〇ニ番目の四季〇
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#1 [ゆり]
2番目でも良かった
幸せだった

あなたと過ごした四季は

まだ忘れてないよ     

⏰:06/05/28 10:13 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#2 [ゆり]
高校2年の夏−

貴方と出会った。


「おはようございまーす!!」

「あ、ゆりちゃんおはよ〜」

あたしは仕事量と給料が釣り合わないファミレスのバイトをやめ、
時給のいい焼肉屋で働く事にした。
   

⏰:06/05/28 10:15 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#3 [ゆり]
そこで出会ったのが高橋さん(22)。

身長が高くて
少しパーマ掛かった長めの茶色の髪

とにかく第一印象は
「かっこいい」
の一言だった。
    

⏰:06/05/28 10:16 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#4 [ゆり]
当時のあたしは
頭が堅いんだろうけど、

「好きじゃないケドまぁとりあえず付き合ってみるか(●-∀-●)」
的な考えが出来ない女だった。

だから恋愛経験は少なかった。
ましてや年上なんてありえなかった。
  

⏰:06/05/28 10:18 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#5 [ゆり]
「ゆりちゃん仕事慣れた?」

(あ〜今日も爽やかな高橋さん♪)

「ん〜まだわかんない事ばっかりです(笑)」

「そかぁ〜困ったらなんでも聞いてな」

「ありがとうございますッ☆」

いつも些細な事しか話せなかったけど、それでも嬉しかった。
  

⏰:06/05/28 10:20 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#6 [ゆり]
でもやっぱりかっこいい人ってのは

彼女がいる。
これが現実。


高橋さんにも2年付き合ってる彼女がいた。   

⏰:06/05/28 10:22 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#7 [ゆり]
一回二人でお店に食べに来た。

高橋さんと同じ22歳らしくて、
背が高くてすごく大人っぽかった。


(お似合いだなァ…)


あたしは
(絶対惚れちゃダメ、ただのファンでいようッ)
と心に決めた。
  

⏰:06/05/28 10:24 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#8 [ゆり]
バイトを始めて約1ヵ月−

急に店を閉める事になった、と店長に聞かされた。

個人店だから経営が苦しくなったんだって。


(もー高橋さんに会えないのかぁ)
って、
寂しくなった。
   

⏰:06/05/28 10:26 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#9 [ゆり]
最後の日−

店を閉めてから残ったお肉やデザートを
店内に並べて皆でお別れ会をする事になった。

店長に花束を渡して、
店長の挨拶。

涙腺が緩いあたしは一人で泣いて皆に笑われた。
    

⏰:06/05/28 10:27 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#10 [ゆり]
「ゆりちゃん1番新人なのになぁ〜(笑)」

と高橋さんが言った。


(この声ももう聞けなくなるんだ…)

しょんぼりしながら席に付いて、
バイトの先輩達と思い出話しで盛り上がっていた。
  

⏰:06/05/28 10:28 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#11 [ゆり]
だんだんイビキかいて寝出しちゃう人や、

外で「焼肉ありがとうー!!」って叫び出す人も出てきて

ごちゃごちゃ。


ふと後ろに気配を感じ
振り返ったら

(高橋さんだッ)
  

⏰:06/05/28 10:30 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#12 [ゆり]
「ゆりちゃんケー番教えて〜」


「…えっ!あっハイ!!」


あたしは焦ってカバンから携帯を取り出した。

「すげーキラキラ(笑)」

ラインストーンを貼りまくった携帯を見て言った。

「可愛いでしょ〜!!キラキラ大好きなんです♪」

精一杯の平常心で携帯を開いて渡した。
  

⏰:06/05/28 10:33 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#13 [ゆり]
「番号これですッ」


「あ、ありがと〜」


笑いながら高橋さんはあたしの携帯を手に取った。



きっとこの時から
あたしの運命は変わったんだ。
  

⏰:06/05/28 10:34 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#14 []
ゆりサンって隼人サンの彼女サンですよネ?
隼人サンの小説よかったですよ
ゆりサン頑張って書き上げてくださいネ

