2006,夏恋
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#1 [主]
この話は、実際にあった話です。野球に恋をしたあなたに恋をした小さな私。

目に見えないモノ、かたちにできないモノをたくさんくれたあなたは‥大切な人であり、かけがえのない人。

※魔法の図書館というサイトにもあるので、よかったらそっちの方もよろしくお願いします。

2007.1月://HARU+゚

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⏰:07/01/06 04:56 📱:N701i 🆔:5V/qUeWw


#2 [主]
ラジカセから聴く
真夏の高校野球

むぎわら帽子で
仰ぎながら
空を見上げた夏。

制服のスカートに
溶けたアイスが一滴

ポタポタと
汗と一緒に流れる
あたしの涙。

⏰:07/01/06 05:05 📱:N701i 🆔:5V/qUeWw


#3 [主]
ジジジジジ‥

蝉の声と同化する
担任のうるさい声。

窓からカーテン越しに
たまに入ってくる風をうけ、だるそうに授業を聞く。
そんな今日は
6月の梅雨明け

あたしの嫌いな
数学の授業。

⏰:07/01/06 05:09 📱:N701i 🆔:5V/qUeWw


#4 [主]
「ナミっ‥、ミナミっ聞いてる?」

「‥‥‥えっ?」

はっとして、あたしは自分の名前を呼ぶ方見る。

あたしの名前を呼んでいたのは隣りの席の"中島加奈"

「やっと気付いた。お昼休みさー売店つきあってよ」

なにをいうのかと思えば、これかい。今言わなくてもいいのにと思いながらも、あたしは「わかった」と返事をした。

⏰:07/01/06 05:15 📱:N701i 🆔:5V/qUeWw


#5 [主]
加奈は高校になって、初めてのトモダチ。あたしの性格を唯一わかってくれる子。


キーンコーン‥

授業終了のチャイムが鳴った瞬間、生徒は廊下に飛び出す。
担任の岡本は生徒を注意するが、蝉みたいな岡本のことは誰も相手にしていない。

あたしと加奈もそのうちの一人だった。

⏰:07/01/06 05:20 📱:N701i 🆔:5V/qUeWw


#6 [主]
みんなが売店に走ってまで向かうのは、30個限定のやきそばパンを買うため。

あたしも入学当初は、たかがやきそばパンでしょ?って思っていたけど今になっては走るうちの一人。

おばちゃんの作るやきそばパンは世界一と言っていいほどだ

加奈はまだそのおいしさに目覚めてないけどね。

加奈はお弁当があるのに、たまにあたしに売店につきあえという。
その理由は売店に行かないとわからないことだった

⏰:07/01/06 05:25 📱:N701i 🆔:5V/qUeWw


#7 [主]
「ハァ、ハァ‥」

あんなに走って階段を掛けおりたのに、もう売店には長い列ができていた。

食堂の中にあるからとにかく暑く、顔から出る汗がブラウスをぬらす。

「もうこんな後ろか‥」

「南、今日は諦める?」


「…じゃあコロッケパンにするよ。」

⏰:07/01/06 05:32 📱:N701i 🆔:5V/qUeWw


#8 [主]
あたしは、やきそばパンを断念した。やきそばパンを食べれる確立は3日に1回くらいだが、あたしはもう5日も食べてない。

やっと売店のおばちゃんが見えてきたとき、加奈があたしの肩を叩いた。

「ミナミっ‥」

あたしは止まらない汗と、ジリジリと照らす窓越しの太陽に少しイラツいていた。

⏰:07/01/06 05:36 📱:N701i 🆔:5V/qUeWw


#9 [主]
あたしが返事をする前に、加奈はいなくなっていた。

「か、加奈っ?」

辺りを見回すと加奈は1人の男の子と何か話している。
坊主だから多分野球部だろう‥

でも、加奈に野球部の知り合いなんていたっけ…?

⏰:07/01/06 05:42 📱:N701i 🆔:5V/qUeWw


#10 [主]
そんなことを考えてるうちに、あたしはコロッケパンを買っていた。

コロッケパンを片手に持ち、階段をのぼる。
そんなあたしを見て加奈が慌てて戻ってきた。

「ちょっと、待ってよー」 

おっとりしている加奈は足も遅い。あたしは立ち止まっている暑さにたえきれず階段を登りはじめる。

6月とはいえない暑さだ。

⏰:07/01/06 05:46 📱:N701i 🆔:5V/qUeWw


#11 [主]
誰か読んでますか?よかったら感想ください

⏰:07/01/06 18:17 📱:N701i 🆔:5V/qUeWw


#12 [主]
加奈はあたしの右腕をつかみひっぱった。

そして、少し落ち着いたとき

「‥南って、好きな人いる?」


こんな突拍子もないことを聞いてきた。

加奈とあたしは"恋バナ"なんてしたこともなかったから…。

なんだか自分のとこだけが、世界が止まってしまったかのように感じた。

⏰:07/01/06 18:50 📱:N701i 🆔:5V/qUeWw


#13 [主]
そんな中でもうるさい蝉の声と、照らす太陽の熱は変わらず汗がポタポタと流れる。

「……なんで?」

その沈黙を最初にやぶったのはあたしだった。

「いや、南のこと‥」

加奈はそこまで言って、口を閉ざしてしまった。

あたしはなにがなんだか理解できずに

暑さと目の前にある
コロッケパンを食べれない我慢が限界にきたので
加奈の腕をひっぱり階段をのぼった。

⏰:07/01/06 18:57 📱:N701i 🆔:5V/qUeWw


#14 [主]
3階についたときには、もうブラウスは汗で湿っていた。

教室の前にある踊り場であたしと加奈はご飯を食べる。
ときどき入ってくる風が汗を乾かし、気持ちがいい。

「加奈、さっきの続き。」

あたしはコロッケパンを口にほおばり、加奈に視線をむける。

⏰:07/01/06 19:00 📱:N701i 🆔:5V/qUeWw


#15 [直]
もしも…っていう小説の主です。見てます!頑張ってください!

