0vHGxc


#42 [なおみ]
きみちゃんは笑いながら部屋を出てきた。
私はエレベーターまでダッシュ。

このときから、お会計奪い合い戦争が始まったっけ。

エレベーターが来たのと同時にきみちゃんも私に追い付いた。

公「なおみ、ありがとな。」

そんな何回も言わないでー!って感じだった。

私「ぐっすり寝れた?」

公「ぐっすりだよ!なおみのお陰だな。」

ほんとに。おだて上手なんだから!

私たちは駅に向かった。
本数は少なかったけど、電車は動き始めてた。

私「きみちゃん、昨日今日ありがと!ちょー楽しかった!お仕事頑張ってね!」

私は抱きつきたかった衝動を抑えて、両手を出した。
きみちゃんも両手を出して、私の手を強く握ってくれた。

公「こちらこそありがとな!また連絡するからよ!」

私はすっごく名残惜しかったけどゆっくり手を放した。

きみちゃんは違う改札だったから、私が改札に入るのを見届けてくれた。

見えなくなる直前に手を振った。
きみちゃんも振ってくれた。

⏰:12/07/18 22:03 📱:Android 🆔:kW0vHGxc


#43 [なおみ]
私ははあ〜っとうっとりしたため息をついた。

電車に乗ったとき、きみちゃんからメールがきた。

公『今日はありがとな。ちゃんと電車乗れたか?』

そのメールを読んだら、急に寂しくなった。

はあ。
ちょー好きになっちゃった。

⏰:12/07/18 22:05 📱:Android 🆔:kW0vHGxc


#44 [なおみ]
その後も、きみちゃんとは何回かデートした。

相変わらず、お会計争奪戦は続いてた。

私たちはカラオケが大好きで、行きたい場所が決まらなかったらカラオケに行ってた。

きみちゃんは見た目とは違い、甘い声を出す。
歌が上手でとっても聞き心地がいい。
私はきみちゃんの歌が大好きだった。

いっつも聞き入っちゃって、私の番なのに予約を入れ忘れることが多々あった。

公「なおみは何歌っても上手えかんなー。」

きみちゃんのがよっぽど上手いよ!
素直に言えない。

きみちゃんのそういうところ、すごく尊敬した。
素直に人を誉められるとこ。
相手の気持ちを理解していること。
さりげない気遣いができるとこ。

人として、私は本当に尊敬してた。

⏰:12/07/19 08:31 📱:Android 🆔:f79CnVIs


#45 [なおみ]
月2回くらいのペースで会っていて、メールは毎日してた。

そんなある日、ぱったりメールが来なくなった。

携帯が鳴る度にきみちゃんかもと思って、授業中だろうがバイト中だろうが即効確認してた。

けど、やっぱり来ない。

そんな中、久しぶりにまりと遊んだ。

まり「久しぶり〜!」

まりは相変わらずテンションが高かった。

私「久しぶりだね!あれ?痩せた?」

まり「痩せたよー!最近忙しくてさ〜!」

まりは更に小顔になってた。
まりとはあのとし○えんのプール以来、会ってなかった。
メールとかではちょいちょいきみちゃんに関する話をしてた。

⏰:12/07/19 08:44 📱:Android 🆔:f79CnVIs


#46 [なおみ]
まり「それで、きみちゃんからどれくらい連絡来てないの?」

お買い物中に一通り話して、2人でカフェに落ち着いてた。

私「もうすぐ一週間〜。」

私はため息をついた。
まりはそんな私を見て笑った。

まり「怒らせちゃったとか、思い当たることないんでしょ?だったらきみちゃんになんかあったのかもじゃん!連絡してみれば?」

私「そうですよね〜。...今連絡してみよっと!」

私はその場で携帯を出してメールを打ち始めた。

『久しぶり!元気?
なんか連絡ないから心配だよ!
大丈夫?』

送信したら、少しだけすっきりした。
そのあとはまりの近況報告を聞いて、またお買い物をして解散した。

丁度、家に着いた頃携帯が鳴った。
きみちゃんからだった。

なぜか返事を読むことに緊張した。

⏰:12/07/20 08:21 📱:Android 🆔:XrHQvwVs


#47 [なおみ]
公『連絡しなくて悪いな!
風邪で寝込んでてよ、連絡できなかった!
でも、もう治ったから心配すんなよ?
なおみは元気か?』

すごく安心した。
そのあとはいつも通りメールは続き、また会う約束をした。

11月下旬辺りで、イルミネーションが始まる時期だった。
私が行きたい場所を優先して、いつも連れて行ってくれる。

その日はお昼から会う約束をしていた。
前日に服選びも、あれこれの準備も、完璧にしていた。

待ち合わせ場所にぴったりくらいに着くと、きみちゃんがいた。

私「ごめん!待った?」

公「いや、俺も今着いた!」

きみちゃんは濃いグレーのロングコートに、ワインレッドのマフラーを流してて、黒のハットを被ってた。

私「えー!何ー!ちょーお洒落じゃん!」

私はテンションが上がった。

公「いやいや、おじさん系♪なおみこそ、もこもこしてて可愛いな。」

きみちゃんの照れた顔が大好き。

⏰:12/07/20 08:40 📱:Android 🆔:XrHQvwVs


#48 [なおみ]
公「じゃあ行くか!」

⏰:12/07/20 08:43 📱:Android 🆔:XrHQvwVs


#49 [なおみ]
↑ごめんなさい、失敗しました(;-;)

