電波の恋人

ネット検索 c-box

暇つぶしで作った自分のトピック
さみしいとき
いらいらしたとき
ひまなとき

一言つぶやけば
誰かが返事をしてくれる
居心地が良い電波の中の私の居場所

私には彼氏がいる
年は28歳で私より8つも年上

18歳で1人暮らしをはじめた私は
友達の紹介で夜の仕事をしていた
働きはじめて２年がたとうとするとき
出会った人
そのひとが私の彼氏

初めはただの客の1人だったけど
何回かプライベートで会ってから
意気投合して
気付けば毎日のように電話をして

だんだん惹かれていった

夜の仕事やめれば？
辞めたら彼女にしたる

冗談のようだけど
上から言う言葉に
まんざらでもなかった自分

その頃から好きになっていたから

結局、仕事はやめてはいないけど
彼からの告白で付き合う事になった
20歳の夏

８つも離れている年の差も
感じれないくらい
自分でもこんなに好きになったことを
びっくりした

付き合って半年がたった頃
思いもよらない噂を聞いた

さやかの彼氏って結婚してるらしいで

え？結婚？
そう、さやかとは私の名前

夜の仕事で一緒の店に勤めていた
１つ上の先輩からの一言で
私の頭の中は真っ白になった

最初は信じれなかった

夜中だって普通に電話もするし
会いたいって言えばすぐに
会いに来てくれるし

奥さんがいたらそんなこと
できないよね？って思ったから

だから、その噂を聞いた日
彼に普通にその噂の真相を確かめた

プルルル、、、
何回か呼び出し音がなったあと
電話にでた彼

「おつかれさま♪」

いつもの調子で電話にでたから
ちょっと聞きづらかったけど
普通にやり取りをしたあと

「今日店の子に変な話聞いたんやけど？」

彼「どんなはなし？」

「結婚してるん？」

彼「だれが？」

普通に返事をされた

「ゆうくん」

ゆうくんとは彼の名前で
その言葉を一言言うと沈黙

「おーい？え？図星？」

彼「、、、。うん、図星。」

え？今度はこっちが沈黙

彼「会ってはなせん？」

ってことで仕事終わりの私を迎えにきて
そのまま私の家で話すことになった

最初は沈黙が続いたけど
言いわけか、、
って思う話を彼の口から次々とでて

私はうんうん。
って聞いていたけど
内心はすごくショックで
話した内容もちゃんと覚えてなかった

別れるとか別れないとか
そんな話にならないまま
彼は帰った。
帰ったとゆうより、一緒にいるのが辛くて
帰ってもらった。

泣くとか悲しいとかの前に
まだまだ信じれなくて
ただ携帯を眺めてぼーっとしていた

ソファに横になって
携帯のブックマークを開いた

その中にある
c-box を何気なく開いた

何回かトピをたてたことがあって
自分のトピを検索してみたけど
もう消えてしまっていて
久しぶりにトピをたてた

タイトルは適当で
住みと歳だけのせて投稿した

最初のレスから

あー、なんかどうしたらいんやろ

って独り言満載のトピが完成

その自分の独り言に

どした？
大丈夫？

色んな人から書き込みがくる

顔もしらない誰かわからない
自分のことを知らない人たち

だからこそ色んな話ができて
気付けばレスはトピをたてて
数分で100を超えていた

ずっと絡んでくれてた人が
５人いた

その人たちとやりとりをしていたけど
時間は明け方になり
自分ひとりになったとき
そろそろ寝ようかな？

って思ったとき私のBBSが上の方に
上がっていた

匿名
なんやよう知らんけど
大丈夫か？

顔文字もないそっけない文だったけど
なぜかその匿名の大丈夫か？
にすごく安心していた自分がいた。

なぜかな？
色んな人に大丈夫？とか
俺がおるやんとか
冗談で言われても
なんにも思わなかったけど

匿名からくる返事１つ１つが
暖かくて私のことをよく知ってるかのように来る返事にすごい元気をもらった

その日から自分のトピを除く程度で
匿名との絡みもそんなになかった

彼氏とは別れてもいなければ
付き合ってるってはっきり言える関係ではなかったけど

やっぱり簡単には嫌いになれず
連絡が来たら会ったり
もちろんさみしいときは会いにきてくれたり

あかんって別れなって思っても
離れることができずにいた

すごく病んでる日は
c-boxにきては
独り言のようにぶつぶつつぶやいた

仕事してるとき
遊んでるとき
