それでも君が

きっと２人の思い出の
お菓子なんだろうなって
思うと食べたくなくなった。

だけど･･･
悔しいけど･･･
ジャガビー美味しかったんだ

『おいしい!!』

「やろやろ!?」

博の笑顔見ると
どうでもいいやって思える。

屈託のないその笑顔
友梨の大好きな
その笑顔。

「はい、あ～ん」

『いいよ～

』

照れる友梨に

「だめ。はい、あ～ん」

『あ･･･～ん??』

「ん～うめぇ!!笑」

『あー!!ヒドいっ!!』

自分の口に入れやがった!

でもちゃんと
次はちゃんと食べさせてくれた

バカップルなんです。
笑ってください!!笑

でもね、
また博はあの人の名前を言ったんだ･･･

『あれ？博タバコ吸うの??』

テーブルに置かれた
白黒の灰皿。

「あ～たまに。」

『まぢで!?友梨の前では吸わんでよね!!』

友梨タバコ大嫌いだから。

「はぁい!!笑」

めったに吸わないから
別に苦痛ではないらしい。

「みてみて」

『ん？』

「ここにタバコ置いてな･･･」

ってタバコ吸う振りする
可愛い博。

「ここに灰が落ちるで、こうやって」

『お～すごいすごい!!』

初めて見る
ちょっと変わった灰皿に
感激してた。

「こっちライター」

って取り出したのは
同じ形の紅白のキューブ型ライター。

『かわいぃ～!!!博こういう趣味なんやねっ』

「趣味ってかマキにもらったんや♪結構気に入っとる!!笑」

え･･･？

博･･･
今日で何回目??
その名前言うの。

でも悪気なく話す博を
責める事なんて出来なくて

マキﾁｬﾝをどれぼど愛してたか知ってるのに
責める事なんて出来なかった

友梨は笑ってた。

ホントは辛いのに。
泣きたいくらい辛いのに。

博の中にいるマキﾁｬﾝに
ヤキモチ妬いた。

でてってよ･･･
博の何でもないくせに。
博の彼女は友梨だよ

博はもう好きじゃない
マキなんか好きじゃない!!

博が好きなのは
友梨だよね？

だから付き合ったんだよね？
だから今こうやって
隣にいるんだよね？

そう言えたら
どんなに楽だろう。

でも友梨は
そんなこと聞けない。

博とこの先こうやって
同じ時間を過ごしても
いつも着いて回る
マキの存在。

まだ会って数時間。
その間にも
博が何度も
マキの名を口にする

いまこうやって
二人で居る部屋にも

マキとの想い出
いっぱいあるんだろうな･･･

一年半も付き合ってたんだ。
仕方ないよ。

仕方ない･･･
これからマキに負けないくらい
いっぱい想い出作るから。

だから博･･･
友梨のこと見ててね？