もう二度と・・・
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#56 [林奈]
その後すぐに、父と母が来た。
血相を変えて来た。そして母はうちを抱きしめてきた。
「心配したんだよ」
初めて言われた。
これが『親』の本心なんだよね?
期待してよかった。そう心から思ったのに・・・。
やっぱりうちはいらない子だった。
:07/04/13 10:20 :W43CA :☆☆☆
#57 [林奈]
警官に謝り、前田くんともお母さんとも会話をしずに別れた。車の中。無言が続く。
「ゴメンナサイ」
勇気を出して言った一言。
けど伝わらなかったんだ・・・。
「ほんとはあんたなんてどうでもいいんだけどね。けど捕まって恥かくのは御免だよ」
物凄い悲しさが突き刺さった。
:07/04/13 16:19 :W43CA :☆☆☆
#58 [林奈]
うちは泣くにも泣けずに下を向くしかできなかった。
父も母の言葉に対して怒ることもしない。
ほんとに悲しかった。自分の存在価値なんて、そんなもんなんだと悟った。
:07/04/13 17:44 :W43CA :☆☆☆
#59 [林奈]
家に着き、起きてた祖父にも言われた。
「警察のお世話になんてなりやがって!お前なんかこの家の恥だ」
家族に見放されたうちはどこに気持ちをぶつければいいの?
あの頃のうちは幼すぎて、大切な何かを見失ってた。
そしてもっと大切なモノを、うちは失うことになるんだ。
:07/04/13 18:07 :W43CA :☆☆☆
#60 [林奈]
そのまま年が明け、うちは一人家で冬休みを過ごした。ほんとに外なんて出ずに、亜由美や涼子、そして前田くんとも連絡を取らず過ごした。
家の空気は年を越しても変わらず、その雰囲気を変えられないイライラを、母はうちにぶつける。
それはもう痛くて痛くてたまらない。
ただ我慢するしかできなかった。
:07/04/13 21:08 :W43CA :☆☆☆
#61 [林奈]
―新学期―
何も変わっていないと思ってた。
涼子と亜由美とまた騒げると思ってた。
けど現実は甘くないね・・・。
:07/04/13 21:11 :W43CA :☆☆☆
#62 [林奈]
教室に入り、おはようを言う。
けどクラスの子達はみんなシカト。
・・・ん?
何か変・・・。
:07/04/13 21:13 :W43CA :☆☆☆
#63 [林奈]
うちは亜由美に話しかける。
すると亜由美から思いもよらない事を聞いた。
「あんたさぁ前田くんと家出したらしいね?涼子から奪ったのあんたでしょ?」
全身に鳥肌が立った。返す言葉がない。
「あんたのお母さんがうちのおかんと会った時、言ったんだってよ!前田って子と家出したってね」
何て返事をするべきか一瞬のうちに考えた。
:07/04/15 00:12 :W43CA :☆☆☆
#64 [林奈]
「うちだよ。前田くんと付き合ってたのは」
「は?じゃあうちと前田くんで話した時はもう付き合ってたってこと?」
「うん」
「あんた最低」
当たり前だけど、その時からうちは孤立した。
:07/04/15 23:24 :W43CA :☆☆☆
#65 [林奈]
涼子はショックから学校を休みがちになり、亜由美とクラスの子達からの嫌がらせ。
机やノート、教科書に、『最低』『淫乱女』『死ね』と言う文字を書かれまくった。それだけじゃない。帰り道に川原に呼ばれて、男女合わせて6人くらいから暴行。
そのリーダーは亜由美だった。
:07/04/15 23:29 :W43CA :☆☆☆
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