c-boxで見知らぬ人と絡んでるとき
は何も考えずにいれた

彼氏と中途半端な関係が続く中
急に彼氏から
もう会わんとこ
って連絡がきた

いつかは言われるんやろな
って思ってたけど
実際口に出されたら現実なんやって
すごいショックで

わかった

しか言えへんかった

別れた？
いや、この関係に終わりを告げた日

友達が気晴らしにって
飲みにつれて行ってくれたけど
飲んでもカラオケに行っても
考えるのは彼氏、いや元カレのことばっかりで

そんな人のどこがえん？
裏切られてたんやで？
って周りに言われても
あのときの私にはその人しか
いないって思ってたから未練だけが残っていた

寝る前には必ずって言うほど
c-boxのトピにやってきては
携帯を持ったまま寝てしまう

それが毎日の日課になっていた

寝る前って考えだしたら
めっちゃ考えこむから
トピにいて眠気が来たら寝る

誰かしら絡んでくれるから
さみしさを紛らわすのには
ちょうどよかった

そんな日々をおくるなか
基本、夜中とか明け方とかにしか
トピを見なかったけど
その日は休みの日で友達とカフェで
待ち合わせしてるとき
なんとなくブックマークしてある
自分のトピを開いた

待ち合わせまで
ひまだなぁ

こんな書き込みをしたら
すぐに誰かから返事がきた

相手は匿名
匿名っていっぱいいるけど
すぐにあの時の匿名だってわかった

匿名
今日は休み？
この時間にいるん
めずらしいな
もう大丈夫なん？

私
休みだよぉ
匿名は？
てか匿名のこと何にも知らない

そう書き込むと
匿名はトピのURLを貼ってきた

そのURLを開くと
匿名のトピだった

歳は私の１つ上
住みは意外にもすごく近くて
写メ付きだった

写メをみたら
すごく男前で案の定
匿名のトピには女の子が
いっぱいだった

自分のトピにもどり
匿名に返事をおくる

私
トピ見たよ
人気者だねぇ

匿名
モテモテやからな

そんなどうでも良いやり取りが続き

タイミング良く待ち合わせ中の
友だちがやってきて
そのやりとりはお開きとなった

久しぶりに会う友達と
元カレのこと仕事のこと
色んな話をした

だったらって仕事を紹介されて
もしよかったら人足りてないから働いてほしい

って言われた

仕事内容はファッションのネット関係
すぐに今の仕事をやめることができないから
少し考える時間をもらった

正直夜の仕事をいつまで続けるべきなのか
悩んでいたこともあったから
前向きに昼間の仕事につこうか考えだした

数週間後の仕事中
お店に急にやってきたのは元カレ

周りのスタッフは
え？みたいな顔をしていたけど

普通に接した

私「どしたん？」

元カレ「いや、会いたくなった」

私「ふーん」

話は続かなかったけど
久しぶりに会う元カレを見ると
やっぱりまだ好きなんかなって
自分でもわかるくらい
ドキドキしたし触れたくなった

元カレ「仕事終わってからあいてる？」

私「う、ん」

断ればよかった
って後悔しても遅かった

仕事が終わってから元カレと合流して
そのまま私の自宅へ

少し酔っていた私に
優しく接してくれる元カレ
家について鍵を開けて中に入るなり
抱きしめられた

元カレ「なぁ、やっぱり一緒におりたい」

私「それはあかんことやんな」

冷静に答えた
私だって叶うなら一緒にいたいし
彼女でいたいし泣きそうやった

あかんって思いながらも
心臓の音が聞こえてまうんちゃうかな？
っていうくらい近い距離に
目を合わせてしまうと
もう思考回路は停止した

抱きしめられるたびに
好きなんやって分からされた

起きたら元カレはいなかった
起きていない事はよくあったことだったけど
その日はすごく悲しくなった

どしたらいん

そんなことばっかり考えてた

私は二番目の女
どんなに思っても
一番にはなれへんのはわかってるし
独占欲が強い私には
二番目なんか絶対いや

でもあかん、やめよ、終わりにしよ
そう思っても何回も何回も
元カレと会うたびこんな事は続いた

それがきっかけとかではないけど
元カレと微妙な関係が続く中

私は夜の仕事をやめて
友達が紹介してくれた職場で働くことになった

今までと真逆の生活に
なれるのは少ししんどかったけど
ファッション関係だから
服装髪型ネイル等々自由で
むしろ働いてる人たちはすごいお洒落だから
毎日毎日楽しかった

