○最後の四季○
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#281 [ゆり]
「俺は今の彼女以上に
好きになれる女はいない。
お前も、好きじゃない。」


「…」

今の彼女って
あたし?
だよね?


「でも今日会ってくれたじゃん!
隼人も若菜に会いたかったんじゃないの?」
 

⏰:06/09/07 23:34 📱:V703SH 🆔:AUH7NPns


#282 [ゆり]
「お前がしつこく連絡してくるから
ちゃんと言いたかったんだよ」

「なにそれ
でも若菜はずっと好きだし
ずっと会いたかった」


あたしはまた
俯いて泣いてた。

若菜ちゃん可愛過ぎ。

真っ直ぐで
傷付いてもぶつかって。

あたしには出来ない。 

⏰:06/09/07 23:38 📱:V703SH 🆔:AUH7NPns


#283 [ゆり]
多分ずっと
そんな劣等感が
あたしにはあった。

だから
若菜ちゃんみたいな女の子がいるなら

そんな子の方が
隼人を幸せに出来るんじゃないかって

よく考えてた。

でも違うね。


そんな簡単なもんじゃない。
 

⏰:06/09/07 23:41 📱:V703SH 🆔:AUH7NPns


#284 [ゆり]
「俺は
彼女だから会いたいと思うし
ゆりだから可愛いと思うし
ゆりだから大事にしたいと思うし
ゆりだから付き合っていけるし
ゆりだから永遠とか信じられる!

とにかく!
俺はゆりじゃなきゃダメなの!
わかった?」
 

⏰:06/09/07 23:45 📱:V703SH 🆔:AUH7NPns


#285 [ゆり]
いきなり
声を張って隼人が言った。


効果音でいうとしたら
あたし達は
ポカーンって
感じだった。

ゆりって連呼し過ぎだよ…

ダメなの!って
女の子みたいで気持ち悪いよ…
 

⏰:06/09/07 23:47 📱:V703SH 🆔:AUH7NPns


#286 [ゆり]
今まで似た様な台詞
何十回と
言ってくれたけど

あたしにじゃなく

違う人に言ってる。


なんかめちゃくちゃ
笑えちゃったけど

なんかめちゃくちゃ
嬉しかった。

やばい。
あたしほんと幸せ者だ。
 

⏰:06/09/07 23:50 📱:V703SH 🆔:AUH7NPns


#287 [ゆり]
声を殺して泣いてるあたしの隣で

「バカップルだね〜笑」って

三上くんが笑った。


ほんとバカ。
人騒がせな女だし
恥ずかしい男だし。

だけどあたしの

最愛の人。
 

⏰:06/09/07 23:54 📱:V703SH 🆔:AUH7NPns


#288 [ゆり]
「わかったよ!
じゃあもう連絡しないよ!」

若菜ちゃんが
立ち上がった音がした。

と思ったら
すでに
うちらは見つかってた。

「…」

「…」
 

⏰:06/09/07 23:56 📱:V703SH 🆔:AUH7NPns


#289 [ゆり]
数秒見つめ合った。

若菜ちゃんはミュールを履いて
あたし達に軽くお辞儀をして
歩いて行った。

「ゆりちゃん彼氏によろしく!
俺行くわ☆」

そう言って三上くんは若菜ちゃんの後を追って消えた。

その後の事は知らないけど
バイトで会ったら聞くつもり。

⏰:06/09/08 00:00 📱:V703SH 🆔:lfdD9glk


#290 [ゆり]
あたしは
鳴り過ぎの心臓に
好い加減慣れてきて

パンプスを脱いで
普通に
隼人の前に行った。


隼人はあたしだって気付くと
なんとも言えない表情をした。

思い出しても笑える。
 

⏰:06/09/08 00:04 📱:V703SH 🆔:lfdD9glk


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