⏰:06/05/28 13:12 📱:P701iD 🆔:3HWqs7hk


#15 [ゆり]
きャーッ知っててくれてるんですか(*≧m≦*) 隼人の小説わ見るなーッて言われてるから見てなぃですが(*´`*)
頑張りますッありがとうデス☆

⏰:06/05/28 13:27 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#16 [ゆり]
それから夜中の1時を回ったのでそろそろ帰る事にした。

店長や先輩達(まぁほとんど酔っ払いだけど)に挨拶をして店を出ようとした。


「一人じゃ危ないよ、送ってこうか?」


車のキーを出してそう言ってくれたのは高橋さん。

⏰:06/05/28 13:28 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#17 [ゆり]
「あたし自転車で来てるんで大丈夫です☆」


優しさに甘えたら
完全に好きになっちゃいそうだった。

叶わない恋はしない主義。


お礼を言って店を出た。

⏰:06/05/28 13:30 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#18 [ゆり]
帰り道、友達のマイに電話をした。


マイは高校は違うけど
小、中一緒で1番仲が良い子。


高橋さんの事も相談していた。
   

⏰:06/05/28 13:33 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#19 [ゆり]
「もしもーし☆」

「あ、マイ?起きてた?」

「起きてるよ〜夏休みだもん☆ゆりゎ飲み会どーだった?」

「んー楽しかったけど…高橋さんにもう会えないよ〜…」

「あ〜…携帯は?」

「教えたよ、でも実際連絡こないっしょ〜 あーあ…」

「大丈夫だって!連絡手段はあるんだからさッ」
  

⏰:06/05/28 13:34 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#20 [ゆり]
励ましてくれるマイに感謝しながら電話を切った。


部屋に入りドアを閉めた瞬間、携帯が鳴った。

ピリリリ〜♪

(マイかな?)


携帯を開くと知らない番号。

知らない番号には出ないのが頭の堅いあたしのルール。
  

⏰:06/05/28 13:36 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#21 [ゆり]
電話が切れるとまたすぐに鳴った。

ピリリ〜♪

今度はメールだ。

怪しくないかは件名で判断するのが頭の堅いあたしのルール。


すると件名には
「高橋です」の文字。

すごい勢いで目が開いた。
  

⏰:06/05/28 13:38 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#22 [ゆり]
ドキドキしながら親指に力を入れる。

ピッ

「高橋です:無事に家ついた〜?」

(心配してくれてたんだぁ…優しぃ。)

感激しながら返信。

「今着きましたァ☆高橋さんも気をつけて帰ってねo(*^∀^*)o」
 

⏰:06/05/28 13:40 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#23 [ゆり]
メールを待つ時間、なんとも言えないドキドキ感。

変な事書いてなかったよね、
と何度も自分が送ったメールを読んでみる。


するとメールが届いた。

⏰:06/05/28 13:41 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#24 [ゆり]
(高橋さんだ!)

ピッ

「もう寝ちゃう?」


この一言で期待した。

(まだメール出来るのかなッ♪)

「まだ寝ないですよ(´∀`*)なんか目が覚めちゃって…」
  

⏰:06/05/28 13:43 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#25 [ゆり]
すぐに返事が来た。

ありえない内容だった。


「じゃあ今から行くね、着いたらワン切るから☆」



(………ん?んんん??)
   

⏰:06/05/28 13:44 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#26 []
ァタシも隼人サンの小説読みました
ゅりサンすごい愛されてて羨ましかったです
ゅりサンも頑張って書いてくださいね
 

⏰:06/05/28 13:44 📱:P901i 🆔:KSlQnq2Y


#27 [ゆり]
ほんとですか!?(*≧□≦*)
読んじゃいたぃけどちょっと怖いんですよね〜×
これわ隼人と出会う前の話ですが読んで頂けたら嬉しいデス☆

⏰:06/05/28 13:46 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#28 [ゆり]
混乱しながらも軽くメイクを直し部屋をウロウロする自分。


ピリリリッ♪

さっきの知らない番号…
高橋さんだったんだ!

あたしは家族が寝静まった廊下を静かに歩き、
家を出た。
  

⏰:06/05/28 13:48 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#29 [ゆり]
マンションの前に車が一台。


(まぢ!!??)


とりあえず近付き
中を覗くと高橋さんが乗ってる。

(なにこれ。現実??)