元カレとの微妙な関係も
そろそろ終止符をつけたいと
思い出したのは
わたしが２２歳になる前だった

ずるずるずるずる
引きずってきた関係を終わりにしよう
と決めたきっかけは匿名だった

２２歳になる前、１年ぶりにc-boxにきた

匿名と絡んでた時は
２１歳になる少し前だったから
もういないだろうと思っていて
自トピもなくなっていたから
トピをたてようかな？としたとき
たまたま気になるタイトルのトピを見つけた

そのタイトルは
匿名と絡んでたときの
匿名のトピのタイトルと一緒だったから

まさかね？
って思いつつもトピをひらくと
写メにプロフィール
匿名だった。

久しぶりにかえってきました
って書き込みしてあったから
匿名も久しぶりにきてるんやなってわかった

匿名のトピに書き込みをしてみた

私
久しぶり覚えてる？

返事はすぐにきた

匿名
え？○○？あの○○？

○○とは当時私が使っていた名前

私
正解よくわかったね！

匿名
名前でわかる

と少し嬉しくなった

その後もやり取りが続いた

私
久しぶりにトピつくるから
また見かけたらきてねぇ

とだけ書き込みし
私は自分のトピをたてた

トピをたててすぐに
昔絡んだ事がある人達が何人か来てくれたり
もちろん匿名もきてくれた

時間は深夜をまわっていた

誰もいなくなったトピに
私が好きな歌詞を書き込んだ

すごい切ない歌詞
自分で書き込んだのに
すごい悲しい気分になっていた

どうしたらいいかなー
もうわからへんよー

こんな独り言をつぶやいたとき
匿名から書き込みがきた

匿名
何があったんか知らんけど
話くらい聞くで？

私
めーっちゃ長くなるで？

匿名
余裕

そういわれると私は今まで
あったこと元カレのこと
仕事をかわったこと
もう元カレとの関係を断ち切りたいこと
全部匿名にはなした

匿名
なぁ、連絡とれん？

それだけかえってきた

私
え？だれと？

匿名
俺しかおらんやろ？

すごい迷ったけどメールくらい
いいかなって思って
アドレスを教えた

知らないアドレスからメールがきた
相手は匿名だった

急にごめんな、
メールってか電話できん？
あ、俺コウタって言うねん

電話、、、か
そう思いつつ返事を返す

あ、さやかって言います
電話？なんで？

普通に聞いた

嫌ならえんやけど心配なったから

メールの文を見たら
嘘やったとしても素直に嬉しかった

私はコウタの顔を知ってるけど
コウタは私の顔を知らない
正直コウタの写メを見る限り
男前でちょっとちゃらいんかな？って
イメージやったけどメール、トピでの
絡み方は全然ちゃらくなかった

返事を返した

こーくん電話大丈夫だよーん

すごいふざけた感じでメールを返すと
番号教えてって
普通に返事を返された

番号だけ送るとすぐに電話がかかってきた
知らない番号だから
あ、電話かかってきた
ってちょっとあせった

私
「はい、」

コウタ
「あ、はじめまして」

顔もやけど声もかっこいいやん！
ってつっこみたくなった
優しくてすこし低めの声

私
「明日は仕事じゃないん？大丈夫？」

コウタ
「俺睡眠時間２時間でやっていける子やから大丈夫」

私
「めっちゃ元気やん、こーくん」

コウタ
「なぁ、いつからこーくんになったん？」

私
「いまから！」

コウタは笑っていた

話は変わって元カレの話になり
コウタ
「さやかが好きなら好きでおったら
ええと思うけど
自分がもう無理って思うんやったら
やめとき幸せになれへんってわかるんやろ？」

