〇ニ番目の四季〇
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#106 [ゆり]
「誰もいないね〜」

両手に息を吐きながら言うと
裕也があたしの手を握った。

「寒い?大丈夫か?」

「えっ全然大丈夫だよ!笑」

あたしは笑って答えた。
裕也の顔付きが変わった。

「…また…」

「ぇ?」

「なんで大丈夫じゃないくせに強がんの?」
  

⏰:06/05/28 20:19 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#107 [ゆり]
次の瞬間
ベンチに押し倒されていた。

何が起こってるかよくわからないまま
足を持ち上げられて
パンツをズラされて入れられた。


「いっ…」

痛くて、
それからはあんまり覚えてないけど
すぐにお腹にかけられたのは覚えてる。

⏰:06/05/28 20:22 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#108 [ゆり]
あたしは何故かとても冷静で、
カバンからティッシュを出して拭いた。

スカートにもかかっていたので
水道で濡らして拭いた。

裕也は焦った様な顔で謝っていたけど、
どうでもよかった。
  

⏰:06/05/28 20:24 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#109 [ゆり]
親切そうな顔をして
優しい言葉を吐いて
結局はこれだ。


高橋さんもそうなんだ。

そこに愛があるって信じるなんて、

あたしって本当どうしようもない馬鹿だ。
  

⏰:06/05/28 20:25 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#110 [ゆり]
「お前いつも強がって…見てて辛いよ!俺だったらこんな…」
「もういいよ」

裕也の言葉を遮ってあたしは言った。

多分笑顔で。

小さい希望が崩れた、

何かに諦めたんだ。

それからあたしはどこか変わった。

簡単に言えば瞳に色を失った感じだった。

⏰:06/05/28 20:27 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#111 [ゆり]
裕也に抱かれて
高橋さんに抱かれる日々を繰り返した。

何回も。

自分は終わってる、
だから満たされる事なんてもう二度とない。

クリスマスの日みたいな
綺麗で
鮮やかで
優しい輝きは
もう絶対に見れない。
     

⏰:06/05/28 20:30 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#112 [ゆり]
裕也はあたしとやった事を友達に言い触らしていた。

これだからガキは…
卒業と同時にあたしは裕也との関係を切った。

別れ際
「セフレになってよ」
って冗談っぽく言われた。


男自体に失望したけど、
所詮あたしがその程度の女だったって事だ。
  

⏰:06/05/28 20:32 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#113 [ゆり]
それでも高橋さんの事はまだ好きだった。

どんなに勝手でも、
辛くても、
身体だけでも、
彼女がいても、

高橋さんには何も求めず
ただ好きでいられた。
  

⏰:06/05/28 20:34 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#114 [ゆり]
形は間違っていたかもしれないけど、

今思えばあの頃の自分が
1番強くて
1番かっこよかったと思える。


見返りを求めずに

人を愛せたんだから。
    寒い冬の日、あたしは本気で高橋さんと別れる事を決めた。  送信:「話があるから今夜会えないかな?」 初めて自分からメールをした。いつも(彼女といたらどうしよう)と思ってしなかったから。 ピリリッ 受信:高橋さん「もう少し遅くていいなら大丈夫だよ」  あたし
は携帯を閉じるのと同時に今までを振り返っていた。 たぶん出会った時から好きだった。だってめちゃく

⏰:06/05/28 20:35 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


#115 [ゆり]
形は間違っていたかもしれないけど、

今思えばあの頃の自分が
1番強くて
1番かっこよかったと思える。


見返りを求めずに

人を愛せたんだから。
    

⏰:06/05/28 20:36 📱:V703SH 🆔:a4CPZqco


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