あたしは助手席のドアをコンコンッとノックしてドアを開けた。
  

⏰:06/05/28 13:49 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#30 []
ハィ
読みますよ
ゅりサン大好きなんで応援してます
 

⏰:06/05/28 13:52 📱:P901i 🆔:KSlQnq2Y


#31 [ゆり]
「お、来たな☆」

(…笑顔が眩しいっす。)

「お邪魔しまーす…」

遠慮気味に乗り込む。

「ごめんね夜中に〜」

「あ、いえ眠くないし大丈夫ですッ」

高橋さんがにこっと笑ったと思ったら急に出発。

あたしは慌ててシートベルトを締めながら聞いた。

「どこ行くんですか??」

⏰:06/05/28 13:53 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#32 [ゆり]
車内には高橋さんが好きな歌。


今もあの歌を聴くと鮮明に思い出すよ。


この夜からだよね、
何かが壊れて
何かが始まったのは。
  

⏰:06/05/28 13:54 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#33 [ゆり]
車はだんだん山道を登ってゆく。

「うわ〜暗ッ大丈夫なの?」

不安そうなあたしに
「怖い?」
と高橋さんは楽しそうに聞く。


だいたい友達の前では姐御キャラなあたしだけど、
高橋さんの前では子供キャラ。

それがとても新鮮で、
とても嬉しかったんだ。
  

⏰:06/05/28 14:03 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#34 [ゆり]
「楽しんでるでしょ!!」

「あはは怒ってる(笑)
はい、到着〜♪」


ジャリの駐車場に車を停めて
高橋さんはさっさと外に出てしまった。

あたしはここがどこなのか車内でキョロキョロ。
  

⏰:06/05/28 14:05 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#35 [ゆり]
ガチャッ

助手席のドアが開いた。

「ほら、着きましたよお姫様」

笑いながら高橋さんが手を差し出す。

あたしは内心ドキドキだったけど、
悟られるのがなんか悔しくて平然と手を重ねた。
  

⏰:06/05/28 14:12 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#36 [ゆり]
「ありがと、じいや♪」

「えっ王子様じゃないの?笑」


車を降りるとヒールが砂利に埋もれる。

自然に手を繋いでいた。


少し先を歩く高橋さんの
背中と足元だけ見て必死に着いていった。
  

⏰:06/05/28 14:13 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#37 [ゆり]
しばらく歩くと高橋さんの足が止まった。


「ゆりちゃん見てみ」


その声で顔を上げると
めちゃくちゃ綺麗な夜景!

あんなの見たの初めてだった。

「うわーッッッすごいッッ!!!」

あたしは興奮して前に出た。

丘の上から果てしなく続く光りが本当に宝石箱みたいだ。
  

⏰:06/05/28 14:16 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#38 [ゆり]
きゃーきゃー言ってるあたしを見て

「ほんとにキラキラ好きなんだね」
と高橋さんが笑った。

今日携帯を見てキラキラの話しをしたっけ、

覚えててくれたんだ…って妙に恥ずかしくなって
あたしはずっと夜景を見てた。
  

⏰:06/05/28 14:19 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#39 [ゆり]
高橋さんは少し後ろにあるベンチに腰かけて煙草に火を付けた。


煙草の匂いが夏の風に混じって胸が苦しくなった。


(やばいな…本当に好きになっちゃいそう)
   

⏰:06/05/28 14:20 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#40 [ゆり]
まだまだ子供なあたしには、

車を運転する姿も
さりげない気配りも
大きい掌も
煙草の匂いも

全部が大人に感じて
全部に惹かれてしまう。


だけど薬指に光ってる証、
見ないフリは出来ない。

泣きそう。
  

⏰:06/05/28 14:23 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#41 [あやぽん]
あやぽんも隼人サンの【四季】読みましたあー
ゆリサン頑張ってネ
応援してまあーす

⏰:06/05/28 14:53 📱:SH700i 🆔:KS0Rv05U


#42 [ゆり]
あやぽんサンありがとデス(#>∨<#)めちァ嬉しいッ☆頑張ります☆

⏰:06/05/28 15:29 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#43 [ゆり]
「ゆりちゃん?」