私のことを考えながら
言ってくれる言葉に涙が出そうになった

私はこーくんが話すことに
うん、しか言えなかった

暗くなった電話のやりとりを
察したのか
コウタは話題を変えた

コウタの職業、趣味、好きな音楽
お互い何も知らない関係だったから
話はつきなくてずっと笑っていた

２時間くらい喋って電話は終わった

電話を切ったあとコウタからメールがきて

私はすぐに眠ってしまった

毎日毎日暇があれば
私が眠くなるまで電話をしてくれた

だから元カレのことを思い出す時間が
少なくなったし元カレからメールが
きたときは私はコウタにメールをするようになった

コウタと連絡を取り出してから
１ヶ月くらいたった頃

毎日毎日電話かメールはかかさずに
取り合っていた私たちは
恋人同士でもないのに
居心地がよくて安心できて
そんな関係だった

コウタと電話していた時に
コウタからお願いをされた

コ「さやかにお願いがあるんやけど」
さ「なになに？？」
コ「合コンできひん？」

え？どうゆうこと？って思ったけど
コウタの話によると
仕事場の同期、先輩彼女がいなくて
出会いもないから
↑これは口実だろうけど。

合コン段取りして
って言われたらしい。

ちょっと考えたけど
私はOKの返事をした。

一応、私とコウタは昔からの友達
ってゆう設定で

私とコウタを入れて男女１０人の
合コンが予定された。

次の日早速彼氏いない友達に
声をかけたら
みんなすんなりOKで意外と
早く参加メンバーが揃った

コウタにそのことを報告すると
日にちはコウタが決めるからって
二週間後の日曜日になった。

こんな計画をしたものの
私とコウタも会うのは初めて
ましてや
これだけ連絡を取り合う中なのに
コウタは私の顔を知らないし
写メの要求をされたこともない。

だから楽しみ半分不安半分だった。

私たちは友達設定だったから

急にみんなと同じタイミングで
会うとボロが出そうって話になり
当日待ち合わせ場所に少し早めに
コウタと2人で待ち合わせすることになった。

当日の日曜日、仕事は休み
コウタは仕事だったから待ち合わせは
夜８時。

昼過ぎに起きてからソワソワしてる自分がいた。
髪型、服装、メイク。
デートに行くの？ってくらい気合い十分。

胸下まである髪の毛をコテでクルクル巻き終えると
時計は夕方の５時すぎ。

準備するの早すぎ
どんだけ楽しみにしてるんって
心の中で思った。

待ち合わせまでまだ３時間
少し早めに出て買い物がてら
ぶらぶらした。

よく行くショップの顔なじみの
店員さんと話てたら時間は７時３０分を
まわっていて
少し早めに待ち合わせ場所に向かった

コウタから電話がかかってきた、

コ「今駅着いたから後５分くらいで着くから」

さ「あ、さやかもう着いてるから待ってるわ」

コ「早いやんどんな服？人間違えそうやん？」

さ「白のスキニーに黄色のカーディガン」

コ「わかりやすいわ！」
って笑いながら電話を切った。

もう心臓がドキドキドキ、、、
変な気持ち。

数分後待ち合わせ場所に向かってやってくる1人の男性

うん、絶対コウタってわかった。

なんかにやけてしまった。
にやける私でわかったのか
コウタは私に向かって歩いてきた

軽くパーマをかけてる髪の毛に
黒めのデニムパンツ
白シャツを羽織り
インナーは派手目のタンクトップ

theお洒落

って感じ

顔は写メのままで
もう心臓は停止寸前。

コ「さやか？やんな？にやけすぎ。」

さ「緊張のあまりにやけてもた」

コ「うん、想像通り」

さ「それは良い意味？悪い意味？」

コ「それは内緒にしとくわ」

