もう二度と・・・
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#601 [我輩は匿名である]
主さんわ本当に本当に
人の幸せを考えてるんですね(p*>д<q)
いつも見てます
頑張って書いてください☆
:07/06/09 12:39 :P903i :☆☆☆
#602 [キャンディ]
好きやのに別れナあかん…
ホンマツライよね
更新待ってます
:07/06/09 14:08 :SH903i :☆☆☆
#603 [林奈]
我が輩さん、キャンディさんありがと辛いけど頑張って更新します。
:07/06/09 18:56 :W43CA :☆☆☆
#604 [林奈]
父にアキヤとの事は言えなかった。
あんなに喜んでくれたのに・・・。
悲しい顔をさせたくなかったんだ。
仕事もアキヤとの事を考えないようにしてた。
けど帰り際、勤務が一緒だった佐々木さんに呼ばれた。
:07/06/09 18:58 :W43CA :☆☆☆
#605 [林奈]
「林奈、最近何かあった?」
「何もないですよ」
佐々木さんは彼氏さんから、私とアキヤが別れた事を聞いていたはずなのに、わざと知らないフリをしてくれた。
:07/06/09 19:00 :W43CA :☆☆☆
#606 [林奈]
「アキヤくんと何かあったんじゃない?林奈から言ってくれるかもしれないと思って、私からは聞くのやめてたんだ」
「そうですか。心配かけてごめんなさい。アキヤと別れました」
「原因は?」
「佐々木さん、知らないんですか?」
:07/06/09 19:08 :W43CA :☆☆☆
#607 [林奈]
「聞いてないんだ」
私は全て話した。
そして今、私はアキヤと別れたことを後悔してないと言ったんだ・・・。
そう言えば、心配しなくて済むだろうと思った。
:07/06/09 19:13 :W43CA :☆☆☆
#608 [林奈]
「ほんとはそんな強がる余裕ないんじゃないの?私に嘘ついても仕方ないよ?」
佐々木さんは優しく笑った。
私は佐々木さんの顔を見て、自然に涙がこぼれだした。
:07/06/09 19:43 :W43CA :☆☆☆
#609 [林奈]
ほんとはすごくすごく後悔してる。
付いていけばよかった。
けど、役職に就いてた私は仕事を放棄するわけにもいかないし、何より家族が心配。
たくさんたくさん泣いて、何度もアキヤに電話しそうにもなった・・・。
色んな思いが爆発してしまったんだ。
:07/06/09 21:04 :W43CA :☆☆☆
#610 [林奈]
ただ泣きじゃくる私に、佐々木さんは何も言わずに手を握りしめてくれてた。
「私は幸せにはなれないですよ」
ずっとそんな事を繰り返してた。
:07/06/09 21:06 :W43CA :☆☆☆
#611 [ビームサベール]
毎日確認してます!
辛いでしょうけど頑張って下さいo(^-^)o応援しています!
:07/06/10 18:06 :SH903i :☆☆☆
#612 [林奈]
ビームサーベルさん、ありがと!これからまた更新します!
:07/06/10 20:29 :W43CA :☆☆☆
#613 [林奈]
私はほんとに先が見えなくなってた。
アキヤと別れ、これから何を信じればいいんだ?
