それでも君が
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#1 []
もう一度
信じてみようと
思った・・・
この気持ちに
嘘はない
たとえ2人に
明るい未来がなくても
それでも君が
好きだから・・・
:06/12/27 11:11 :D902iS :☆☆☆
#2 []
この話は実話ですが
人物名や地名は仮とさせていただきます
感想等は
感想板にお願いします
誤字脱字等をお許し下さい
:06/12/27 11:17 :D902iS :☆☆☆
#3 []
:06/12/27 11:18 :D902iS :☆☆☆
#4 []
―2006年9月―
また振られた。
これで何人目かな?
6人目か。
落とした男は数知れず。
狙ったら落ちるまで粘る
でも実際そこまで
好きじゃなかったりする。
:06/12/27 11:27 :D902iS :☆☆☆
#5 []
こんなアタシだって
本気で恋したことはある。
意外と一途だったりする
ただね・・・
男の人が信じられなくて
深入りしちゃいけないって。
自分の気持ちに
ブレーキかけて生きてきた
:06/12/27 11:30 :D902iS :☆☆☆
#6 []
文博と付き合って
まだ20日。
毎日会えないから。
寂しいから。
そんな理由で
文博に振られた。
いつもと同じに
なるはずだった・・・
:06/12/27 11:38 :D902iS :☆☆☆
#7 []
アタシの名前は
牧野友梨。
普通の高校に通う
めっちゃ普通の高校生。
成績も至って普通
友達だっているし
恋いもして
それなりに青春してる。
ただ
今失恋したからね
ちょっと凹んでるけど
:06/12/27 11:45 :D902iS :☆☆☆
#8 []
「友梨が高校卒業したら一緒に住もう。またやり直そう。」
「今はまだ付き合えない」
どんな別れ方だろうか。
突き放すなら
はいあがって来れないくらい
突き落とせばいいのに
へんな優しさ振りまくから
友梨は文博と
縁切れなかった・・・
:06/12/27 11:49 :D902iS :☆☆☆
#9 []
別れた後も
普通にメールしたり
笑って電話できた。
内心・・・
すごくすごく辛かった。
愛し合ってるのに
別れなきゃいけない理由が
友梨にはわかんなかった
だけど
友梨は頑張ろうとした。
:06/12/27 12:01 :D902iS :☆☆☆
#10 []
まず
こんな振られ方で
希望はあるのか。
どうするべきなのか。
友達に話さなきゃいけなかったけど
何でも話せる親友が
自分の問題でいっぱいいっぱいだったから
話せずにいた・・・
もちろん、
他の友達になんて
話す気なかった
:06/12/27 12:08 :D902iS :☆☆☆
#11 []
どうせ相談するなら
まったくの他人の意見を聞くのも悪くないと思った。
友梨は
全国掲示板に
意見を求めた・・・
名前も顔もわかんないから
素の自分で話せるし
本音で語れる。
友梨は
スレッド作成を決意した
:06/12/27 12:14 :D902iS :☆☆☆
#12 []
スレッド名に
かなり悩んだ。
人が来てくれそうなのにしなきゃ駄スレで終わってしまう
悩みに悩んだ末
【癒やしてちょ-だい】
にした。
思った通り
たくさんの人が
「なんかあったの
??」
ってきてくれた
:06/12/27 12:19 :D902iS :☆☆☆
#13 []
友梨は
ありのままを話して
自分が今いる
場所が辛いと言った。
なのに返ってきたのは
「肉体的に癒してあげる」
だとか気持ち悪いのばっか!!