公「じゃあ、行くか!」

そう言うと、きみちゃんは手を私に差し出した。

え!!
私はテンションが上がって、その手を迷いなく繋いだ。

その頃、デートは10回くらいしていたが、私たちはお互いに触れたこともなかった。
手を繋ぐなんてなかったし、このときが初めてだった。

きみちゃんは手袋を片方外して手を繋いでくれた。
きみちゃんの体温が、温かくて、全身が温まっていくように感じた。

⏰:12/07/21 13:29 📱:PC 🆔:AN54FmsE


#50 [なおみ]
まずは2人でランチをした。
そのときも他愛ない会話で盛り上がっていた。

私「でも、風邪ってそんなにひどかったの?」

私は連絡が取れなかった一週間のことを聞いた。

公「ああ。やばくてよ、仕事中倒れたんだよ。平気と思って我慢してたのが悪かったんだな。」

私はあからさまに心配顔をしたんだと思う。
きみちゃんはそんな私を見て笑った。

公「そのあと点滴打って元気になったから大丈夫だよ。心配すんな。」

きみちゃんはちょっと悲しそうな笑顔だった。
その理由はよく分からなかった。

⏰:12/07/21 13:37 📱:PC 🆔:AN54FmsE


#51 [なおみ]
ランチを終え、お買い物をした。
私はボディクリームとか化粧品を大量に買った。

今日は、2人でお泊りをすることは暗黙の了解だった。

初めてのデートでお泊りをしてから、その後何回かお泊りはしていた。
だけど、特に何もなく、本当に寝るだけだった。

寝る距離も、触れない距離で寝ていたりした。

私「ねえねえ、この試供品今日きみちゃんに試させて?」

公「なんで俺で試すんだよ。笑」

そう言って、きみちゃんは私を引き寄せた。
きみちゃんの香水のいい香りがした。

⏰:12/07/21 14:01 📱:PC 🆔:AN54FmsE


#52 [なおみ]
なんか、今日のきみちゃんは違う。

今まで何かを抑えているように私と接してきたきみちゃんが、今日は何も抑えていないように感じた。

私は、寒くなってきたからかなあとか思ってた。

外は徐々に暗くなってきて、街がきらきら色づき始めた。

⏰:12/07/21 14:10 📱:PC 🆔:AN54FmsE


#53 [なおみ]
私「やばーい!ちょーきれい!!」

私が携帯でイルミネーションの写真を撮る姿を、きみちゃんはにこにこして見ていた。

公「俺も撮ろう♪」

2人でどっちの画像がきれいだとか言い合っていた。

歩き回って、イルミネーションを一通り見ていたら、ホットワインを販売しているワゴン車があった。
周りはワインのいい香りがする。

⏰:12/07/21 14:21 📱:PC 🆔:AN54FmsE


#54 [なおみ]
私「いい匂いするねー。」

公「飲むか!なおみどっちがいい?」

私「白〜♪」

しばらくすると、きみちゃんがホットワインを持ってきてくれた。

私「ありがとう。」

湯気がかすかに出ていた。
寒い空気の匂いと、ホットワインの温かい香りが、すごく愛称がいいなあと思った。

私「おいしいね!」

私はきみちゃんを覗き込んだ。

公「うめえな。外で飲むからまたうめんだろうな。」

きみちゃんは赤っ鼻でおいしそうに飲んでいた。

⏰:12/07/21 14:26 📱:PC 🆔:AN54FmsE


#55 [なおみ]
公「今更なんだけどよ、なおみはなんで亮と連絡取らなくなったの?」

私「え!どうして?」

私は唐突なその質問に、質問で返してしまった。

公「亮、結構なおみのこと気に入ってたからよ。」

私は返事に困った。

私「あたしね、とし○えんのプールで2人に声かけられる前に、2人のこと見てたんだ。」

公「俺らも。」

私「え!いつ?」

きみちゃんは笑った。

⏰:12/07/21 14:42 📱:PC 🆔:AN54FmsE


#56 [なおみ]
公「なおみと、まりちゃんが流れるプールにキャーキャー言いながら入ってきたとき。」

あの騒いでたときに見られてたんか。
私はちょっと恥ずかしかった。

私「私はね、きみちゃんと亮が流れるプールで小学生と遊んでたとき。」

きみちゃんは笑った。

公「あのときか。」

私「それでね、私、きみちゃんに一目ぼれに近かったの。」

私はさらっと恥ずかしいことを言っていることに気づかなかった。
気づいたのは、きみちゃんの照れた顔を見たとき。

⏰:12/07/21 14:47 📱:PC 🆔:AN54FmsE


#57 [なおみ]
公「俺ら、なおみたちに声かけたかったんだけどよ、先客がいっつもいたから声かけられなかったんだよ。」

私「えー!割り込んできて欲しかった。笑」

公「だから、寝込みを襲ったんだよ。笑」

そういうことだったのか。
私の中でいろいろ繋がった。

私「そのあと、きみちゃんとも亮とも連絡取ってたんだけど、やっぱりきみちゃんと仲良くしたかったから、亮とは連絡取らなくなっていったんだ。」

きみちゃんは頷いた。

このとき、きみちゃんが何を考えていたかは、今なら分かる。

⏰:12/07/21 15:08 📱:PC 🆔:AN54FmsE


#58 [なおみ]
ホットワインを飲み終えて、ご飯を食べに行った。
今回は私がお店の予約をしてた。

お洒落なお店で、前から行きたかったところだった。

席について、きみちゃんが周りを見渡して言った。

公「いい感じだな。」

私「うんっ!」

そのお店はご飯もおいしくて、お酒もお洒落なグラスで出てきて、一段とおいしく感じた。

⏰:12/07/21 20:49 📱:Android 🆔:Gb5RC116


#59 [なおみ]
公「俺さ...。」

きみちゃんはさっきまでとは違うトーンで話し始めた。
ちょっと沈黙したあと、続けた。

公「俺さ、仕事代えると思う。また介護やろうと思うんだよ。」

きみちゃんは自分に言い聞かせるように言った。

私「そうなんだ!いいと思う。急にどうしてそう思ったの?」

きみちゃんはちょっと言葉を選んでる感じだった。

公「やっぱり、今の仕事って不安定だし、会社自体あんまりしっかりしてねーかんな。」

きみちゃんはまた黙った。

⏰:12/07/21 21:01 📱:Android 🆔:Gb5RC116


#60 [なおみ]
公「あと...」

きみちゃんは私の目を見た。
何か迷ってるのを感じた。

私は黙ってきみちゃんの言葉を待った。

きみちゃんは私から視線を少し外して、テーブルに置いてあるキャンドルを見た。

公「まあ、そんな感じだよ!」

きみちゃんは明るく言った。

あと、の続きが気になったけど、きみちゃんから言ってくるのを待とうと思った。
特に聞きもせず、そのあとはまた他愛ない会話をしてた。

⏰:12/07/21 21:08 📱:Android 🆔:Gb5RC116


#61 [なおみ]
そのあとは、きみちゃんがハイペースで飲み始めた。
私が追い付けないくらいのペースだった。

3時間くらい飲んで、きみちゃんのロレツが回らなくなってきた。

私「きみちゃん!こんな飲んだの珍しいね!」

私も結構飲んだけど、意識はしっかりしてた。

公「俺ここまで来ると、もっと飲んじゃうようになるんだよ。今日は爆睡だな。」

きみちゃんはへへ、と笑った。

もういい時間だし、ホテルを探そうってなった。

⏰:12/07/21 21:15 📱:Android 🆔:Gb5RC116


#62 [なおみ]
お店を出て、外の空気をすーっと吸った。
冬の匂いがした。

私「きみちゃん!ここから渋谷まで歩こう♪」

公「えー?!結構あるぞ。笑」

私「いーの!きみちゃん飲みすぎちゃったし、ちょっと酔いを覚まそうよ!それに、気持ちくない?」

きみちゃんは渋々了解した。

きみちゃんの腕に私の腕を絡ませると、きみちゃんは私を抱き寄せた。

公「酔ったな。寒くねえか?」

寒かったけど、温かかった。

⏰:12/07/21 21:24 📱:Android 🆔:Gb5RC116


#63 [なおみ]
意外に渋谷までは長かった。

けど、2人で歩いたから楽しかった。

公「〜♪」

私「あ!その歌!きみちゃんのその歌大好き!」

それは、初めて2人でカラオケに行ったとき、きみちゃんが歌った中で1番好きな歌だった。
私はカラオケに行く度にきみちゃんに歌ってもらっていた。

公「この歌よ、俺はそんなに好きじゃなかったんだけどよ。なおみが気に入ってくれて、俺まで好きになったんだよ。」

私はなんだか嬉しかった。

そのあとは、2人でその歌を歌いながら歩いた。

⏰:12/07/22 21:22 📱:Android 🆔:eoKrtwUk


#64 [なおみ]
渋谷に着いて、適当なホテルに入った。

公「だあーっ!」

きみちゃんはベッドにコートのまま倒れこんだ。

私「ちょっと。笑 コートくらい脱いでよ。」

きみちゃんはうーんと言って枕に顔を埋めてた。
ハットは床に落ちてた。

私は自分のコートを脱いで、きみちゃんのハットを拾った。
ハットはテーブルに置いた。

⏰:12/07/22 21:48 📱:Android 🆔:eoKrtwUk


#65 [なおみ]
私「ほら、きみちゃーん!コートだけでも脱ごー?」

私はきみちゃんに呼び掛けた。

公「うーん...。」

きみちゃんは上半身を起こした。

私「はい、偉いねー!」

私はきみちゃんのコートのボタンを外した。
マフラーを取って、コートを脱がせた。

公「なおみ...。」

⏰:12/07/22 21:59 📱:Android 🆔:eoKrtwUk


#66 [なおみ]
きみちゃんは、私を抱き寄せてキスをした。

きみちゃんとの初めてのキスだった。

きみちゃんは私を抱き締めた。

公「ありがとな...。」

きみちゃんの表情は見えなかったけど、切ない声だった。

きみちゃんはまた私にキスをした。

今度は長い長いキスだった。

その日、私ときみちゃんは一つになった。

⏰:12/07/22 22:07 📱:Android 🆔:eoKrtwUk


#67 [匿]
エロいwww

いつも読んでます
続きが気になる

がんばってください

⏰:12/07/22 23:52 📱:SH11C 🆔:9tGek2LU


#68 [なおみ]
>>67

匿さん

ありがとうございますー!
エロいって。笑
最高の誉め言葉ですね(^^)

引き続き読んで頂けたら嬉しいです!
頑張ります!