ベンチに座ってる高橋さんが声をかける。

笑顔で振り返ったけど
たぶん上手には笑えてなかったと思う。


何となく高橋さんも切ない表情で
「おいで」
と言った。


あたしは大人しく隣に座った。
  

⏰:06/05/28 15:31 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#44 [ゆり]
「寒くない?」

そう言って高橋さんは
あたしの肩に手を回した。

「え?ちょっ…」

いきなりで戸惑った。

いつの間にか煙草も消えていた。
   

⏰:06/05/28 15:32 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#45 [ゆり]
横を向くと指先であごを上げられた。


直感でキスされると思った。

「ちょッとと…ッ」

あたしは両手で拒んで下を向いた。

「彼女さんい」
るのにって言う前に回された手に力が入って
高橋さんに引き寄せられた。
   

⏰:06/05/28 15:34 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#46 [ゆり]
あごを上げられた瞬間唇が触れた。

「ん…ッ」


拒むほど引き寄せる力は強くなる。

舌が入ってきた。

深いキスは慣れてないのに
拒み切れないあたしは
きっともう手遅れで

完全に高橋さんを好きになってたんだ。
  

⏰:06/05/28 15:37 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#47 [ゆり]
唇が離れる。

「激しいね」

軽く笑って高橋さんが言った。


あたしを全部
見透かした様な仕種が
なんか悔しくて
苛立って

今度はあたしからキスをした。

  

⏰:06/05/28 15:39 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#48 [ゆり]
自分が自分じゃないみたい。


だけど指輪が見たくないの。


気持ちは伝えられないから

せめて

今だけ。  
  

⏰:06/05/28 15:40 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#49 [ゆり]
今まで生きてきた中で
1番長いキスをして

どうやって戻ったのかわからないけど、
あたしは助手席に座っていた。


「彼女さんいるのにいけないんだ〜笑」

あたしはわざと茶化す様に言った。


子供だけど本気にしちゃいけない事くらいわかってる
だから大丈夫だよ。
 

⏰:06/05/28 15:43 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#50 [ゆり]
高橋さんはあたしを抱きしめて何も言わなかった。


こんな切なさ

何て言うんだろう。



時計が夜中の3時を回った時、
またいつもみたいに軽く笑って
「そろそろ行こっか」
と高橋さんはあたしを離した。

家の前に着くともう一度キスをしてきた。

「今日はありがとうございました」

笑顔でそう言ってあたしは車を降りた。
  

⏰:06/05/28 15:45 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#51 [ゆり]
車が見えなくなって
溜め息が出た。

「あたし何やってんだ
ろ…」

唇を噛み締めた。


家に帰ってシャワーを浴びた。

高橋さんの香りを
消したくない様な、
早く消したい様な、
複雑な気持ちで。

  

⏰:06/05/28 15:47 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#52 [ゆり]
髪を拭きながら部屋に戻ると
メールが届いていた。

受信:高橋さん
「家着いたよ、また近いうちに会いたいな」


数時間前に家から出た時とは全く違う感情。

あたしは溜め息と一緒に携帯を閉じた。

その日は寝れなかった。
  

⏰:06/05/28 15:49 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#53 [ゆり]
次の日マイとマックで話した。

「どうした?なんかあった?」

席に着くと同時に
マイは心配そうな顔で聞いた。

「うん…」


あたしは昨日の出来事を全部話した。

マイは驚いた後、冷静に言葉をくれた。
  

⏰:06/05/28 15:53 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#54 [ゆり]
「彼女いるのに好きになっちゃったんでしょ?
ゆりは何も悪くないよ」


悪くない訳ない。

彼女がいるってわかってて
夜中に二人で会って、
キスもした。

完全に浮気だ。


「あたし浮気相手かぁ…」

冷たいウーロン茶を喉に通す。
  

⏰:06/05/28 15:55 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#55 [ゆり]
「だからゆりは悪くないって。
好きになった人にたまたま彼女がいただけだし。
うちは好きでいていいと思うよ?」


「…あたし…好きでいていいのかな…」

「うん!!」


マイはあたしが無理矢理否定してた気持ちを
簡単に肯定してくれた。

気持ちが少し軽くなったのを感じた。
  

⏰:06/05/28 15:57 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#56 [ゆり]
「マイ〜ありがと!!」

