〇ニ番目の四季〇
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#506 [ゆり]
「浮気したんでしょ?…」

下を向いたまま聞く。

「なんもしてないよ?
あいつ妊娠したらしんだけど
男に逃げられたって泣き出して…」

「…いい、聞きたくない」

「…ごめん」

あたしは握られてる手を離して
歩き出した。
 

⏰:06/06/14 18:34 📱:V703SH 🆔:uwhDiWoo


#507 [ゆり]
「ゆり!どこ行くんだよ」

「わからんけど…もういいや」

「何が?なんもしてないって言ってんじゃん」

「もーいいって…」


子供だなあたし。

意地っ張りで素直じゃないし
もっと広い心で受け止めれたらいいのに。
 

⏰:06/06/14 18:37 📱:V703SH 🆔:uwhDiWoo


#508 [ゆり]
「ごめん、あたしも浮気した」

「え?」

「だからもういい…」

意味わかんないまま
突っ走るのも
あたしの悪い所だ。


派手な二人が言い合ってるからか
周りの人の視線が痛い。

「ちょっと…こっち来い…」

手を引かれ
人がいないベンチまで連れていかれた。
 

⏰:06/06/14 19:59 📱:V703SH 🆔:uwhDiWoo


#509 [ゆり]
先に隼人が座って
手を下に引かれた。

「座って…」

傷付いてる
弱々しい声。

あたしは隣に座った。

「もうダメだねあたし達…」

先に別れを言われるのが恐かった。
 

⏰:06/06/14 20:02 📱:V703SH 🆔:uwhDiWoo


#510 [ゆり]
「…誰と?この辺住んでる奴?元カレ?」

「…慶太くんと」

「は?誰だよ」

隼人は
怒ってるような
悲しいような
複雑な横顔で言った。

「1年の爽やか君だよ」

「…」

隼人は溜め息をついた。
 

⏰:06/06/14 20:06 📱:V703SH 🆔:uwhDiWoo


#511 [ゆり]
「そいつん家どこ?」

「わかんない」


「……お前方向音痴だもんな」

「まぁね」


「…最後までしたの?…あーやっぱ聞きたくない」

「してないよ」

「…キスは?」

「してない」
 

⏰:06/06/14 20:09 📱:V703SH 🆔:uwhDiWoo


#512 [ゆり]
「…でも浮気したんだろ?」

「うん、おっぱい触られたもん」

淡々と答える自分。

こういう時に何故かあたしは強い。

自分は悪くないって
正当化ばっかりしてるから。

最悪な女だ。


「お前まじかよ…」

隼人が泣きそうになった。
 

⏰:06/06/14 20:13 📱:V703SH 🆔:uwhDiWoo


#513 [ゆり]
「ちょっと泣かないでよ〜」

隼人の肩に手を回す。

「うっせーよ…」

隼人が鼻水をすすり始めた。

「あ〜ごめんねッ殴っていいよ!」

「んな事出来る訳ねーだろ…」


本当
彼氏泣かせたりして
なんつー女だろう。
って思った。
 

⏰:06/06/14 20:18 📱:V703SH 🆔:uwhDiWoo


#514 [ゆり]
あたしは焦りながら
隼人の顔を覗き込んでた。

あたしが傷付いて
それだけで良かったのに
隼人まで傷付けて

なにしてんだろう。


「俺ずっとお前の事探してたんだよ…?」

「…うん」

「ずっと俺だけだって…お前言ったじゃん…」
 

⏰:06/06/14 20:22 📱:V703SH 🆔:uwhDiWoo


#515 [ゆり]
何も言えなかった。


謝罪の気持ちはあったけど

隼人を責める気持ちもあったから。

だけど
責任転嫁したって
また言い合って
傷付け合うだけ。

だから何も言えない。


いつの間にか
空は暗くなっていた。
 

⏰:06/06/14 20:27 📱:V703SH 🆔:uwhDiWoo


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