主さんの表現力頂きたいです…。

⏰:07/01/06 23:39 📱:SA702i 🆔:QU5s7lbs


#16 [主]
直さん

ありがとうございますあたしもまだA未熟ですが、お互い頑張りましょう+゚
表現マネしても全然いいですよ逆につかってくれて嬉しいって感じます

⏰:07/01/07 00:16 📱:N701i 🆔:s.uGeus6


#17 [主]
「………うん。」

加奈はお弁当を包んでいるバンダナを開く手を止め、顔をあげた。

「あのね、加奈とさっき話してた坊主の子わかる?」

あたしは家から持ってきた烏龍茶を半分まで一気に飲み、加奈に視点を合わす。

そして、「なんとなく」とおぼろげな返事をした。

⏰:07/01/07 00:38 📱:N701i 🆔:s.uGeus6


#18 [主]
カーテン越しに入ってきた風もやみ、また太陽の熱気があたしを悩ます。

クラスの男子はお弁当を食べおわったのか、騒ぐ声が耳鳴りのように聞える。


「あの子、南のことが好きみたいなの。」

「…………。」

一瞬、息が止まった。
蝉の声もやみ、男子たちの声も耳に入ってこないくらいにあたしの心臓は

ドクドクドク…と音をたて、鳴っていた。

⏰:07/01/07 00:45 📱:N701i 🆔:s.uGeus6


#19 [主]
「……好きって。冗談やめてよ」

あたしは少しかじったコロッケパンを半分口につめこみ、残りの烏龍茶で流しこんだ。


「加奈ね、南に恋してもらいたいの」

加奈はそういいながらバンダナを開き、お弁当箱のふたを開けた。

恋なんて、いつからしてないのだろうか‥。

⏰:07/01/07 00:54 📱:N701i 🆔:s.uGeus6


#20 [主]
高校生になって、恋をしたいと思ったことは数少なくもない…。

そして、2年目の夏がやってくるというのに好きな相手すら見つからない。

焦りはするが、あたしは彼氏を作ろうとする努力もせずに
部活の日々を淡々と過ごしていた。

⏰:07/01/07 00:59 📱:N701i 🆔:s.uGeus6


#21 [主]
あたと違って、加奈は高校に入ってすぐクラスの男子と付き合いだした。

よく喧嘩はしてるが今でも続いているからすごいと思う。

しばらくの沈黙のあとに、あたしは口をひらいた。

「なんで、加奈はあたしに彼氏ができてほしいの?」

あたしはコロッケパンをちまちまかじり、ペットボトルに残っている烏龍茶を1滴口に垂らす。

⏰:07/01/07 01:06 📱:N701i 🆔:s.uGeus6


#22 [主]
加奈は卵焼きを1口だけ食べ、箸を置いた。

「南、可愛いのにもったいないもん。なんで彼氏できないのか不思議なくらい。」

ため息混じりで加奈は言った。
ちょうどそのとき


コロコロコロ…

⏰:07/01/07 01:15 📱:N701i 🆔:s.uGeus6


#23 [主]
「…ん?」

あたしの足元に転がってたきたのは、1つの野球ボールだった。

初めて触った
野球ボールの感触

……かたっ。

少し泥がついた野球ボールは去年の夏を思い出させる。

⏰:07/01/07 01:22 📱:N701i 🆔:s.uGeus6


#24 [主]
………ジジジジジ。

真夏の7月上旬。

高校野球の全国大会への予選に、あたしたち生徒は全員応援に行かされた。

球場は、市内のちっぽけな球場で県でベスト16を決める試合。

こんな球場に全員入るのかと思ったけど、以外にあっさり入ってびっくりした。
「……暑いね。」

⏰:07/01/07 01:31 📱:N701i 🆔:s.uGeus6


#25 [主]
隣りにいるのは、加奈。

加奈は学校で配られたうちの学校名の入った帽子をかぶっている。

今日の気温は31℃

あたしは帽子をとり風を顔におくった。
蝉の声が一段とうるさくなる。

首に巻いたタオルで汗をふくが、それは止まることなくあたしにまとわりつく。
そんな中、試合開始のサイレンが球場に鳴り響いた。

⏰:07/01/07 01:45 📱:N701i 🆔:s.uGeus6


#26 [主]
あたしと加奈がいるのはアルプススタンドの前から2列目。

隣りにはチアとレギュラー入りできなかった、残りの野球部の人たちが全力で応援している。

暑さにも負けず、仲間を応援する気持ちにあたしは胸をうたれ

今まで興味もなかった野球を食い入るようにみていた。

⏰:07/01/07 01:57 📱:N701i 🆔:s.uGeus6


#27 [主]
9回裏…5対4であたしの学校は勝っていた。

この回を抑えれば、ベスト16入りとなる。

エースは中村達也

かっこいいがクールで無口だと、あたしの学年で有名だ。

同じ年でエースだから評判もよく、ファンもそこそこ。
キャーキャー黄色い声援がとぶ中、あたしは目をつぶった。

⏰:07/01/07 02:08 📱:N701i 🆔:s.uGeus6


#28 [主]
"お願いです、神様。中村くんが点をとられませんように…"

自分でも似合わないことをしたなと思う。

あたしはこんな可愛いキャラじゃなく、普段なら暑さのほうが気になってこんなに集中して見ていないだろう。
なぜこんなにも中村くんに感情を思い入れたのか、今でもわからない。

⏰:07/01/07 02:12 📱:N701i 🆔:s.uGeus6


#29 [主]
「三振、バッターアウトっ」

うわああああ…!!