って笑った。
この笑顔、女の子はみんな好きな笑顔やなって思った。

さ「今日来る子らみんなめっちゃ可愛いで」

コ「まじで？それは楽しみやな」

さ「さやも楽しみー」

コ「こっちも男前勢揃いやで」

うん、仕事柄男前なんやろなとは
想像できる。

私の友達は
わたし以外の４人は
みんな夜の仕事してる子たち

ノリ良し顔良しスタイル良しな
女の子が見ても可愛い！
って思える自慢の友達勢揃いだから
期待はどうぞしてくださいって感じだった

コウタが予約してくれたお店に着き
まだ少し時間があるから
店の前で喋っていたら
コウタの仕事場の人たちがやってきた

わかっていたけど
theお洒落でした。

遅れて私の友達が来て
みんな集まりお店の中に入ると
少し暗めの全室個室のお洒落な居酒屋だった

ベンチシートタイプの椅子に座ると
隣の友達のミキが携帯を差し出して来た

メール画面の本文に
みんなかっこよすぎる！！！

ミキに携帯を返すと
私はミキを見て笑った
ミキも満面の笑みだった

とりあえず乾杯と恒例の軽い自己紹介

飲み屋で働いてることもあり
お酒は次々注文され
テーブルの上はグラスまみれ

目の前に座っているコウタも
お酒に強いのか結構飲んでいた

席替えとかもしてみんな良いかんじに
仲良くなった

そのお店は２時間程で出て
次はカラオケに移動
時間が遅いからフリータイムしか
できないらしく

カラオケでも飲んで歌うから
少し気分が悪くなった

次の日がコウタたちは休みらしく
私も休みをとっていて
友達もみんな夜から仕事だから

始発コースだろうとは思っていたけど
みんなのテンションに着いて行くのは
限界だった笑

トイレに行くと言い
廊下にあるソファに座り
フゥ～っと息をはいた

これ以上飲んだら、、
トイレ駆け込みだろうなぁとか
1人で思っていたら
コウタも部屋を出て来てトイレに行った

トイレから出てくると
私の隣にドカッと座った

結構飲んでいる割りに
しらっとしている

コ「今日はネガティブさやかじゃないな」

さ「ハハハ、それ禁句やから」

元彼のことはっきりしてないことを
知っているから複雑だった

コ「みんな可愛いよなぁ、合コン企画成功やな」

さ「だれのおかげー？笑」

コ「さやか様様ですー」

コ「誰かタイプおった？」

さ「んー、そりゃ、、コウタかな！」

ふざけて言う私に

コ「俺も1番可愛いのはさやかかな」

ってふざけながら言われた

さ「はいはいーありがとー」

2人で部屋に戻ると
まだまだハイテンションな人たち
その日はやっぱり始発コースで

カラオケを出たら外は明るくて
その場で解散。

帰りにミキとアズサが
泊まりに来ることになり
アヤとはその場でわかれた

玄関に入るなり
シャワーの取り合い
ジャンケンで負けて1番最後

シャワーを浴び終わり
３人でベッドの上に川の字

セミダブルのベッドに３人は
狭かった。

ミキ「久しぶりやなぁこやって寝るの」

さ「夜やめてから初めてやなっ」

アズサ「また戻ってきーよー」

さ「今の職場楽しいからなぁ」

ミキ「まぁ、アズサもミキも潮時迎えたら昼職探すわ」

みんな眠たいから
意識が遠のきながら喋っていたら眠ってしまっていた。

目覚めたのは昼の２時すぎ
ミキは起きてて
出前でも取る？って電話で注文し終えると
メール画面をひらいた

コウタから昼過ぎにメールがきていた

起きたらまた連絡ちょうだい

返事は返さずミキと喋っていた

ミキ「さやさぁ、コウタ君と付き合えば？」

さ「なんでなんで？笑」

ミキ「なんとなくー、良いやんコウタ君
アイツなんかはよ忘れてまえ！」

