2006,夏恋
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#39 [主]
あたしを呼ぶ声は窓の外から聞えた。
窓から顔を出し、覗き込むと加奈がいた。
「なーにー?」
と大声で返事をすると、加奈はちょっと‥と手招きした。
あたしは風でボサボサになった髪を手でとかし、窓をしめ
扇風機を少しだけ占領し、教室を出る。
:07/01/07 03:36
:N701i
:s.uGeus6
#40 [主]
下につくと、加奈の後ろ姿がすぐ目に入った。
ポニーテールに少し茶色の髪、すぐに加奈だとわかったあたしって天才?
なんてバカなことを考える白石南16才。
「かな‥」
あたしは加奈を呼ぶ声をとめた。
それは、加奈の隣りに男の人がいたから。
:07/01/07 03:45
:N701i
:s.uGeus6
#41 [主]
「あ、南。おそいー」
加奈はそんなあたしに気が付き、ニコッと可愛い笑顔をみせた。
「ともだち?」
あたしは加奈の隣りの人を見る。
坊主頭に少し汚れたユニホーム、どこかで見たことあると思った。
7月の陽気はあたしの白い肌をピリピリさせる。
:07/01/07 03:49
:N701i
:s.uGeus6
#42 [主]
「南、覚えてないの?」
「えっ?なにが?」
坊主頭の男の子は帽子をとり、あたしに一歩近づく。
そして、あたしと目が合った…。
「……ナカムラ‥クン?」
思わず、口にしていた。確かに目の前にいるのは他の誰でもなく
あの夏に出会った中村達也だった。
:07/01/07 03:53
:N701i
:s.uGeus6
#43 [主]
:07/01/07 03:55
:N701i
:s.uGeus6
#44 [主]
「な、なんでっ!?」
あたしは動揺した。本当に中村くんが目の前にいるのだ。
しかも、ユニホーム姿で。
「白石さん…?」
「な、なにっ?」
あたしはどもったのと、緊張のせいで顔から出る汗が恥ずかしく、下をむいた。
きっとあたしの顔はりんごのように赤くほてっているだろう。
その顔を冷ますわけでもなく、逆にもっと熱くさせるように
真夏の太陽は熱気を増す。
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:07/01/07 07:09
:N701i
:s.uGeus6
#45 [主]
「中村くん、南のアドレス知りたいんだって♪」
加奈がにやにやしてあたしの顔を覗き込む。
「冗談やめてよ」
あたしは恥ずかしさのあまりにいつもの強がりがでてしまった。
こうゆうとき、素直な子にすごく憧れる。
加奈みたいな子だったら「ありがとう、うれしい」の一言くらい言えたかな‥?
あたしの言ったことを聞いてなかったかのように、加奈は
「教えていいよね?」
と念を押し、あたしのアドを紙に書いて中村くんに渡してしまった。
:07/01/07 07:15
:N701i
:s.uGeus6
#46 [主]
「ちょっ…」
あたしが言いおわる前に中村くんは
「サンキュ。」といい笑顔でグランドへ走っていった。
「かな〜。なんでかってに教えるのっ」
あたしはグランドへ消えていく中村くんを見届けぬまま、加奈に言った。
:07/01/07 07:18
:N701i
:s.uGeus6
#47 [主]
「でたっ、南の強がり癖。本当はうれしいくせに♪」
加奈はそういって、あたしの鼻をピンッと叩いた。
「もう〜。」
あたしは怒ってるんだか、嬉しいんだかわからず加奈と笑い合って
最後に「ありがとう」と付け加えた。
:07/01/07 07:24
:N701i
:s.uGeus6
#48 [主]
家に着き、携帯を見ると受信1件となっていた。
誰だろう…?
部屋に入りベットに倒れこむあたし。
そしてメールを見てみると知らない人からだった
件名:こんばんは。
本文:中村です。今日いきなりアドレスなんか聞いてごめん。
:07/01/07 07:31
:N701i
:s.uGeus6
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