⏰:12/07/23 00:33 📱:Android 🆔:qgOE4iFw


#69 [なおみ]
ここ何年か、何人かの男の人と関係は持ったけど、私はカラカラだった。

結局は、自分には何も残らなかった。

もう男は信じないとか、恋愛はしないとか、心は開かないとか、何度も思った。

けど、この人は違うとか、この人なら信じられるとか思って、同じことを何回も繰り返してた。

この日、そんなことはどうでも良くなった。

私がきみちゃんを好きなことに変わりはない。

自分には嘘をつけない。

今、騙されてるとしても、偽りはないとしても、私は後悔しない。

私は強く思った。

と、同時に、きみちゃんとずっと一緒にいられると信じて止まなかった。

⏰:12/07/23 00:51 📱:Android 🆔:qgOE4iFw


#70 [なおみ]
朝起きて、そのまま寝てしまったことに気付いた。

化粧を落としてないことに後悔した。

まだ時間もありそうだし、お風呂に入ることにした。

横ではきみちゃんがすーすー言ってて、幸せな気分だった。

昨日のことを思い出して、恥ずかしくなった。

起こそうか迷ったけど、なんて声かけていいか分かんなくて、そのまま1人お風呂に向かった。

⏰:12/07/23 08:43 📱:Android 🆔:qgOE4iFw


#71 [なおみ]
昨日の夜のことが嘘みたいで、ぼーっとしながらお風呂に入ってた。

別に何かを思うわけでもなく、ただただぼーっとしていた。

すると急にお風呂のドアが開いた。

私「あ!びっくりした。笑」

きみちゃんが目を真ん丸くして立ってた。

公「いなくなっちゃったのかと思って探しちゃったよ。」

きみちゃんは安心したように笑った。

⏰:12/07/23 22:21 📱:Android 🆔:qgOE4iFw


#72 [なおみ]
私「あのあのあの...」

私は隠しようがなくてもじもじしてた。

公「ああ、悪いな。笑」

きみちゃんは笑って電気を消した。
そうすると、ブラックライトが光って、星の模様が一面に出てきた。

私「わあ!ちょー綺麗!!」

公「綺麗だな。」

きみちゃんもお風呂に入ってきた。
きみちゃんの歯だけが真っ白に光って面白かった。

2人で湯船に浸かりながら眺めてた。
無言な感じがまた、どきどきした。

⏰:12/07/23 22:38 📱:Android 🆔:qgOE4iFw


#73 [なおみ]
急にきみちゃんが笑った。

公「なおみ昨日、あのお店で、『あたしのことも介護してー!』って叫んだの覚えてねえだろ?笑」

私「うーん。覚えてる!笑 でも叫んでないし!笑」

きみちゃんは笑って、立ち上がった。

公「介護してやるよ。」

そう言って、私を湯船から出して私のことを洗い始めた。
それからぎゃーぎゃー言いながら2人で洗いあいっこ戦争をした。

最近の中で1番笑った。

⏰:12/07/23 22:44 📱:Android 🆔:qgOE4iFw


#74 [なおみ]
お風呂から出ると、2人ともぐったりしてた。

公「なおみの髪長いからなかなか乾かねえだろ?」

そう言って、私の髪を乾かし始めた。
私はそんなきみちゃんの優しさに甘えてみた。

髪も乾いて、化粧も済ませた。

公「帰るか。」

煙草を灰皿に押し付けると、きみちゃんが立ち上がった。

私は玄関に向かうきみちゃんの背中を、淋しい気持ちで見てた。

⏰:12/07/23 22:51 📱:Android 🆔:qgOE4iFw


#75 [なおみ]
きみちゃんは振り返ると、そんな私の様子に気付いたのか、戻って私を抱き締めた。

本当に、エスパーだなあって思った。

公「なおみ、ありがとな。」

どうして、そんな切ない声で言うの。

どうして、何回もありがとうって言うの。

どうして、昨日から悲しそうな顔してるの。

そのときの私は、そんな疑問から目を反らしてた。

⏰:12/07/23 22:59 📱:Android 🆔:qgOE4iFw


#76 [なおみ]
それから、名残惜しくお別れをして、すんなり帰った。

そのあとも、毎日のように連絡を取り合っていた。
年末ということもあり、お互い忙しくて、なかなか会えなかった。

きみちゃんの誕生日はX'masEveだった。
きみちゃんは仕事で、私もバイトで会えなかった。

私は密かに誕生日プレゼントを用意していた。
選んで選んで選び抜いたピアスだった。

⏰:12/07/24 08:12 📱:Android 🆔:A3rQDG4I


#77 [なおみ]
私は、友だちにきみちゃんに告白する宣言をしていた。

1回関係を持ったものの、連絡を毎日しているものの、はっきりした形が欲しかった。
そのときはむしろ付き合ってる気まんまんだった。

そういうことで、いいんだよね?
って確認をしたかったんだと思う。

告白するのは始めてで、なんて言ったらいいんだろうとか、イメージトレーニングをしてた。

⏰:12/07/24 08:19 📱:Android 🆔:A3rQDG4I


#78 [なおみ]
そんな、大晦日手前、きみちゃんが急に言ってきた。

公『急で悪いんだけどよ
明日会える?』

私は二つ返事だった。

私は例によってあれこれの準備と洋服の準備をした。

バッグに誕プレを入れて、明日のイメトレを念入りにした。

また私のリクエストの場所で、お台場のプラネタリウムを観に行くことになった。

早く明日にならないかなあ。
私は早めに眠った。

⏰:12/07/24 08:28 📱:Android 🆔:A3rQDG4I


#79 [なおみ]
お台場のプラネタリウムは朝早くにいつも完売する。
だから朝早くきみちゃんと待ち合わせをした。

私「おはよー!寒いね!」

公「おはよ。寒すぎるな!」

いつものきみちゃんだった。
私は普通にきみちゃんの腕に自分の腕を絡ませた。

きみちゃんはそんな私を見て笑った。

⏰:12/07/24 08:35 📱:Android 🆔:A3rQDG4I


#80 [なおみ]
プラネタリウムの上映まで時間があったからジョイ○リスで遊ぶことにした。

短時間でほとんどのアトラクションは回った。

そんな楽しい時間を過ごしつつも、私はどのタイミングで告白するべきか迷ってた。

私「きみちゃん、今日は終電で帰る感じ?」

私はもじもじしながら聞いた。
ちょっとの間を置いて、きみちゃんは言った。

公「今日は帰る。んー、明日朝から用事あるからよ。」

ちょっとガッカリした。
と同時に、付け足したような言葉が気になった。

⏰:12/07/25 20:22 📱:Android 🆔:1bZDNHMA


#81 [なおみ]
ガッカリしたのがバレバレだったのか、きみちゃんが困ったように笑った。

公「ごめんな。」

このときは、私が欲しい言葉を言ってくれなかった。

ランチを食べて、ジョイ○リスで遊び尽くして、プラネタリウムの上映時間が近付いてきた。

私ときみちゃんはテンションが高いままプラネタリウムに向かった。

⏰:12/07/25 23:40 📱:Android 🆔:1bZDNHMA


#82 [我輩は匿名である]
読んでます!
がんばって下さい(^O^)

⏰:12/07/28 18:16 📱:S005 🆔:7/45utCo


#83 [なおみ]
>>82

匿名さん

前も書いてくれた人かな?
ありがとうございまーす!

今からまたちょっと更新します♡

⏰:12/07/29 19:17 📱:Android 🆔:0h3TjY1E


#84 [なおみ]
プラネタリウムのドームに着くと、ヒーリングっぽい曲が流れてた。
みんな星空が待ち遠しくて浮かれてるように感じた。

きみちゃんと私は席について、座り心地の良すぎる椅子に驚いてた。

私「ちょー気持ちよくない?」

公「やべー寝そう。笑」

そのまま言葉少なく、上映まで待った。

⏰:12/07/29 19:25 📱:Android 🆔:0h3TjY1E


#85 [なおみ]
すると、館内放送が流れ、上映が始まった。

夕焼けから、辺りが暗くなり、夜になった。

星がぽつぽつと輝き出す。

懐かしさが込み上げてきた。
プラネタリウムなんて、中学生のときに課外授業で行った以来だ。

ドームの真ん中にある、静かに、そして素早く動く機械。
あの機械から何万個の星が映し出されてるなんて。

⏰:12/07/29 19:38 📱:Android 🆔:0h3TjY1E


#86 [なおみ]
幻想的で、神秘的。

でも、この光景は事実で、東京の空からは見えない本当の空。

星に何種類もの色があるなんて。

私はふと、きみちゃんが気になった。
チラ見してみたら、きみちゃんも熱心に上を見上げてた。

私はきみちゃんの手を握った。
よく分からなかったけど、触れたくなった。

きみちゃんも私の手を握り返してくれた。

⏰:12/07/29 19:43 📱:Android 🆔:0h3TjY1E


#87 [なおみ]
上映が終わり、辺りは明るくなった。

私「ちょー綺麗だったね!感動した〜!」

公「綺麗だったな。なおみはきらきらするものが好きなんだな!」

あとっ、きみちゃんが好きっ!
とか。言えなかった。

私のまぶたの裏には何万個の星が焼き付いた。
今も、目を閉じればあの日の星が、きらきら色褪せることなく輝いてるよ。

⏰:12/07/29 19:49 📱:Android 🆔:0h3TjY1E


#88 [なおみ]
きみちゃんと私は夕飯を軽く済ませた。

まだ、言えてなかった。

私「はあ。」

私は自分の変なときに弱気になるところが嫌いだった。

公「どうした?疲れたか?」

きみちゃんは私に優しく聞いてきた。
私は首を横に振った。

公「もうちょっと時間あるし、カラオケ行って帰るか!」

私「うん!」

よし!ラストチャンス!
頑張れ自分ー!