私は泣きながらひたすらに思ってた。
そんな時、佐々木さんは手を握りしめながら言ってくれた。
「この別れも意味があるんだよ」
って・・。
:07/06/10 20:33 :W43CA :☆☆☆
#614 [林奈]
言ってる意味は分かる。
けど、心がついて行けなかった・・・。
“私に幸せは似合わないんだ”
ほんとに小さな私は、自分一人だけが辛いんだって思い込んでた。
:07/06/10 20:39 :W43CA :☆☆☆
#615 [林奈]
「ねぇ林奈?辛いのはアキヤくんも同じだよ?」
「え?」
「結婚まで考えた人と別れなきゃいけない辛さは、アキヤくんも同じなんだから。あの子が前を向こうとしてる分、林奈もそれに答えなきゃいけないんじゃないの?」
佐々木さんの言う事は正しい。
頭では分かってるのにね・・・。
:07/06/10 20:53 :W43CA :☆☆☆
#616 [林奈]
結局佐々木さんと話しても、自分の中で答えは見つからなかった。
けど、佐々木さんの優しさは痛いほど伝わってた。
私にアキヤを紹介した事を悔やんでいるようだった。
:07/06/11 08:31 :W43CA :☆☆☆
#617 [林奈]
家に帰り、いつものように振る舞う。
部屋にいるとアキヤを思い出してしまうから、できるだけ居間にいるようにしてたんだ・・・。
すると、タイミングを見計らったかのように母親から電話。
「元気にしてる?」
「うん」
「明日ご飯でも行かない?」
「いいよ」
:07/06/11 08:47 :W43CA :☆☆☆
#618 [林奈]
日勤を終えて、待ち合わせ場所に向かった。
歩いてる途中、やっぱり思い出すのはアキヤ。
“迎えに来てくれたこともあったよな”
自然に駆け巡る思い出。
優しい気持ちにはどうしてもならなかった。
:07/06/11 08:50 :W43CA :☆☆☆
#619 [林奈]
待ち合わせ場所に母はもういた。
笑顔の母。
和解した日以来、母はほんとに笑うようになった。
:07/06/11 08:53 :W43CA :☆☆☆
#620 [林奈]
オシャレな居酒屋。初めて母とお酒を乾杯した。
タツヒコさんの話や、父や兄の話。
色んな話をした。
そして私の話も。
まだアキヤと付き合ってると思ってる母は、式への準備は進んでるの?とか、嬉しそうな顔で聞いてくる。
複雑だった・・・。
:07/06/11 08:57 :W43CA :☆☆☆
#621 [林奈]
「まぁね」
精一杯の返事。
でも何で女は勘が鋭いんだろう?
母は私の目を見た。
「あんた何かあったの?」
「なんで?」
「目が違う」
:07/06/12 09:20 :W43CA :☆☆☆
#622 [林奈]
ギリギリの状態で作った笑顔・・・。
母はそれ以上何も聞いてはこなかった。
私と母は少ししてから帰った。
:07/06/12 09:25 :W43CA :☆☆☆
#623 [林奈]
家に着き、真っ先に部屋に入った。
その瞬間、糸が切れたかのように涙が溢れ出る・・・。
“笑わなきゃ”
そう思えば思う程、流れ出る涙。
結局朝まで泣いてしまってた。
:07/06/12 09:28 :W43CA :☆☆☆
#624 [林奈]
思う存分泣き続け、自分の中で吹っ切れてた。
もう大丈夫。
もう揺らぐことなんてない。
そう思えるようになったのに・・・。
恋の神様はいないんだね・・・。
:07/06/12 09:39 :W43CA :☆☆☆
#625 [林奈]
もうアキヤはアメリカに行ったもんだと思ってた。
けどある夕方、突然鳴った玄関のベル。
私は出た。
ドアを開けて驚く以外できなかった。
:07/06/12 09:41 :W43CA :☆☆☆
#626 [林奈]
「アキヤ!」
「ごめん突然。話できないかな?」
「アメリカに行ったんじゃないの?」
「準備もあったから、明日行く」
私とアキヤは近くを歩いた。
:07/06/12 09:44 :W43CA :☆☆☆
#627 [林奈]
「待っててくれないかな?」
「は?」
「落ち着いてから迎えに来る。だからそれまで待っててほしい」
意味が分からなかった。
「どういう事?」