アイツとは元彼のこと

さ「うーん、もう忘れてるー」

ミキ「でも会おうってしつこく言われたら会って押しに負けて抱かれちゃうかんじやろー」

さ「その通りですね。笑」

ミキ「都合のええ女は幸せになれへん
経験者語る」

ミキも私と同じことがあったから
1番心配してくれていた。

さ「ありがとう。でもこんなんで
コウタ好きになってえんかなぁ。」

ミキ「コウタ君は全部知っとんやろ？大丈夫やわ。」

ミキは笑って大丈夫って言ってくれた。

出前が届いたチャイムでアズサが起きて
昨日の合コンについて３人で
あーだこーだ喋った

ミキとアズサは夕方にかえっていったから

コウタにメールを送った

おはよー

すぐに返事はきた

いつまで寝とんねん！

メールがきてからすぐ

着信コウタ

電話でミキとアズサが
泊まってたこととか言って
喋ってたら

６時から会わん？

って言われた。

時計は夕方４時すぎ。

さ「いいけど、なんでー？」

コ「暇やから！」

さ「暇つぶしかよぉ。。」

って言いつつも用意して
６時に駅で待ち合わせ

さやは駅まで徒歩だけど
コウタは電車で１０分程度

駅に着くとタイミング良く
コウタも来て

ご飯を食べに行くことになり
私がよく行くお店に行った

さ「久しぶりやなぁ、笑」

コ「おぅめっちゃ久しぶりやなぁ」

くだらない会話
でも楽しかった。

コ「今日会ったんわな直接言いたいことがあったから」

さ「、、、まさかの？笑」

笑って言ったけどコウタはマジだった。

コ「知っとると思うけど好きなんやんか」

さ「いや、知ってませんでした。。」

びっくりした

コ「どうでもええ女とあんなに連絡とる？暇やからって飯誘う？」

さ「う、ん。そうやな、、」

コ「彼女なる？」
って笑顔で言われた瞬間それは反則やろって思った

さ「さやかの今の状況知ってるやん？？」

コ「俺がおるやん、」

さ「さやかもコウタ気になるで？でも、今の状況でじゃあコウタと付き合うとかズルくない？」

コ「全然。そら、彼氏がおるとかやったらあかんけど
さやかフリーやん、彼氏おらんやん」

さ「まあ、、そうやけど、」

沈黙

コ「もう都合ええ女なんかやめとけ」

コウタは全部知ってる
その一言で泣きそうになった

コ「俺からしたらそいつめっちゃ腹立つねんけど？」

なんもいえんかったけど
コウタの優しさが嬉しかった

さ「ちょっとだけ考えてもいい？」

コ「待ってる」

その後はいきなりの告白も
なかったかのように普通に戻り

返事保留状態が数日続いた

友達や会社の先輩にも
色んな人に相談したら
やっぱりみんなの答えは

絶対コウタやった。

自分でもコウタの彼女になりたい
って気持ちはあったけど
こんな自分でいんかなぁ
ってことばっかり考えてた

元彼にはメールで言いたいこと
全部言うことにした。

いざメールをうつと
言いたい事が山積みで文にするのが
難しかった。

もうこんな関係は終わりにしたい。
さやかは都合のええ女やった？

元彼のことが大好きやった頃
付き合いだして
結婚してるってわかったとき
体だけの関係になってしまったこと

メールを打ちながら泣いた

元彼にとって
さやかはただの遊びやったんかな、

好きって言うてくれてたんは
嘘やったんかな、

言いたいこと全て文にして
送信ボタンを押した

何時間かたってから
元彼から電話がかかってきた

さやかが夜してたとき
初めて会って一目惚れした
会うたび結婚しとること
言いづらくなって
こんなことになったけど
遊びで近づいたわけじゃないし
今でもさやかのこと好きやで

