〇ニ番目の四季〇
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#83 [ゆり]
毎晩飽きずに続けた。
明け方に帰って
寝ないまま学校なんて日もよくあった。
それが苦じゃないくらい、
あたしは高橋さんが好きだったんだ。
:06/05/28 19:24 :V703SH :a4CPZqco
#84 [ゆり]
12月25日
クリスマス
街はあたしの大好きなキラキラで、
でも大好きな人は隣にいない。
「あーあ!!」
「ゆり〜そんな叫ぶみたいに溜め息つくなよ(笑)」
只今マイの家でまったり中。
:06/05/28 19:30 :V703SH :a4CPZqco
#85 [ゆり]
「だって〜!高橋さんは昨日から彼女さんとお泊りだよ?
付き合ってんだから当たり前だけどさぁ〜」
クッションに顔を押し付けてうなだれる。
「よしよし!うちだって一人もんじゃんか!一緒に慰め合お!」
「ぅがー!!虚し過ぎるー!!笑」
「うっせーよ笑」
マイがいてくれてよかった。
一人だったら絶対泣いてたもん。
:06/05/28 19:33 :V703SH :a4CPZqco
#86 [ゆり]
ご飯をご馳走になって、
いつの間にか夜の10時を回っていた。
だいたいいつもこれくらいに高橋さんから連絡がくる。
「…あたしそろそろ帰るわ〜」
「え、泊まってかないの?」
マイが心配そうな顔で聞く。
「…」
こんな時にまであたしは
まだどっかで高橋さんが来てくれる事を期待してる。
馬鹿だな。
:06/05/28 19:36 :V703SH :a4CPZqco
#87 [ゆり]
「ん〜今日はいっぱい愚痴ってすっきりしたし大丈夫♪ありがとね!」
「そっか〜気をつけて帰りなよ〜!」
「近いし大丈夫だよ♪じゃあね☆」
こうしてあたしは家に帰った。
時計の針は10時半を指していた。
:06/05/28 19:38 :V703SH :a4CPZqco
#88 [ゆり]
(あと1時間半か…)
クリスマスに会いたい。
声だけでも聞きたい。
祈る様に
鳴るはずのない携帯をにぎりしめていた。
無常に時間は過ぎていく。
:06/05/28 19:40 :V703SH :a4CPZqco
#89 [ゆり]
11時半
ピリリリリ〜
「!!」
携帯を開くと
着信:
高橋さん。
涙が溢れた。
ピッ
「…もしもし…」
「あ、ゆりちゃん?あと15分くらいで着くから!」
(…ほんと自分勝手。
でも好き。
会いたい。)
:06/05/28 19:42 :V703SH :a4CPZqco
#90 [ゆり]
電話を切ったあたしは
待ち切れずマンションの前で高橋さんを待った。
冷たい風と白い息が鼓動を早くした。
見慣れたヘッドライト。
あたしは車まで走った。
ドアをノックして
乗り込んだ瞬間おもいっきり抱きしめられた。
「…!?」
「ゆりちゃーん」
:06/05/28 19:45 :V703SH :a4CPZqco
#91 [ゆり]
「…?苦し…どうしたの?」
「会いたかった」
…言葉が出なかった。
高橋さんがこんな風に言ってくれたのは初めてだった。
しばらく抱き締められた後、体を離した。
「イヴとクリスマス楽しかったですかぁ?」
二日分の辛さのお返しに、いじわるく聞いてやった。
あたし可愛いげないから。
:06/05/28 19:47 :V703SH :a4CPZqco
#92 [ゆり]
「あんまり…ゆりちゃんの事ばっか考えてたから、
や、まじで。」
少し恥ずかしそうに高橋さんは言った。
高橋さんはクールでかっこよくて
大人だと思ってたけど、
実際めちゃくちゃ自己チューでわがままで
照れ屋な人だった。
だからこそ気持ちを言葉にしてくれたのが
胸に響いた。
:06/05/28 19:49 :V703SH :a4CPZqco
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