歓声と共にあたしの目から一粒、一粒と涙がこぼれる。

自分でもよくわからない。
そしてあたしが我に戻ったのは、加奈の泣き声が聞えたからだった。

「うっ、ひっく…」

「ちょっ、加奈!?何泣いてんの?」

⏰:07/01/07 02:19 📱:N701i 🆔:s.uGeus6


#30 [主]
「南が泣いてたからだよお…。加奈もらい泣きしちゃったじゃんっ」

あたしは泣きながら加奈の頭をぐしゃぐしゃと撫でる。

加奈はやめてと笑いながらにげる。そんな姿が可愛く、うらやましかった。


そして、あたしたちは抱き合って喜んだ。まだ甲子園に行くとは決まってないのに、バカみたい

と、加奈と泣きながら笑い合った。

⏰:07/01/07 02:29 📱:N701i 🆔:s.uGeus6


#31 [主]
「みーなーみっ」

「………。」

あたしはまた加奈の声で我にかえった。

加奈はどうしたの?と聞いてきたが、あたしはあえて口にせず

「なんでもないよ」
とかるく返事をした。

⏰:07/01/07 02:34 📱:N701i 🆔:s.uGeus6


#32 [主]
そして、去年の夏はベスト16入りしたまま
野球部は幕を閉じた。

長い長い、夏だった。

中村くんはあのとき以来、あまり目にしていない。

たまに廊下で会うが、知り合いでもないあたしたちは何も話さないのが現実。

別にあたしは中村くんのことを好きでもないし、中村くんはあたしの存在すらしらないだろう。

⏰:07/01/07 02:39 📱:N701i 🆔:s.uGeus6


#33 [主]
それを考えると少し淋しくなるが、恋心を持たなかったことには感謝している。

中村くんはあたしの存在をしらないのだから。


手にとった野球ボールをみつめ、去年の夏を思い出したあたし。

なんだか、所帯染みたような気がするのは気のせいかな?

⏰:07/01/07 02:51 📱:N701i 🆔:s.uGeus6


#34 [主]
「ごめん」

と走ってきたのは、坊主頭。

加奈が「あっ」と声をあげたのは聞き間違いだろうか。

「ん?加奈どうした?」

あたしは野球ボールを走ってきた人に渡し、加奈をみた。
加奈は「なんでもない」といい下をむいた。あたしはわけもわからず、前を向くと

さっきの人はもういなくなっていた。

⏰:07/01/07 02:55 📱:N701i 🆔:s.uGeus6


#35 [主]
蒸し暑い風が、涼しい午後の風に変わった。

時計を見るともうすぐ1時。チャイムが鳴る時間


あたしはコロッケパンの入っていた袋をクシャッとつぶし、その場から立った。
「ほら、加奈もお弁当箱かたして。あたしいくよ?」

⏰:07/01/07 03:01 📱:N701i 🆔:s.uGeus6


#36 [主]
「あのね…南。さっきの人」

キーンコーン…。

加奈が言いかけたときに、タイミング悪くチャイムが鳴った。

加奈は慌ててお弁当箱をかたして、立ち上がり
スカートについたほこりをパンパンっとはらう。

「さっきの人…の続き言ってよ。気になって授業に集中できない」

ざわざわとうるさい昼休みの雰囲気も一気に消え、シーンとした空気が耳鳴りになって聞える。

⏰:07/01/07 03:13 📱:N701i 🆔:s.uGeus6


#37 [主]
加奈は「後で言うねっ」といい、自分のクラスに戻っていった。

あたしもそのあとに続こうとしたが、なぜだか足は教室と逆方向にむいていた。

サボり…?いや、違う。これはサボりじゃない。

ちょっと休憩するだけ

あたしは自分に言い聞かせ、ハンカチで汗を拭いた。
そんな6月の梅雨明け。

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⏰:07/01/07 03:21 📱:N701i 🆔:s.uGeus6


#38 [主]
あたしが授業をサボったことは後に先生にバレ、こってり叱られた。

そして、今日から7月。

教室にも扇風機がつき、夏を感じさせる。

窓から入ってくる風はちっとも涼しくなく、あたしを一段と困らせた。


加奈がこの前言った続きは聞くことなく、あたしはそのことすらも忘れていた。

「みなみーっ」

⏰:07/01/07 03:29 📱:N701i 🆔:s.uGeus6


#39 [主]
あたしを呼ぶ声は窓の外から聞えた。

窓から顔を出し、覗き込むと加奈がいた。

「なーにー?」
と大声で返事をすると、加奈はちょっと‥と手招きした。

あたしは風でボサボサになった髪を手でとかし、窓をしめ
扇風機を少しだけ占領し、教室を出る。

⏰:07/01/07 03:36 📱:N701i 🆔:s.uGeus6


#40 [主]
下につくと、加奈の後ろ姿がすぐ目に入った。

ポニーテールに少し茶色の髪、すぐに加奈だとわかったあたしって天才?

