〇ニ番目の四季〇
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#33 [ゆり]
車はだんだん山道を登ってゆく。
「うわ〜暗ッ大丈夫なの?」
不安そうなあたしに
「怖い?」
と高橋さんは楽しそうに聞く。
だいたい友達の前では姐御キャラなあたしだけど、
高橋さんの前では子供キャラ。
それがとても新鮮で、
とても嬉しかったんだ。
:06/05/28 14:03 :V703SH :a4CPZqco
#34 [ゆり]
「楽しんでるでしょ!!」
「あはは怒ってる(笑)
はい、到着〜♪」
ジャリの駐車場に車を停めて
高橋さんはさっさと外に出てしまった。
あたしはここがどこなのか車内でキョロキョロ。
:06/05/28 14:05 :V703SH :a4CPZqco
#35 [ゆり]
ガチャッ
助手席のドアが開いた。
「ほら、着きましたよお姫様」
笑いながら高橋さんが手を差し出す。
あたしは内心ドキドキだったけど、
悟られるのがなんか悔しくて平然と手を重ねた。
:06/05/28 14:12 :V703SH :a4CPZqco
#36 [ゆり]
「ありがと、じいや♪」
「えっ王子様じゃないの?笑」
車を降りるとヒールが砂利に埋もれる。
自然に手を繋いでいた。
少し先を歩く高橋さんの
背中と足元だけ見て必死に着いていった。
:06/05/28 14:13 :V703SH :a4CPZqco
#37 [ゆり]
しばらく歩くと高橋さんの足が止まった。
「ゆりちゃん見てみ」
その声で顔を上げると
めちゃくちゃ綺麗な夜景!
あんなの見たの初めてだった。
「うわーッッッすごいッッ!!!」
あたしは興奮して前に出た。
丘の上から果てしなく続く光りが本当に宝石箱みたいだ。
:06/05/28 14:16 :V703SH :a4CPZqco
#38 [ゆり]
きゃーきゃー言ってるあたしを見て
「ほんとにキラキラ好きなんだね」
と高橋さんが笑った。
今日携帯を見てキラキラの話しをしたっけ、
覚えててくれたんだ…って妙に恥ずかしくなって
あたしはずっと夜景を見てた。
:06/05/28 14:19 :V703SH :a4CPZqco
#39 [ゆり]
高橋さんは少し後ろにあるベンチに腰かけて煙草に火を付けた。
煙草の匂いが夏の風に混じって胸が苦しくなった。
(やばいな…本当に好きになっちゃいそう)
:06/05/28 14:20 :V703SH :a4CPZqco
#40 [ゆり]
まだまだ子供なあたしには、
車を運転する姿も
さりげない気配りも
大きい掌も
煙草の匂いも
全部が大人に感じて
全部に惹かれてしまう。
だけど薬指に光ってる証、
見ないフリは出来ない。
泣きそう。
:06/05/28 14:23 :V703SH :a4CPZqco
#41 [あやぽん]
:06/05/28 14:53 :SH700i :KS0Rv05U
#42 [ゆり]
あやぽんサンありがとデス(#>∨<#)めちァ嬉しいッ☆頑張ります☆
:06/05/28 15:29 :V703SH :a4CPZqco
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