それでも君が

『ねぇ？どこ行くつもり？』

「･･･」

『ねぇってば!!!』

「･･･」

『家なら帰らんよ!!』

「･･･」

無言のまま走り出した。

『何とか言えよ!!黙っとったらわからんやら!?』

「会わせたい人がおる」

『会わせたい人？』

誰だろう･･･

すごい焦ってる様に見えるのは気のせい？

博かな？

んなわけないか!!

『誰々～笑』

「･･･っ」

え･････

耳を疑った。

なんで？
どうして？

信じてたのに･･･

裏切り者。

'

"友梨のお母さんっ"

やだ･･･

友梨あんな家には帰んない!!

帰ったらなにされるか･･･

アザが出来るくらいじゃ
済まないだろう

円形脱毛なんかじゃ
収まらないだろう

きっとまた
殺されそうになるんだ･･･

そんな恐怖が友梨を襲い
体が震えだした

他人にはわかんない。
実の親に
怯えるなんて･･･
わかるはずない

『やめ･･･て』

お願いだから･･･

助けてくれるんじゃなかったの？

家に電話したら
行きたいところまで
連れていってくれるって･･･

そう･･･
いったじゃんか･･･

嘘つき。
裕ｸﾝの嘘つき!!!

「バレたんや･･･ごめん」

え？

待って。
どういう意味？

『なんで？』

「非通知設定できてなくて･･･お前んちから電話かかってきて友梨返せって･････」

そんな･･･

「だから･･･ごめん。」

そう言って車を止めたのは
少し離れた場所にある
道の駅。

『裕ｸﾝのばか!!裏切り者!!友梨が家帰ったらどうなるか分からんでこんな事できるんやさ!!』

信じてた裕ｸﾝの
まさかの裏切りと

帰宅後の恐怖で

頭がパンクしそうだった

「もうすぐお母さん来るで待っとけよ。ちゃんと話し合えよ」

話し合う？

今更話す事なんてない
てか
話したくもない

『あんたに頼った友梨がバカやった。最低!!もう連絡せんといて』