もう二度と・・・
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#21 [林奈]
「何するの?」
「俺とエッチするだけ」
速攻で断った。中年の男とやるなんて考えただけでも吐き気がする。しかもまだ処女だし。
14歳の時は、まだ純粋に考えることもできてた。
:07/04/03 14:06 :W43CA :☆☆☆
#22 [林奈]
帰り道、亜由美と笑い合ってた。あんな男とやるわけないやん。“エンコー”なんてお金に汚い人がやるもんだ。うちらはそう思ってた。
“薬”と“援交”だけは絶対にしない。あの頃のうちらはそう決めてた。
決めてたはずなのに、うちの中で心の歯車が狂いだすには時間はかからなかったんだ。
:07/04/04 01:16 :W43CA :☆☆☆
#23 [林奈]
昼間、亜由美の家で寝てた。その時しきりに玄関のベルが鳴る。寝ぼけたまま亜由美はドアを開けた音がした。そしてすぐ階段を上がってくる足音が聞こえてきた。
“なに?”
そう思った時、亜由美の部屋のドアが開いた。
:07/04/04 01:19 :W43CA :☆☆☆
#24 [林奈]
うちはその人の顔を見た。
母だった。母はうちを見るなり、頭をぶってきた。
「あんた何してるの!帰るよ」
「何しにきたん?うちは帰らん」
「よそ様の家に転がり込むなんてどういう神経しとるの?」
うちが何か返そうとした時腕をつかまれ、頬を殴られた。うちは仕方なく家に帰ることにした。
:07/04/04 01:23 :W43CA :☆☆☆
#25 [林奈]
青春の家出は一週間であっけなく終わった。
帰り道、母に聞いてみた。
「うちが心配だったから来たの?」
「心配なんてしんわ。お兄ちゃんもあんな風で、あんたも何かしでかしたら近所に何言われるかわからんでしょ」
“そういう事か”
少しでも期待した自分が恥ずかしくなった。
やっぱりうちはいらない子なんだね。
:07/04/04 01:31 :W43CA :☆☆☆
#26 [林奈]
誰か読んでますかね心配ですm
:07/04/04 02:10 :W43CA :☆☆☆
#27 [林奈]
家に帰り、またうちは母に殴られる。そしてお決まりの言葉を吐く。
「あんたさえいなければ」
もうどうでもよくなった。
「あぁうちは死んだ方がいいんやろ?なら殺してくれ」
「殺す?あんたごときに捕まりたくないわ!自分で死ね」
“うちは殺される価値もないんだ”
14歳の夏。うちは本気で死ぬことを考えた。
:07/04/04 02:16 :W43CA :☆☆☆
#28 [林奈]
その日から一週間、亜由美からの電話も出たくなくて、家に閉じこもった。
兄と軽くかぶる。だからうちはまた夜に家を出て散歩をするようになった。
:07/04/04 02:24 :W43CA :☆☆☆
#29 [林奈]
川原に行き、夜の星を見る。いつしかそれが日課になった。そしてうちの“大きな嘘”が生まれた。
いつものように川原に行くと、指定席には先客がいた。
“誰だよ”
そう思い近付く。
顔を見て驚いた。
涼子の彼氏だった。
:07/04/04 02:29 :W43CA :☆☆☆
#30 [林奈]
「前田くん?」
声をかけたうちに、前田くんは驚いた。
「涼子の友達の?」
「うん。林奈だよ。何してるの?」
「星が見たくなっただけ。あんたは?」
「うちもだよ」
うちらは少し笑い合った。
:07/04/04 03:31 :W43CA :☆☆☆
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