なんてバカなことを考える白石南16才。



「かな‥」

あたしは加奈を呼ぶ声をとめた。
それは、加奈の隣りに男の人がいたから。

⏰:07/01/07 03:45 📱:N701i 🆔:s.uGeus6


#41 [主]
「あ、南。おそいー」

加奈はそんなあたしに気が付き、ニコッと可愛い笑顔をみせた。

「ともだち?」

あたしは加奈の隣りの人を見る。

坊主頭に少し汚れたユニホーム、どこかで見たことあると思った。

7月の陽気はあたしの白い肌をピリピリさせる。

⏰:07/01/07 03:49 📱:N701i 🆔:s.uGeus6


#42 [主]
「南、覚えてないの?」


「えっ?なにが?」

坊主頭の男の子は帽子をとり、あたしに一歩近づく。

そして、あたしと目が合った…。

「……ナカムラ‥クン?」


思わず、口にしていた。確かに目の前にいるのは他の誰でもなく
あの夏に出会った中村達也だった。

⏰:07/01/07 03:53 📱:N701i 🆔:s.uGeus6


#43 [主]
少し休憩します

誰か読んでくれているかとても不安です

よかったらコメントくれるとうれしいです

bbs1.ryne.jp/r.php/novel/1583/

⏰:07/01/07 03:55 📱:N701i 🆔:s.uGeus6


#44 [主]
「な、なんでっ!?」

あたしは動揺した。本当に中村くんが目の前にいるのだ。

しかも、ユニホーム姿で。

「白石さん…?」

「な、なにっ?」


あたしはどもったのと、緊張のせいで顔から出る汗が恥ずかしく、下をむいた。

きっとあたしの顔はりんごのように赤くほてっているだろう。

その顔を冷ますわけでもなく、逆にもっと熱くさせるように
真夏の太陽は熱気を増す。

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⏰:07/01/07 07:09 📱:N701i 🆔:s.uGeus6


#45 [主]
「中村くん、南のアドレス知りたいんだって♪」

加奈がにやにやしてあたしの顔を覗き込む。


「冗談やめてよ」

あたしは恥ずかしさのあまりにいつもの強がりがでてしまった。

こうゆうとき、素直な子にすごく憧れる。
加奈みたいな子だったら「ありがとう、うれしい」の一言くらい言えたかな‥?

あたしの言ったことを聞いてなかったかのように、加奈は

「教えていいよね?」
と念を押し、あたしのアドを紙に書いて中村くんに渡してしまった。

⏰:07/01/07 07:15 📱:N701i 🆔:s.uGeus6


#46 [主]
「ちょっ…」

あたしが言いおわる前に中村くんは
「サンキュ。」といい笑顔でグランドへ走っていった。

「かな〜。なんでかってに教えるのっ」

あたしはグランドへ消えていく中村くんを見届けぬまま、加奈に言った。

⏰:07/01/07 07:18 📱:N701i 🆔:s.uGeus6


#47 [主]
「でたっ、南の強がり癖。本当はうれしいくせに♪」

加奈はそういって、あたしの鼻をピンッと叩いた。


「もう〜。」

あたしは怒ってるんだか、嬉しいんだかわからず加奈と笑い合って

最後に「ありがとう」と付け加えた。

⏰:07/01/07 07:24 📱:N701i 🆔:s.uGeus6


#48 [主]
家に着き、携帯を見ると受信1件となっていた。


誰だろう…?

