忘れない。。
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#1 [夏海]
別に理解してほしいとか
分かってほしい訳じゃない。
ただ忘れてほしくないだけ。
どうか、あいつが居た事を忘れないでほしいんだ。
:13/04/08 07:41
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#2 [夏海]
『夏って何考えてるかわかんない』
いつも言われる。
いや、私ですら分からないや。
『夏は何も変わらないね』
皆大人になってきて10代最後のクリスマス、親友に言われた。
:13/04/08 07:47
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#3 [夏海]
親友の春夏。
春夏は小学校から一緒で唯一私が心を許した人。
お互い彼氏も居なくて居酒屋でいつものように2人で酒を呑んでいた。
私『変わらないって?』
春『ん〜いい意味だよ!』
私『ふ〜ん?』
春『てかうち等クリスマスに2人って…』
私『健全だな』
春『どこがじゃ!まぁいっか』
:13/04/08 07:55
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#4 [夏海]
確かクリスマスだったな。
地元の駅ビルで朝まで飲んだ。
もちろんクリスマスの居酒屋なんて人がほとんど居なくてたまに居る不細工な女組とか男組と一緒にされたみたいで嫌だった。
春『夏は性格ぶっっさいくだね』
私『顔はホメてんの?』
春『ん〜まぁそこそこだね』
私『まぁ春夏もそこそこじゃん』
春『ありがと。性悪ちゃん』
春夏にそう言われて何も言えなかった。
:13/04/08 08:03
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#5 [夏海]
そして年が明けて言った。
私『今年でハタチだねー』
春『そうだよ!どぉする?!』
私『なにが?』
春『結婚してぇー!』
私『あー、ねー』
春『夏は好きな彼氏作んないの?』
私『私を惚れさせる奴が居ない』
春夏は『はははっ!かっけぇ!』と笑っていた。
その日は朝まで呑んでベロベロになりながらタクシーで家まで帰った。
:13/04/08 08:11
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#6 [夏海]
恋愛はしない。
ってか出来ないんだろーな。
恋愛してる自分なんて想像付かなかった。
お正月も過ぎて一月後半。
高校の友達から連絡が来て呑みに行った。
皆先に始めてて私は遅れて行った。
『あ、夏〜こっち!』
ガヤガヤした中に友達の夢が居た。
夢は可愛いらしくて凄くいい子。
:13/04/08 08:19
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#7 [夏海]
私が高校を三ヶ月で辞めて、ずっと色んな友達と会って居た。
でも、その友達の何気無い一言でカチンときてもう会わないと決めた。
夢は嫌味がなく、よく笑って、よく泣く素直な女の子。
そんな夢が羨ましくもあった。
夢『夏〜!!久しぶり‼会いたかった』
私『夢も元気そうで!』
:13/04/08 08:22
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#8 [夏海]
そこから思い出話とかで盛り上がった。
夢『加地ちゃんとか会ってる??』
加地ちゃんとか、は私がもう会わないと決めたグループの事。
私『ぁあ〜最近はないかな』
夢『そっか!彼氏出来た〜⁇』
私『出来ないよー諦めた!』
夢『えぇ!早い!(笑)』
確かそんな会話の途中、変な男が来た。
:13/04/08 08:29
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#9 [夏海]
『こんばんわ〜!一緒に呑みませんか?』
私と夢は一瞬顔を見合わせて即答した。
私『呑みません。』
?『一杯だけ!!』
しつこかった。物凄く。
私は切れそうになりながら我慢してたら、そいつは急に友達呼んでくる!と、どっかに走って消えて行った。
夢『何か急に消えたね…笑』
私『面倒臭いわ。出る?違う所行こ』
そう行って立ち上がろうとした瞬間、さっきの奴が息を切らして来た。
:13/04/08 08:35
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#10 [夏海]
そいつは私の顔を見ながら遠くの友達を手招きして居た。
…え?なに?
『雅章!てめ、何なんだよ!!』
そう文句を言いながら現れたのは…
私『…健人?』
健『……夏海?!?』
中学の友達だった。
:13/04/08 08:42
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#11 [夏海]
健『夏実!久々だな!!』
私『久々!ビックリしたよ!』
そこから少し話して結局合流した。
私『夢、ごめんね。こんな感じになって』
夢『全っ然大丈夫だよ〜!』
私『ありがと(>_<)』
夢『それより夏が男と話してるの珍しい』
私『ぁあ〜…まぁね!』
夢『いい人なんでしょ?気にしないで!』
夢には本当に感謝。
:13/04/08 08:54
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#12 [夏海]
夢『中学の…あれの人?』
私『…うん!そいつの親友!』
夢『そっか。…おっけ!』
春夏と夢だけが知ってる、私の秘密。
その他の人も知ってるけど別に私から言った訳じゃない。
勝手に知ってまた違う人に話す。
私は人に心を開くのが苦手。
:13/04/08 22:07
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#13 [夏海]
ーー6年前ーー
私がまだ中1だった頃の話。
『夏海〜帰るぞ』
笑顔で手招きしてるのは…今はもう会えない、龍也。
そして、その時の私の彼氏。
私『うん!チャリ〜?』
龍『おう!』
皆の公認で羨ましがられてた。
:13/04/08 22:17
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#14 [夏海]
私『もうすぐ二年だね〜』
龍『そうだな〜』
私『クラス離れちゃうかな?』
龍『大丈夫だろ!絶対同じだよ』
ニケツしながらそんな話をしてた。
その時は龍也と付き合ってまだ三ヶ月くらいだったかな?
