Love is...
最新 最初 🆕
#1 []


ずっと探してたモノ。

ずっと求めてたモノ。

こんなにも傍に

大切な人は居たのに...

</Font>

⏰:07/06/01 16:15 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#2 []

第一弾
bbs1.ryne.jp/r.php/novel-nf/135/f
第二弾
bbs1.ryne.jp/r.php/novel-nf/2756/f


第三弾になります。
全作がまだの方は
先に1・2をお読み下さい


感想板
bbs1.ryne.jp/r.php/novel/2307/

⏰:07/06/01 16:34 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#3 []
3ヶ月記念を迎え
順調にみえたアタシ達。

いろいろ乗り越えてきた。

喧嘩なんて日常茶飯事。

だけど最近
喧嘩の内容が
微妙にリアルな気がする。

きっかけは
いつも些細な事だけど

今回は
なんか違う気がする。

⏰:07/06/01 16:45 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#4 []
『なんでよ〜!!まじ意味分からん。矛盾っ!!!』

「忙しいんやさ。わかって。じゃあな」



プーップーッ・・・・



一方的に電話を切った
こいつの名前は博(ヒロシ)

んでもって
電話切られた
アタシの名前は友梨(ユリ)

⏰:07/06/01 16:51 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#5 []
わからん!!
意味がわからん!!

あー!!
なんなんコイツ。

腹立つなぁ。



友梨がキレてんのは
コイツの言ってることが
矛盾してるから。

⏰:07/06/01 16:55 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#6 []
博は三年生で
友梨の一級上。

毎晩電話するのが
習慣になってる

それで電話したら
忙しいって半ギレで
電話切られた。

ちなみに今
学年末試験の真っ最中で
テスト勉強中らしい。

⏰:07/06/01 17:00 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#7 []
友梨だって
そこまで頭悪くない。

テスト前なのに
日課を果たそうとはしない。

ただ最近の博の態度が
気に入らなくて
ムカついたから
電話しただけ。


何で友梨が
怒ってるかって?

⏰:07/06/01 17:02 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#8 []
AM 08:00
おはようメール

AM 11:00
テスト終了メール

AM 11:05
遊びに行ってきますメール

PM 19:15
ただいまメール

PM 20:00
勉強するでバイバイ


その繰り返し。
一日5通するかしないか。

⏰:07/06/01 17:09 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#9 []
友達と遊んでても
一時間に一回
・・・せめて
二時間に一回くらい
メールくれたって
いいじゃんか。

ウチラは今まで
そういう付き合い方
してきたから
急な変化に対応できない

だけどそこは
大目に見て許す。
卒業前だしみんなと
楽しい時間
過ごしたいだろうから。

⏰:07/06/01 17:14 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#10 []
だけど。
納得いかないのは

ボーリング行く暇はあって
カラオケ行く暇はあって
友梨とメールする時間
友梨と話す時間はない。

その矛盾した
言動に腹が立つ。

しかも
申し訳なさそうに
言うなら仕方ないという気も
起きるんだろうけど

コイツの言い方が
なんかムカつく。

⏰:07/06/01 17:17 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#11 []
・・・遅い・・・

⏰:07/06/10 19:23 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#12 []
博のテストが無事終わった。

この間の喧嘩は
丸くはないけど
それなりに収まってて

今日も博と電話をしてた。

博とのメールで
一日が始まり,

博との電話で
一日が終わる。

当たり前の毎日。

依存しすぎたのかな?

⏰:07/06/10 19:26 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#13 []
"好きだよ"
って言い合って
笑顔で頬赤らめて

"会いたいよ・・"
って涙する。

電話越しに
アニメソング熱唱して
爆笑するアタシ達。

「ゆり〜瞼がちゅーしよる」

『え〜もう寝るの!?』

ってだだこねてさ。
何度困らせたか。

ごめんね博。

⏰:07/06/10 19:31 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#14 []
友梨は博が寝るまで
絶対寝ない。

毎日を・・
一分だって長く
博と居たい。







ねぇ?
そう願うアタシは
わがままなのかな?