部屋に入りベットに倒れこむあたし。
そしてメールを見てみると知らない人からだった   

件名:こんばんは。

本文:中村です。今日いきなりアドレスなんか聞いてごめん。

⏰:07/01/07 07:31 📱:N701i 🆔:s.uGeus6


#49 [主]
「な、なかむらくん!?」


あたしはビックリして声に出してしまった。

家に帰る途中に中学のトモダチと話こんでしまったため、すっかり中村くんのことを忘れていた。

そして、中村くんからのメールで今日のことを思い出したのだ。

メールとしばらく睨めっこして10分ほどたつ。

あたしは返事をどうしようか悩み、答えを出した結果加奈に電話することに決めた。

⏰:07/01/07 07:37 📱:N701i 🆔:s.uGeus6


#50 [主]
プルルルル…。

「はーい。加奈です」

「もしもし、あたし。」


あたしは携帯を片手に窓を開けてベランダに出た。

昼間と違い、夜は蝉の声もうるさくはなく
風も少しだけひんやりと頬をなでる。

「おおー。どうした?」

「うん、あのさ…」

あたしは中村くんからメールがきて、どう返事しようか悩んでいることを
1時間くらいかけ、加奈に話した。

⏰:07/01/07 07:42 📱:N701i 🆔:s.uGeus6


#51 [主]
加奈からかえってきた答えはただ一つ。

「はやくさー返事しなよー」
たったのこれだけ。

ちゃんと聞いてるのか?
って思ったけど、あえて口に出さずあたしは電話を切る。

そして、電話を切ってから2つの疑問があたしの頭の中を飛びかった。

なんで加奈は中村くんを知っていたんだろう

なんで中村くんはあたしにアドレスを聞いたのだろう

それは後にわかることだった。

⏰:07/01/07 07:47 📱:N701i 🆔:s.uGeus6


#52 [主]
その日は中村くんに短めの返事をして、あたしは眠りにつく。

ジジジジジ…

「ん…うるさいなぁ」

あたしはうるさい蝉の声で目を覚ました。

なんでこんなにうるさいのかと、思いながら起きると部屋の柱に1匹蝉がとまっている。

昨日ベランダの窓を開けっ放しにして寝たためか
と、あたしはため息をついた。

今日も暑くなりそうだ。

⏰:07/01/07 07:54 📱:N701i 🆔:s.uGeus6


#53 [りな]
『いつか、きっと…』
のトピ主のものです
主サンの表現力
見習いたいです

続きが気になります
頑張ってください

⏰:07/01/07 12:21 📱:P903i 🆔:jkvZbwKY


#54 [主]
りなさん

ありがとうございますそういってくださると嬉しいデスッ+゚

りなさんの小説も見に行ってみます
お互い頑張りましょう

⏰:07/01/07 17:41 📱:N701i 🆔:s.uGeus6


#55 [主]
「おい、何やってんだっ」


「…っ。すみませんッ」


あたしは放課後の教室にただ1人。加奈を待っていた

窓越しに聞える野球部の声が耳に入ったり出たりして寝ようと思っても
なかなか眠りにつけない。

蒸し暑い中、野球部の人たちは汗を流しながら頑張ってるというのに…

あたしは扇風機を自分の方だけに風がくるように設定をして
そのうえ下敷きで顔を仰いでいた。

⏰:07/01/07 17:48 📱:N701i 🆔:s.uGeus6


#56 [主]
夕日で教室が真っ赤に染まったとき、廊下からバタバタと足音がした。

顔を仰ぐ手をとめ、あたしは足音のする方を向く。


その足音は教室の前まで来て止まった

「かなー?」

あたしは加奈だと思いドアを開けると
目の前にいたのは…

坊主頭に少し汚れたユニホーム…赤く染まり顔をよく見えなかったが、すぐに中村くんだとわかった。

⏰:07/01/07 17:56 📱:N701i 🆔:s.uGeus6


#57 [主]
「な、ナカムラクン??」

中村くんだとわかっても、あたしは動揺を隠しきれなかった。

夕方の涼しい風が、吹奏楽部のキレイな演奏と一緒に窓の隙間からはいってくる。

「あ、白石。おまえ何してんの…?」

中村くんは帽子をとり、袖で頭や額を拭く。
そして、あたしに帽子を渡した。

「……えっ」

「ちょっとあずかってて。」

中村くんは自分の机の上からプリントをとり、廊下へ消えていった。

あたしはわけもわからず、中村くんの使い古した帽子を両手に持ち
その場に立ち尽くした。

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⏰:07/01/07 18:12 📱:N701i 🆔:s.uGeus6


#58 [主]
少し遅れて加奈が走って戻ってきた。

「ごめーん、まった?……ハァ、ハァ‥」

あたしは加奈の声と、ドアが思いっきり開いた振動で我にかえった。

「…誰の帽子?」


あたしはついさっき起きたことを加奈に全部話した。

そして、あたしは帽子を預けられたという任務があるため加奈だけ先に帰ることになったのだ。

「加奈もいてよっ」

あたしは最後の最後まで駄々をこねたが、加奈は

「がんばれっ」
といい、行ってしまった。

あたしは夕闇に変わる教室で、中村くんの帽子をかぶったりして時間をつぶした。

⏰:07/01/07 18:29 📱:N701i 🆔:s.uGeus6


#59 [主]
時計を見ると、もう8時を過ぎていた。

野球部が練習しているグランドには誰もいなく学校内にもあたしだけ?    って感じの雰囲気が流れている。

窓から時折入ってくる涼しい風だけが、あたしが今いる現実を表しているのだった。

あたしは、中村くん待ちを諦めカバンを持ち、帽子を探す。
眩しいくらいの蛍光灯の下いても見つからない。


「帽子どこ〜?」

帽子を探しているあたしがガラスに反射してうつった。

帽子は、あたしの頭の上だった。

⏰:07/01/07 18:39 📱:N701i 🆔:s.uGeus6


#60 [我輩は匿名である]
おもしろい

⏰:07/01/07 20:07 📱:D902i 🆔:a/R9kUik


#61 [主]
匿名さん

ありがとう
ございます

⏰:07/01/08 10:04 📱:N701i 🆔:lomz9ptw


#62 [咲夜]
頑張ってくださぃ

⏰:07/01/08 10:40 📱:N700i 🆔:iZGZmf8o


#63 [主]
咲夜さん

ありがとう
ございます

こんな小説読んでくれて嬉しいです

⏰:07/01/08 10:46 📱:N701i 🆔:lomz9ptw


#64 [咲夜]
スゴク楽しいですょ 続きが楽しみですヾ(QεQ`*)

⏰:07/01/08 10:48 📱:N700i 🆔:iZGZmf8o


#65 [主]
咲夜さん

めっちゃ嬉しいデスまだまだ未熟ですが、よろしくお願いします

⏰:07/01/08 10:52 📱:N701i 🆔:lomz9ptw


#66 [主]
─"なにやってんだ…"─

あたしは中村くんの帽子をとり、ため息をついた。


時計の針はもう8:30をしめしている。

グランドも廊下も、そして職員室も電気が消え
あたしと外で鳴いている蝉はおいてけぼり。

そのとき…

⏰:07/01/08 11:43 📱:N701i 🆔:lomz9ptw


#67 [主]
ガラッ

「ハァッ、ハァ…ごめん。」


中村くんだった。
制服で、大きなエナメルを持ち、顔からは汗がでている。

「えっ、あっナカムラくん?」

「もぅ学校しめるらしいよ。はやくしろだって」

あたしと中村くんは誰もいない廊下を走った。
静かに時が流れる中、あたしたちは暑さも体にまとわりつく汗も
なにも気にせず

誰もいない廊下を走りつづける。
そして、知らない間に笑っいてた。

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⏰:07/01/08 11:52 📱:N701i 🆔:lomz9ptw


