それでも君が
最新 最初 🆕
#293 []
『・・・・・!!』

腕を捕まれた。

その力は肉離れしたかと思うくらい強い力で
友梨は振り払えなかった

『痛いなっ!!触んなよ!!放せって!!!!!』

「友梨・・・どうして・・・??」


そう。
しっかりと腕を掴んだのは
母だった・・・

⏰:07/02/01 20:40 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#294 []
『あんたの顔なんか見たくない!!!放してよ!!!!!』


「放さんよ。絶対に放さん」



震える手で
友梨の肩を掴んだ
母の顔は
涙でグチャグチャだった・・・



「帰ろう・・・??」

⏰:07/02/01 20:43 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#295 []
「探したんよ・・・無事でよかった・・・」

そう言って嫌がる友梨を
無理矢理抱きしめた



大嫌いなはずの母

憎いはずの母

なのに・・・

なのに涙が止まらなかったのは

かけがえのない
たった一人の母親だから。

⏰:07/02/01 20:46 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#296 []
母に手を引かれて
しぶしぶ車へと向かった

「ご迷惑おかけしました。仕事中なのに・・・」

ペコペコと頭を下げる母に


「いえいえ。ちゃんと話し合ってください。それから・・・友梨ちゃんの話聞いてあげてください」

と返す裕クン。

二人のやりとりを
聞き流しながら車に乗った

⏰:07/02/01 20:52 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#297 []
家に向かう車の中
母は一言も話さなかった

もちろん友梨も。




殴られる覚悟を決め
唇を噛みしめて
見上げた空には

星なんか見えなくて
月だけが浮かんでた

⏰:07/02/01 20:55 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#298 []
家に着くと父が玄関の外を
落ち着かない様子で
うろうろとしていた。

車を見るなり
友梨の乗っているドアを開け

「おかえり」

と優しい口調で言った。

それを無視して
友梨はさっさと家に入った。

後ろで二人がボソボソと話してたけど
聞こえない振りをした

⏰:07/02/01 20:59 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#299 []
部屋に行き
床に鞄を投げつけた。


父が部屋の外から
優しい口調で

「下に来なさい」

と言い離れていった・・・


しばらく動かなかったけど
仕方なく下へ降り
居間の戸を開けた

⏰:07/02/03 20:09 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#300 []
そこには泣き崩れる母の肩を
抱き寄せる父の姿


『なに?』

母は顔を上げると
「座って」と弱々しく言った



自分がしてきたことを
やっと反省したと思った

⏰:07/02/03 20:14 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#301 []
「お母さん母親失格ね。子育てもろくにできんなんて・・・」

『・・・』

「友梨がそんなに嫌で家出するならお母さんが出てくわ。ねぇ?それでいいでしょ?」



友梨は黙ってた。


本当はいけない事してるって
わかってる。

親不幸者だって
わかってる。

⏰:07/02/04 01:35 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#302 []
母親に・・・

いくら最低だとしても
母親に
こんなセリフ
言わせて良いわけない。


わかってる

わかってるのに・・・

素直になれずに
口から出た言葉は
残酷な一言でした――。

⏰:07/02/04 01:37 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


★コメント★

←次 | 前→
↩ トピック
msgβ
💬
🔍 ↔ 📝
C-BoX E194.194