:06/12/27 12:30 :D902iS :☆☆☆
#14 []
そんな中で
一人だけ友梨の話を
聞いてくれる人がいた。
まさかこんなところで
出会うなんて
思いもしなかった・・・
彼は荒らされる掲示板を見て
「ここじゃ話しにくいだろうから」
と気遣ってメールまでしてくれた。
:06/12/27 12:36 :D902iS :☆☆☆
#15 []
堅い話ばっかりしてたのに
なんだかすごく落ち着いた。
彼の優しさが嬉しくて
友梨は毎日話した。
掲示板で知り合った
相談相手。
こんな優しい人が
彼氏だったらな・・・
なんて考えてたんだ。
:06/12/27 12:42 :D902iS :☆☆☆
#16 []
ねぇ?
あなたは運命なんて
ないって言ったよね。
全部必然なんだよ。って
人間は神様の手の中で踊らされてるんだよ。って・・・
ホントにそうかもしんないね。
友梨達が出会った意味は
何だったのかな?
:06/12/27 12:46 :D902iS :☆☆☆
#17 []
神様が気まぐれに
弱い弱い
似たもの同士の
友梨達を出会わせたのかもね
出会っちゃったんだもん。
仕方ないよ。
博は友梨と出会ったこと
後悔してるかな・・・?
:06/12/27 12:57 :D902iS :☆☆☆
#18 []
:06/12/27 13:24 :D902iS :☆☆☆
#19 []
〜♪
電話???
―裕クン―
近所のお兄ちゃんからだった
『もしも〜し☆』
「おぅ!!俺。元気しとるか??」
『もち☆裕クンわぁ??てかどうした??かけてくるなんて珍しいぢゃん(笑)』
よく相談にのってもらってたから友梨からかけることがほとんどだった。
:06/12/29 10:05 :D902iS :☆☆☆
#20 []
だから予想外の着信相手にちょっと驚いた。
「いや〜暇やったから(笑)」
『暇つぶしか友梨ゎ!!(笑)』
「そんなんじゃね〜けど。。。最近相談してこんから彼氏とうまくやっとんか心配してやったんじゃ!!」
そう言えば
別れたことも言ってなかった
ずっと博に相談してたから。
話した方が
いいよね?別れたこと。
:06/12/29 10:10 :D902iS :☆☆☆
#21 []
『あんね〜友梨振られた☆』
笑って言った。
『理由は毎日会えないからやって!!まぢ自己中!!調子のんなって感じやし!!』
「なんやそれ・・・」
話すスピードがます。
『電話帳に女いっぱい入ってたんよ!!しかもメールも友梨と平行しながら毎日他の女ともしてた!!』
「・・・」
:06/12/29 10:19 :D902iS :☆☆☆
#22 []
『しかもメールみたんよ。彼女欲しいなって言ってたんよ!!他の女に!!!!!じゃあ友梨はなんやったん?ねぇ!!!??どう理解したらいい??何信じたらよかった???』
答えは見えてた
友梨が卒業したって
文博はやり直す気なんてない
現実から逃げようとする自分に
言い聞かせてきた。
だけど心は
ついてきてくれない・・・
:06/12/29 10:23 :D902iS :☆☆☆
#23 []
溢れる涙は
枕を濡らした。
「今から行くよ・・・」
何も言わず
話を聞いた後
裕クンは寂しい声でそう言って
電話を切った。
友梨はパジャマのまま
上着を羽織り
ハンカチを握りしめて
家を出た。
秋の夜は
少し肌寒かった。
:06/12/29 10:27 :D902iS :☆☆☆
#24 []
いつもの場所に
見慣れた車。
裕クンはもう来てた。
『ごめん・・明日仕事やよね?』
「かんけーねぇ。」
こんなはずじゃなかった
笑って昔話に出来るはずだった。
なのに・・・
:06/12/29 10:32 :D902iS :☆☆☆
#25 []
裕クンは黙って震える友梨を抱き寄せてくれた。
「こんなになるまで無理すんなって・・・ばかじゃねぇの・・・」
久々に感じた
人の温もりに涙がでた。
『ごめん・・・』
泣いててそれ以上話せなかった。
「泣くな・・・??」
:06/12/29 10:37 :D902iS :☆☆☆
#26 []
黙ってうなずいた。
寂しいとき
辛いとき
一人じゃ怖くて眠れない日
裕クンはきまって
傍にいてくれた。
当たり前だと思ってた
裕クンの存在は
あなたを傷つけてました・・・
