愛される自己中
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#1 [筆者]
自己中・我儘・気まぐれ・手のつけようがない彼女なのに何故か愛されてる
周りが気になる不思議な彼女の話です。

⏰:13/03/08 01:36 📱:PC 🆔:☆☆☆


#2 [筆者]
私が彼女に出会ったのは飲み屋だった

普段行きもしない場所だが、上司に良く連れ回されていた
もちろん、女の子は金を払う上司ばかりを盛り上げてばかりで私としてはつまらないし、高いお金を出して行く意味もわからなかった

⏰:13/03/08 01:41 📱:PC 🆔:☆☆☆


#3 [筆者]
彼女は違った

社長クラスにも連れて来られた鴨にもならないお客にも変わらない笑顔で接してた

彼女の名前は『さゆき』

見た目は20代前半、人によっては未成年に思われる事もある30代

⏰:13/03/08 01:48 📱:PC 🆔:☆☆☆


#4 [筆者]
不思議と誰でも彼女に好感を持つ
笑ったり拗ねたり軽く怒ったふりに、たまに吐く弱音

素で話してくれているからだろうか…
妙に人気があるし、飲み屋には相応しくない熱烈なオタク系ファンが多い

そんな彼女の本性は…
悪魔である
小悪魔なんて超えている

⏰:13/03/08 01:55 📱:PC 🆔:☆☆☆


#5 [筆者]
それをどのお客もスタッフもわかっている
だけど、彼女は愛される

不思議だ
不思議だけど、私もその内の一人

嫌いな飲み屋に、安月給の私が『さゆき』目当てに通ってる

⏰:13/03/08 01:58 📱:PC 🆔:☆☆☆


#6 [筆者]
飲み屋の定番
本気か嘘か『付き合ってよ』とお客が女の子に声をかける

模範解答は笑顔で交わす
喜んだふりしてやんわり断るだと思うが彼女は違う


『無理ですタイプじゃないです』と一刀両断

切なくなるが、可愛い
見た目がロリ系だからか
気まぐれキャラが承認されてるからか
普通にしてるのにアニメから出てきたような雰囲気だからか許せる

普通の三十路なら、こうはいかない

⏰:13/03/08 02:07 📱:PC 🆔:☆☆☆


#7 [筆者]
酔うと凄い

移動のついでにそばにいたお客に不意打ちで後ろから一瞬抱きついていく

近距離で無言で見つめてきて笑顔

褒めると嘘つきと怒る

毎日あれでよく無事帰宅してるなと感心するくらいだ

⏰:13/03/08 02:12 📱:PC 🆔:☆☆☆


#8 [筆者]
彼女の我儘さは普通なら引く

お客に高いものはねだらないが、欲しいものは手に入れる

欲しいとか買ってなど言わないが、何故かクリスマスや誕生日には花もプレゼントも欲しい分だけ手に入っている

言葉の魔法なのか

日常会話に欲しいものが散りばめられていて、大概の彼女の情報は自然と頭にインプットされていく

たまに説教するお客がいる
彼女は言う
『欲しいとは言ってません…が、して下さる気持ちは無駄にしたくないので、その分気持ちで返します』

腹立つ台詞
だが、彼女が笑顔で言えば許される

⏰:13/03/08 02:23 📱:PC 🆔:☆☆☆


#9 [筆者]
彼女の飲み屋の近辺のお店のオーナーは大概、押さえられている。

彼女が頼んだもうなくなってたメニューが、裏メニューとして彼女の為に存在する

配達のないお店が配達をするなど…彼女は無理に頼んでいない。あったらいいなと呟くだけで事が進む

⏰:13/03/08 02:30 📱:PC 🆔:☆☆☆


#10 [筆者]
はっきり言って、とびきり可愛い訳でも美人な訳でもないし、スタイルが言い訳でもない

ちょっとぽっちゃりな感じのする彼女のどこにそんな魅力があるのかわからない

ただ…気遣い気配り記憶力は誰よりも優れていた

初めてのお客
横柄なお客
文句をつけてくるお客
セクハラなお客
喧嘩を始めるお客にすんなり対応する

覚えていてくれて嫌なお客はいない

そんな彼女が怒る時がある

⏰:13/03/08 02:37 📱:PC 🆔:☆☆☆


#11 [筆者]
ある程度なら流す彼女だか、たまに周りも引くようなひどい台詞を吐くお客がいる…

