〇ニ番目の四季〇
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#540 [ゆり]
「あ、そこのコンビニでいいよ
ほんとありがとう」
車が止まり
ドアを開けたら慶太が言った。
「先輩、大丈夫だよ」
「…なにが?」
「俺がイイ女だと思うんだから
大丈夫!」
「なにそれ(笑」
励ましてくれてる。
あたし傷付けたのに。
「…ありがと。」
:06/06/18 00:05 :V703SH :ThLyQD2Q
#541 [ゆり]
慶太は笑って手を振って
帰っていった。
ボロい車が
やけにかっこよく見えた。
あたしだけ
進めないままだ。
部屋に入って携帯を開く。
隼人からは
着信も
メールもなかった。
「当たり前か…」
その日は瞼を冷やして眠った。
:06/06/18 00:07 :V703SH :ThLyQD2Q
#542 [ゆり]
次の日
相変わらずアラームより早く目が覚めた。
外は今にも雨が降りそうな
どんよりした曇り空。
溜め息を吐いて
学校に向かった。
「先輩!おはよ〜!」
振り返ると慶太がいた。
一瞬戸惑った。
「あ、おはよ」
「あはは超キョドッてるし(笑」
:06/06/18 00:09 :V703SH :ThLyQD2Q
#543 [ゆり]
次に後ろからカン高い叫び声が聞こえた。
「けーたくーんッ♪おはァ♪♪」
慶太の腕を掴んだのはギャル子ちゃんだった。
「あっゆりチャン先パイだッ♪
おはよーございまァす♪」
「おはよ(笑」
迫力負け。
:06/06/18 00:11 :V703SH :ThLyQD2Q
#544 [ゆり]
「先輩♪俺モテるんで心配しなくていーですよ(笑」
「そのようだね(笑」
「まぁ先輩よりかなりレベルは下がるけど…(笑」
どーゆー意味ー??と上目使いのギャル子ちゃんと
慶太は笑いながら校舎に入っていった。
:06/06/18 00:12 :V703SH :ThLyQD2Q
#545 [ゆり]
自信過剰にあんな事言うのも
優しさだって
分かってるよ。
あんたあたしに似て
不器用だもんね。
背中押してくれて
ありがとう。
ちゃんと隼人に
好きだって伝えよう。
格好悪い結末でもいい。
やっと泣いてすがれるくらい
愛せる人に出会えたんだから。
:06/06/18 00:14 :V703SH :ThLyQD2Q
#546 [ゆり]
チャイムと同時に教室に入る。
隼人がいない。
なんで休みなの?って友達に聞かれるたびに
わかんないって言うのがすごく
辛かった。
机の下で携帯を開き
隼人にメールを送る。
「今日学校来ないの??」
送信。
返事はすぐに来た。
「行かない…」
:06/06/18 00:17 :V703SH :ThLyQD2Q
#547 [ゆり]
「どうして?」
「別に…でも大丈夫だから」
「今家にいるの?」
「うん家だよ」
あたしは教科書とバックを持って
席を立った。
「ゆりちゃんどーしたん?!」
「帰らなきゃ」
よく覚えてないけど
そんな事を言って教室を出た気がする。
:06/06/18 00:18 :V703SH :ThLyQD2Q
#548 [ゆり]
外は雨が振り出していた。
あたしは家を出る時に
雨が降ってなかったら
傘を持っていかない。
いつも隼人が入れてくれるから。
もう
ちゃんと天気予報チェックして
ちゃんと傘持って
家出なきゃダメ?
やだよ
めんどくさいじゃんか。
:06/06/18 00:23 :V703SH :ThLyQD2Q
#549 [ゆり]
あたしは走って駅まで向かった。
ヒールが入りそうな場所に来ると
隼人が「ハマるなよ」って言ってくれる声が
蘇った。
:06/06/18 00:26 :V703SH :ThLyQD2Q
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