:06/12/29 10:42 :D902iS :☆☆☆
#27 []
「まだ好きなのか?」
『わからん』
「そか・・・」
『悔しい・・・』
悔しい・・・
悔しいよ。
文博じゃない。
自分が。
学習能力ないから。
何度男に騙されたら
信じられなくなるんだろ・・・
:06/12/29 10:47 :D902iS :☆☆☆
#28 []
車の中は
静かな洋楽が流れた。
裕クンは
友梨のお兄ちゃん的存在で
裕クンにとっても友梨は
妹のような存在でしかない。
だから
お互い体を求めたりはしない。
:06/12/29 10:50 :D902iS :☆☆☆
#29 []
しばらく沈黙が続く。
洋楽だから
何喋ってんのかわかんないけど
切ない歌詞なんだろうなって思った。
なんとなくだけど。
「ドライブいくか??」
『ありがと・・・』
:06/12/29 10:52 :D902iS :☆☆☆
#30 []
裕クンの優しさに
甘えてた。
「元気出せよ!!」
そういってmihimaruGTの
気分上々にCDを切り替え
隣で鼻歌を歌い出す
忘れよう
そう強く思った。
:06/12/29 11:04 :D902iS :☆☆☆
#31 []
どこへ行くともなく
延々と走った。
ふとケータイの時間を見たとき
一通の新着メールが来ているのに気づいた。
相手は見なくても
予想がついた。
"博"
一つずつボタンをおし
メールを開いた。
:06/12/29 12:35 :D902iS :☆☆☆
#32 []
「わかった
待ってます
」
家を出てスグ返ってきていたメール。
『ひろ・・・し・・・』
"今からちょっと遊びに行って来まぁす
帰ったらまた
するね
"
帰らなきゃ行けない・・・
何やってんだろ・・・
:06/12/29 12:41 :D902iS :☆☆☆
#33 []
『・・・りたい・・・』
「ん??なんて??」
裕クンの鼻歌が止まる
『帰りたい・・・』
目に涙を溜めて帰りたいと言うアタシに裕クンはとても驚いていた。
なんで泣いてんのか
何で胸が苦しいのか
自分でもよく
わかんなかったけど・・・
博の事が気になって仕方なかった。
:06/12/29 12:47 :D902iS :☆☆☆
#34 []
裕クンはそっとケータイを覗くと
『わかった。』
と言って今きた道を戻った。
「友梨さ・・・」
『ん??』
「夜中に抜け出して盛りな男と会ってて犯されるかもとか思わんわけ??」
なに・・・??
何が言いたいの??
:06/12/29 12:54 :D902iS :☆☆☆
#35 []
犯される???
友梨が裕クンに???
考えたこともなかった。
考えたくなかった。
わがままな話かもしれない。
だけど
裕クンはお兄ちゃんみたいな存在だからこのままの関係がいい
・・・なんて
言えるわけなかった。
:06/12/29 13:01 :D902iS :☆☆☆
#36 []
『裕クンはそんな人じゃないよ。だから安心してる。じゃなきゃパジャマのまま出てこないよ』
「ブッ・・・やよな!!わりぃ、変なこと聞いたな俺。」
ホントだよ。
裕クン・・・
友梨鈍いから
いっぱい傷つけたね。
ごめんね・・・
:06/12/29 13:06 :D902iS :☆☆☆
#37 []
泣きつかれてか
アタシはいつの間にか
眠ってしまった
ケータイを抱いたまま・・
・・・―
「着いたぞ」
『ん〜・・・』
あくびをしながら起きあがる
:06/12/29 15:39 :D902iS :☆☆☆
#38 []
『ありがと・・・』
そう言ってドアに手をかけた
「・・・やで・・・・」
『ん??』
聞き取れなくて
聞き返したけど
「なんでもない」
って言われた。
:06/12/29 15:48 :D902iS :☆☆☆
#39 []
『なんやそれ!!(笑)まぁいーゎ。おやすみ。』
「おぅ!気をつけてな」
二回手を振って
裕クンに背を向け
家へ入っていった。
部屋にはいると
スグに博にメールを送った。
起きてるはずないと
知りながらも
30分経っても返信のないケータイを見つめ悲しくなった。
:06/12/29 15:53 :D902iS :☆☆☆
#40 []
メール途中で切ったのは
友梨なのに
わがままだよね・・・
もしかして好き・・・???
