2006,夏恋
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#4 [主]
「ナミっ‥、ミナミっ聞いてる?」

「‥‥‥えっ?」

はっとして、あたしは自分の名前を呼ぶ方見る。

あたしの名前を呼んでいたのは隣りの席の"中島加奈"

「やっと気付いた。お昼休みさー売店つきあってよ」

なにをいうのかと思えば、これかい。今言わなくてもいいのにと思いながらも、あたしは「わかった」と返事をした。

⏰:07/01/06 05:15 📱:N701i 🆔:5V/qUeWw


#5 [主]
加奈は高校になって、初めてのトモダチ。あたしの性格を唯一わかってくれる子。


キーンコーン‥

授業終了のチャイムが鳴った瞬間、生徒は廊下に飛び出す。
担任の岡本は生徒を注意するが、蝉みたいな岡本のことは誰も相手にしていない。

あたしと加奈もそのうちの一人だった。

⏰:07/01/06 05:20 📱:N701i 🆔:5V/qUeWw


#6 [主]
みんなが売店に走ってまで向かうのは、30個限定のやきそばパンを買うため。

あたしも入学当初は、たかがやきそばパンでしょ?って思っていたけど今になっては走るうちの一人。

おばちゃんの作るやきそばパンは世界一と言っていいほどだ

加奈はまだそのおいしさに目覚めてないけどね。

加奈はお弁当があるのに、たまにあたしに売店につきあえという。
その理由は売店に行かないとわからないことだった

⏰:07/01/06 05:25 📱:N701i 🆔:5V/qUeWw


#7 [主]
「ハァ、ハァ‥」

あんなに走って階段を掛けおりたのに、もう売店には長い列ができていた。

食堂の中にあるからとにかく暑く、顔から出る汗がブラウスをぬらす。

「もうこんな後ろか‥」

「南、今日は諦める?」


「…じゃあコロッケパンにするよ。」

⏰:07/01/06 05:32 📱:N701i 🆔:5V/qUeWw


#8 [主]
あたしは、やきそばパンを断念した。やきそばパンを食べれる確立は3日に1回くらいだが、あたしはもう5日も食べてない。

やっと売店のおばちゃんが見えてきたとき、加奈があたしの肩を叩いた。

「ミナミっ‥」

あたしは止まらない汗と、ジリジリと照らす窓越しの太陽に少しイラツいていた。

⏰:07/01/06 05:36 📱:N701i 🆔:5V/qUeWw


#9 [主]
あたしが返事をする前に、加奈はいなくなっていた。

「か、加奈っ?」

辺りを見回すと加奈は1人の男の子と何か話している。
坊主だから多分野球部だろう‥

でも、加奈に野球部の知り合いなんていたっけ…?

⏰:07/01/06 05:42 📱:N701i 🆔:5V/qUeWw


#10 [主]
そんなことを考えてるうちに、あたしはコロッケパンを買っていた。

コロッケパンを片手に持ち、階段をのぼる。
そんなあたしを見て加奈が慌てて戻ってきた。

「ちょっと、待ってよー」 

おっとりしている加奈は足も遅い。あたしは立ち止まっている暑さにたえきれず階段を登りはじめる。

6月とはいえない暑さだ。

⏰:07/01/06 05:46 📱:N701i 🆔:5V/qUeWw


#11 [主]
誰か読んでますか?よかったら感想ください

⏰:07/01/06 18:17 📱:N701i 🆔:5V/qUeWw


#12 [主]
加奈はあたしの右腕をつかみひっぱった。

そして、少し落ち着いたとき

「‥南って、好きな人いる?」


こんな突拍子もないことを聞いてきた。

加奈とあたしは"恋バナ"なんてしたこともなかったから…。

なんだか自分のとこだけが、世界が止まってしまったかのように感じた。

⏰:07/01/06 18:50 📱:N701i 🆔:5V/qUeWw


#13 [主]
そんな中でもうるさい蝉の声と、照らす太陽の熱は変わらず汗がポタポタと流れる。

「……なんで?」

その沈黙を最初にやぶったのはあたしだった。

「いや、南のこと‥」

加奈はそこまで言って、口を閉ざしてしまった。

あたしはなにがなんだか理解できずに

暑さと目の前にある
コロッケパンを食べれない我慢が限界にきたので
加奈の腕をひっぱり階段をのぼった。

⏰:07/01/06 18:57 📱:N701i 🆔:5V/qUeWw


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