もう二度と・・・
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#14 [林奈]
夏休みに入り、家にいる時間が多くなった。夜中まで起きて昼まで寝てる。そしてまた家族の中で変化が起きてた。
母が昼間いない。うちは働き始めたもんだと思ってた。

⏰:07/04/01 09:47 📱:W43CA 🆔:☆☆☆


#15 [林奈]
けど祖父が言った。

「またパチンコか」

「パチンコ行ってるの?」


「知り合いが見たってよ。お前の母親はとんでもないな」


少しショックだった。ギャンブルに対していいイメージなんてないからショックだったんだ。

⏰:07/04/01 10:09 📱:W43CA 🆔:☆☆☆


#16 [林奈]
母が帰ってきて問い詰めた。すると母はうちに言う。


「あんたに関係ないでしょ!お母さんだってイライラするんだわ」


“かわいそうな人”うちはふいに思ってた。母のギャンブルが悪い方向に向かなければいいけど。うちは何か嫌な予感がしてた。

⏰:07/04/01 18:02 📱:W43CA 🆔:☆☆☆


#17 [林奈]
そのあとすぐに、物を投げてきた。思いきり腕にテレビのリモコンが当たった。リモコンなのに痛くて少し涙目になるうちに母はまた冷たく言い放った。


「あんたさえいなければね、こんなにイライラしんわ」


“やっぱり自分がいない方がいいんだ”

確信した。

⏰:07/04/02 23:08 📱:W43CA 🆔:☆☆☆


#18 [林奈]
次の日、うちは家出した。


“どうせ心配なんてするわけない”


そう思うのと同時に湧いたほんの少しの希望。


“もしかしたら探すかも”


うちは亜由美の家に転がり込んだ。亜由美の家はお母さんだけ。うちはそれをいいことに、しばらく家に帰らないと決めたんだ。

⏰:07/04/02 23:32 📱:W43CA 🆔:☆☆☆


#19 [林奈]
亜由美はうちがいることを喜んだ。そして遊びまくって、夜中に帰る毎日。お金なんてない。だから駅前を毎日うろついてナンパしてくるヤツらについていってた。
警戒心なんてない。何か起きるかもしれない。そう思うだけでワクワクしてた。

⏰:07/04/02 23:36 📱:W43CA 🆔:☆☆☆


#20 [林奈]
そんな日、うちと亜由美に声をかけてきた男がいた。


「一人2でどう?」

意味が分からなかった。
“2”って何?うちは聞いた。


「二万って事だよ」

亜由美もうちも食い付いた。

⏰:07/04/03 13:52 📱:W43CA 🆔:☆☆☆


#21 [林奈]
「何するの?」


「俺とエッチするだけ」


速攻で断った。中年の男とやるなんて考えただけでも吐き気がする。しかもまだ処女だし。


14歳の時は、まだ純粋に考えることもできてた。

⏰:07/04/03 14:06 📱:W43CA 🆔:☆☆☆


#22 [林奈]
帰り道、亜由美と笑い合ってた。あんな男とやるわけないやん。“エンコー”なんてお金に汚い人がやるもんだ。うちらはそう思ってた。
“薬”と“援交”だけは絶対にしない。あの頃のうちらはそう決めてた。
決めてたはずなのに、うちの中で心の歯車が狂いだすには時間はかからなかったんだ。

⏰:07/04/04 01:16 📱:W43CA 🆔:☆☆☆


#23 [林奈]
昼間、亜由美の家で寝てた。その時しきりに玄関のベルが鳴る。寝ぼけたまま亜由美はドアを開けた音がした。そしてすぐ階段を上がってくる足音が聞こえてきた。


“なに?”

そう思った時、亜由美の部屋のドアが開いた。

⏰:07/04/04 01:19 📱:W43CA 🆔:☆☆☆


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