⏰:07/06/10 19:34 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#15 []
『ずっと一緒やおね?』

「・・・」

『ねぇ・・ひろ・・・し?』

嫌な予感がした。





予感ってのは
なんでこんなギリギリでないと
しないんだろう。

⏰:07/06/10 19:36 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#16 []
「なぁ友梨・・・??」

どこか力ない博の声は
優しくアタシの名前を呼ぶ。

「もし・・・もし別れようって言ったらどうする?」

『え・死ぬよ(笑)死んでまうって〜笑』

「そっか。ごめんな?」

『うん。』

何言い出したかと思ったら
またからかって・・・

⏰:07/06/10 19:40 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#17 []
「ごめんな・・・」

『だからいい・・・って』

「ホントにごめん。」

アタシの言葉を遮るように
博は何度も謝る。

『えっ・・・??それは何のごめんなの?』

「・・・友梨、俺等別れよう。」

『博なに言って・・・』

「もう疲れた・・・ごめんな。友梨の事もう前みたいに好きじゃない。」

⏰:07/06/10 19:45 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#18 []
『・・・・・』

「この前の電話。アレで冷めた。勝手でごめん。」

『仲直りしたじゃん!!』

「うん。一応な。でももう好きじゃない。」


"好きじゃない"

"冷めた"

博の言葉一つ一つが
友梨の胸を突き抜けていく。

『友梨は好きやよ??こんなにも博のこと好きやよ!?』

⏰:07/06/10 19:49 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#19 []
「そういうのも重い。」

重い・・・??

「友梨さ,毎日電話したがるじゃん?」

『だって携帯ないでメールできんから・・・』

「わかるよ。でも俺が疲れとっても寝かせてくれんに。」


確かに。
言われてみれば
いつもぎりぎりまで
引き留めてた。

⏰:07/06/10 20:01 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#20 []
"毎日の電話ぶっちゃけ
すげー嬉しいんやお"

ふと
博からのメールを
思い出した。

『だって博・・・前嬉しいって言ってくれたじゃん。』

「付き合い始めはな。でも話したくない日もあるんやさ。」

『友梨はないよ!!』

「お前はな。でも俺は違ったんやさ!!!!!」

涙が止まらなかった。

⏰:07/06/10 20:05 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#21 []
ずっと同じ気持ちだって
思ってたから?

裏切られた気がしたから?



ううん。
博の気持ちの変化に
気づけなかったからだ。

博の気も知らないで
会えない寂しさを
紛らわす為に

話していたいから。
距離を感じたくないから。

完璧自己満なのに。

⏰:07/06/10 20:10 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#22 []
「友梨の好きと俺の好き重さは重さが違う。」

重さ・・・?

『好きに重さなんてないよ』

どっちが重いとか
どっちが軽いとか
そんなのないんだよ。

好きになった時点で
どっちも重いんだから。

⏰:07/06/10 22:16 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#23 []
「価値観も違った。」


色んな思いが
頭の中をグルグル
駆け回ってて
壊れてしまいそうだった。



何を言っても
言い返されるだけで
博の気持ちを取り戻すことは
出来なかった。

「今までありがとな。俺なんか早く忘れて,幸せになれよ」

⏰:07/06/11 07:31 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#24 []
『何それ・・・』

もう声にならない声で
アタシは問う。

「切るよ?泣くなよ・・・」

『泣くよ バカァ・・・』

泣くに決まってんじゃん。

大切な人との別れだよ?

泣かない人がいるのかな?