・・・んなわけないか。
まだ顔も知らないのに。
『ないない。絶対ない!!』
そう言って
またブレーキをかけた
:06/12/29 15:59 :D902iS :☆☆☆
#41 []
:06/12/29 16:02 :D902iS :☆☆☆
#42 []
〜♪
受信:博
『きたッッ☆』
思わずケータイに飛びつき
メールの相手を確認すると
自然と口元が緩む
まるで恋してるかのような
自分に一人で頬を赤らめる
『だから・・・ないない!!』
:06/12/29 16:29 :D902iS :☆☆☆
#43 []
だって文博引きずってんのに
好きなわけない。
博は相談相手。
文博の事で悩んでんだから
まだ文博が好きなんだよ。
中途半端な気持ちが
胸を締め付けた
:06/12/29 16:38 :D902iS :☆☆☆
#44 []
・・・―
『まだ早いかな??』
「いいんじゃない??」
『今夜聞いてみる♪』
博の顔が知りたかった。
まだ知り合ったばかりなのに顔で決める女だと思われたくなかった。
だからためらった。
:06/12/29 16:42 :D902iS :☆☆☆
#45 []
嫌われたくない。
でも不思議と
博がどんな容姿であっても
嫌いになる気はしなかった。
次の日
写メを送ってもらったが・・・
顔がよくわかんない。
ただ・・・第一印象は
細い
:06/12/29 17:29 :D902iS :☆☆☆
#46 []
幸いにも
友梨の顔については
何も突っ込まれなかった。
突っ込むわけないか!!
博は優しいから
容姿で人を選んだりしない。
友梨達は
いろんな話をした。
:06/12/29 17:32 :D902iS :☆☆☆
#47 []
一年半付き合っていた彼女をホントに愛してたこと。
今でもまだ引きずっていること。
自分を追い込んだこと。
どれも触れていい話なのか
とても迷った。
だけど
こんな友梨に辛い過去を話してくれることがとても嬉しかったんだ・・・
:06/12/29 17:39 :D902iS :☆☆☆
#48 []
同時に
そんな博を愛おしいと
感じている自分がいた。
わかっているのに・・・
それでも友梨は
博を否定した。
何日も苦しんだ。
:06/12/29 17:44 :D902iS :☆☆☆
#49 []
休憩時間に
メールをくれる文博
休み時間も夜も
メールをくれる博
好きだと言う文博
友達だという博
:06/12/29 17:48 :D902iS :☆☆☆
#50 []
迷ってたんだね。
新しい恋に踏み出す勇気が
まだ友梨には・・・ない
また裏切られるんじゃないかって・・・
きっと今愛しても
博もいつかいなくなる
友梨の前から居なくなる
それなら
文博を思って辛い方がマシ
そう思ってたのかもしれない
:06/12/30 13:14 :D902iS :☆☆☆
#51 []
そんなある日の夜だった。
お風呂から上がってすぐに
布団に潜り込んだ。
博は友達と遊んでいると言っていたので
帰ってからメールして☆
と言って一端切った。
つまんない
つまんない!!
