〇ニ番目の四季〇
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#470 [ゆり]
ブーブー…
あたしは助かった!と思った。
「ちょ…携帯鳴っとる。出なきゃ…」
顔を背けた。
「だーめ」
慶太は静かにそう言って
あたしの首筋にキスをした。
嫌でも体が反応する。
足をバタバタさせても
慶太はやめない。
:06/06/12 22:23 :V703SH :enZ4xznQ
#471 [ゆり]
いつの間にか携帯も鳴り止んでた。
隼人だったと思うと
なんとも言えない気持ちになった。
「先輩…もう俺にしときなよ」
手が胸に触れた。
弱い首筋を舐められて
胸も触られて
感じない訳なかった。
隼人が他の女といた光景が頭をよぎると
やけになろうとする自分もいた。
:06/06/12 22:27 :V703SH :enZ4xznQ
#472 [ゆり]
部屋に上がったんだから
何かある事くらい
予想してたじゃん。
顔もいいし一回くらい
いいじゃん。
隼人だってやってるんでしょ?
でも嫌だ。
彼氏に浮気されて
他の男に付け込まれて
当て付けみたいにヤルなんて
あたしそこまで弱くないはず。
:06/06/12 22:30 :V703SH :enZ4xznQ
#473 [ゆり]
今なら戻せるものも
きっと戻せなくなる。
それくらい好い加減
身に染みて分かってるから。
:06/06/12 22:33 :V703SH :enZ4xznQ
#474 [ゆり]
「ねぇほんとにやめて」
あたしの真剣な声に
慶太が顔を上げた。
「離して」
その言葉で
強めていた手を緩め
あたしから体を離した。
あたしも体を起こした。
慶太は下を向いたまま
何もしゃべらない。
あたしも言葉が見つからなかった。
:06/06/12 22:34 :V703SH :enZ4xznQ
#475 [ゆり]
雨音だけが部屋に響いて聞こえた。
隼人と付き合った日も
隼人をもう一度信じようと決めた日も
こんな雨の日だった。
:06/06/12 22:36 :V703SH :enZ4xznQ
#476 [ゆり]
ねぇ隼人
今どこで誰といるか知らないけど
証は外してない?
あたしの指には
ちゃんと光ってるよ。
:06/06/12 22:39 :V703SH :enZ4xznQ
#477 [ゆり]
「なんで…?」
「え?」
慶太の声でハッとした。
「なんであの人なんですか?
…浮気してんのに」
「…」
隼人が誰とヤッたとか
それが嘘とか本当とか
実際もうどーでもいい。
:06/06/12 22:40 :V703SH :enZ4xznQ
#478 [ゆり]
頭では分かってるよ。
そんな男ほんとは捨てたい。
でもどうしようもない。
こんなに誰かを失いたくないなんて
初めて思ったから。
:06/06/12 22:41 :V703SH :enZ4xznQ
#479 [ゆり]
「なんでだろ…
あたしもわからん。
だから困ってる」
「困ってるんだ(笑」
慶太が優しく笑った。
「本当になんであいつなんだろうね」
溜め息混じりに言うと
「俺なら幸せにしてあげるのに」
慶太はそう呟いた。
:06/06/13 07:19 :V703SH :LVTpf/zg
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