しかし、女の子達はお客だから流すが、中には言われ過ぎて泣き出す子もいる

実際、こんなお客はなにが楽しくてきているのか…

そんなお客に冷静かつ丁寧に彼女は怒る


『人を傷つけて何がしたいんですか?楽しく飲む場所なんです。そんな事ばかり言ってると自分の値打ち下げますよ』

と一言

⏰:13/03/08 22:19 📱:PC 🆔:☆☆☆


#12 [筆者]
しばらくはぶつくさ言ってるお客も、しばらくして見てみると彼女と楽しげに話してる

そんなお客を三人は見た事がある

後日に見かけた時には、引くような台詞を吐かなくなっている

実に不思議だ

⏰:13/03/08 22:30 📱:PC 🆔:☆☆☆


#13 [筆者]
先日、彼女から電話があった

夕飯を作りすぎたからお弁当にしたので、どうかと言う電話

正直、期待をしてしまう出来事だ

彼女の仕事前にお店近くで渡された手作りのお弁当

『いつもお世話になってるから』と渡され、彼女は出勤していった


一人暮らしの私にとっては、手料理なんて久しぶり。ましてや、女の子の手料理。前に告白して振られた事も忘れ、もう有頂天になっていた

⏰:13/03/08 22:37 📱:PC 🆔:☆☆☆


#14 [筆者]
彼女のお店では、私が彼女に好意を持ってる事も、振られた事も大概のお客は知っている

彼女の気まぐれな行動に、再び…いや、三度目の告白をする

『無理です、ひつこい』と怒られた

彼女は誰にでもお弁当は作らないが、作ったところで特別ではないらしい

⏰:13/03/08 22:44 📱:PC 🆔:☆☆☆


#15 [筆者]
彼女は同じ話をひたすら繰り返すお客にも、うまく相槌をうち、笑顔で接する

彼女のファンのお客はオタクからおじいちゃんまでいるのが、わかる

悪魔で冷たいのに…なぜか神対応と呼ばれている

なぜかいつの間にか、心にスポッと入り込んでいる
それが彼女。

⏰:13/03/08 22:50 📱:PC 🆔:☆☆☆


#16 [筆者]
『我儘担当です』
なんて笑顔で言ってくる

お客を楽しませる飲み屋にそんな女の子はいかがなもんだって話だが…

そんな彼女のペースがお客は楽しい


彼女が席につくと、会話が途切れることなくスムーズに飲める

たまに至らない子もいる
イライラする子もいる

彼女は話ながら酔いつつも、気を使っている。

私と話ながら、うまいタイミングで隣のお客のタバコに火をつけて、馴染めない女の子を会話にいれ、うまくその場を離れ、別の場所を盛り上げ、また戻ってきて楽しませてくれる

時には、店内全てに一体感を持たせ盛り上げる。飲み屋をバカにしてた私はいつの間にか、彼女の仕事ぶりには感心して尊敬すら覚えた

⏰:13/03/08 23:01 📱:PC 🆔:☆☆☆


#17 [筆者]
しかし…我儘に代わりはない。

『あれが飲みたい』
『同伴はこれがいい』
みたいな事から

『それは出来ない』
『それはやだ』
なんて言う自分の主張丸出しの我儘まで


たまには『今日来てくれなきゃ嫌い』なんて言い出す始末。


我儘とわかっていながら、脈がないとわかっていながら…行きます。

切ない話です

⏰:13/03/08 23:06 📱:PC 🆔:☆☆☆


#18 [筆者]
バランスがとれているからなのか…腹も立たない

我儘そうで気遣い屋
気まぐれそうで考えてる
マイペースそうで相手を思いやる

だから、みんな喜んで振り回される。
今までに見た事のない人種

⏰:13/03/08 23:10 📱:PC 🆔:☆☆☆


#19 [筆者]
彼女と知り合って四年。

彼女だけ年をとっていない気がする。コンビニで年齢提示させられる彼女

毎回呆れるくらい我儘炸裂の彼女にまだまだ飽きない

⏰:13/03/08 23:13 📱:PC 🆔:☆☆☆


#20 [筆者]
小説と言うより彼女の観察日記のようだ

私はこんなに愛される自己中を見たことがない

まだまだ不思議な生態の彼女を観察し続けたい


君は何者なんだ…
君は何がしたいんだ…

⏰:13/03/08 23:16 📱:PC 🆔:☆☆☆


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