そして二年のクラスは龍也と一緒だった。
龍『な?やっぱり一緒だろ?』
私『本当だ!やったー!』
:13/04/08 22:22
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#15 [夏海]
健『相変わらず仲良しですね!』
龍『健人!お前も同じクラスか!』
凄い仲良しな2人を見てなんか笑えた。
『ウチの事忘れてるーー!』
3人一斉に見た。
私『…和美!!!』
和美は小学校から一緒で凄い仲良かったんだけど一年の時クラスが離れてあまり会わなくなった幼馴染?
:13/04/08 22:33
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#16 [夏海]
ちなみに龍也も小学校同じで、小3の時にうちのマンションに引っ越して来た。
健人は中学から一緒だけど何故か龍也が大好きな唯一の友達。
皆一緒になって本当に嬉しかった。
これからが楽しみだ〜って思ってた。
:13/04/08 22:36
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#17 [夏海]
特に大きなケンカもなくて3年も龍也が、絶対同じクラスって言って本当に一緒だった。
でも3年の夏に龍也の両親が離婚してから龍也は変わった。
大きく変わった訳じゃないんだけど…。
何となく壁があるように見えた。
そして、健人に告られた。
龍也に内緒で健人と会って告られた。
でも勿論断ってその後は普段通りで龍也は何も知らなかった。
:13/04/09 08:10
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:6HboHMlM
#18 [夏海]
何となく罪悪感があったまま、私は龍也と付き合ってた。
中学卒業の時も和美と龍也、健人の皆で写真を撮った。
かなり飛ばすけど、皆違う高校に入学してその年の夏休み最後の日に龍也は
事故で死んだ。
その時、私は何をしてたかと言うと
全く知らない男に抱かれてた。
:13/04/09 08:16
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:6HboHMlM
#19 [夏海]
その男は半ばレイプに近かった。
知ってる人だけど強引に連れて行かれてヤられた。
その男は満足した顔をして私を帰らせた。
一人で公園でボーッとしてたら携帯が鳴って気付いたら病院だった。
龍也は即死で道路で死んだらしい。
事故った時、龍也は私にメールしてた。
『今から行くよ。』
ちゃんと私に届いてた。
:13/04/09 08:22
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#20 [夏海]
その日の記憶はない。
お葬式やお通やは人で溢れてた。
皆泣いていて、私は泣けなかった。
その時何を思ってたか分からない。
多分何も思ってなかったんだろうな。
それから私は高校を辞めて働いた。
忙しいのが良くて何も考えたくなかった。
龍也のお通やの夜、春夏に言われた。
:13/04/09 08:27
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#21 [夏海]
春『大変だね』
私『うーん』
春『夏、あの時何してたの?』
私『…他の男とヤってた』
春『…え?どういう意味?』
私『………』
春『夏!!ちゃんと話して!!』
私『高校の先輩にレイプされた』
そっから春夏は何も話さなくなって静かに泣いていた。
:13/04/09 08:30
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#22 [夏海]
それから春夏は何も話さなくなって自然に龍也の話はタブーになった。
そして高校を辞めた事で皆に心配された。
皆が高校1年終わる時皆で呑んでた。
その時、加地ちゃんに言われた。
加『松田、夏が辞めてから元気ないよ?』
松田ってのは、きっと私の事が好き。
そして夢の好きな人でもあった。
高校辞めた理由とか、龍也の事は言わずにバイバイした。
:13/04/09 08:36
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#23 [夏海]
一人で歩いてると夢が来てるのに気づいた。
私『どうしたの?』
夢『あ、…何で高校辞めたの?』
私『ん〜何と無く!!』
夢『いつも夏はそうだよね!』
何か夢がキレ出した。
夢『ずるいよ!夏ばっか!!』
私『なに?八つ当たり?』
結構キツく言ったら夢は泣いた。
:13/04/09 08:39
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#24 [夏海]
夢は泣き過ぎて立ってられない感じだったから私たちはカフェに入った。
そこで何を思ったか私は話してしまった。
私『私ね、ずっと彼氏居るって言ってたじゃん?その人が死んだの』
夢はビックリした顔をしてまた泣き出した。
そして私は何故か全部話した。
それから夢とは仲良し。
:13/04/09 08:43
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#25 [夏海]
何か上手く伝えられないけど、私は春夏と夢にだけ、自分の事を話した。
そこから噂に話しが盛られたりして、ずっと変な噂が回ってた。
でも気にしないで生きてきた。
健人に会ったのは久々。
龍也の話はしないで馬鹿みたいに騒いで帰りは一人トボトボ帰った。
:13/04/09 21:47