「俺めちゃくちゃ後悔してた。林奈を傷付けてまで、俺は何してんだろって。佐々木さんから電話あったんだ。お前が無理してるって聞いて、俺もう一回やり直したいって思った。勝手な事だとは思う。けど必ず迎えにくるから」
:07/06/12 09:48 :W43CA :☆☆☆
#628 [林奈]
“せっかく吹っ切れたのに”
そう思いながらした返事は、「うん」だった・・・。
やっぱりアキヤが大好きで、この人以外をもう愛したいとは思えなくて・・・。
私とアキヤはもう一度やり直すと決めたんだ。
アメリカと日本。
ありえない距離。
でも、迎えに来てくれると信じた。
信じたのに・・・。
:07/06/12 09:53 :W43CA :☆☆☆
#629 [林奈]
次の日、アキヤは日本を発った。
私は朝から仕事で、見送りには行けなかった。
きっと仕事じゃなくても行かなかったと思う。
空港なんかで泣けないから。
:07/06/12 10:11 :W43CA :☆☆☆
#630 [林奈]
仕事が終わってから、休みだった佐々木さんに電話した。
アキヤとの事を報告して、アキヤに電話してくれた事にお礼を言った。
電話の向こうで、よかったって優しく言ってくれる佐々木さん。
この時の、私も佐々木さんも、この先の悲劇なんて想像もつかなかったんだ。
:07/06/12 10:14 :W43CA :☆☆☆
#631 [林奈]
アキヤが発った一週間後、私はようやく父に話すことにしたんだ。
怒るかもしれない。そう思いながら私は父に話した。
父は話を聞いても顔ひとつ変えず、ただうなずくだけだった。
「お前達で決めたことに反対はもうできないだろ」
そう言いながら席を立った。
:07/06/13 10:27 :W43CA :☆☆☆
#632 [林奈]
「怒らないの?」
「反対しても言う事聞かないだろ?ちょっと結婚が遅くなっただけだからな」
笑顔で答えてくれたんだ。
「お母さんにもちゃんと話せよ?」
:07/06/13 17:45 :W43CA :☆☆☆
#633 [林奈]
「お母さんに?」
「心配してたぞ。お前と食事に行った時、何か暗かったって言ってたからな」
「分かった」
改めて思った。
こんな両親の元で育ったせいでって思ってたけど、こんな風に感謝できる日が来たことに、私は素直に思ったんだ。
:07/06/13 17:49 :W43CA :☆☆☆
#634 [キャンディ]
:07/06/14 19:09 :SH903i :☆☆☆
#635 [優ちァ]
:07/06/15 23:36 :SH902iS :☆☆☆
#636 [林奈]
遅くなりました。
今から少し更新します。
続き↓↓
私は次の日、母に電話を入れた。
全ての事情を話した時、母は何度も聞いてきた。
「あんたはほんとにそれで大丈夫なの?辛くないの?」
って・・・。
けど私は信じてたから。
いつかアキヤと結ばれるって・・・。
:07/06/16 20:41 :W43CA :☆☆☆
#637 [林奈]
そんな私に母もそれ以上何も言わなかった。
そしてアキヤと私の文通が始まった。
月に一枚か二枚しか出せれないけど、私はそれが幸せだったんだ。
「いつか必ず迎えに行くから」
最後の文に必ずある言葉。
ほんとにほんとに信じてた・・・。
:07/06/16 20:45 :W43CA :☆☆☆
#638 [林奈]
そんな生活の中、母と一緒にタツヒコさんとも会うようにもなった。
父に対する少し複雑な気持ちを抱きながらも、私はそれでも毎日を必死に過ごしてたんだ。
そんな中の悪夢。
もう二度と、大切な人を失いたくないと思ったのにね。
あの時、神様なんていないって思った。
:07/06/16 20:48 :W43CA :☆☆☆
#639 [林奈]
アキヤと最後に会ってから、ちょうど半年だった。
私宛てにエアーメール。
―差出人―
“水丘 仁美”
名前を見た瞬間に分かった。
アキヤのお母さん。
:07/06/16 21:07 :W43CA :☆☆☆
#640 [林奈]
恐る恐る開く。
『初めまして。アキヤの母です。あなたとの事はアキヤから聞いていました。突然で驚くと思います。おとつい、アキヤはバス事故の犠牲で亡くなりました。
その事だけ報告します』
“は?”