⏰:12/07/29 19:54 📱:Android 🆔:0h3TjY1E


#89 [なおみ]
カラオケで2、3曲歌ったあと、きみちゃんが曲を入れるのをやめた。
私の方に向き直って、私の目を見た。

公「俺、なおみに話があるんだ。」

私「あたしもっ!」

思わず言った。

公「ん?言っていいよ?」

きみちゃんは柔らかい表情になった。
その瞬間、きみちゃんが私に言いたいことは良いことじゃないって分かった。

私「あ、...きみちゃん、先に言って?」

⏰:12/07/30 09:13 📱:Android 🆔:G.7.FYkM


#90 [なおみ]
私は急に恐くなって、心臓がバクバクなり始めたのを覚えてる。

公「俺さ、元カノの話したことあったっけ?」

1回だけ聞いたことがあった。
精神的に弱くて、喧嘩になると手首を切ったり、物を壁に投げ続けたり、おかしな行動をするって。
別れた原因は、相手の浮気だって。

その話を聞いたとき、私はきみちゃんは未練があるのかなってちょっと不安になった。
1回目のデートのときだった。

私は頷いた。、

⏰:12/07/30 09:20 📱:Android 🆔:G.7.FYkM


#91 [なおみ]
公「そいつさ、俺と別れたあと妊娠に気付いたらしくて、1人で中絶してたんだよ。」

私の心臓は更に速くなった。
中絶したその人の気持ちを考えただけで、吐き気にも似た哀しみが込み上げてきた。

公「俺、仲のいい友だちになおみの話してたんだ。そしたら、そいつからあいつの話聞いてよ。」

私はいつの間にか泣いてた。

⏰:12/07/30 09:26 📱:Android 🆔:G.7.FYkM


#92 [なおみ]
きみちゃんは私の涙を拭きながら続けた。

公「この間、元カノのご両親のところに行って、謝ってきたんだよ。あいつ、中絶してからまた病んじまってよ。」

きみちゃんは悲しそうに笑った。

公「すげー殴られてよ。責任取れって言われたんだ。」

きみちゃんの目にも、涙が今にもこぼれ落ちそうなくらい、溜まってた。

⏰:12/07/30 09:33 📱:Android 🆔:G.7.FYkM


#93 [なおみ]
公「だから、俺、元カノと一緒になる。」

私はたぶん、みっともないくらい泣いた。
きみちゃんは私の涙を一つ一つ丁寧に拭いてくれた。

公「ごめんな。俺、まじで最低な男だよ。なおみに中途半端なことして、自分の落とし前つけることを優先してんだもんな。」

本当に最低な男だったら、元カノのご両親に謝りに行ったりしない。
本当に最低な男だったら、私のことを思って関係を終わらせようとしない。

私は泣きじゃくって、何も伝えられなかった。

⏰:12/07/30 16:08 📱:Android 🆔:G.7.FYkM


#94 [なおみ]
私は、それで引き留めようと思ったわけでもない。
自分を忘れて欲しくないから渡すわけでもない。

自分で捨てる勇気がない。
自分で今の2人の関係を終わらせる勇気が、ただなかった。

私はバッグに大事にしまってたきみちゃんの誕プレを取り出した。

きみちゃんはそれを見ると目から大粒の涙をいくつもいくつも流した。

ありがとう、って何回も言って、ピアスを耳につけた。

私の予想通り、すごく似合ってた。

⏰:12/07/30 16:16 📱:Android 🆔:G.7.FYkM


#95 [なおみ]
きみちゃんは私を抱き締めた。

何回も何回も、ごめんって言ってた。



いいよ、もう、いいよ。

きみちゃんも、辛かったよね。



もっと早く気持ちを伝えられてたら、何かが違ったかな。



だからもう泣かないで。

私こそ、ごめんね。



大好きだよ。

⏰:12/07/30 23:06 📱:Android 🆔:G.7.FYkM


#96 [なおみ]
私は何も言葉にできなかったけど、抱き締め返すことで、伝えた。

伝わってたかな。



2人とも泣き止んで、そのままカラオケを出た。

私の手をしっかり握って、ずんずん進むきみちゃんの背中は、悲しい気持ちと、やるせない苛立ちが滲んでた。

年末ということもあり、新年に向けてわくわくしてる人たちで溢れ返ってた。

⏰:12/07/30 23:14 📱:Android 🆔:G.7.FYkM


#97 [なおみ]
駅に着いて、きみちゃんが振り返った。

何秒間か無言で見つめ合った。

公「気を付けて帰れよ。」

そう言うと、きみちゃんの目がまた少し涙で滲んだ。

私「...うん。」

私は涙を堪えるのに必死だった。

私は、きみちゃんに手を出した。

きみちゃんも手を出した。

強く握手して、私は改札に入った。

電車に乗るまで、振り返らなかった。

⏰:12/07/30 23:22 📱:Android 🆔:G.7.FYkM


#98 [なおみ]
地元の駅に着いて、私は小さい頃よく遊んでた公園に向かった。



涙で前が滲んで、街灯や自販機の光が四方八方に飛び散ってた。

私が泣き声を抑えると、白い息が出る。



公園に着き、ベンチに座った。

こんな寒い日だから、誰もいなかった。

⏰:12/07/30 23:28 📱:Android 🆔:G.7.FYkM


#99 [なおみ]
私「はあっ...。うっ...。」

私はせきを切ったように声を上げて泣いた。



本当はあのとき、すがり付きたかった。

きみちゃんの隣は私でしょって、離れたくないって、行かないでって。



でも、泣いて何度も謝るきみちゃんを前に、そんなこと言えなかった。

公園には私の声だけが、響いてた。

⏰:12/07/31 00:02 📱:Android 🆔:rZCFLJt2


#100 [なおみ]
それから私は荒れに荒れた。

毎日のように友だちと飲み歩いては、クラブ通いしてた。

年越しも女友だち10人くらいで騒いだ。

でも、タイプの人から声をかけられても、ついて行く気にはなれなかった。



明け方になって、帰る途中、無性に寂しくなった。

きみちゃんとデートで通った道の近くを歩くと、寂しくなった。

きみちゃんがよく歌う曲を、自然に鼻歌で歌ってる自分に気付いて、寂しくなった。

携帯を開く度に、寂しくなった。



お別れをしたあの日から、もう2ヶ月は経っていたけど、お風呂場では毎日泣いてた。

⏰:12/07/31 00:17 📱:Android 🆔:rZCFLJt2


#101 [なおみ]
3ヶ月が経った頃、私に彼氏ができた。

10歳年上の弘樹。
私がよく行く飲み屋の店長で、毎日フラフラしてる私を保護してくれた。

今思えば、誰でも良かったのかも。

弘樹はすごく優しかった。
大人だった。

私は弘樹といるときは寂しくなかった。

⏰:12/07/31 09:14 📱:Android 🆔:rZCFLJt2


#102 [なおみ]
久しぶりにまりに会った。

まりは仕事が忙しくてなかなか予定が合わなかった。
今は閑散期が終わる頃と言っていた。

まり「ちょっとー!詳しく聞かせてよー!きみちゃんと弘樹さんのこと!」

私はきみちゃんの話をした。
まりは少し泣いた。

まり「辛かったね...。」

私「あたしさ、きみちゃん本当は元カノときちんと決着ついてなかったと思うんだよね。」

まり「なんで?」

まりは鼻をすすって煙草に火をつけた。

⏰:12/07/31 09:21 📱:Android 🆔:rZCFLJt2


#103 [なおみ]
私「何回か夜中に電話かかってきてて、会社の先輩だって言ってたけど、1時2時に普通電話してくる?」

まり「しないねー。」

私「それにね、きみちゃんと会ってるとき、きみちゃんに亮から連絡きたことがあってさ。」

まりは乗り出して私の話を聞いた。

まり「亮とか懐かしー笑」

私「亮が暇なら今呼べば?って言ったんだけど、あたしと会ってること内緒にしてたいって。」

まりは眉間にシワを寄せた。

まり「なんで?」

私「亮がヤキモチ妬くからだって。」

まり「謎〜笑」

まりと私は笑った。

⏰:12/07/31 09:29 📱:Android 🆔:rZCFLJt2


#104 [なおみ]
私「1回、きみちゃんがなんで亮と遊ばないのって聞いてきたときがあってさ。たぶん、きみちゃん的にはあたしが亮とくっついてたら幸せになれるのにって伝えたかったのかなあって。」

まりは何か考えてた。

まり「きみちゃんて大バカ野郎じゃない?」

私「なんで?笑」

まり「心の中ではなおみと会うことだめだめーって思ってるのに、なおみにハマっちゃったわけでしょ?」

私はまりのストレートな表現がおもしろくて好き。

⏰:12/07/31 09:40 📱:Android 🆔:rZCFLJt2


#105 [なおみ]
まり「でさ、元カノと別れた理由って浮気が原因なんでしょ?だったら、中絶した子どもだって、こんな言い方アレだけど、どっちの子か分かんないじゃん。」

...確かに。そんなことなーんにも考えてなかったー!

まり「なのに元カノのこと思って、きみちゃんが責任取るとか言っちゃってさ。」

で、私とも関係を絶ち切って。

まり「自分の幸せはいつ考えるんですかー?って!」

私「...。」

まり「自分の幸せはどこですかー?この大バカ野郎ー?って!」

まりのそのフレーズ2回目に我慢できなくて吹き出した。
2人で爆笑だった。

⏰:12/07/31 09:49 📱:Android 🆔:rZCFLJt2


#106 [なおみ]
2人で大笑いしたら、なんだかすっきりした。

もうきみちゃんのことで泣かないって確信した。

まり「で、弘樹さんて誰?すぐ彼氏できるんだもんなー出会いがたくさんあっていいよね!笑」

私は弘樹のことを話した。

一通り話したあと、まりが聞いてきた。

まり「ねーなおみ?ほんとに弘樹さんのこと好き?」

私「なんで?笑 好きだよ。」

まり「だったらいいんだけどさー。なんかきみちゃんのこと話してるテンションと全然違うから。」

私は笑って流したけど、自分でもう気付いてた。

ひろき

⏰:12/07/31 15:43 📱:Android 🆔:rZCFLJt2


#107 [なおみ]
↑またまたシクりました(;o;)

