もう二度と・・・
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#22 [林奈]
帰り道、亜由美と笑い合ってた。あんな男とやるわけないやん。“エンコー”なんてお金に汚い人がやるもんだ。うちらはそう思ってた。
“薬”と“援交”だけは絶対にしない。あの頃のうちらはそう決めてた。
決めてたはずなのに、うちの中で心の歯車が狂いだすには時間はかからなかったんだ。

⏰:07/04/04 01:16 📱:W43CA 🆔:☆☆☆


#23 [林奈]
昼間、亜由美の家で寝てた。その時しきりに玄関のベルが鳴る。寝ぼけたまま亜由美はドアを開けた音がした。そしてすぐ階段を上がってくる足音が聞こえてきた。


“なに?”

そう思った時、亜由美の部屋のドアが開いた。

⏰:07/04/04 01:19 📱:W43CA 🆔:☆☆☆


#24 [林奈]
うちはその人の顔を見た。
母だった。母はうちを見るなり、頭をぶってきた。


「あんた何してるの!帰るよ」


「何しにきたん?うちは帰らん」


「よそ様の家に転がり込むなんてどういう神経しとるの?」

うちが何か返そうとした時腕をつかまれ、頬を殴られた。うちは仕方なく家に帰ることにした。

⏰:07/04/04 01:23 📱:W43CA 🆔:☆☆☆


#25 [林奈]
青春の家出は一週間であっけなく終わった。
帰り道、母に聞いてみた。


「うちが心配だったから来たの?」


「心配なんてしんわ。お兄ちゃんもあんな風で、あんたも何かしでかしたら近所に何言われるかわからんでしょ」



“そういう事か”


少しでも期待した自分が恥ずかしくなった。
やっぱりうちはいらない子なんだね。

⏰:07/04/04 01:31 📱:W43CA 🆔:☆☆☆


#26 [林奈]
誰か読んでますかね心配ですm

⏰:07/04/04 02:10 📱:W43CA 🆔:☆☆☆


#27 [林奈]
家に帰り、またうちは母に殴られる。そしてお決まりの言葉を吐く。


「あんたさえいなければ」


もうどうでもよくなった。


「あぁうちは死んだ方がいいんやろ?なら殺してくれ」


「殺す?あんたごときに捕まりたくないわ!自分で死ね」


“うちは殺される価値もないんだ”


14歳の夏。うちは本気で死ぬことを考えた。

⏰:07/04/04 02:16 📱:W43CA 🆔:☆☆☆


#28 [林奈]
その日から一週間、亜由美からの電話も出たくなくて、家に閉じこもった。
兄と軽くかぶる。だからうちはまた夜に家を出て散歩をするようになった。

⏰:07/04/04 02:24 📱:W43CA 🆔:☆☆☆


#29 [林奈]
川原に行き、夜の星を見る。いつしかそれが日課になった。そしてうちの“大きな嘘”が生まれた。

いつものように川原に行くと、指定席には先客がいた。


“誰だよ”


そう思い近付く。
顔を見て驚いた。
涼子の彼氏だった。

⏰:07/04/04 02:29 📱:W43CA 🆔:☆☆☆


#30 [林奈]
「前田くん?」


声をかけたうちに、前田くんは驚いた。

「涼子の友達の?」

「うん。林奈だよ。何してるの?」


「星が見たくなっただけ。あんたは?」

「うちもだよ」


うちらは少し笑い合った。

⏰:07/04/04 03:31 📱:W43CA 🆔:☆☆☆


#31 [林奈]
それから何気ない話をし、涼子との事や色々聞いた。前田くんは廊下ですれ違うだけで話した事はなかった。
その日以来二人だけの“嘘”が始まったんだ。

⏰:07/04/04 03:33 📱:W43CA 🆔:☆☆☆


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