私の最初の言葉。
意味が分からなかった。
:07/06/17 13:32 :W43CA :☆☆☆
#641 [ビームサベール]
林奈さんマイペースでいいので頑張って下さい(^O^)
更新待ってます(^∀^)>
応援してますよ(。・_・。)ノ☆
:07/06/18 17:44 :SH903i :☆☆☆
#642 [あやめ]
また02登場
つらいと思うけどがんばってね(>_<)
:07/06/18 19:23 :SH702iS :☆☆☆
#643 [林奈]
ビームサーベルさん、あやめさん、いつもありがとうI
:07/06/19 01:30 :W43CA :☆☆☆
#644 [林奈]
何度も何度も読み直した。
でもやっぱり出てくる言葉は・・・。
「意味が分からん」
私はすぐに佐々木さんに電話したんだ。
:07/06/19 01:32 :W43CA :☆☆☆
#645 [林奈]
「佐々木さん、アキヤが亡くなった」
「は?なにそれ。何かの冗談?」
「アキヤのお母さんからエアーメールが届いて、バスの事故で亡くなったって書かれてるの」
「イタズラじゃないの?アキヤくんが死ぬわけないよ」
:07/06/19 01:34 :W43CA :☆☆☆
#646 [林奈]
あまりにも素っ気ない言葉達。
私にはその手紙から、真実だと言う事が全く伝わってこなかった。
“アキヤが死ぬわけないよ”
私は言い聞かせた。
そして手紙が届いた次の日、見慣れない番号で、家の電話が鳴った。
:07/06/19 01:37 :W43CA :☆☆☆
#647 [林奈]
「はい」
「林奈さんはいらっしゃいますか?」
「私ですけど」
女の声。
「あなたは?」
「アキヤの母です」
:07/06/19 01:39 :W43CA :☆☆☆
#648 [林奈]
私はあまりにもの驚きで、すぐ言葉が出て来なかった。
「初めまして。手紙読んだかな?」
「は、初めまして。読みました。でも私は信じていません」
「信じれないのは私も一緒だよ。けど事実なの。あなた、アメリカに来れないかしら?」
「え?」
「自分の目で確かめたいでしょ?」
:07/06/19 01:54 :W43CA :☆☆☆
#649 [林奈]
アキヤの母と名乗る人は、私をアメリカへと誘ってきた。
「お金もないし、休みも取れません」
「ならチケット送るから。来なさい。あなたにきちんと受け止めてほしいの」
電話の向こうで泣いてるのが分かった。
私はそのあと返事をしないまま電話を切った。
:07/06/19 01:57 :W43CA :☆☆☆
#650 [林奈]
何が何だか分からす、何分か電話機の前に突っ立ってた。
するとそんな私に気付いた父が声をかけてきたんだ。
「オイ、林奈。どうしたんだ?」
「アキヤが死んだんだって」
「は?お前何言ってるか分かってんのかよ?」
「分かってるよ!信じたくないけど」
父の顔が曇った。
:07/06/19 04:34 :W43CA :☆☆☆
#651 [キャンディ]
すごくツライですね…
"もぅ二度と"の意味が
理解できてきました。
なんとも言えナィけど
最後マデ読まして
下さい!!
更新待ってます
:07/06/20 02:03 :SH903i :☆☆☆
#652 [林奈]
キャンディさん、いつもありがとうI
また更新します。
:07/06/20 08:34 :W43CA :☆☆☆
#653 [林奈]
「詳しく話聞かせてくれ」
父が怒り気味で言ってきた。
私はお母さんと名乗る人からのエアーメール、電話の話をした。
「ウソだろ?」
父はそれしか言わない。
:07/06/20 08:39 :W43CA :☆☆☆
#654 [林奈]
「私だってウソだって思うよ。けど、何をどう分かればいいか分からない」
「アメリカ行くか?俺も行く。行って確かめて来るぞ」
父の目も真剣だったんだ。
“ウソに決まってるよ”
そう思うのに、思い出すのはノブヒロが亡くなった日。
あの時と一緒の感覚だった・・・。
:07/06/20 08:42 :W43CA :☆☆☆
#655 [林奈]
私は抜け殻状態だった。
仕事をしてても何をしてても感覚がなくて、ただ時間を過ごしてるだけ・・・。
そして数日後、チケット二枚が送られてきた。
『一人では私も心配なので、お父様といらしてください』
素っ気ない言葉。
:07/06/20 08:54 :W43CA :☆☆☆
#656 [林奈]
“ほんとなの?アキヤが死ぬわけない”
あの時、まだ私は信じることなんて頭になかった・・・。
ねぇアキヤ?聞こえてますか?
あの時ね、あんな紙きれを見ても、何とも思わなかったんだよ?
あなたのお母さんを何度も疑ってしまったんだよ?
聞こえてますか?