「ううん☆てか〜食え食え!」

「あーッポテトほとんどないじゃんッ」

「食べ出したら止まらない…マックのポテトって怖いね」

「あんたが怖い…」


夕方家に帰り
部屋で雑誌を読んでるとメールが届いた。 
  

⏰:06/05/28 16:00 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#57 [ゆり]
受信:高橋さん

「明日空いてる?」


あたしは少し迷った。

でも好きな人
会いたい人からの言葉を断れる程
大人にはなれなかった。

もう止められません。

あたし最低女でいい。
  

⏰:06/05/28 16:01 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#58 [ゆり]
送信

「明日は午前中、学校だからお昼からなら空いてますよ☆」

ピリリッ♪

受信

「そっか〜学校まで迎えに行こーか?」

(友達にバレて彼女さんにバレる可能性…ゼロじゃないよね。危ないかも。)

慎重過ぎる自分。
  

⏰:06/05/28 16:04 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#59 [ゆり]
送信

「本当ですか?でも学校の近くのコンビニでいいです☆学校の前、車停めれないかもだから」

受信

「うんわかった、じゃあ終わるくらいに連絡してね」

送信

「はぁい☆」
  

⏰:06/05/28 16:06 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#60 [ゆり]
−次の日

授業を終えて誰よりも早く教室を出て
コンビニまで走った。

(あった!)

高橋さんの車。

自然に笑顔になってしまう。


彼女さんの存在は気になるし消えない

でも会ってる時間を大事にしたい

素直に楽しもうと思ったんだ。

⏰:06/05/28 16:09 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#61 [ゆり]
コンコンッ

あたしはこの前と同じ様に助手席をノックしてドアを開けた。


「高橋さんだ♪」

「おっ女子高生だ!」

「うわ〜おじさん発言(笑)」

「俺おじさんだもん。あ、やっぱおじさまで。」

「何そのこだわり…笑」

笑いながら車は出発した。
 

⏰:06/05/28 16:11 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#62 [ゆり]
「どこ行くの?」

「俺映画見たいー」

「あ、いいね♪」


こうして映画館に向かった。

車から降りるとどちらからともなく、普通に手を繋いで歩いてた。

身長が20センチ違う高橋さんに手を引かれるあたしは
本当に子供みたいだ。

⏰:06/05/28 16:13 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#63 [ゆり]
映画はあたしの好きな恋愛系…
じゃなくてホラーだった。

怖いというより気持ち悪い。

(全然ロマンチックじゃないし〜ッ)

でもずっと手を握っていた。

映画が終わって外に出たらもう夕方。

「なんか食べる?」
と聞かれたけど
正直ドキドキで食べれそうにない。
 

⏰:06/05/28 16:16 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#64 [ゆり]
「ん〜あんまりお腹すいてなぃ」

「そっかぁ〜じゃあどっか行く?」

(まだ一緒にいれるんだッ)

「うんっドライブしたい♪」


はしゃぐあたしの頭をよしよしして
助手席のドアを開けてくれた。

高橋さんは王子様みたいで、
自分がお姫様みたいな気分になっちゃう。

お姫様は他にいるのにね。
  

⏰:06/05/28 16:17 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#65 [ゆり]
車を走らせて海に来た。

近付く秋を知らせる様に
冷たい風が髪を揺らした。


「あ〜ちょっと寒かったか、ごめんね」

「ううんっ綺麗♪見て見て!夕日がすごいよ!」

広がる地平線に夕日が沈む。

あの日の夕日は本当に鮮やかで
本当に綺麗だった。
  

⏰:06/05/28 16:20 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#66 [ゆり]
他愛ない話しをしながら、あたしは波際に近付いた。

「ゆりちゃん靴汚れるよ(笑)」

「大丈夫大丈夫!」


はしゃいでないと苦しい。

やっぱり手放しには楽しめない。

  

⏰:06/05/28 16:22 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#67 [ゆり]
少しずつ想い出が増えて
どんどん好きになって

高橋さんで頭がいっぱいになる。


同時に彼女の存在がよぎる。

(この場所にも二人で来たのかな…)


気を張ってないと涙が溢れそうだった。 
  

⏰:06/05/28 16:24 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#68 [ゆり]
沈みかけてる夕日の映る水面を眺めていた。