弘樹を心から好きじゃないってこと。

私は最低な女だった。

ただ、自分が寂しかっただけで、弘樹を利用した。

でも、徐々に心から好きになっていくこともあるって、誰かの話を聞いていたから、それを信じてみることにした。

けど、一向にその気配はなく、私と弘樹はちょっとした喧嘩で呆気なく終わった。

⏰:12/07/31 15:51 📱:Android 🆔:rZCFLJt2


#108 [なおみ]
その後、就活も無事に終わり、残りの学生生活を満喫してた。

相変わらず夜遊び、クラブ通いは続いてた。

男はもういいなんて言って、男関係の話は遠退いてた。

私は卒業旅行の資金を貯めるために、まりの紹介でキャバをちょっとやった。

でも、客との色恋がめんどくさくて、1ヶ月くらいで辞めた。
その代わりお金は学生の私にはビビるくらい貯まった。

⏰:12/07/31 15:59 📱:Android 🆔:rZCFLJt2


#109 [なおみ]
夜を辞めた理由は他にもあった。

同伴で出勤してる最中に、きみちゃんに見られた。

きみちゃんからメールがきて、内容としては私らしき人を西麻布で見たという内容だった。

たぶん、時間的にも私であることは間違いなかったと思う。

誰が見てもキャバ嬢と客って分かったと思う。
きみちゃんも分かったと思うけど、あえて聞いてこなかったんだと思う。

⏰:12/07/31 21:11 📱:Android 🆔:rZCFLJt2


#110 [なおみ]
きみちゃんのメールを見たのは受信してから何時間か過ぎていたけど、私はすぐに返事をした。

西麻布にいたことを認めるべきか。

私はとっさに嘘をついた。

きっと、きみちゃんに知られたくなかったんだと思う。

私は、その週に夜を辞めた。

きみちゃんからの久々の連絡は、まだきみちゃんへの想いを吹っ切れてないことを、悲しいくらい実感させた。

⏰:12/07/31 21:33 📱:Android 🆔:rZCFLJt2


#111 [なおみ]
その連絡があってから、ちょっとずつきみちゃんとは普通に連絡を取るようになっていった。

なぜか、私の夜遊びがそれから減った。



きみちゃんの誕生日。
私はメールをしようか迷ったけど、思いきってサラッとしたメールを送った。

私『きみちゃんはぴばー☆
この1年がきみちゃんにとって良い年になりますように!』

しばらくして、きみちゃんから返信がきた。

公『メールありがとな♪
今でもなおみにもらったピアス、大事にしてるからよ!』

あのピアスか...。

もうすぐお別れしてから1年なんだね。

⏰:12/07/31 21:44 📱:Android 🆔:rZCFLJt2


#112 [なおみ]
新年を迎え、卒業旅行も無事に終わり(因みにイタリアとフランスとグアム行った!)、私は晴れて社会人になった。

教授のコネもあり、一部上場の会社に入社できた。

やりたい仕事に就けたから、毎日が楽しかった。
半年の研修はあっという間に終わった。

その間、きみちゃんとは連絡を取ってなかった。

⏰:12/08/01 00:55 📱:Android 🆔:0FsuvAW6


#113 [なおみ]
社会人になってから、みんなに変わったと言われた。

まず見た目。
これは言うまでもないけど、髪、メイク、カラコン、爪、服装、とりあえず落ち着いた。

そして言葉遣い。
ここではあんまり書いてないけど、私はカナリ言葉遣いが悪かった。
今もイラっとするとたまに出るけど、社会人ノリの言葉はマスターできた。

そして雰囲気。
刺々しさが抜け、穏やかになったみたい。
そんなにツンツンしてた気はないけど。

時が経って、色々変化してた。

⏰:12/08/01 01:06 📱:Android 🆔:0FsuvAW6


#114 [なおみ]
研修後、本配属になり、2ヶ月後彼氏ができた。

省吾といって、私の猛プッシュで付き合えた。
省吾は同じ職場の人。

この頃には、きみちゃんのことは吹っ切れてた。

というより、省吾のことが好きすぎて、きみちゃんを含め、他の男の人のことを考えもしなかった。

仕事も楽しくて、毎日が順調だった。

⏰:12/08/01 08:16 📱:Android 🆔:0FsuvAW6


#115 [なおみ]
省吾と付き合って、半年以上が経ち、ある日突然きみちゃんから連絡がきた。

内容は、私を気遣ってくれる内容と、結婚したっていう内容だった。

まだ結婚してなかったんだ...。

私はちょっとだけ複雑な気持ちになった。

そんなとき、省吾からメールがきた。

省『今日失敗したことあんま気にすんなよ!明日帰りにラーメン食べに行こう!』

今日の仕事のミスを気遣ってくれる省吾のメールに、心が和んだ。
私はきみちゃんに素直におめでとうと返信ができた。

⏰:12/08/01 08:28 📱:Android 🆔:0FsuvAW6


#116 [なおみ]
省吾と付き合って1年が経つ頃、省吾と私は別れるか別れないかの大喧嘩をした。

このお話はきみちゃんとの話がメインなので、省吾の話はまた別の機会に。

その日の夜、きみちゃんから連絡が入った。

内容は、あの思い出の曲を聞いて、私に連絡したくなったという内容だった。
私は心がすごく揺らいだ。

もう、きみちゃんのことは吹っ切ったはずなのに。

その日は返事をせずに、次の日気持ちを落ち着かせて返信した。

⏰:12/08/01 08:40 📱:Android 🆔:0FsuvAW6


#117 [なおみ]
私『久しぶり〜!
私もあの曲どこかで聞くと、
やっぱりきみちゃんを思い出すよ。』

公『またなおみとカラオケ行きてえな!』

私は少し迷って、返事した。

私『いいね!
行こう行こう!』

公『じゃあ来月のシフトもうすぐ出るからまた連絡するわ!』

私は少し複雑な気持ちできみちゃんからの連絡を待った。

⏰:12/08/01 08:48 📱:Android 🆔:0FsuvAW6


#118 [なおみ]
それから3日くらい経った。

私と省吾はまだ喧嘩していた。
お互い似た者同士で、頑固だからよく喧嘩するし、なかなかお互い謝れない。

でも、このときは私は悪くなかったけどね!笑

するときみちゃんから連絡がきた。

公『シフト出た!
○日、○日、○日が大丈夫だな。
なおみはいつなら大丈夫?』

私は迷った。

喧嘩中とはいえ、きみちゃんと会うって、なんか、気が引ける。

私は省吾の顔ばっかり浮かんできた。

⏰:12/08/01 22:53 📱:Android 🆔:0FsuvAW6


#119 [なおみ]
だめだめ!
きみちゃんに会ったら、省吾を裏切る形になる気がする。

私は数分考え込んで、きみちゃんに電話した。

公「おう。お疲れ。」

懐かしい声を聞いて、何かが込み上げてきた。
きみちゃんの声を聞いたのは、約3年ぶりだった。

私「あ、こ、こんばんはー。」

私は謎にど緊張していた。

⏰:12/08/01 23:00 📱:Android 🆔:0FsuvAW6


#120 [なおみ]
公「はは、なんだよそれ。」

きみちゃんは心なしか、嬉しそうな声だった。

私も嬉しさを隠しきれなかった。
それから他愛もない会話をして、1時間くらいは話してた。

私「あたしさ、今彼氏と喧嘩してて...」

私は省吾と喧嘩した理由を話した。
きみちゃんと会うことをためらってるってことも話した。

一通り聞いてくれたきみちゃんは、口を開いた。

⏰:12/08/01 23:08 📱:Android 🆔:0FsuvAW6


#121 [なおみ]
公「会うのやめるか!なおみの後ろめたい気持ちも分かるからよ。そんなんで会っても心から楽しめねえだろ。」

きみちゃんは優しく言った。

私「うん...。まぢごめん。」

私はちょっと泣きそうだった。

公「気にすんな!またいつでも会えるからよ。」

私「うん...。」

きみちゃんはちょっと間を置いて、こうも言った。

⏰:12/08/01 23:14 📱:Android 🆔:0FsuvAW6


#122 [なおみ]
公「なおみ、覚えてねえかもしんねえけど、俺のためだったら都合のいい女でもいいって言ってくれたこと、あったよな?」

約3年前、あのお別れをした次の日、きみちゃんから長文メールが来てた。
内容は、ごめんってことと、今までありがとうってことと、私の幸せを願ったものだった。