:07/06/20 17:24 :W43CA :☆☆☆
#657 [林奈]
私はすぐに準備をした。
職場に事情を話し、渋々許してもらえ、私と父はアメリカへと向かった。
何十時間も飛行機に揺られ、空港で待ってた人。アキヤのお母さん。
「初めまして」
きちんと挨拶ができない。アキヤのお母さんは、とてもキレイな人だった。お母さんの運転で、アキヤが住む州に向かった。
田舎街。
周りは草原で、あまりにもキレイな光景で、残酷だった。
:07/06/20 17:36 :W43CA :☆☆☆
#658 [林奈]
連れられて行ったのはアキヤが住んでた家。
洋風な白い家で、部屋に入り、飾ってあるアキヤの写真。
アキヤのお母さんは事故の全てを話してくれた。
淡々と話す姿はまるで、自分の息子の事ではないような感じだった。
:07/06/20 18:04 :W43CA :☆☆☆
#659 [林奈]
仕事で取引先に向かう途中、バス事故に巻き込まれた。原因は運転手の居眠り。
乗員乗客全員死亡。
悲惨な光景だったと言ってた。
アキヤのお母さんは目にいっぱいの涙で、今にも泣き出しそうな状態だった。
:07/06/21 20:24 :W43CA :☆☆☆
#660 [林奈]
私も父も言葉が出なかった。
そんなリアルな事を聞いても、私は信じることなんてできなかったんだ。
アキヤの遺体は日本に向かい、日本で葬儀を行うと言うお母さん。
倒れたアキヤのお父さんも私がアメリカに着いた、次の日に日本に帰ると言ってた。
:07/06/21 20:28 :W43CA :☆☆☆
#661 [林奈]
何もかもが信じられなくて、全部が意味が分からなかった。
私と父はアメリカに何をしにいったのかも分からないくらい、短い時間で日本に帰った。
父は飛行機の中、つぶやいた。
「ウソだよな?」
自分に言い聞かせているようだった。
:07/06/21 20:34 :W43CA :☆☆☆
#662 [林奈]
涙なんてでない。
だってそうでしょ?アキヤがいないだなんて信じられないんだもん・・・。
日本に帰り、家に着いた時、母が出迎えてくれた。
「どうだったの?」
「バス事故の被害に遭ったって」
:07/06/21 20:39 :W43CA :☆☆☆
#663 [林奈]
言葉を返してこない母。
私達家族は、ただただ祈ったんだ。
“ウソであってほしい”
って・・・。
:07/06/21 20:41 :W43CA :☆☆☆
#664 [林奈]
でも残酷にも、葬儀は行われた。
棺桶の中のアキヤ。
私は初めて涙が溢れ出した・・・。
手を握りしめても冷たくて、左手にある指輪だけが輝いてた・・・。
:07/06/21 20:57 :W43CA :☆☆☆
#665 [林奈]
「なんでこんなに冷たいの?なんで息してないの?」
私はパニックになってた。
こんなにもこんなにも愛してる人が、突然いなくなるなんて・・・。
受け止める事が怖くて怖くて、私は泣き崩れて、最後を見送ってあげられなかった。
:07/06/21 21:01 :W43CA :☆☆☆
#666 [林奈]
私の左手にある指輪だけが、アキヤとの“永遠”を感じさせてくれたのに・・。
なんで?なんでなんだろう?
永遠なんて、やっぱりないのかな?
私はずっと思ってたんだ。
:07/06/21 21:07 :W43CA :☆☆☆
#667 [林奈]
仕事にも行けない。
私はどんだけ弱いんだろう?