「ゆりちゃん!」

ぐいっと後ろに引っ張られた。

「わッ」

足が縺れて高橋さんの胸によろけてしまった。

「危ないな〜思いっきり波来てたよ?濡れてない?」


「大丈夫…」

胸に顔を埋めた。
高橋さんの匂いがした。
高橋さんは何も言わずに抱きしめてくれた。

⏰:06/05/28 16:27 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#69 [ゆり]
胸が苦しくて苦しくて、
だけど涙だけはこらえた。


ピリリリリッ

びっくりして体を離す。

高橋さんの携帯だ。

「…ちょっとごめんね」

少し離れて高橋さんは電話に出た。

彼女さんだろうな、と思った。

話しを聞かない様にわざと波の音に集中した。

辺りはすっかり暗くなっていた。
  

⏰:06/05/28 16:29 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#70 [ゆり]
高橋さんが戻ってきた

「ごめんね、そろそろ行こうか」

「うん!」

あたしは笑顔で答え
手を繋いで車まで戻った。

帰る間、
ずっと窓の外を見てた。
泣きそうだったから。

車の中でキスをしてバイバイした。
  

⏰:06/05/28 16:31 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#71 [ゆり]
あの後高橋さんは
彼女を職場まで迎えに行ったみたい。


(あーぁ…やっぱキツイな)


それでも傍に居たかった。
本当
バカみたいだけど。

昼間にデートしたのはこれを入れて数回。

あたしはどんどん都合のいい女になった。   

⏰:06/05/28 16:33 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#72 [ゆり]
10月の半ば

「俺んち行こっか〜」

「行こ行こ〜♪」

学校帰り
相変わらず高橋さんの助手席に乗ってあたしははしゃいでいた。


「今日誰もいないから」

ガチャッ

そう言って鍵をあける。

「おじゃましまーす」

あたしはローファーを脱いであがった。
 

⏰:06/05/28 16:35 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#73 [ゆり]
部屋は8畳くらいで
コンピューターとかベースとか置いてあってやっぱりかっこよかった。

「おー!綺麗〜」

「だろ?(笑)ジュース持ってくるから座ってて」

(律義だな(笑))

あたしは床に座ってそわそわしてた。

ガチャッ

「はい、ゆりちゃんはオレンジジュースね」

「わぁーい☆ありがとう」

コップを両手で持って飲んだ。

⏰:06/05/28 16:37 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#74 [ゆり]
「ほんと子供みたいだな(笑)」


あたしは子供らしさを演じてた。

彼女とは全く別のタイプでいたかったから。



それからベタだけどアルバムとか見せてもらった。
写真には彼女さんも映ってた。

⏰:06/05/28 16:39 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#75 [ゆり]
「わ〜彼女さん綺麗だね〜♪」

精一杯の強がりだった。

ベットにもたれて写真をめくる。


あたしの知らない場所
知らない顔
知らない高橋さん。

(あたしって一体なんなんだろ…)

急に虚しくなってきた。
 

⏰:06/05/28 16:40 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#76 [ゆり]
そんなあたしを分かり切った様に
肩を引き寄せてキスをする。

高橋さんお得意の黙らせ方。


「んん…」

口にジュースが入ってきた。

ごくんッごく…

数回に分けられて飲まされたジュース。

「上手に飲むね」

唇を離すと相変わらず軽く笑って
なにかしら言うんだこの人は。
 

⏰:06/05/28 16:45 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#77 [ゆり]
苦しくて息が上がる。

あたしばっかりドキドキして馬鹿みたい。


床には彼女さんとの写真、
指には彼女さんとお揃いの指輪。

…ほんと無神経な男。

あたしは苛々した。
  

⏰:06/05/28 16:47 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#78 [ゆり]
もともとかわいらしい性格なんかじゃない。

浮気する男なんて許せない。

なのに…



あたしはこの日
初めてを高橋さんにあげた。

いつかこうなるとは思ってた。

でもこれで完全に二番目になってしまった。

もうどうしようもない。

先にも進めないし
後にも戻れないんだ。
   

⏰:06/05/28 16:49 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#79 [まにャ]
隼人サンの小説読みま∪た(∩▽∩*)

すッごくよかったあ!隼人サンわゆリサンに出会うことによって、変われたンですね〜
人を愛することッて
難∪いけど…
素晴ら∪いですね!あた∪もい⊃か心から愛する人を見つけその人にいッぱいの愛を注ぎたい…

ゆリサンどうかこれカラも隼人サンとお幸せに応援∪ています!