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:6HboHMlM
#26 [夏海]
私は何も変わってない。
年だけとって、中身は16のままだ。
そして月は経って、6月の私の誕生日。
もぉハタチなんだな…。
店の子がお祝いしてくれた。
その時私は夜の商売をやってた。
皆からプレゼントを貰って幸せだった。
4年前は…。
そんな事を思いながら笑って皆一人一人にお礼を言った。
:13/04/11 02:14
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#27 [夏海]
いつもいつも思い出すのは龍也だった。
あれ以来、私は人を好きにならなかった。
怖かったんだ。
大好きな人が居なくなるのが。
嫌だったんだ、自分が傷付くのが。
私は冷める一方で守りに入ってた。
友達も必要な人だけでいい。
これから先がない人にわざわざ会ったりしなくていいや、と思った。
:13/04/11 02:20
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:VNClqYNc
#28 [夏海]
ある夏の日、仕事でうっさい輩みたいのが入ってきた。
店長とは凄い仲良さげで私は知らなかった人。
その日は店が暇だった事もあって女の子皆で付いた。
女の子も知ってる感じの人だった。
私『こんばんわ〜』
男『……』
私が挨拶してるのに頭しか下げないで他の女の子とはめっちゃ喋る奴だった。
:13/04/11 02:23
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:VNClqYNc
#29 [夏海]
それから、その嫌な奴の所に何人か連れが来て端っこに居た私の前に嫌な奴が座った。
私は一生懸命話してた。
そいつは私の顔を見て言った。
『お前何かあるだろ?』
言ってる意味が分からなかった。
その人は西岡さん。
私『え?どういう意味ですか?』
西『…何か過去に忘れられない事とかあるだろ?』
:13/04/11 02:27
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#30 [夏海]
私は話せなくなった。
え?知り合い?誰?この人。
私『…いや…別に…』
西『…ふ〜ん。まぁ人それぞれあるよな』
私『いや…ないですよ?』
西『別に隠す事じゃねぇだろ?それくらい大切だったんだろ?』
泣きそうになった。
龍也が死んでから一回も泣いてないし、泣きそうになった事もない。
でも西岡さんの言葉で涙が溜まった。
:13/04/11 02:32
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:VNClqYNc
#31 [夏海]
でも我慢して黙った。
西『忘れられないんじゃなくて、忘れたくないんだよ。思い出は』
私『どうですかね?言えないな〜。これは私のだから』
私が少し笑って言ったらその人は目を大っきくして固まってた。
それからアフターに行く事になって私もちょっと楽しそうだからついて行った。
私は隣に座って、さっきとは全く違う内容で結構盛り上がった。
:13/04/11 02:37
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#32 [夏海]
なんだ!いい人じゃん!西岡!笑
そんな事を思ってた。
それから分かった事。
西岡さんは川合さんって人と良く来る。
私が入ってからも結構来てたらしいけど、たまたま付かなかったんだって。
川合さんは下ネタ大好きな人で、狙った奴は絶対に落とすってかんじの人。
西岡さんも川合さんも40前後。
2人とも話すと凄いいい人でつぎ来るのが楽しみだった。
:13/04/12 05:16
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#33 [夏海]
それから、しばらくは西岡さんは来なくて忘れかけた時、久々に来た。
私『わぁー!久しぶり!』
西『おぉ。お前か!』
それから皆でベラベラ話してたら急に西岡さんに言われた。
私『もう夏だねー』
西『お前夏好きそうだな!』
私『え?なんで?』
西『そんな感じがする!』
私『ん〜…どうですかね…』
:13/04/17 08:53
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#34 [夏海]
龍也が死んでもうすぐ4年。
この4年間で私は変わってない。
そんな事を思ったら笑えなくなった。
口数も減ってボーッとしちゃってた。
西『…お前本当不思議だな』
私『え?!なんで?』
西『まぁお前の大事な思い出を忘れんなよ?お前の中で覚えてろ』
私『…忘れられる訳ないじゃん』
そう言ったら西岡さんはまた目を大きく開いて固まってた。
:13/04/17 08:59
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#35 [夏海]
私はニコッと笑って言った。
私『私ね〜人前で泣けないんだ!』
西『…うん』
私『感情を表に出せないの!』
西『なんで?』
私『ん〜出せなくなるきっかけがあった』
西『でもそれじゃお前が辛いだけ…!!』
私『悲しすぎると…!! 涙なんて出ないんだよ?我慢すると…癖になるの』
西『…そんなの』
私『ただ強く見せたいだけだったのかもしれないけど、いいの。そうやってやる事でしか私は自分を守れなかったから』
しばらく沈黙の後気づいた。
私…何言ってんだろ…。
:13/04/17 09:08
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