自分にムチを打つように私は父達の前で笑った。
笑えば笑う程、頭に浮かぶアキヤの笑顔と最後の姿・・。
苦しかった。
:07/06/21 21:13 :W43CA :☆☆☆
#668 [我輩は匿名である]
:07/06/21 23:06 :P902iS :☆☆☆
#669 [林奈]
誰も私に聞こうとはしない。
そして私は長い間有休を使っていた分、仕事に打ち込んだ。
忘れるように忘れるようにと、仕事に打ち込んだ。
:07/06/22 08:31 :W43CA :☆☆☆
#670 [林奈]
佐々木さんもいつもと変わらない。
このままなら、アキヤを忘れられるんだって思ってた。
そしてアキヤのお母さんが、家を訪ねてきたんだ。
:07/06/22 08:38 :W43CA :☆☆☆
#671 [林奈]
「あの子の物を、林奈さんに少しもらってほしいの」
差し出されたのは、写真と婚姻届。
私は絶句した。
「アキヤね、いつか絶対林奈ちゃんと結婚するんだって、日本から持って行った婚姻届を、お守りにしてたんだよ」
胸が締め付けられた。
:07/06/22 08:59 :W43CA :☆☆☆
#672 [林奈]
半分書いてある婚姻届を、直視できず、私は洗面所に逃げてしまった。
“こんなにも愛してくれてたんだね”
泣き崩れる私の背中を、父が抱き締めてきた。
「もういいよ」
父も泣いてた。
:07/06/22 09:05 :W43CA :☆☆☆
#673 [林奈]
「林奈。我慢しなくていい。辛い時は泣いていいんだよ」
父の暖かい言葉。
苦しい。
その優しさが逆に苦しかった。
:07/06/22 09:07 :W43CA :☆☆☆
#674 [林奈]
私はアキヤの残した物を受け取った。
部屋に帰り、写真の中のアキヤをずっと見てた。
すごく優しい顔。
手が届く距離にいるのにいない。
写真を抱きしめたまま寝ていた。
:07/06/22 10:24 :W43CA :☆☆☆
#675 [我輩は匿名である]
つまんねー
:07/06/22 12:00 :SH903i :☆☆☆
#676 [林奈]
夜中に目が覚めて思った。
“もしも私が死んだら、アキヤに会えるかな?”
天井を眺めて、ただひたすらに思ってた
けど思い出すのは、父や母、タツヒコさん、家族だった。
:07/06/22 16:38 :W43CA :☆☆☆
#677 [キャンディ]
文章だけでこんなに自然に涙がでてくる
私も愛する人と結ばれたくても結ばれなかった…
ダカラ胸が苦しくなり
照らし合わしたりして
毎回読んでます
続き待ってます
:07/06/22 18:00 :SH903i :☆☆☆
#678 [林奈]
キャンディさんもなんだね
最後まで頑張るから
:07/06/22 23:18 :W43CA :☆☆☆
#679 [林奈]
なんでこんなに苦しいのかな?
愛さなければよかったのかな?
色んなことを考えてしまってた・・・。
夜中の1時。
佐々木さんから珍しく電話がきた。
:07/06/22 23:20 :W43CA :☆☆☆
#680 [林奈]
「夜中にごめんね」
「大丈夫です」
「ねぇ林奈?死にたいとか思ってないよね?」
「なんで?」
「夢見たんだ」
:07/06/22 23:22 :W43CA :☆☆☆
#681 [林奈]
目が覚めた時、佐々木さんは泣いていたと言う。
普段めったに夢を見ないのに、私が、笑顔で去っていく夢を見たと言った。
いてもたってもいられず、私に電話してしまったらしい。
:07/06/22 23:25 :W43CA :☆☆☆
#682 [林奈]
「大丈夫だよね?」
佐々木さんの声が震えてた。
「大丈夫。私は大丈夫だから」
そんな声で聞かれたら、嘘でも“大丈夫”って言わなきゃ。
本当はもうボロボロだった・・
:07/06/23 11:14 :W43CA :☆☆☆
#683 [林奈]
朝になり、休みだった私は久しぶりにトモミに電話した。
アキヤとの事は知らない。
ただくだらない話でもいいから笑いたかったんだ・・・。
「トモミ元気?」
「林奈!超元気だよっ!久しぶり」
いつもと変わらない声・・・。
:07/06/23 11:18 :W43CA :☆☆☆
#684 [林奈]
トモミも休みだからと、私の家に来たいと言った。
私は少しでも誰かといたくてトモミを家に呼んだ。
会うなりトモミは、「あんた、死神みたいな顔してる」
って・・。
「そう?」
笑って答えた私に、トモミは無表情で聞いてくる。
「何かあったでしょ?」
:07/06/23 11:23 :W43CA :☆☆☆
#685 [キャンディ]
最後マデみさして
もらいます
応援してるんで
ゆっくり更新
してくださぃね
いつも返事ありがとぅ
ございます
:07/06/23 12:19 :SH903i :☆☆☆
#686 [林奈]
まっすぐなトモミの目・・・。
「何もないよ」
なんて言えない。
「彼氏が死んだ」
驚かなかった。
:07/06/24 02:37 :W43CA :☆☆☆
#687 [林奈]
「実はさ、おじさんから電話あったんだよ」
「なんで?」
「彼氏が事故で亡くなって、林奈が壊れていきそうだって。話を聞いてあげてほしいって」
「何度も電話しようと思った。でも林奈はきっと嫌がるから、林奈からの電話待ってたんだよ?」
知らなかった・・。
:07/06/24 02:40 :W43CA :☆☆☆
#688 [さき]
密かに読んでます。
最後まで頑張ってください。
:07/06/24 02:45 :P701iD :☆☆☆
#689 [林奈]
さきさん、ありがとう!これからも読んで下さい。
:07/06/24 03:31 :W43CA :☆☆☆
#690 [林奈]
「何にも知らなかった」
「当たり前だよ。ねぇ林奈?今どんな気持ち?」
“この人は何を聞いてくるの?”