#68 [主]
「…ッ、ギリギリセーフッ」

「ハァ‥ハァッ、間に合って、よかった…ね」

あたしたちがついたときは先生が校門を閉める前で、なんとか間に合った。

「白石たったあれだけで体力なくなってんの?おまえ一応運動部だろ〜?」

中村くんはあたしを見て笑った。あたしは
「うるさいなぁ〜」と一言いい、中村くんを見る。

─目が合った瞬間、何かを感じた─

中村くんはすぐ目をそらし、暑いと言って自分の顔に手で風をおくる。

あたしは恥ずかしさと、何か胸の奥にあるモヤモヤがとれなくて
中村くんから目がはなせなかった。

⏰:07/01/08 12:11 📱:N701i 🆔:lomz9ptw


#69 [主]
そのあと「いつまでみてんだよ」と、怒られ
あたしたちは小さな公園のブランコに腰をおろした。

中村くんは疲れてるにもかかわらず、あたしにたくさんのことを話してくれた。

部活のこと、クラスのこと、トモダチのこと…

あたしは、なんだか生まれて初めて話を聞く子供のようで

中村くんの口から出る一つ、一つのことばに目を輝かせていた。

⏰:07/01/08 12:22 📱:N701i 🆔:lomz9ptw


#70 [主]
でも、恋愛の話は一切してくれず
あたしは今、中村くんに彼女がいるのか気になった。

こんなにかっこよくて、しかも2年生なのにエースで…
まわりの女の子たちがほっとくはずない。

でも、今日まともに話したのにそんなの
あたしには聞く勇気すらなくて…

モヤモヤが残ったまま、中村くんとは手を振って別れた。

⏰:07/01/08 12:31 📱:N701i 🆔:lomz9ptw


#71 [アツシ]
おもしろいです
続きを楽しみにしてます

⏰:07/01/08 12:42 📱:N901iC 🆔:2ZCWVo22


#72 [主]
家に帰り、シャワーも浴びないまま
あたしは眠りにつく。


公園で蚊にさされた足首を蒸し暑さが邪魔するなか

なかなか眠れずに
明後日から始まる、全国高校野球の夏の予選について考える。

あたしが中村くんに出会い、1年が過ぎようとしていた……。

⏰:07/01/08 12:42 📱:N701i 🆔:lomz9ptw


#73 [主]
アツシさん

ありがとうございますショボィですがこれからも読んでくれると嬉しいデス

⏰:07/01/08 12:45 📱:N701i 🆔:lomz9ptw


#74 [アツシ]
魔法の図書館に書いたらURL貼ってください

⏰:07/01/08 12:46 📱:N901iC 🆔:2ZCWVo22


#75 [主]
アツシさん

わかりました
読んでくださいね+゚

⏰:07/01/08 12:54 📱:N701i 🆔:lomz9ptw


#76 [主]
「そういえばさー、明日から夏大だねー」

期末試験中のお昼休み。
売店で1番安いフルーツ牛乳を買っていつもの踊り場に座る。

「そうだね。加奈はいくでしょ?」

「南が行くなら♪南はもちろん行くよね?」

加奈はメロンパンをもぐもぐさせながら聞いてきた。
日差しのせいで
一気にフルーツ牛乳がぬるくなる。

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⏰:07/01/08 17:22 📱:N701i 🆔:lomz9ptw