私は、その返事に、きみちゃんが辛いときは私を頼っていい、私はきみちゃんのためなら都合のいい女になっても構わない的な内容を返した。

その返事を、きみちゃんに怒られた。
もっと自分を大事にしろって。

私「...うん。」

そのとき、本当にそう思った。
心からの言葉だった。

⏰:12/08/01 23:22 📱:Android 🆔:0FsuvAW6


#123 [なおみ]
公「今回は純粋になおみに会いたかっただけだからよ。今もこれからも、なおみを都合のいいように使う気なんてまったくないからよ。」

そんなの、きみちゃんのことだから、そんな気で誘ったんじゃないってことくらい、分かってる。
私はただ返事しかできなかった。

いろいろ話したら泣きそうで、でも、なんかもうきみちゃんとは会わない気がしたから、全部話そうと思った。

⏰:12/08/02 09:02 📱:Android 🆔:KTCykzvo


#124 [なおみ]
私「私さ、あのお別れした日、きみちゃんに告ろうと思ってたんだー。」

きみちゃんは少し照れたように笑って私の言葉を待った。

私「で、告る前にフラれちゃってさ。」

私はちょっとふざけた口調で言った。

私「あのあとね、結構荒れちゃって、すぐ付き合った人はいたんだけど、本当に好きで付き合ったわけじゃなかった。」

きみちゃんは黙って聞いてくれてた。

⏰:12/08/02 09:11 📱:Android 🆔:KTCykzvo


#125 [なおみ]
私「すぐ別れたんだけど、彼には悪いことをしたなあって思う。」

公「うん。」

私「でもね、今付き合ってる人は本当に大好きなの。結婚も考えてる。」

公「うん。」

私「だからね、今は幸せだから大丈夫だよっ!」

私は最後のまとめ方が分からなくて早口で言った。
きみちゃんは笑った。

⏰:12/08/02 09:17 📱:Android 🆔:KTCykzvo


#126 [なおみ]
公「俺もさ、なおみに気持ちを伝えたかった。」

私はその言葉を聞いた瞬間、泣いた。

公「でも、それができないってなって、今の奥さんに当たり散らしたこともあったよ。最低だったな。」

私は電話口のきみちゃんにバレないように涙を流した。

公「けどよ、その期間も乗り越えて、今は穏やかな毎日だよ。」

きみちゃんは笑った。

⏰:12/08/02 09:26 📱:Android 🆔:KTCykzvo


#127 [なおみ]
公「じゃあ、なおみが幸せ絶好調なときにまた会おう!のろけ話聞かせてくれな!」

私ときみちゃんは笑った。

私ときみちゃんは電話を切った。

なんだか、きみちゃんからはもう連絡が来ないと思った。
また、会うことはもうないかもしれないと思った。

⏰:12/08/02 09:31 📱:Android 🆔:KTCykzvo


#128 [なおみ]
その後、省吾とは無事に仲直りをし、平和な毎日が戻った。

ある日、仕事中に知らない番号から着信が何回か来てた。

私は誰だろうと思い、お昼休みにかけ直してみた。
電話の相手は2コールくらいで出た。

「あ、亮だけど、覚えてる?」

懐かしい!
私は亮とは連絡先を交換したあと、少し連絡を取っていたが途絶えた。
もう連絡することもないだろうと思い、削除していた。

⏰:12/08/03 09:25 📱:Android 🆔:zMjh171g


#129 [なおみ]
亮「久しぶりだね。今、俺仕事中だから長く話せないんだけど、短く言うね。」

私はちょっと興奮気味の亮に圧倒されてた。

亮「公貴が事故った。」

え?



私はしばらく何も言えなかった。

亮「で、今○○病院に入院してんだよ。なおみに病院来てほしいんだけど、今週の土曜とか平気?」

私「う、うん...。」

私は反射的に返事をしてた。

亮「分かった。俺今日夜勤だから、明日の夜詳しく話すよ。じゃあ、俺戻るね。」

わけが分からなかった。

⏰:12/08/03 09:39 📱:Android 🆔:zMjh171g


#130 [なおみ]
事故ったって?

いつ?

入院してるってことは、無事なんだよね?

でも、なんで亮はあんなに興奮してるの?



私はすぐにきみちゃんに電話した。

全身が心臓になったみたいに、脈を打ってた。

『お客様のおかけになった電話は、電波の届かない場所にあるか、電源が入ってい...』

嘘でしょ...。

私は一気に寒くなって震えが来たのを覚えてる。

⏰:12/08/04 08:39 📱:Android 🆔:aalJBOtU


#131 [なおみ]
私は亮にかけ直そうとしたけど、なんとか理性を保とうとして、堪えた。

でも、不安で不安で仕方がなかった。

私はとにかく誰かに確かめたくて、何も知らないであろうまりに電話した。

まりは電話に出なくて、私は泣き出しそうな気持ちを必死に我慢してた。

すると、まりから着信があった。

⏰:12/08/04 08:43 📱:Android 🆔:aalJBOtU


#132 [なおみ]
まり「おつー!どーしたー?」

私「まりっどうしよう...。きみちゃんが事故ったって。」

まり「え?!どうして?」

私「分かんない...。亮から電話あって、病院行こうって...。」

まり「とりあえず落ち着きな!今きみちゃん入院してるの?」

私「うん...。」

まり「じゃあ無事だってことじゃん?」

私はただ頷いた。

⏰:12/08/04 14:59 📱:Android 🆔:aalJBOtU


#133 [なおみ]
まり「病院、すぐに来てって言われてるの?」

私「ううん。今週の土曜に行こうって。」

まり「じゃあきっと大丈夫だから。落ち着いて。あたしも一緒に行ってあげたいけど、土曜は仕事だから。ごめんね。」

私「うん。大丈夫。こっちこそ急にごめん...。連絡する人、まりしか思い浮かばなくて...。」

まりと話してたら落ち着いた。
電話を切って、深呼吸をした。

⏰:12/08/04 15:20 📱:Android 🆔:aalJBOtU


#134 [なおみ]
そのあとは、気になっちゃって仕事が捗らなかった。

次の日になって、亮からの連絡をずっと待ってた。



仕事が終わり、家で落ち着いた頃、亮からの着信があった。
私はすぐ出た。

私「お疲れ。」

亮「ごめんなー遅くなって。」

私は早く本題に入りたかった。

⏰:12/08/06 23:51 📱:Android 🆔:PGnufB12


#135 [なおみ]
亮「さっそくなんだけど、公貴の話。」

私は少し体が冷えてきたのを感じた。

亮「一週間くらい前、仕事帰りに事故に遇ったんだ。」

私の心臓は徐々に早く鳴っていく。

亮「夜勤終わりでさ、注意力が少し欠けてたのかもしれない。」

私は緊張し過ぎて泣き出しそうだった。

⏰:12/08/07 00:16 📱:Android 🆔:3SWE5aJ6


#136 [なおみ]
亮「そこに、居眠り運転してたトラックが向かいから来て、正面衝突した。」

私はその場にへたりこんだ。

亮「公貴、ハンドル切った跡はあったらしいんだけど、少し遅かったのかな。」

亮の声も震えてた気がする。

亮「最初は助からないだろうって話でさ。俺ら病院に呼ばれたんだよ。」

私は息が荒くなってきた。

⏰:12/08/07 00:24 📱:Android 🆔:3SWE5aJ6


#137 [なおみ]
亮「それでこの間...。」

亮は何かを堪えるように黙った。

私は亮の言葉を待った。

亮「それでこの間、脳死って診断された。」



え?

その頃まだ世間は脳死に対して疎かったと思う。

私は恥ずかしながら、その頃、脳死とはどんなものかということすら知らなかった。

⏰:12/08/07 08:28 📱:Android 🆔:3SWE5aJ6


#138 [なおみ]
亮「脳死ってさ、知らないと思うんだけど、名前の通り脳が死んだことを意味しててさ。手足を動かすこともできないんだけど、呼吸も自分でできなくなるんだよ。」

私は亮の言葉を飲み込むことにいっぱいいっぱいだった。

亮「俺介護やってるから分かるんだけど脳死って、医者的には死んだことと同じだと思ってるんだよ。」

わけが分からなくて、泣けもしなかった。

助かるの?助からないの?