って言ってくれた。
でも、離婚はできひんし
守って行く人はさやかじゃないって

言われてなんかスーッて
終わっていくのがわかった。

ズルズルズルズルした関係を
終えたのは私の誕生日の４日前だった。

次の日携帯ショップに行って
携帯を変えた、ついでに番号も
アドレスも変えた。

もう会うこともない
元彼とは全部終わった。

その日の夜
友達６人くらいで飲みに行くことになり

中にはミキ、アズサ、アヤもいた。

気を使う仲でもない私たちは
大丈夫？
落ち込むな！

そんな言葉はなく

やっとか、
さやかがやっと目が覚めた、

って笑いながら言ってくれて
落ち込むどころか
いっぱい笑った。

みんな、ありがとう！

そう言って駅でわかれた。
帰り道さっきまで一緒にいた友達たちから
色んなメールがきた

撮った写メに
さやかにはもっとええ人いてる
幸せなろ！

サバサバしてるみんなやけど
こうゆうところが大好きで
ありがとうって心から思った。

家に着いたのは夜中１時過ぎ

コウタにはメールで報告した。

ズルズルした関係に終止符を
打ちました。
さや生まれ変わります！

ちょっとふざけた内容だったけど
送信ボタンを押した。

コウタからメールがかえってきた。

あ、起きてたんや。

ってちょっと嬉しかった

ご苦労様でした。
アドレス変更に番号ものってたから
なんとなく気付いてたで

頑張ったな。
泣いてないか？

そのメールを見ただけで
泣きそうやった。

すごいコウタに会いたくなった

送信
ありがとう。泣いてないで？

受信
今度会ったらよしよししたろ

送信
からかってるやろ、
明日も仕事がんばってね。

何通か続いたやりとりのあと
シャワーを浴びて眠りについた

毎日毎日連絡がくるコウタから
急に連絡がこなくなったのは
その数日後だった。

２２歳の誕生日を迎えた日

その日は平日で普通に仕事して
夜は友達がサプライズで
家までケーキを持って来てくれた。

夜の仕事してる友達は
みんな仕事だったけど
色んな人からおめでとうメールが届いた

コウタには誕生日を言っていたけど
連絡はなく、
忘れてるんやろなぁ。

ってちょっとさみしかったけど
そんなに気にしてなかった、
その日初めて丸一日コウタから連絡はなく

メールを送ったけど次の日になっても
返事はなかった

電話をかけてみたけど留守電

なんかあったんかなって心配になった
もしかして愛想つかされたんかなとも思った。

次の日の夜７時すぎ
ミキから電話がかかってきた

ミキ「さやかー、緊急出動や！」

さ「え？なになに？！」

ミキ「コウタ君高熱でぶっ倒れたらしい」

ミキの話の内容は
この前合コンした相手
コウタの仕事場の先輩と連絡とりあってて
さっき、その先輩から連絡がきて
昨日高熱で仕事できなくなって帰ったけど
携帯が留守電だから
さやかがその事を知らないかもしれないって
連絡してくれたらしい。

ミキ「行ってあげれば？一人暮らしの高熱はきついもんよー」

さ「でもさや家知らんし、、」

さ「あ、その先輩の番号教えて！」

っと言うと電話を切ってすぐ
番号が送られてきた。

その先輩に電話をかける。

プルルル、、、
何回かの呼び出し音の後

先輩「はい、もしもし？」

さ「あ、コウタの友達のさやかですけど
わかりますか？」

先輩「わかるわかる！」

さ「コウタの家教えてもらいたくて」

そう言うと駅名だけ聞いてその駅に着いたら
もう一回電話ちょうだい
って言われて
すぐに用意をして家を出た

駅まで走り電車に乗り
10分程で
言われた駅に着いて先輩に電話をかけた

先輩は電話をしながら
道を教えてくれた
駅から徒歩５分もかからないところで
先輩にお礼を言って
教えてもらったアパートの部屋を探して
そのドアの前に立ち
ちょっとためらいもあったけど
チャイムを押しまくった