次の瞬間だった・・・
:06/12/30 16:20 :D902iS :☆☆☆
#52 []
ブーッブーッブーッ
マナーモードにしたままの
携帯が枕元でうるさく鳴った。
メールの受信時間を
一秒にしてる友梨は
すぐに電話だとわかった。
ブーッブーッブーッ
着信:文博
えっ・・・??
:06/12/30 16:25 :D902iS :☆☆☆
#53 []
心臓が
音を立てて鳴る・・・
どうしよう・・・
電話は鳴り続ける
何か用事かもしれない。
そう思うことで電話に出れた
『もしも・・・し??』
:06/12/30 16:27 :D902iS :☆☆☆
#54 []
「友梨ちゃん出るの遅ーい!!(笑)なんしよったん?」
別れてから
メールはしていたものの
声を聞いたのは
あの日以来。
うれしかった・・・
まだ・・・
好きなんだと認めるしかなかった。
やっぱり新しい恋なんて・・・
まだいらない。
:06/12/30 16:31 :D902iS :☆☆☆
#55 []
他愛のない話をして
盛り上がった。
まるで付き合っていたときのような・・・
『で・・・なんか用事やったんじゃないの??電話なんて珍しいじゃん♪』
「え??あ・・・まぁ・・・」
『彼女でも出来たって(笑)??』
:06/12/30 16:38 :D902iS :☆☆☆
#56 []
笑って聞いたけど
内心は
できてませんように・・・
そう祈っていた。
「出来るわけないやら??友梨こそ出来たんちゃうの??笑」
はぁ〜??
今でもあんたが好きだよ!!
ばーか!!
なんて言えるはずもなく
言葉を飲み込んだ。
:06/12/30 16:48 :D902iS :☆☆☆
#57 []
『今は・・・男とかいらんゎ(笑)』
何言ってんだろ・・・
そんなこと
思ってないよ。
強がりだって
気づいて欲しい・・・
お願い・・・――。
:06/12/31 07:41 :D902iS :☆☆☆
#58 []
「そか・・・」
小さな返事。
なんで元気ないの?
そんな態度だと
まだ好きなんだって
期待しちゃうよ??
『うん・・・』
「俺・・・」
『ん・・・??』
「お前に会いたい・・・」
:06/12/31 07:43 :D902iS :☆☆☆
#59 []
"お前に会いたい"
ずっと待ってた言葉。
何十回好きを言われるより
この言葉を待ってた。
"会いたい"
だけど友梨は
信じれなかった。
ただ・・・
やりたいだけなんだろうな
って・・・
分かってたから。
:06/12/31 07:46 :D902iS :☆☆☆
#60 []
わかってんのに
口から出た言葉は・・・
『友梨も会いたい』
馬鹿・・・
自分の馬鹿・・・
会う約束をした。
ちょっと遠いけど・・・
車校で近くまで来てる文博に
会いに行く約束をした。
:06/12/31 08:02 :D902iS :☆☆☆
#61 []
電話を切ると
博からメールが来てた。
"お風呂入ってた"
嘘ついてゴメン・・・
知られたくなかったから。
友梨は何もなかったように
博とメールした。
ただ
なんだか凄く
大きな罪悪感に襲われた
:06/12/31 08:07 :D902iS :☆☆☆
#62 []
苦しくなって
とうとう吐いた。
『明日文博に会いに行く』
「いってらっしゃい」
博は笑顔で答えた。
嬉しそうな絵文字が
今はとても辛い・・・
:06/12/31 09:19 :D902iS :☆☆☆
#63 []
―10月7日―
一人電車に乗って
文博の泊まっているホテルへ向かった
長い長い道のり。
初めて一人で乗る電車。
いつも隣には
友達がいたから
速く感じていた距離も
今日はやけに長い
:06/12/31 09:25 :D902iS :☆☆☆
#64 []
乗り換えの駅に着いた。
往復券を買った友梨は
時刻表を見て
驚いた
乗り換えの普通電車が来るまで
一時間半もあるのだ
『まじか・・・』
:06/12/31 09:33 :D902iS :☆☆☆
#65 []
一人ホームで待っていると
雨が降り出した・・・
『さむッッ・・・』
まだ履き慣れてない
ヒールのせいで
足が痛い
とりあえず売店で
ホットレモンを買って
また元のベンチに座る
〜♪
受信:博
「今起きた」
:06/12/31 10:10 :D902iS :☆☆☆
#66 []
駅に着いたってことと
雨が降ってて寒いこと
寂しいことは・・・
黙っておこう。
容赦なく降りつける雨の音を聞きながら
博からのメールを読み返す。
:06/12/31 10:21 :D902iS :☆☆☆
#67 []
知り合ってまだ間もないのに
フォルダーは博のメールでいっぱいだった。
イキナリ着信画面に変わり
電話が鳴る
着信:りゅうクン
りゅう???
