〇ニ番目の四季〇
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#182 [ゆり]
あたしは彼に今居る場所を聞いて、

終電ギリギリに滑り込み急いだ。


心配で胸が痛かった。


改札を抜けると
切符売り場の所に
見慣れたメッシュ頭が見えた。

 

⏰:06/05/31 07:40 📱:V703SH 🆔:SVEbQfnA


#183 [ゆり]
「稲葉くん!」


走って行き顔を覗き込むと
なんとも言えない、

傷付いたような顔をしてた。


「大丈夫?」


瞬間、腕を掴まれて抱きしめられた。


意味がわかんなかった。
 

⏰:06/05/31 07:42 📱:V703SH 🆔:SVEbQfnA


#184 [ゆり]
「ちょッ…どーした…」

次の瞬間にはキスされてた。

なんで男ってこういきなりするんだろう。

深くて
長くて
切なくて

あたしは唇を離した。

「苦し…」

静かな改札で
上がった息だけ響いてた。
 

⏰:06/05/31 07:45 📱:V703SH 🆔:SVEbQfnA


#185 [ゆり]
隼人は黙ったまま
俯いていた。


息が整ったと同時に
「寒くない?」
とあたしは聞いた。


大丈夫と言ったけど
風邪引きそうで心配で…

でも終電はもうなかった。
 

⏰:06/05/31 07:49 📱:V703SH 🆔:SVEbQfnA


#186 [我輩は匿名である]
>>140-185

⏰:06/05/31 10:36 📱:D902i 🆔:3Mn76otg


#187 [ゆり]
「どうしよう…」

呟く様に隼人が言った。

帰れない。

「シャワー浴びなきゃ風邪引くよ?」

この時二人に[タクシーで帰る]って答えはきっとなかった。

隼人が迷ってるのは分かった。

ホテルに連れ込む訳にもいかないって
思ってくれたんだろうな。
 

⏰:06/05/31 13:24 📱:V703SH 🆔:SVEbQfnA


#188 [ゆり]
だけどあたしはもう隼人の事が好きだって認めていたし

躊躇はなかったんだ。

だから隼人の言葉より早く
「いいよ」
と少し笑って言った。


隼人は少し混乱した顔をしながら
冷えた掌であたしの手を握った。
 

⏰:06/05/31 13:25 📱:V703SH 🆔:SVEbQfnA


#189 [ゆり]
「ゆりちゃんワックスもってる?」

「ケープしか持ってないよ」

「まじ?じゃあ俺サラサラヘアになっちゃうじゃん」

「見物だね(笑」

そんな会話をしながら
ホテルに入った。


さっきまで高橋さんに会ってたはずなのに

もう隼人だけでいっぱいだった。

誰も乗り越えさせてくれなかった
壁を

隼人は簡単に越えさせてくれたんだ。
 

⏰:06/05/31 13:26 📱:V703SH 🆔:SVEbQfnA


#190 [ゆり]
当時のあたしは
ラブホなんて数回しか行った事なかったから

なんか慣れた手つきで部屋選んで
エレベータ-に乗る隼人を見て

本気で妬いたの覚えてる。


あたしって自分から元カノの話聞いといて
本気でキレるタイプだから。笑

⏰:06/05/31 13:29 📱:V703SH 🆔:SVEbQfnA


#191 [ゆり]
部屋に入った。

それなりに気まずかったりする。

「早くシャワー浴びなよ」

あたしの言葉で
混乱した顔のまま
隼人はお風呂に入って行った。

あたしはソファーに座ってテレビのチャンネルを持った。

夜に慣れたあたしでも
やっぱり緊張していた。

⏰:06/05/31 13:32 📱:V703SH 🆔:SVEbQfnA


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