小説も読んでいます頑張って下さい★

⏰:06/05/28 18:33 📱:W32H 🆔:C3rmoVpg


#80 [ゆり]
まにャさん☆
ありがとォです!!嬉しい(;ω;)
愛する事わ難しいケド愛せる人に出会えた事に意味があるから。 大切にしていきたいです☆思い出も、これからもo(^-^)o

⏰:06/05/28 19:19 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#81 [ゆり]
それからはいつも高橋さんのペース。

夜に彼女を職場まで迎えに行き、
家まで送っていった後に
あたしに会いに来る。

こっちからは連絡しないようにしてたから、
来るか来ないかはその時までわからない。

⏰:06/05/28 19:21 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#82 [ゆり]
でもあたしは毎晩携帯を気にして
夜中まで連絡を待った。


連絡がない日は諦めて
シャワーを浴びて寝た。

連絡がきた日は走って車まで行き、
ドライブをして車でえっちしてっていうコースだった。

⏰:06/05/28 19:23 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#83 [ゆり]
毎晩飽きずに続けた。

明け方に帰って
寝ないまま学校なんて日もよくあった。


それが苦じゃないくらい、

あたしは高橋さんが好きだったんだ。   

⏰:06/05/28 19:24 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#84 [ゆり]
12月25日
クリスマス


街はあたしの大好きなキラキラで、
でも大好きな人は隣にいない。


「あーあ!!」

「ゆり〜そんな叫ぶみたいに溜め息つくなよ(笑)」


只今マイの家でまったり中。

⏰:06/05/28 19:30 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#85 [ゆり]
「だって〜!高橋さんは昨日から彼女さんとお泊りだよ?
付き合ってんだから当たり前だけどさぁ〜」

クッションに顔を押し付けてうなだれる。

「よしよし!うちだって一人もんじゃんか!一緒に慰め合お!」


「ぅがー!!虚し過ぎるー!!笑」

「うっせーよ笑」


マイがいてくれてよかった。
一人だったら絶対泣いてたもん。

⏰:06/05/28 19:33 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#86 [ゆり]
ご飯をご馳走になって、
いつの間にか夜の10時を回っていた。


だいたいいつもこれくらいに高橋さんから連絡がくる。


「…あたしそろそろ帰るわ〜」

「え、泊まってかないの?」

マイが心配そうな顔で聞く。

「…」

こんな時にまであたしは
まだどっかで高橋さんが来てくれる事を期待してる。

馬鹿だな。

⏰:06/05/28 19:36 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#87 [ゆり]
「ん〜今日はいっぱい愚痴ってすっきりしたし大丈夫♪ありがとね!」

「そっか〜気をつけて帰りなよ〜!」

「近いし大丈夫だよ♪じゃあね☆」


こうしてあたしは家に帰った。

時計の針は10時半を指していた。

  

⏰:06/05/28 19:38 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#88 [ゆり]
(あと1時間半か…)

クリスマスに会いたい。

声だけでも聞きたい。

祈る様に
鳴るはずのない携帯をにぎりしめていた。

無常に時間は過ぎていく。

 

⏰:06/05/28 19:40 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#89 [ゆり]
11時半

ピリリリリ〜

「!!」

携帯を開くと
着信:
高橋さん。

涙が溢れた。

ピッ

「…もしもし…」

「あ、ゆりちゃん?あと15分くらいで着くから!」

(…ほんと自分勝手。
でも好き。
会いたい。)

⏰:06/05/28 19:42 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#90 [ゆり]
電話を切ったあたしは
待ち切れずマンションの前で高橋さんを待った。

冷たい風と白い息が鼓動を早くした。


見慣れたヘッドライト。

あたしは車まで走った。

ドアをノックして
乗り込んだ瞬間おもいっきり抱きしめられた。

「…!?」

「ゆりちゃーん」

⏰:06/05/28 19:45 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#91 [ゆり]
「…?苦し…どうしたの?」