りゅう・・・
誰だっけ??
:06/12/31 10:29 :D902iS :☆☆☆
#68 []
出ようか迷っていると
電話は切れた。
よかった。
と思ったが
すぐにまた電話がなる。
声聞けば思い出すかもしんない・・・と電話にでた。
『もしもし???』
:06/12/31 10:32 :D902iS :☆☆☆
#69 []
「もしもし?あ〜久々に友梨の声聞いたちゃ〜♪やべぇな☆」
"やべぇな"
それからこの訛り
思い出した。
昔振った男
:06/12/31 10:34 :D902iS :☆☆☆
#70 []
『あぁ・・・久しぶり』
そっけなく答える。
三ヶ月くらい前に
告ってきたメル友。
三つ上だけど
可愛い顔してて
絶対モテるタイプ。
友梨こういうの
もう懲りたから・・・
振った。
顔でモテる男は
好きじゃない。
:06/12/31 11:02 :D902iS :☆☆☆
#71 []
別に悪い人じゃなかったけど・・・
遠恋とかする気なかったし。
りゅうクンは
「諦めるよ」
そう言って
連絡してこなくなった。
だから・・・
今更何の用???
:06/12/31 11:04 :D902iS :☆☆☆
#72 []
「俺・・・友梨のこと吹っ切ることにしたちゃ。昨日同じ大学の子に告られた。」
まだ引きずってたんだ・・・
『よかったじゃん!!』
「友達からやけどな・・・前に進まなかっこわりぃがよ!?これで最後にする。」
前に進む・・・
そう決めるまでに
きっと苦しんだよね・・・
友梨も前に進まなきゃいけない
そう感じた
:06/12/31 11:45 :D902iS :☆☆☆
#73 []
《まもなく三番乗り場〜サンダーバードが到着いたします》
アナウンスが流れる
「あれ?今どこにおんが??」
『駅やで』
「どっか行くが??」
『うん○○まで・・・』
あ・・・しまった!!
:06/12/31 11:53 :D902iS :☆☆☆
#74 []
「え・・・!?」
やらかしたと思った!
