それでも君が
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#291 [
]
『じゃあね!!』
嫌みったらしく
一言投げるようにはくと
荷物を持って車から降りた
「おいっ!!ゆり!!!!!」
夜の静かな住宅街に
二人の声がこだまする
今考えると恥ずかしい///
:07/02/01 20:31
:D902iS
:☆☆☆
#292 [
]
追いかけてくる足音が
突然消えた
チャンスと思い
走って逃げた
「友梨!!!待って・・・友梨お願い話を聞いて・・・」
その声に
背筋が凍るような感覚を覚えたのを今でも忘れられない・・・
:07/02/01 20:33
:D902iS
:☆☆☆
#293 [
]
『・・・・・!!』
腕を捕まれた。
その力は肉離れしたかと思うくらい強い力で
友梨は振り払えなかった
『痛いなっ!!触んなよ!!放せって!!!!!』
「友梨・・・どうして・・・??」
そう。
しっかりと腕を掴んだのは
母だった・・・
:07/02/01 20:40
:D902iS
:☆☆☆
#294 [
]
『あんたの顔なんか見たくない!!!放してよ!!!!!』
「放さんよ。絶対に放さん」
震える手で
友梨の肩を掴んだ
母の顔は
涙でグチャグチャだった・・・
「帰ろう・・・??」
:07/02/01 20:43
:D902iS
:☆☆☆
#295 [
]
「探したんよ・・・無事でよかった・・・」
そう言って嫌がる友梨を
無理矢理抱きしめた
大嫌いなはずの母
憎いはずの母
なのに・・・
なのに涙が止まらなかったのは
かけがえのない
たった一人の母親だから。
:07/02/01 20:46
:D902iS
:☆☆☆
#296 [
]
母に手を引かれて
しぶしぶ車へと向かった
「ご迷惑おかけしました。仕事中なのに・・・」
ペコペコと頭を下げる母に
「いえいえ。ちゃんと話し合ってください。それから・・・友梨ちゃんの話聞いてあげてください」
と返す裕クン。
二人のやりとりを
聞き流しながら車に乗った
:07/02/01 20:52
:D902iS
:☆☆☆
#297 [
]
家に向かう車の中
母は一言も話さなかった
もちろん友梨も。
殴られる覚悟を決め
唇を噛みしめて
見上げた空には
星なんか見えなくて
月だけが浮かんでた
:07/02/01 20:55
:D902iS
:☆☆☆
#298 [
]
家に着くと父が玄関の外を
落ち着かない様子で
うろうろとしていた。
車を見るなり
友梨の乗っているドアを開け
「おかえり」
と優しい口調で言った。
それを無視して
友梨はさっさと家に入った。
後ろで二人がボソボソと話してたけど
聞こえない振りをした
:07/02/01 20:59
:D902iS
:☆☆☆
#299 [
]
部屋に行き
床に鞄を投げつけた。
父が部屋の外から
優しい口調で
「下に来なさい」
と言い離れていった・・・
しばらく動かなかったけど
仕方なく下へ降り
居間の戸を開けた
:07/02/03 20:09
:D902iS
:☆☆☆
#300 [
]
そこには泣き崩れる母の肩を
抱き寄せる父の姿
『なに?』
母は顔を上げると
「座って」と弱々しく言った
自分がしてきたことを
やっと反省したと思った
:07/02/03 20:14
:D902iS
:☆☆☆
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