友梨は無理だよ。
泣き虫だもん・・・

⏰:07/06/11 07:35 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#25 []
「切るでな。ごめん・・・」

『やだっ!博待っ・・・』



プーップーップーッ





受話器を耳から離した。

切断音って
こんなに大きかったっけ?
意外と長いんだね。

⏰:07/06/11 07:38 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#26 []
苦しくて苦しくて
息が出来ないほど
泣いた。

声を殺して
枕がビッショリ濡れるまで
泣いた。

過呼吸になった。


大切なモノを
失った時
人はこんなにも
弱くなる。

友梨ただでも
弱虫なのにね。

⏰:07/06/11 07:42 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#27 []
友梨の中にいる
博の大きさ。

当たり前だと思っていた
毎日の尊さ。


友梨を取り巻く世界は
一瞬にして
モノクロになる。

だけど時間は
止まってくれない。

秒針の音を永遠と聞いた。

溢れる涙を
我慢するだけの力
友梨には残ってない

⏰:07/06/11 17:31 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#28 []
不思議だね。

もう博との電話を切って
二時間以上経つのに
涙は止まらなくて
目が腫れてるのが解った。



まだ泣いてたけど
さっきよりは落ち着いたから
体を起こした。

指輪を外すと箱にしまって
机の引き出しから
プリ帳を取り出して
開いた。

⏰:07/06/11 17:35 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#29 []
"結婚しよう"

そんな二人の会話が
昨日のことに思える。

結婚したら
二人の思い出が
いっぱい詰まった
この手帳を
子供に見せてあげたかった。

"ママとパパの足跡だよ"

って・・・。

毎回コメントを添えて
カラフルにデコったページ。

博の分と二冊作ったんだ

⏰:07/06/11 17:40 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#30 []
・・・足跡・・・

⏰:07/06/11 17:42 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#31 []
表紙をめくった。


"1025"

"HY"

</Font>



また目頭が熱くなり
頬を伝った涙が
手帳に落ちた。


泣きながら
ページをめくる・・・

⏰:07/06/11 17:46 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#32 []
11月3日


"fast shot"

"初チュープリぎこちない"

"お姫様だっこしてくれたあ-"



ひとつひとつ
プリクラにコメントがある。

⏰:07/06/11 17:50 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#33 []

初デート

40分も遅刻ッ!!
ごめんなさぁーい↓↓
でもまぢキセキ起こったし!
運命感じてまいますよ〜
めちゃx02らぼらぼっぷりを
大山市民に見せつけた(笑)
帰りにセガでプリ撮って
マックで五平餅をwatching。
博まぢ好きやけんッ!!

⏰:07/06/11 17:55 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#34 []
11月23日

祝 01ヶ月
02日早いけど,01ヶ月おめでと
ありがとワロス(-∀-)
20日ぶりの再会!!
この20日,喧嘩耐えんかったけど
いつもスグ仲直りできたのは
博が大人になって
くれとったからやね。
ありがとぉ。
友梨05時起き,博オールで
まぢ眠かったぁぁ!!
博途中爆睡するし
妹にゎ切れられるしで意外に凹↓↓
でも09時間も一緒におれて
幸せでした。
お昼ご飯ごちそうさま☆
次ゎチャリ乗りたい!痩せるべ!
02ヵ月記念も無事迎えれますよーに

⏰:07/06/13 20:38 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#35 []
12月24日

01ヵ月ぶりに会ったんやお!
本当ゎイルミネーション見たりする
予定やったけどォカンがダメって五月蠅くて。
04時半ので帰りました。
明日も会えるし寂しくないよ☆
薬局で博が
「夫婦みたいやな」って・・・///
今日の移動ゎ全部チャリ。
02ケツの夢叶いました!!
重くてゴメンね。
ローソンのケーキ買って食べた
生クリームばっか食べてスマソm(_ _)m
ケーキ食べるだけなのにいっぱい笑って(笑)
サプライズでプレゼントもろた!!