『いや・・・その・・・ちょっと友達に・・・』
「こっち来るがね・・・ほっかほっか。大丈夫。会いに行ったりせんから、俺。」
『ごめん・・・』
そう。
文博が泊まってるホテルのあるのがりゅうクンの家の近く。
:06/12/31 12:01 :D902iS :☆☆☆
#75 []
「彼氏やろ?」
彼氏・・・
じゃないけど・・・
りゅうクンの決意が
揺るがないように
『そうだよ』
って言った。
友梨の優しさだよ。
最後くらい・・・
:06/12/31 12:04 :D902iS :☆☆☆
#76 []
「そっか。幸せ?」
そうでもないよ。
辛いことばっかだよ
泣いてばっかだよ。
『うん。幸せだよ。』
「ならよかった・・・」
「・・・そいつに何かされたら直ぐ電話しろよ!!」
『うん』
:06/12/31 12:40 :D902iS :☆☆☆
#77 []
「泣かせるようなまねしたら俺がぶっ飛ばす!!」
『ありがと』
「それから・・・それから・・・」
必死に話題を探す彼の
背中を押した。
『幸せになってね』
「うん。友梨も・・・」
『「ばいばい」』
:06/12/31 12:43 :D902iS :☆☆☆
#78 []
電話を切ると
電話帳からりゅうクンを出し
削除した。
終わりだよ。
友梨なんか早く忘れて
幸せになってね。
待ち受け画面には
やっぱり新着メールが一件
:06/12/31 12:45 :D902iS :☆☆☆
#79 []
りゅうクンはすごい
強いね。
友梨も強くなりたい・・・
複雑な気持ちで
電車に乗った。
送信:博
もうすぐ着くで帰ったらまたメールするね
:06/12/31 12:51 :D902iS :☆☆☆
#80 []
もう終わりにしよう。
友梨も前に進むから・・・
りゅうクンに勇気をもらいました。
『今日で最後だから』
そう心の中で
何度も唱えた。
『待っててね』
聞こえるはずないけど
博にそう言った。
:06/12/31 12:55 :D902iS :☆☆☆
#81 []
でもきっと
文博に会ったら友梨は
また後ずさりしてしまうかもしれない。
怖かった。
博・・・
隣にいて・・・
一緒にいて・・・
そしたら何も迷わないから
:06/12/31 13:02 :D902iS :☆☆☆
#82 []
〜♪
着信:文博
なんてナイスタイミング。
周りの目を気にしながら
静かに話す。
『わかった。うん。うん。じゃあね バイバイ』
ちょっと遅れるって連絡。
:06/12/31 13:07 :D902iS :☆☆☆
#83 []
初めて見る景色に
少し不安がよぎる・・・
だけど直ぐに
文博が言っていた駅に着いた。
"南口におれよ"
文博の言葉を思い出し
看板から南口の矢印方向に
足を運んだ。
歩く早さと同じくらい
高鳴る心臓は
文博に会える喜びからかな?
:06/12/31 13:18 :D902iS :☆☆☆
#84 []
南口にある
待合室の椅子に座った
ガラス越しに見る空は
さっきの雨なんて嘘みたいに
青く晴れわたっていた。
〜♪
受信:文博
"着いたぞ"
空に向かって
笑顔を作ると外へ飛び出した。
:06/12/31 13:24 :D902iS :☆☆☆
#85 []
横断歩道の向こうから
懐かしい姿
金髪にサングラスの
文博が手を振ってる。
『文博!!!』
思わず抱きついた。
「バカ〃周りに人おるから」
焦る文博をよそに
友梨は腕を放さなかった。
:06/12/31 16:58 :D902iS :☆☆☆
#86 []
「ったく・・・しゃーねぇな!!」
そう言って
文博も抱いてくれた。
Wishの甘い香りがする
長い襟足がくすぐったい。
「行くか」
そう言って離れた文博は
サングラスを外す。
:06/12/31 17:23 :D902iS :☆☆☆
#87 []
「ちゃんとつかまっとけよ」
『うん』
文博をしっかりと掴み
友梨たちは進み出した。
水たまりがまだ残る道路を
水たまりをよけながら
お昼ご飯を食べるために
イオンへ走った。
:07/01/01 13:43 :D902iS :☆☆☆
#88 []
:07/01/01 16:22 :D902iS :☆☆☆
#89 []
「食えよ。冷めるやら?」
『文博のが来るまで待つ』
「食えって!!」
『待つ〜』
「うぜぇ」
ウザイ?
友梨がウザイって??
わけわかんない!!
:07/01/01 16:37 :D902iS :☆☆☆
#90 []
ご飯って
二人揃ってから食べるんじゃないの???
