もう二度と・・・
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#631 [林奈]
アキヤが発った一週間後、私はようやく父に話すことにしたんだ。
怒るかもしれない。そう思いながら私は父に話した。
父は話を聞いても顔ひとつ変えず、ただうなずくだけだった。
「お前達で決めたことに反対はもうできないだろ」
そう言いながら席を立った。
:07/06/13 10:27 :W43CA :☆☆☆
#632 [林奈]
「怒らないの?」
「反対しても言う事聞かないだろ?ちょっと結婚が遅くなっただけだからな」
笑顔で答えてくれたんだ。
「お母さんにもちゃんと話せよ?」
:07/06/13 17:45 :W43CA :☆☆☆
#633 [林奈]
「お母さんに?」
「心配してたぞ。お前と食事に行った時、何か暗かったって言ってたからな」
「分かった」
改めて思った。
こんな両親の元で育ったせいでって思ってたけど、こんな風に感謝できる日が来たことに、私は素直に思ったんだ。
:07/06/13 17:49 :W43CA :☆☆☆
#634 [キャンディ]
:07/06/14 19:09 :SH903i :☆☆☆
#635 [優ちァ]
:07/06/15 23:36 :SH902iS :☆☆☆
#636 [林奈]
遅くなりました。
今から少し更新します。
続き↓↓
私は次の日、母に電話を入れた。
全ての事情を話した時、母は何度も聞いてきた。
「あんたはほんとにそれで大丈夫なの?辛くないの?」
って・・・。
けど私は信じてたから。
いつかアキヤと結ばれるって・・・。
:07/06/16 20:41 :W43CA :☆☆☆
#637 [林奈]
そんな私に母もそれ以上何も言わなかった。
そしてアキヤと私の文通が始まった。
月に一枚か二枚しか出せれないけど、私はそれが幸せだったんだ。
「いつか必ず迎えに行くから」
最後の文に必ずある言葉。
ほんとにほんとに信じてた・・・。
:07/06/16 20:45 :W43CA :☆☆☆
#638 [林奈]
そんな生活の中、母と一緒にタツヒコさんとも会うようにもなった。
父に対する少し複雑な気持ちを抱きながらも、私はそれでも毎日を必死に過ごしてたんだ。
そんな中の悪夢。
もう二度と、大切な人を失いたくないと思ったのにね。
あの時、神様なんていないって思った。
:07/06/16 20:48 :W43CA :☆☆☆
#639 [林奈]
アキヤと最後に会ってから、ちょうど半年だった。
私宛てにエアーメール。
―差出人―
“水丘 仁美”
名前を見た瞬間に分かった。
アキヤのお母さん。
:07/06/16 21:07 :W43CA :☆☆☆
#640 [林奈]
恐る恐る開く。
『初めまして。アキヤの母です。あなたとの事はアキヤから聞いていました。突然で驚くと思います。おとつい、アキヤはバス事故の犠牲で亡くなりました。
その事だけ報告します』
“は?”
私の最初の言葉。
意味が分からなかった。
:07/06/17 13:32 :W43CA :☆☆☆
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