博との時間ゎあっという間で
ホントに幸せです...
明日も明後日もこぉやって
笑っていられますよぉに

⏰:07/06/17 12:54 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#36 []
12月25日

祝 02ヶ月
ミナと3人でなんて我が儘言ってゴメン。
ミナが帰った後の話し合い,
友梨泣いてばッかで何も話せんかったね
しかも「別れよう」って死語
今日で何回目かな...???
ほんとにゴメンね。
宣戦布告の【31】
「送ってく」「記念日プリ撮らんでいいんけ?」
って言葉嬉しかったよ。
最悪のクリスマスと記念日やったね↓
見てよ!!今回のプリめちゃ微妙やに↓↓
03ヶ月記念も会えるかな??
今日の分もラブラブしたいな...

⏰:07/06/17 13:00 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#37 []
涙が止まらなくて...
プリ帳の文字が滲んでく。


こんなこともあったな

あんなこともあったっけ




いろんな場面が
二人の笑顔から
鮮明に思い出される。

苦しくなって
プリ帳を閉じた...

⏰:07/06/17 13:05 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#38 []
次のページは見たくない。

ペアリングをはめて
いっぱい撮ったプリクラ。

"君に出会えたことで
ずっと探してた幸せを
捕まえたよ。ありがとう。"

"ペアリングありがと"

"好きになった理由より
好きだと思えたこと
一緒にいたいと思えたこと
その事実が大切"

"いろいろあったけど
やっぱ大好き!!!"

"ずっと一緒に居ようね..."

⏰:07/06/17 13:09 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#39 []
ねぇ博...

全部嘘だったの???

信じた友梨がバカだった?

騙される方が悪いよね。



わかってる。
わかってるけど・・・




受け入れられないよ...

⏰:07/06/17 13:11 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#40 []
・・・キス・・・

⏰:07/06/18 20:19 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#41 []
―真夜中―

まだ泣き止まない
腫れぼったい目で
子機を手にし番号を押す。

090・・・・・・・2

プルルルップルルルッ

「はいはい?」

『・・・・・・・・ッ(泣)』

落ち着いたこの声
久々に聞く"あの人"の声

「はっ!?友梨!??どうしたんよ??また彼氏と喧嘩け(笑)」

⏰:07/06/18 20:26 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#42 []
"あの人"は
泣いてて話せない友梨を
ちょっとでも元気付けようと
一人で喋ってる。

いつもなら笑うんだろうけど
今日は無理みたい。

ごめんね。
笑えなくて・・・


"あの人"は

「泣き止んだら話な?」

って言ってくれた。

⏰:07/06/18 20:28 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#43 []
『裕クン・・・・・ッ
友梨・・・友梨ね・・・』

「どうした?」

『・・・・・振られたの・・・・
友梨・・・・どうしよう・・
普通に無理やンかぁー!!』

布団に潜って
また泣いた。

泣いたって言うより
叫んでたかな!

「例の大山のヤローにか??」

⏰:07/06/18 20:33 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#44 []
『そ。友梨死んでまう・・・』

「俺がおんに!!笑」

『いらんて〜泣』

冗談混じりの会話は
友梨を落ち着かせてくれた。

『寝れん』

「そしゃ起きとけよ(笑)
俺寝るし。」

とか
たまに冷たかったりする。

『何でよ〜!!オールしよっ』

⏰:07/06/18 20:38 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#45 []
「やだ。」

そくとー!!

でも明日の夜なら
いいよって言ってくれたから

明日の夜
思いっきり愚痴る事にし
この日は電話を切った。


あんなに寝れないと
思ってたのに
電話を切ってから
泣き疲れて
いつの間にか眠ってた。

⏰:07/06/18 20:42 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#46 []
PM 09:30

いつもの場所に
裕クンは迎えに来てくれた。

『おねがいしまぁす(笑』

友梨は出来るだけ笑顔で
車に乗った。


今日はドライブじゃなくて
裕クンの家へ行った。

家にあった裕クンの部屋は
車庫の二階に移動してて
離れ状態だった。

⏰:07/06/18 20:47 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#47 []
「あー!!今日も疲れたわぁ。
なぁ,友梨♪」