友梨はずっとそう言うもんだって思って生きてきた。
だから怒る意味が分かんない
久々にあったのに
こんな雰囲気やだ・・・
『もぉいらない』
食欲失せた。
:07/01/01 16:40 :D902iS :☆☆☆
#91 []
「相変わらず少食やな。」
お前のせいだっつーの!
『食べるときは食べるよ。』
「そっか。」
『友梨の残りいる???』
「おう」
そう言って
半分も食べてないハンバーグは一瞬で消えた。
:07/01/01 16:43 :D902iS :☆☆☆
#92 []
食べ終わると
文博は行きたい場所があると
また自転車をこぐ。
『ねぇ〜どこ行くの??』
「黙ってのとけ」
やっぱ恋人じゃない今
態度が明らかに違う
冷たい。
友梨を完全にしたに見て
常に上からものを言う
:07/01/01 16:50 :D902iS :☆☆☆
#93 []
『お尻痛いよ
もっと安全運転してよ!!靴脱げるよぉ↓↓』
「痔になれ(笑)」
やっと笑った
「目瞑れ〜」
そう言われ目を瞑る。
しばらくして
自転車は止まる。
:07/01/01 16:57 :D902iS :☆☆☆
#94 []
「へへっ(笑)着いた。めっちゃ探したんやで」
『開けていい??』
「おう(笑)びっくりすんなやぁ〜笑」
そこに飛び込んできたのは
小さなアパート
みたいなラブホだった。
:07/01/01 17:00 :D902iS :☆☆☆
#95 []
『入るつもり?』
「嫌なん?俺友梨とやりたいもん♪」
やっぱり・・・
そうだよね・・・
セフレだよね、友梨。
分かってたつもりだった
だけど信じたかった
"会いたい"
その言葉が本物だって。
:07/01/01 17:04 :D902iS :☆☆☆
#96 []
友梨の中で何かが
音を立てて
崩れていく・・・
どうでもよくなった。
好きにすればいい。
『いいよ』
嬉しそうな文博。
「今日こそ逝かせてやるから」
そう言って【空】部屋への階段を文博の後からのぼった。
:07/01/01 17:10 :D902iS :☆☆☆
#97 []
部屋に入るなり
後ろから抱きつかれた。
「友梨・・・来てくれてありがとな。俺・・すげぇ嬉しかった」
今更遅いよ文博・・・
そんな言葉
聞きたくない・・・
やめて・・・
『早くやろ??』
文博を誘った。
:07/01/01 17:15 :D902iS :☆☆☆
#98 []
待ってましたと
言わんばかりの勢いで
友梨をベッドに押し倒す
・・・―
『お湯溜めてくる・・・』
乱れた服を正し
バスルームに行き
お湯を溜める。
それをじっと見てた・・・・・
:07/01/01 17:22 :D902iS :☆☆☆
#99 []
『入れるよ』
ベッドに横になってる文博に声をかける
文博は起きあがると
服を脱ぎながら
近づいてきて
「一緒にはいろ♪」
『先はいって☆』
笑顔で交わした。
「照れとるん?可愛いな♪なら友梨先入りやぁ(笑)」
『そうする♪』
:07/01/01 20:40 :D902iS :☆☆☆
#100 []
・・・――。
湯船につかる
『あ〜ぁ・・・』
ため息がでる。
こんな時でも
初めてのラブホに
ちょっとドキドキしてる
自分が嫌だ・・・
「お邪魔しまぁす(笑)」
文博が勝手に入ってきた!!
『ちょ・・・』
「一緒に入りたいのッ♪」
:07/01/01 22:18 :D902iS :☆☆☆
#101 []
のッ♪ ぢゃないし!!!
文博は全身洗うと
湯船に入ってきた。
なんだかんだ言いながらも
風呂場で遊んだり・・・
友梨の決意は・・・
今にも崩れそうで
だけど正直
幸せだったりするんだよね・・・
「先行って待ってる」
文博はバスルームから出ていった。
:07/01/02 11:26 :D902iS :☆☆☆
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