「会いたかった」


…言葉が出なかった。

高橋さんがこんな風に言ってくれたのは初めてだった。

しばらく抱き締められた後、体を離した。


「イヴとクリスマス楽しかったですかぁ?」

二日分の辛さのお返しに、いじわるく聞いてやった。
あたし可愛いげないから。 

⏰:06/05/28 19:47 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#92 [ゆり]
「あんまり…ゆりちゃんの事ばっか考えてたから、
や、まじで。」

少し恥ずかしそうに高橋さんは言った。


高橋さんはクールでかっこよくて
大人だと思ってたけど、
実際めちゃくちゃ自己チューでわがままで
照れ屋な人だった。

だからこそ気持ちを言葉にしてくれたのが
胸に響いた。

⏰:06/05/28 19:49 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#93 [ゆり]
「そっかーあたしに夢中だね♪笑」

照れ屋な高橋さんの為に茶化して返す。

「ほんとだよ〜やばいなぁ…笑」


そう言ってエンジンをかけた。


車でイルミネーションのトンネルを潜って

ツリーを見て

26日にかかったあたし達のクリスマスは終わった。

⏰:06/05/28 19:50 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#94 [ゆり]
疲れてたはずなのに
会いに来てくれた。

恥ずかしそうに伝えてくれた。

抱きしめてキスしてくれた。

とてもとても幸せだった。


冬が過ぎて
春がきて、
あたしは高校3年になった。
 

⏰:06/05/28 19:53 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#95 [まにャ]
ゆリさ〜ン!
そうですよね〜
愛せる人に出会えたコトが素晴ら∪いですよね(*∩∀∩)

あた∪、ゆリサン・隼人サンを見たこともないけど、2人が好きです(*≧∪≦)
応援∪たくなる!

ゆリサンも隼人サンもツライ思いいっぱい∪てきたと思うけど…これカラも2人で支えあって頑張って下さいね!
これカラも陰ながらであリますが、応援∪てますね!
そンぢゃあ…この話∪が完結∪たときまた感想させてもらいます!ファイト〜

⏰:06/05/28 19:55 📱:W32H 🆔:C3rmoVpg


#96 [ゆり]
高橋さんとの関係は続いていた。

何度もこのままじゃダメだと思いながら、
結局離れられずにきた。


身体を重ねて、
都合の良い愛を貰って、
だけど指輪は輝いたままで、

あたしに腕枕をしながら彼女と電話する事もあった。

⏰:06/05/28 19:55 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#97 [ゆり]
来るか来ないかわからない連絡を
夜中まで待つのも

平気な顔も
強がりも

もう精神的に限界だった。


そんな時同じクラスの裕也に告白された。

バスケ部のキャプテンで人気のある奴。

1年の時にも告白されて断っていた。

今回も…
やっぱり無理だ。
  

⏰:06/05/28 19:58 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#98 [ゆり]
「ごめん…」

「なんで?彼氏いるん?」

「…彼氏…はいないけど」


あたしは泣いていた。
誰の前でも泣かなかったのに。


「どーした?!大丈夫!?」


…何度大丈夫って言ってきただろう。

本当は大丈夫なんかじゃないよ。

本当は2番なんか嫌だよ。
 

⏰:06/05/28 20:00 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#99 [ゆり]
涙が止まらないあたしに
裕也はユニフォームを押し付けた。


「これで拭け!」

「ぅん………うわ!くっさ!!!」

「あ?!なに?(笑)」

「汗臭いわっ!!」

「仕方ねーだろハンカチなんて持ってねーんだから!」


裕也は恥ずかしそうにユニフォームを奪った。

その姿に一瞬惹かれた自分がいた。

⏰:06/05/28 20:03 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#100 [ゆり]
「ありがと…涙止まりました(笑)」

「そりゃよかった!」


帰りながら高橋さんの話しをした。

裕也は自転車を引きながら聞いていた。

「そっか…じゃあゆりはそいつが好きなんだ。」

「…うん」

「…でも俺待つから。話しくらいならいつでも聞けるし!あんま一人で抱えんなよ!」

「…ありがと」

⏰:06/05/28 20:05 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


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