ふと思った。
:07/06/24 03:32 :W43CA :☆☆☆
#691 [林奈]
「もう辛いとか通り越したよ」
「そうだよね」
「うん」
「今死のうなんて思ってないよね?」
驚いた。
佐々木さんと同じこと聞いてきたから。
:07/06/24 03:37 :W43CA :☆☆☆
#692 [林奈]
「なんでそんなこと聞くの?」
「あんたならそう思うんじゃないかと思って」
「思ってたらいけない?アキヤがいないのに生きてるなんて私にはできない」
「は?あんたバカじゃないの?」
「バカ?トモミには分からないよ」
:07/06/24 16:38 :W43CA :☆☆☆
#693 [林奈]
その瞬間、トモミに頬をたたかれた。
「あんたが死んだら、誰がアキヤくんの話を親にしてあげるの?結婚まで考えたくらい愛し合った人から、自分の息子の知らない部分をいつか聞きたいって思うよ!それにあんた一人のアキヤくんじゃない!あんただけが辛いわけじゃないでしょ」
トモミが泣いてた。
:07/06/24 16:42 :W43CA :☆☆☆
#694 [林奈]
「ノブさんも、あんたが死んだら怒るよ?幸せになってほしいって思ってるよ」
泣きながら抱きしめてくれたトモミの優しさ。
私も涙が止まらなかった・・・。
:07/06/24 17:13 :W43CA :☆☆☆
#695 [林奈]
トモミは夕方帰り、父が帰ってきた。
「お父さん、ありがとう」
「え?」
「トモミから聞いたよ。私のためにトモミに電話してくれたんだね」
「うん」
私は改めて感じた。こんな私でも、真剣に受け止めてくれる人がいる。
私はその分を生きなきゃいけない。
:07/06/24 17:17 :W43CA :☆☆☆
#696 [林奈]
そして父からトモミの事を聞いた。
父が電話して、今の私の事を話すと、ひたすら泣いてたそうだ。
「なぁ林奈、お前にはあんなに泣いてくれる友達がいるんだぞ。大事にしろ」
“ありがとう”
心の中で何度思っただろう・・・。
:07/06/24 17:20 :W43CA :☆☆☆
#697 [林奈]
そして私に新たな出会いがあった。
アキヤの死から1ヶ月過ぎた時、家に電話が鳴った。
アキヤのお母さんからだった。
「ごめんね。あなたに会いたいって言う人がいるの」
「誰ですか?」
「アキヤのいとこ」
:07/06/24 17:23 :W43CA :☆☆☆
#698 [林奈]
「アキヤのいとこがなんで私に?」
「それは本人から聞いて。今日、家に行ってもいい?」
「はい」
:07/06/24 17:24 :W43CA :☆☆☆
#699 [林奈]
二人が来るまで、ソワソワしてた。
“何の用事?”
見当がつかなかったんだ。
玄関のチャイムが鳴り、アキヤのお母さんといとこがいる。家に上がってもらった。
:07/06/24 17:27 :W43CA :☆☆☆
#700 [林奈]
「この子、アキヤのいとこの、“ヨウヘイ”」
「初めまして」
これがヨウヘイとの“出会い”だった。
出会いと言うより、“再会”・・・。
私は何で会いたいのか聞いた。
:07/06/24 18:33 :W43CA :☆☆☆
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