そんなことばっかり思ってた。

⏰:12/08/07 08:46 📱:Android 🆔:3SWE5aJ6


#139 [なおみ]
私「なんか...全然分かんないし、信じられない。ごめん...。」

亮はやっと口を開いた私に少し安心したような感じだった。

亮「まあ、当たり前だよ。俺もこんな説明偉そうにしてるけど、実は分かってない。」

私はまた黙り込んでしまった。

亮「なおみ、土曜は何もない?病院行けそう?」

私「うん...。」

亮「じゃあ、池袋に10時待ち合わせで!」

私は元気なく返事をした。

⏰:12/08/07 21:58 📱:Android 🆔:3SWE5aJ6


#140 [なおみ]
亮「あんま落ち込むなよ!脳死でも回復したって事例はあるらしいからさ。俺も夏樹も、その奇跡を待ってんだよ。」

私「ナツキ...?」

私は聞き覚えのない名前に反応した。

亮「ああ、夏樹って、公貴の奥さん。」



私は色んな思いが駆け巡った。

ただ、今の状況で夏樹さんを避けたいという気持ちは少しもなかった。

⏰:12/08/07 22:10 📱:Android 🆔:3SWE5aJ6


#141 [なおみ]
むしろ会いたい。
そんな気持ちだった。



あっという間に土曜になり、私は亮との待ち合わせ場所に少し早く着いた。

省吾には今日のことは嘘をついて出掛けてきた。
私はこの時も、今もこれからも、省吾にきみちゃんの話をするつもりはない。

省吾に余計な心配をかけたくない。
そんな気持ちからだった。

⏰:12/08/07 22:18 📱:Android 🆔:3SWE5aJ6


#142 [なおみ]
しばらくしたら、亮が到着した。

亮「お!久しぶり。雰囲気変わったな。あの頃のギャルギャルしさが抜けちゃって!大人な女性になった。」

亮は笑った。
亮はあの頃のままだった。
相変わらず塚本高史だった。

それから2人で30分くらい電車に乗った。

その間、私の空気を和ませようと、亮は色んな話をしてくれた。
私はそんな亮の優しさに泣きそうになった。

⏰:12/08/07 22:25 📱:Android 🆔:3SWE5aJ6


#143 [なおみ]
電車を降り、病院に向かう道中、亮は急にしゃべらなくなった。

きっと、私に気をつかいすぎて疲れたんだろう。
自分だって、重い空気のはずなのに。

私「夏樹さんてどんな人?」

今度は私から話しかけてみた。

亮「ん?ああ...。おもしろい奴だよ。ちょっと変わってるかな。大学時代からの知り合いでさ。」

私「ふうん。てか、あたしが行ってどんな繋がりって説明すればいいの?」

私は急に不安になった。

亮「うーん...。とりあえず夏樹と話してみろよ。」

亮は優しく笑った。

⏰:12/08/07 22:41 📱:Android 🆔:3SWE5aJ6


#144 [なおみ]
しばらく歩くと、病院に着いた。

大きくて、意外に人がいなかった。

裏口から入ったのか、小さな入口だった。
節電しているのか、薄暗く感じた。

私はこの時、初めて大きな病院に来た。
ドラマでの病院のイメージがあったから、もっと人がわんさかいて、明るくて、看護師さんたちが慌ただしくしてるものだと思ってた。

亮「公貴が病室移動してから俺も初めて来るんだよ。部屋番号聞いてくるな。」

亮は受付で質問していた。

⏰:12/08/08 08:17 📱:Android 🆔:qJLOHZs6


#145 [なおみ]
待ってる間、まだ実感が湧かない自分に、戸惑った。

私はただ亮の背中を見つめてた。

亮はいそいそと戻ってきて、私を案内してくれた。

エレベータを降りたら、人がいくらかいた。
廊下がずーっと向こうまで続いていて、すごく長く感じた。

亮「ここだ。」

亮は一室の前で立ち止まり、ドアを開けた。

⏰:12/08/08 08:39 📱:Android 🆔:qJLOHZs6


#146 [なおみ]
部屋に入った瞬間、きみちゃんの匂いがした。

私は急に切なくなった。

亮が部屋に入り、夏樹さんと何か話していた。
私は夏樹さんに挨拶もできずに、夏樹さんを見ることもできずに、ただ一点に集中していた。

部屋の奥のベッド。

頭に包帯をぐるぐる巻いていて、色々な機材が繋がれている人。

間違いなく、きみちゃんだった。

⏰:12/08/08 08:48 📱:Android 🆔:qJLOHZs6


#147 [なおみ]
私「きみちゃっ...」

私は思わずきみちゃんの両肩を掴んだ。

きみちゃんは眠っているようで、ただ繋がっている機械の音が響いていた。

私「や、きみちゃん!きみちゃん...!」

私は恐くて揺することはできなかったけど、何度も名前を呼んだ。

腫れ上がっている顔を見て、別人のような気もしたけど、紛れもなくきみちゃんで、これが現実なんだって実感した。

⏰:12/08/08 20:34 📱:Android 🆔:qJLOHZs6


#148 [なおみ]
泣きながらきみちゃんの名前を呼ぶ私を見て、亮も夏樹さんも泣いていた。

私は亮からきみちゃんのことを聞いたあと、脳死のことをちょっと調べてた。
内容は、亮が言ってた通りだった。

回復する事例は奇跡的なこと。

その回復したっていう事例だって、脳死って誤診だったんではないかって書き方もちらほらあった。

セカンドオピニオンを受けるとか、色々まだやれることはある。
けど、私は赤の他人だってこと。

奥さんでもなければ、親戚でもない。

私がとやかく口出しできる立場じゃないってこと。

そんなやるせない気持ちでいっぱいだった。

⏰:12/08/08 20:51 📱:Android 🆔:qJLOHZs6


#149 [なおみ]
私がいつまでもきみちゃんの手を握って泣いている状態を見て、亮が椅子を持ってきてくれた。

亮「なおみ...。」

私は立てなかった。
それを分かって、亮が私を持ち上げて座らせた。

ティッシュで私のぐちゃぐちゃになった顔を拭いてくれた。

その光景が、お別れをしたときのきみちゃんの姿と重なって、また泣けた。

⏰:12/08/08 20:58 📱:Android 🆔:qJLOHZs6


#150 [なおみ]
私「うっ...」

私はまた泣き出した。
亮はそんな私を抱き締めてくれた。

亮「泣くな泣くな。公貴の前では笑ってろ。」

私は亮のその言葉に余計泣いた。

夏樹さんがお茶を買ってきてくれた。

夏「なおみちゃん?初めまして。公貴の妻の夏樹です。」

夏樹さんはしゃがんで、お茶を渡してくれた。

⏰:12/08/09 10:06 📱:Android 🆔:GbTiD2/k


#151 [なおみ]
私「初めまして...。すみません、なんか、あたし...こんな...。」

夏樹さんは少し笑って私を撫でた。

夏「ありがとう、公貴のためにそんなに泣いてくれて。」

夏樹さんは、線が細くて、大人な女性って感じだった。
イメージと少し違った。

夏「公貴もね、きっと喜んでる。」

眠っているようなきみちゃんを、夏樹さんは見つめてた。

⏰:12/08/09 10:13 📱:Android 🆔:GbTiD2/k


#152 [なおみ]
夏「亮にね、なおみちゃんを呼んでって言ったのは私なの。」

私「え...?」

私は亮の顔を見た。
亮も私を見つめ返した。

夏「公貴が危篤状態のとき、公貴の携帯から色んな人に連絡取ったの。そしたら、なおみちゃんのメールを見て。」

私はそのときまっすぐ夏樹さんを見ることができなかった。

夏「最初は、哀しみしかなかった。」

私は俯いた。

⏰:12/08/09 10:34 📱:Android 🆔:GbTiD2/k


#153 [なおみ]
夏「それで、亮なら何か知ってると思って、私が亮に聞いたの。」

私はいたたまれなかった。

亮「なおみ、ちょっと外出るか。」

亮は私を起き上がらせて、外に連れ出した。



中庭みたいなところに出て、ちょっと歩いてた。

亮「悪いな。夏樹、今情緒不安定でさ。別になおみを責めるつもりで呼んだんじゃねんだよ。」

私は頷いた。
夏樹さんの精神が安定していないのは、目を見て分かった。

けど、申し訳ない気持ちでいっぱいになってしまっていた。

⏰:12/08/09 10:58 📱:Android 🆔:GbTiD2/k


#154 [なおみ]
亮「なあ。泣くなよ?」

亮はにかっと笑って言った。

亮「俺さ、なおみのこと気に入ってたんだよ。」

亮は照れた感じで笑ってた。

亮「でも、なおみが公貴のこと気に入ってたのは、とし○えんのときに既に気付いてた。ちょっと頑張ってみようと思ったけど、なおみのメールの返事で脈なしだってすぐ分かった。」

亮は爽やかに話してた。

⏰:12/08/09 22:32 📱:Android 🆔:GbTiD2/k


#155 [なおみ]
亮「公貴からなおみのこと聞いたのは、その年の暮れだった。おいおい!いつの間にそんなんなってたんだよー!って感じだった。笑」

私はちょっと笑った。

亮「そのときは、公貴も色々悩んでてさ。まあ、なおみのことでさ。」

私は胸がぎゅうってなった。

亮「なおみに中途半端なことしたってさ。でも一緒にいられないって。」

私「ふ...。」

私は案の定泣いた。

⏰:12/08/10 08:13 📱:Android 🆔:rbofEMRk


#156 [なおみ]
亮「おい。泣くなって言っただろ?笑」

亮はポケットティッシュをくれた。

亮「言っとくけど、公貴はマジだったからね!なおみに。」

私「あ、あたしだって、まぢだったもん〜。」

一気に涙が出た。

亮「夏樹と結婚するってなったあとも連絡取ったりしてたの?」

私「たまに...。」

亮はそっかあってどこかを見てた。

⏰:12/08/10 08:20 📱:Android 🆔:rbofEMRk


#157 [なおみ]
亮「夏樹がなおみを呼んだ理由はさ、少しでも公貴に何か刺激を与えたくてさ。それで意識戻るんじゃないかってさ。言い方微妙だけど、ちょっとした賭けだったんだよ。」

私は納得した。
それと同時に、夏樹さんは本当にきみちゃんのことが大事なんだなあと思った。

もし私が夏樹さんの立場だったら、プライドが邪魔して呼べない。

亮が私ときみちゃんのことを、どこまで知ってて、夏樹さんにどこまで話したのかは分からない。
けど、女の勘ってやっぱりすごいから、夏樹さんは分かってると思う。

⏰:12/08/10 08:43 📱:Android 🆔:rbofEMRk


#158 [なおみ]
私が泣き止むのを見て、亮が戻ろうと言った。


部屋に近づくと、女の人の泣き叫ぶ声が聞こえた。

亮がそれに気付いて、部屋まで走った。
私もそれにつられて走った。

ドアを開けると、夏樹さんの泣き叫ぶ声が一気に廊下に響いた。

亮「夏樹っ...!夏樹落ち着いて!」

私は呆然として亮が夏樹さんを抱え込む姿を見てた。

⏰:12/08/13 23:30 📱:Android 🆔:01ohklBo


#159 [なおみ]
夏「なんでっ...起きないのっ!!あたしっ...あたしがあー!!!」

夏樹さんはきみちゃんの腕に跡がつくくらい強く掴んでいた。

するとどこからか看護師さんが来て、夏樹さんに話しかけてた。
しばらくするともう1人看護師さんが来て夏樹さんに何かを注射してた。

夏樹さんは嗚咽混じりに私を見た。

そうすると大粒の涙を流して私に言った。

夏「なおみちゃん...ごめんなさいっ...、あたし、なおみちゃんに悲しい思いをさせた...。」

⏰:12/08/13 23:39 📱:Android 🆔:01ohklBo


#160 [なおみ]
私は恐くて動けずにいた。

夏「ごめんなさっ...。」

泣き崩れる夏樹さんを見て、少しお腹が大きいように感じた。

この人、妊娠してる?