チャイムを押しまくり

ガチャ鍵が空く音がして
ドアが開いた、、、

そこには冷えピタにスウェット姿の
コウタが

えっ？！
って顔でたっていた。

ちょっと図々しかったかな、って
チャイムを鳴らしまくったことを
少し後悔しつつも

玄関に入りドアを閉めた

コ「なんで、、ゴホッゴホッ
俺ん家ゴホッわかったん？」

ものすごい咳で喋りにくそうに言った

○○さんに電話で教えてもらいながら来たこと、
全部はなした。

コウタは肺炎になりかけだったらしく
薬と点滴で治るから
昨日は仕事終わりに病院行って
そのまま１日入院していたらしい

熱も大分下がったらしいけど
まだ咳がひどかった

いつもの元気なコウタではなく
部屋に入ると
真っ暗で水と薬と冷えピタが
テーブルの上に置いてあった

さ「めっちゃ心配した。なんか食べな死ぬで？」

コ「点滴したし大丈夫」

さ「さや明日休みやからお母さんするから！」

コウタは笑っていた
相当しんどかったのか
すぐに横になったから
冷蔵庫の中を見ると
びっくりするくらい何もなくて
あるのはお酒と調味料。

どんな生活してるんって思ったけど
お米はあったから
風邪のときの定番のお粥だけ作った

コウタはその間眠ってたけど
咳が出るから寝にくそうだった

来てみたものの、
ご飯しか作れず冷えピタを変えたりしていたら
コウタが起きた

コ「さやか来てくれただけで治りそぉ」

さ「そんなしんどそうな声で言われても治りそうに見えへんで？」

さ「お腹すいてない？着替える？汗かいとるやろ？」

コ「本間おかんやん。」

っとゆうとベッドから起き上がり
着替え、そこって指をさすから
クローゼットをあけて着替えを出した

服を着替えてお粥を食べてくれた
薬飲み終えると
こっちってコウタの座っていたベッドを
ポンポンとたたいた

ん？コウタの隣に行くと
抱きしめられた。

コウタの体は熱くて
まだ熱があることがわかった

コ「誕生日ごめんな、なんも用意してない」

さ「覚えてたんや、いーで
それよりはよ治せばっ」

コ「さやか来たから明日には治るわ
泊まってくれるん？」

さ「明日休みやから、、」

抱きしめられたまま会話をする。
ドキドキした。

コ「俺携帯放置や」

さ「知ってる、ずっと留守電」

コ「充電きれてんねやわ」

と抱きしめられていた体が離れ
コウタが携帯に充電器をさして
クローゼットの方に歩き
ジャージを出した

コ「おっきいけどこれきる？」

さ「あ、ありがとう。」

さ「シャワー借りてもいい？」

コ「いやらしいこと考えてるな」

シカトしてジャージを持って
お風呂場に行った。

シャワーを浴びて部屋に行くと
コウタは布団にくるまっていた

コ「すっぴんやん」

さ「あかん？」

コ「化粧落としは？」

さ「シート持ち歩いてるから」

コ「へぇー、」

こっち来てとベッドの端により
手招きする。

さ「やらしいこと考えてるなー」

コ「男ですからねー」

さ「下で寝ます」

コ「なんもせんわ、布団１つしかないねんからこっちこい」

電気を消して隣にいった。

豆電球だけがついた
薄暗い部屋の中

コウタの隣にいる
心臓はドキドキ
コウタは咳が出ているから
寝にくそうで
でも相当しんどかったのか
少し喋り終えるとすぐに寝息が聞こえてきて

私も眠りについた

コウタの隣は緊張したけど
その割りにぐっすり眠れた

看病しに行ってるのに爆睡

起きたら明け方５時
コウタはまだ眠っていて

冷蔵庫の中にある冷えピタを取りに行って
冷えピタを取り替えた

冷たかったのかコウタが目を覚まし

ありがとう

って一言言うと
また布団の中に引きずりこまれた

コ「なんで来てくれたんやった？」

さ「めっちゃ心配やったから」

コ「、、、。」

さ「あかんかった？」

コ「俺やったらあかん？」

コ「俺はさやかを悲しませたりせん
嘘もつかんし会いたいおもてくれたら
すぐに会いに行くし幸せにしたる」

さ「さやかでえん？彼女なってえん？」

コ「元彼がどうとか、ズルズルしとったとか関係ないし俺はさやかが好きなだけ」

こんな優しくてかっこよくてお洒落な人
さやかにもったいない
って思ったけど

コウタとなら幸せになれる

ってコウタの言葉で思えた

さ「彼女に、、なる」

一言だけ言うとコウタに抱きしめられた

コ「今すぐにでもチューして押し倒したいけど
とりあえず歯磨きしたいし、シャワーあびたいし
だからやめとく」

思わず笑ってしまった。

さ「うん、さやかも歯磨きしたいわ」

ふたりで笑った

そのあとまた眠りにつき
昼前まで寝たり起きたりを繰り返した

コウタの熱は下がりつつあり
咳も少し落ち着いてきているものの
仕事は一週間強制休みらしく

その日は夕方くらいまで
コウタの家にいた

コ「もう帰るん？」

さ「うーん、夜には帰る予定
明日仕事やし」

コ「そっかぁ、さやか？？」

さ「ん？」

コ「今日記念日やな！」

ってニカッと笑った

その笑顔にさやかも笑ってしまった