2006,夏恋
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#76 [主]
「そういえばさー、明日から夏大だねー」

期末試験中のお昼休み。
売店で1番安いフルーツ牛乳を買っていつもの踊り場に座る。

「そうだね。加奈はいくでしょ?」

「南が行くなら♪南はもちろん行くよね?」

加奈はメロンパンをもぐもぐさせながら聞いてきた。
日差しのせいで
一気にフルーツ牛乳がぬるくなる。

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⏰:07/01/08 17:22 📱:N701i 🆔:lomz9ptw


#77 [主]
「…なぜに加奈ちゃんに決め付けられなきゃいけないのよ。」

ズズズッと音をたて、あたしは残りのフルーツ牛乳を飲みほす。

加奈はムッと頬をふくらまし、残りのメロンパンをごみ箱に捨てた。

「もぅっ、中村くんがでるでしょ〜。応援しなきゃじゃんっ」

「あぁ〜。でも付き合ってるわけじゃないし‥期末挟んでるし。」

加奈は、あたしを説得したがなかなか行く気になれなかった。

⏰:07/01/08 17:34 📱:N701i 🆔:lomz9ptw


#78 [主]
「ってかメロンパンもったいない。あたしが食べてあげたのに」

あたしは話をそらし、チャイムより先に立ち上がった。
さがった靴下をあげ、つぶした牛乳パックをごみ箱に捨てる。

「話しそらさないで〜。とにかく明日むかえにいくからね」

加奈は相変わらずスカートのほこりを、パンパンッとはらい立ち上がって
いつものように先に教室に戻っていった。

⏰:07/01/08 17:50 📱:N701i 🆔:lomz9ptw


#79 [主]
ミーンミーンミーン

踊り場にある窓をあけるといつもと違う蝉の声と一緒に
野球部の昼練をしてる姿が見えた。

暑さや体から出る汗より、あたしは中村くんが気になって気になって仕方なく

目がはなせなかった。

夏大の始まりを表すように、グランドには
"夏大まであと1日"
と書いてある看板があり

なんだか、あたしを熱くさせた。

⏰:07/01/08 18:03 📱:N701i 🆔:lomz9ptw


#80 [主]
チャイムが鳴る時間に近づき、野球部はグランドから少しずつ姿をけしていく。

あたしは窓から半分顔を出し、たまにくる涼しい風にあたっていた。

「しーらーいーしッ」

─"…………誰?"─

下を見ると、泥だらけになった中村くんが手をふっていた。

「中村くん!?」

「おまえ何やってんのー?」

中村くんは、真っ黒い日焼けした肌に白い歯を出して笑った。

⏰:07/01/08 18:16 📱:N701i 🆔:lomz9ptw


#81 [主]
「ただ、暑いから出てたのッ。中村くん早く着替えないとチャイム鳴っちゃうよ」

と、あたしが言った瞬間に予鈴のチャイムが鳴った。

中村くんは「やべっ」と言いあたしの視界からいなくなる。
窓を閉めようとしたとき


ミーンミーンミーン

蝉の声が聞こえた。

⏰:07/01/08 18:25 📱:N701i 🆔:lomz9ptw


#82 [主]
「‥おまえ、新入り?」

今年初めて聞く、その蝉にあたしは話しかけていた。

その蝉は答えるわけもなく、あたしを無視して鳴き続ける。


「…………ねぇ、あたし中村くんが好きなのかな。」


キーンコーン‥
チャイムと同時に蝉の声がやみ、熱風があたしの髪をふわっとなでた。

暑い夏の午後
夏大1日前のこと

⏰:07/01/08 18:38 📱:N701i 🆔:lomz9ptw


#83 [主]
一回おわります
また夜更新にきます

読んでくれてる方、もしもいたらコメくれると嬉しいなぁと思います

bbs1.ryne.jp/r.php/novel/1583/

⏰:07/01/08 19:20 📱:N701i 🆔:lomz9ptw


#84 [主]
更新します


できるかぎり頑張ります(>_<)

⏰:07/01/09 02:37 📱:N701i 🆔:acj83Q2A


#85 [主]
「みなみーッ、起きなさいッ」

お母さんのうるさい声と背中にへばりついた汗のせいで、あたしは不愉快に目が覚めた。
蝉は一段とうるさく、窓から入ってくる光が眩しい。

あたしはパジャマのまま、階段をゆっくり降りた。


「エヘヘヘ‥来ちゃった」

玄関に加奈がいる。
そういえば、昨日迎えにくるみたいなことを言っていた。

あたしは「冗談でしょ?」と思ったが、口にせず

簡単な私服に着替えをすませ、加奈と家を出た。

加奈の粘り強さに負けたのは言うまでもない。

⏰:07/01/09 07:02 📱:N701i 🆔:acj83Q2A


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