〇ニ番目の四季〇
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#101 [ゆり]
それから数日
無神経にもあたしは
裕也に高橋さんの相談をした。
愚痴ったり。


季節は秋になった。

高橋さんに初めて抱かれた日からもう1年だ。

欲求だけでも満たせるなら
あたしが傍にいる意味はあるのかな。
   

⏰:06/05/28 20:07 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#102 [ゆり]
マイは塾が忙しくなり、
あたしは裕也しか相談出来る人がいなくなっていた。

一人でいるといろんな想像が頭を回る。


慣れたハズなのに
痛みは消えない。


高橋さんは今頃彼女さんと何してるんだろう。

⏰:06/05/28 20:10 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#103 [ゆり]
「裕也、今日ちょっと話し聞いてくれない?」

「うんいいよ!ちょっと部活顔出すから体育館で待っててくれる?」

「わかった〜ありがと」

放課後あたしは
体育館の前に座って裕也を待った。

⏰:06/05/28 20:12 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#104 [ゆり]
高台にあるこの学校からは
町並みがよく見える。

あの日高橋さんと海で見た様な夕日が
赤く揺れていた。


あの時、まだ帰りたくないって言ったら
あたしの傍に居てくれたかな…

やっぱり彼女さんのところに行っちゃうよね。

小さな約束、
小さくても本気の愛。

全部あの夕日の様に鮮やかに蘇る。


裕也を待ちながら高橋さんの事ばかり考えていた。 

⏰:06/05/28 20:14 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#105 [ゆり]
「ゆり!おまたせ!」

「あっ…お疲れ様!」

「うん、行こっか」

近くの公園に向かった。
もう秋だからか
日が沈むのが早い。

木のベンチに腰を下ろした。

⏰:06/05/28 20:16 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#106 [ゆり]
「誰もいないね〜」

両手に息を吐きながら言うと
裕也があたしの手を握った。

「寒い?大丈夫か?」

「えっ全然大丈夫だよ!笑」

あたしは笑って答えた。
裕也の顔付きが変わった。

「…また…」

「ぇ?」

「なんで大丈夫じゃないくせに強がんの?」
  

⏰:06/05/28 20:19 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#107 [ゆり]
次の瞬間
ベンチに押し倒されていた。

何が起こってるかよくわからないまま
足を持ち上げられて
パンツをズラされて入れられた。


「いっ…」

痛くて、
それからはあんまり覚えてないけど
すぐにお腹にかけられたのは覚えてる。

⏰:06/05/28 20:22 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#108 [ゆり]
あたしは何故かとても冷静で、
カバンからティッシュを出して拭いた。

スカートにもかかっていたので
水道で濡らして拭いた。

裕也は焦った様な顔で謝っていたけど、
どうでもよかった。
  

⏰:06/05/28 20:24 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#109 [ゆり]
親切そうな顔をして
優しい言葉を吐いて
結局はこれだ。


高橋さんもそうなんだ。

そこに愛があるって信じるなんて、

あたしって本当どうしようもない馬鹿だ。
  

⏰:06/05/28 20:25 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#110 [ゆり]
「お前いつも強がって…見てて辛いよ!俺だったらこんな…」
「もういいよ」

裕也の言葉を遮ってあたしは言った。

多分笑顔で。

小さい希望が崩れた、

何かに諦めたんだ。

それからあたしはどこか変わった。

簡単に言えば瞳に色を失った感じだった。

⏰:06/05/28 20:27 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


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