親父みたいに言いながら
テレビをつけて
裕クンは友梨の隣に座った。

『それ所じゃないし!!』

「そやった!そやった!笑」


タバコとライターを取り出し
火を付けようとする
裕クンの腕を掴んだ。

『タバコ吸わんで??』

⏰:07/06/19 19:19 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#48 []
「ここ俺の部屋だけど?」

『副流煙のが体に悪いんやで?友梨の大事な体労ってよ(笑)』

「ったくよ〜↓生意気なおこちゃまでちゅね〜(笑)」

『うるせっ!!笑』




一瞬沈黙になり
見つめ合ったまま
お互い反らせないでいた・・・

⏰:07/06/19 19:24 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#49 []
これってもしかして
ヤバイ空気やったりする?


どうしよう・・・



裕クンが友梨に手を
伸ばしてきた。

・・・!!!!!


反射的に
避けるように
目をつぶってしまった。

⏰:07/06/19 19:26 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#50 []
・・・・・!!!???????

裕クンの手は
友梨の頭をくしゃくしゃに
撫でただけだった。

「そんな脅えんでいいのに(笑)俺そんな怖い!?」

首を横に振った。

『びっくりした!
急になにぃ〜?笑』

「友梨かわいいっ♪」

不意打ちだった
予想外の言葉に
一瞬にして全身が熱くなった

⏰:07/06/19 19:31 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#51 []
『ちょ・・・///』

裕クンは何も言わず
友梨を抱いたまま。

ぎゅっと抱かれた友梨は
裕クンの腕の中に
すっぽり入った。

それが無償に切なくて
また泣いてしまった。



もう博に抱かれることは
無いんだと自分に
必死に言い聞かせた。

⏰:07/06/20 07:10 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#52 []
友梨より太くて
たくましい裕クンの腕。

あんなにも
友梨より細い博の腕に
不満だらけだったのに・・・

なんでだろ??





博の腕じゃなきゃ
ダメみたい。

⏰:07/06/20 07:14 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#53 []
「友梨泣いてんの!?ごめん!!!嫌やった???」


違う・・・

違うの・・・

嫌じゃないよ。

嫌じゃないんだけど・・・




なんで
泣いてんだろ?

⏰:07/06/20 07:18 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#54 []
抱くのを止め
心配そうな顔で
友梨を覗き込む裕クン。

「泣くなよ・・・」

『笑うよ!!』

フルスマイルで笑ったけど
目からはポロポロと
涙がこぼれ落ちて

『友梨,カッコ悪いね(笑)』

「そんなことないよ」

って言ってくれた

⏰:07/06/20 07:22 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#55 []
『ごめん・・・泣かせて?』

裕クンの返事を聞く前に
友梨は自ら裕クンの胸に
飛び込み泣いた。

わんわんと声を上げ
自分でも何言ってるか
わかんないほどに泣いた。


裕クンは友梨が泣き止むまで
ずっと友梨の背中を
撫でてくれてた。



雪国ではまだ寒い
2月の夜だった――――。

⏰:07/06/20 07:27 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#56 []
『・・・もう泣かんから』

『ありがとぉね。』

「大丈夫か?」

『あんまり(笑)』


裕クンは一人ベッドに入ると

「気持ちいいなぁ〜
布団最高っ!!
一番幸せな瞬間やし↑」

とか言ってた(笑)

⏰:07/06/20 18:11 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#57 []
友梨も布団が
恋しくなったけど
一緒に寝るのは
なんか怖くて
我慢して座ってた。

「友梨も寝る?」

『いいっ!!』

「そか。」

『え

つっこんでよ!!

「なに?」

⏰:07/06/20 18:13 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#58 []
つまり・・・

その・・・

一応男と女やし
こんな時間やし
ムラッとされたら・・・

困るじゃん!?