私は咄嗟に、本当に無意識に、夏樹さんを抱き締めた。

私の腕の中で泣く夏樹さんを、やけに細く、小さく感じた。

⏰:12/08/13 23:45 📱:Android 🆔:01ohklBo


#161 [なおみ]
あとになって亮から聞いた。

夏樹さんには両親がいない。
詳しくは聞かなかったけど、小さい頃からおばあちゃんがお母さん代わりだったらしい。

おばあちゃんのお世話をしたくて、介護福祉士を目指した。

今はそのおばあちゃんも入院していて、夏樹さんが頼りにしていたのはきみちゃんだけだった。

そして、妊娠5ヶ月目だということ。

⏰:12/08/23 20:50 📱:Android 🆔:ZEbLgL4g


#162 [なおみ]
それからというもの、週1で私は病院に通った。

多いときは週3回くらい行った。

夏樹さんはこの前みたいなパニックを起こしたのは2回目だったらしく、病院の人からなるべく1人にしないようにとのことだった。

夏樹さんは毎日、きみちゃんの隣で色々なことを話しかけてた。

私はそんな夏樹さんを見つめることしかできなかった。

⏰:12/08/23 20:55 📱:Android 🆔:ZEbLgL4g


#163 [なおみ]
もちろん、きみちゃんのご両親にも会った。

きみちゃんとの関係を聞かれたとき、咄嗟に言葉に詰まった私を、夏樹さんがフォローしてくれた。

夏「私の友だちです、お義母さん。」

そのときの夏樹さんの笑った顔が、忘れられない。

⏰:12/08/23 21:00 📱:Android 🆔:ZEbLgL4g


#164 [なおみ]
省吾には、ホットヨガに通い始めたと言って、きみちゃんの病院に通っていた。

その日も、ホットヨガに行くと言って、病院へ向かった。

病室に着くと、夏樹さんが笑顔で迎えてくれた。

また、夏樹さんがきみちゃんに話しかけていた。

不思議と、日によってきみちゃんの表情が違うように見えた。
その日は少し穏やかに感じた。

⏰:12/08/23 21:06 📱:Android 🆔:ZEbLgL4g


#165 [なおみ]
夏「なおみちゃん、連絡先、交換していい...?」

私はそのお誘いを快く受け入れた。

その日から、夏樹さんから毎日メールが来た。
内容は他愛もないこと。
普通のやり取りだった。

私は、妊婦さんである夏樹さんに、無理はしないでと幾度となく言っていた。

⏰:12/08/23 21:15 📱:Android 🆔:ZEbLgL4g


#166 [なおみ]
年末に向けて、忙しくなり、私は夏樹さんのメールに返信できないでいた。

というより、返信できる時間はあった。
忙しいとかただの言い訳かもしれない。

徐々に夏樹さんへの返信が億劫になってきた。

きみちゃんが脳死状態になってから、1ヶ月半経とうとしていた頃だった。

⏰:12/08/24 20:42 📱:Android 🆔:rTDx5jGk


#167 [なおみ]
私は一週間とちょっとぶりくらいにきみちゃんがいる病院へ向かった。

前日に夏樹さんに行くと連絡していたが、返事はなかった。

病室に入ると、きみちゃんが眠っているベッドの横に、腰かけている夏樹さんの姿があった。
いつも見る光景だった。

私「こんにちはー。」

私はきみちゃんのお母さんと夏樹さんに挨拶した。

⏰:12/08/24 20:47 📱:Android 🆔:rTDx5jGk


#168 [なおみ]
すると、夏樹さんは私の顔を見るなり私の腕を掴んだ。
廊下へ私を連れ出すと、睨むような目付きでこう言った。

夏「二度と来ないで。」

夏樹さんは徐々に息が荒くなり、私はあのパニックを起こしたときのことを思い出した。
これ以上興奮させないようにと、私ははい、とだけ返事をして帰った。

⏰:12/08/24 20:53 📱:Android 🆔:rTDx5jGk


#169 [なおみ]
訳がわからなかった。

何がいけなかったのか。

もしかして、夏樹さんがきみちゃんと私のことすべてを知ってしまったのか。

そんな不安すら出てきた。

エレベータを待っていると、きみちゃんのお母さんが私を追いかけてきてくれた。

⏰:12/08/24 20:55 📱:Android 🆔:rTDx5jGk


#170 [なおみ]
公母「なおみちゃん、待って!なっちゃんに何言われた?!」

きみちゃんのお母さんは私を気遣うように聞いてきた。

私「あ、すみません...。なんかあたし、夏樹さんを怒らせちゃったみたいです。しばらく来るの控えますね。」

私はうまく笑えていたか気になった。

公母「いいのよお!公貴のためにまたちょくちょく来てあげて?」

きみちゃんのお母さんは私を覗きこんだ。

⏰:12/08/25 19:47 📱:Android 🆔:9UbljvHs


#171 [なおみ]
公母「実はね、亮くんから公貴となおみちゃんのこと、全部聞いたの。」

私はびっくりして、きみちゃんのお母さんの顔を見たまま固まってしまった。

公母「公貴が、なおみちゃんに辛い思いさせちゃったみたいで、ごめんね。」

私「ふ...。」

私は涙が込み上げてきた。

本当の気持ちを隠したまま、病院に通っていることは辛かった。
病院にいる私は、"夏樹さんの友だち"として振る舞ってきた。

本当は泣き叫びたい気持ちを、
先生にすがり付きたい気持ちを、
きみちゃんに触れたい気持ちを、
すべて我慢してきてた。

⏰:12/08/25 19:56 📱:Android 🆔:9UbljvHs


#172 [なおみ]
きみちゃんのお母さんは、私を座らせて、お茶を買ってきてくれた。

公母「なっちゃんね、普通の状態のときとおかしいときがあるでしょ。切り替わるタイミングはよく分からないんだけど、またいつものなっちゃんに戻るから、許してあげてね。」

私は頷いた。

公母「なおみちゃんも公貴とゆっくり話したいでしょ。今度時間作ってあげるから、また来てね、絶対!」

そっか。
きみちゃんのエスパーぶりは、お母さん譲りなんだなあ。

私「ありがとうございます。」

⏰:12/08/25 20:11 📱:Android 🆔:9UbljvHs


#173 [我輩は匿名である]
その日は大人しく帰った。

きみちゃんのお母さんのことも、どんどん好きになっていった。

夜になると、夏樹さんからメールが来た。

夏『今日はごめんなさい。』

私も、返事をしなかったことを謝った。

少しだけ、夏樹さんを煩わしく感じた。

⏰:12/08/27 20:38 📱:Android 🆔:o0SI0U62


#174 [なおみ]
↑すみません名前が消えてました: /

私はしばらく夏樹さんとも連絡を取らず、お見舞いも控えた。
ただ、きみちゃんのお母さんのことが気になり、それから二週間後に行った。

その日は雨が降り、とても寒い日だった。

いつもの時間帯に着くと、病室にはきみちゃんときみちゃんのお母さんがいた。

公母「あら!なおみちゃん、いらっしゃい!」

きみちゃんのお母さんは笑顔で迎えてくれた。

⏰:12/08/27 20:48 📱:Android 🆔:o0SI0U62


#175 [なおみ]
公母「今日なっちゃんね、検診があっていないのよ。」

私はほんの少しだけ、ほっとした。

公母「この間はごめんね。あのあとなっちゃん、泣いてた。」

私「夏樹さんからごめんなさいって連絡来ました。私こそ、すみませんでした。」

きみちゃんのお母さんは首を横に振ると、そうだ、という感じで私に言った。

公母「ね、なおみちゃん、お留守番お願いしていい?あたし、銀行と郵便局行きたくて。」

1時間くらいで戻ってくるからと、きみちゃんのお母さんは出ていった。

⏰:12/08/29 20:40 📱:Android 🆔:v2AjV1iY


★コメント★

←次 | 前→
↩ トピック
msgβ
💬
🔍 ↔ 📝
C-BoX E194.194