#77 [主]
「…なぜに加奈ちゃんに決め付けられなきゃいけないのよ。」

ズズズッと音をたて、あたしは残りのフルーツ牛乳を飲みほす。

加奈はムッと頬をふくらまし、残りのメロンパンをごみ箱に捨てた。

「もぅっ、中村くんがでるでしょ〜。応援しなきゃじゃんっ」

「あぁ〜。でも付き合ってるわけじゃないし‥期末挟んでるし。」

加奈は、あたしを説得したがなかなか行く気になれなかった。

⏰:07/01/08 17:34 📱:N701i 🆔:lomz9ptw


#78 [主]
「ってかメロンパンもったいない。あたしが食べてあげたのに」

あたしは話をそらし、チャイムより先に立ち上がった。
さがった靴下をあげ、つぶした牛乳パックをごみ箱に捨てる。

「話しそらさないで〜。とにかく明日むかえにいくからね」

加奈は相変わらずスカートのほこりを、パンパンッとはらい立ち上がって
いつものように先に教室に戻っていった。

⏰:07/01/08 17:50 📱:N701i 🆔:lomz9ptw


#79 [主]
ミーンミーンミーン

踊り場にある窓をあけるといつもと違う蝉の声と一緒に
野球部の昼練をしてる姿が見えた。

暑さや体から出る汗より、あたしは中村くんが気になって気になって仕方なく

目がはなせなかった。

夏大の始まりを表すように、グランドには
"夏大まであと1日"
と書いてある看板があり

なんだか、あたしを熱くさせた。

⏰:07/01/08 18:03 📱:N701i 🆔:lomz9ptw


#80 [主]
チャイムが鳴る時間に近づき、野球部はグランドから少しずつ姿をけしていく。

あたしは窓から半分顔を出し、たまにくる涼しい風にあたっていた。

「しーらーいーしッ」

─"…………誰?"─

下を見ると、泥だらけになった中村くんが手をふっていた。

「中村くん!?」

「おまえ何やってんのー?」

中村くんは、真っ黒い日焼けした肌に白い歯を出して笑った。

⏰:07/01/08 18:16 📱:N701i 🆔:lomz9ptw


#81 [主]
「ただ、暑いから出てたのッ。中村くん早く着替えないとチャイム鳴っちゃうよ」

と、あたしが言った瞬間に予鈴のチャイムが鳴った。

中村くんは「やべっ」と言いあたしの視界からいなくなる。
窓を閉めようとしたとき


ミーンミーンミーン

蝉の声が聞こえた。

⏰:07/01/08 18:25 📱:N701i 🆔:lomz9ptw


#82 [主]
「‥おまえ、新入り?」

今年初めて聞く、その蝉にあたしは話しかけていた。

その蝉は答えるわけもなく、あたしを無視して鳴き続ける。


「…………ねぇ、あたし中村くんが好きなのかな。」


キーンコーン‥
チャイムと同時に蝉の声がやみ、熱風があたしの髪をふわっとなでた。

暑い夏の午後
夏大1日前のこと

⏰:07/01/08 18:38 📱:N701i 🆔:lomz9ptw


#83 [主]
一回おわります
また夜更新にきます

読んでくれてる方、もしもいたらコメくれると嬉しいなぁと思います

bbs1.ryne.jp/r.php/novel/1583/

⏰:07/01/08 19:20 📱:N701i 🆔:lomz9ptw


#84 [主]
更新します


できるかぎり頑張ります(>_<)

⏰:07/01/09 02:37 📱:N701i 🆔:acj83Q2A


#85 [主]
「みなみーッ、起きなさいッ」

お母さんのうるさい声と背中にへばりついた汗のせいで、あたしは不愉快に目が覚めた。
蝉は一段とうるさく、窓から入ってくる光が眩しい。

あたしはパジャマのまま、階段をゆっくり降りた。


「エヘヘヘ‥来ちゃった」

玄関に加奈がいる。
そういえば、昨日迎えにくるみたいなことを言っていた。

あたしは「冗談でしょ?」と思ったが、口にせず

簡単な私服に着替えをすませ、加奈と家を出た。

加奈の粘り強さに負けたのは言うまでもない。

⏰:07/01/09 07:02 📱:N701i 🆔:acj83Q2A


#86 [主]
「球場どこだっけ?」

あたしは手で顔に風を送りながら、携帯をいじっている加奈に聞いた。


「えっと‥田村市民球場だよ。去年と同じ場所だと思う」

メールをうち終わったのか、加奈は携帯をとじ
「去年も暑かったよね」と付け加えた。

田村市民球場とは、去年の今頃に全校応援に行かされた場所。
そして、あたしと中村くんが出会った場所。

空には、去年を表すかのように同じような入道雲が浮かんでいた。

⏰:07/01/09 07:10 📱:N701i 🆔:acj83Q2A


#87 [主]
球場についたときは、時間もはやかったためか人が少なかった。

今の時期はあたしの学校も試合をする学校も、期末を挟んでいるからだ。

来ているのは、選手のお母さんたちと係校のマネージャーさん‥
そして、休日を暇しているおじさんたちだけ。


まぁ1回戦だから仕方ないよね
と加奈といい、あたしたちは前から2列目のベンチに腰をおろす。

チアのめぐみチャンが見えたので手を振ったらニコッて笑ってくれた。

⏰:07/01/09 07:17 📱:N701i 🆔:acj83Q2A


#88 [主]
誰か読んでますか?

⏰:07/01/09 22:57 📱:N701i 🆔:acj83Q2A


#89 [アツシ]
読んでますよ!
続きお願いします

⏰:07/01/09 23:55 📱:N901iC 🆔:P3eaI2FE


#90 [咲夜]
続き見たいです

⏰:07/01/11 14:16 📱:N700i 🆔:H8yZEPnQ


#91 [さえ]
この小説大好きです(^□^)ノ
続きが気になります♪

⏰:07/01/13 09:58 📱:W32SA 🆔:7/1ZSidg


#92 [主]
挫折してました。今まで見てくださった方、これから書いていきますので
よかったら読んで下さい
更新します

⏰:07/01/21 09:50 📱:N701i 🆔:uhFXTn9c


#93 [主]
「みなみタチ、来てたんだ♪」

陽に焼けた肌、ポニーテール。
めぐみは笑顔で走ってきた。可愛いチアの衣裳を着て。


あんまり話す仲ではなかったが、会えば話をする。

そんな関係

「今日も暑いねー」

加奈と同じことを言って、めぐみは空を仰いだ。

あたしは顔から出る汗を、タオルで拭く。
本当に今日は暑い。

⏰:07/01/21 09:59 📱:N701i 🆔:uhFXTn9c


#94 [主]
そのあと、めぐみは先輩に呼ばれ
少ししか会話をせずに、あたしたちの視界から消えた。

そして両校の選手がグランドにきて、練習を始める。


ナカムラくん…
ナカムラくんは‥?

あたしの学校の選手に、中村くんの姿はなかった。

どんな遠くにいても、中村くんを見つけるのは
あたしの唯一の特技。


得点板の下に…
スタメン選手の名前が貼りだされる。

エースの場所
そこにいるのは
中村くんじゃなかった。

⏰:07/01/21 10:07 📱:N701i 🆔:uhFXTn9c


#95 [主]
「ねぇ、ミナミ‥なんで中村くんいないの?」

加奈も球場を見回し、中村くんの姿を探す。

もしかして、なにかあって怪我してアルプスにいるのかもっ………

そう信じて、ベンチに入れなかった野球部の方を見たけど、中村くんはいなかった。

そんな不安の中、試合開始のサイレンが鳴る。
あたしは試合どころじゃなかった‥‥。

「……………ッ。」

⏰:07/01/21 10:11 📱:N701i 🆔:uhFXTn9c


#96 [主]
「そういえば、エースって中村じゃなかったっけ」

「あー、なんか怪我して病院にいるって聞いたなぁ」

……………え?

あたしは、世界が止まったような気がして
なんの音も耳に入らなかった。
"‥怪我して病院にいるんだって‥"

汗と一緒に、この言葉がこだまして体から離れない。
あたしは、いつのまにか走りだしていた。

⏰:07/01/21 10:16 📱:N701i 🆔:uhFXTn9c


#97 [主]
病院もわからない、しかもその話が本当かどうかもわからない。

それでも、あたしは走っていた。
手に握る、お守りが汗でしめる。


このお守りは
中村くんにもらった

大切なお守り。

⏰:07/01/21 10:21 📱:N701i 🆔:uhFXTn9c


#98 [主]
昨日、明日試合だから部活早く終わるって
中村くんに公園に呼び出された。

でも、待ち合わせ時間の6:00を過ぎても中村くんはこなくてあたしは寝てしまった。

「おいッ‥‥しら‥いしッ、白石っ」

ん…………?

寝呆けながら目をあけると、中村くんの顔が目の前にあった。

「きゃッ………」

あたしはビックリして、目が覚める。


「……ぷッ」

⏰:07/01/21 10:30 📱:N701i 🆔:uhFXTn9c


#99 [主]
中村くんは思いっきり笑った。
あたしは頬を膨らまし、怒ったふりをする。


中村くんはそんなあたしを可愛いと言ってくれて、頭をポンポンッて撫でてくれた。
そんなことを言われたのは生まれて初めてで
きっと夜じゃなかったら、あたしの顔は真っ赤になっていた。

彼氏じゃないのに、そんなことされたら期待しちゃうよ‥‥。

⏰:07/01/21 10:35 📱:N701i 🆔:uhFXTn9c


#100 [主]
誰か見てますか?

⏰:07/01/21 20:32 📱:N701i 🆔:uhFXTn9c


#101 [ユウヤ]
見てますものすごく待ってましたがんばってください

⏰:07/01/22 01:16 📱:N902i 🆔:BVIP4hB2


#102 [主]
ユウヤさん

本当にありがとうございます自信がなくなって挫折しましたが、なんだかやる気が湧いてきました
がんばります

⏰:07/01/22 19:20 📱:N701i 🆔:QbxdVX8o


#103 [直]
ハルさん覚えてますかぁ?私は魔法の図書館で書き始めました。


こっちでは友情系のものを書き直ししようと思っています。

⏰:07/01/22 19:22 📱:SA702i 🆔:kd/YNs1E


#104 [主]
中村くんはまだ笑いながら、あたしの隣に腰をかける。

夏の夕暮れが、2人の影をつくった。

「待たせてごめんな。」

「ううん、部活が長引いたの?」

中村くんは縦に頷き、空を見上げた。
なんだかその目は切なそうで、何かを表してるようだった。


「今日は、空がキレィだな」

淋しそうに、中村くんは一言つぶやく。

⏰:07/01/22 19:26 📱:N701i 🆔:QbxdVX8o


#105 [主]
直さん

お久しぶりです
そうなんですか?
見てみたいです

友情系のお話なんて題名ですか?見に行きます

⏰:07/01/22 19:28 📱:N701i 🆔:QbxdVX8o


#106 [主]
「うん‥」

"いつもの中村くんと何か違う‥"

あたしはふと思ったが、中村くんと楽しい時間を過ごしたいがために
あえてそのことには、触れなかった。

あたしたちの影は、まるで手をつないでいるように重なり
嬉しい反面、悲しい気持ちになる。

「そういえば、明日から夏大だよねっ。エースなんだから頑張りなよ」

⏰:07/01/22 19:36 📱:N701i 🆔:QbxdVX8o


#107 [主]
「‥そうだな。白石に言われちゃ頑張るわけにはいなかないかっ」

中村くんは、白い歯を出しニカッと笑った。

その笑顔はいつもの中村くんで、あたしは心の中で
"ふぅー"とため息をつく。

公園の時計の針が9時を指したとき
中村くんは思い出したように、ポケットから何かを取り出した。

⏰:07/01/22 19:40 📱:N701i 🆔:QbxdVX8o


#108 [直]
ip.tosp.co.jp/..

です!
ハルさんのホムペも教えて下さい

じゃあ構成して書いたら教えますね


個人的に中村くん好きです

⏰:07/01/22 19:48 📱:SA702i 🆔:kd/YNs1E


#109 [主]
お久しぶりです。
この物語を描いているharuです!!
とうとう私も大学生になり
今度は社会人チームでマネージャーのお仕事を
させてもらっています。

ものすごく久しくなりましたが
またこの物語の続きを
書かせてもらいます。

つまらない話ですが
応援よろしくお願いします。

⏰:08/06/04 14:30 📱:PC 🆔:UyTkBpXk


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