「一緒に寝ようよ」

ほら。
そうやって誘ってさ。

危なくないですか!?

⏰:07/06/20 18:16 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#59 []
『あのさ・・・』

「はい,半分な。どーぞ♪」

『どーぞ♪じゃなくてさ!』

「???」



もぉっっ!!
そういう顔で見んといて!

『何もせんのなら
一緒に寝るけど・・・』

裕クンは笑ってた。

⏰:07/06/20 18:19 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#60 []
「何かするわけないじゃん。
友梨なんかさっ(笑)」

『うわっ!失礼やし』

「あははっ!何かされたいんじゃなくて??笑」

『ばかっ!』

変な妄想をした
友梨は変態扱い。

「襲わないでよ!」

とか調子に乗りだした

⏰:07/06/20 18:23 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#61 []
けど結局

「おいで」

って優しく言われて
友梨は布団に入った。

博より太い腕枕は
枕は高めが好きな友梨に
ちょうどよかった。

タバコの匂いがする
裕クンに抱かれ
ドキドキしてた。



なんなんだろ。
この感情・・・

⏰:07/06/20 18:26 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#62 []
「友梨は絶対に幸せになれるから。頑張るんやぞ」

『うん・・・』

「いい子・・・」

抱き寄せられ
裕クンの顔を見た。

目を閉じたまま
友梨を抱いてる。





キレイな顔だった・・・。

⏰:07/06/20 18:30 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#63 []
「そんな見つめんといてよ」

裕クンが目を開けた。

『気づいとったの??笑』

「上目使い禁止

『なんで?』

「やりたくなるから」

『・・・あほっ!///』

「うーそっ♪寝るぞ。」

そう言って
裕クンは寝てしまった。

⏰:07/06/20 18:34 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#64 []
裕クンが寝たのを確認すると
友梨は体を起こした。


『ひろし・・・』


名前を口にするだけで
また泣いてしまった。

でも裕クンが起きないように
声を殺して泣いてた

『ごめんね・・・ごめんね・・・』


後悔が押し寄せる。

⏰:07/06/20 18:38 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#65 []
どうして
大切に出来なかったんだろう

どうして
思いやれなかったんだろう

どうしてあの時


ごめんね博。


友梨
捨てられて当然だよね。

⏰:07/06/20 18:40 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#66 []
「泣き虫」

突然後ろから
裕クンが友梨を包んだ。

『泣いてっ・・・ないっ!』

「はいはい。あほ友梨」




この日はなんだかんだで
ずっと泣いてた気がする。

夜中に大泣きして
厄介な女だよね。

⏰:07/06/20 19:07 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#67 []
裕クンは友梨を寝かせると

「友梨は変な男に惚れすぎ。
俺みたいないい人見つけんと」


『笑』

自分で言うか?普通
ホント面白い。

『裕クンみたいないい人これから先見つかるかな?』

見つかるよね?
いい人。
裕クンみたいなイイ人・・・

⏰:07/06/20 19:11 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#68 []
「友梨っ!」

少し体を起こし
友梨の上に裕クンが...

『ん?』

「ちゅーしていい?」

へ?
ちゅー?
していい―――――――!?

別に嫌じゃないっていうか
友梨キスぐらい
嫌いじゃなければ出来るし。
って性格だから。

⏰:07/06/20 19:14 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#69 []
『ほっぺなら』

って言った瞬間に
チュッてされた。


「へへっ♪」

そう言って
何度もほっぺにキスされた

「友梨もして?」


チュッ―――――――


『・・・・・・・・んっ!!!!???』

⏰:07/06/20 19:17 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#70 []
友梨達は
ほっぺなんかじゃなく
普通にキスしてた。


でも自然と
抵抗したりしなかった。

嫌じゃないって言うのも
あったけど
それよりも
自分なんてどうでもよかった。

大切なモノを失った
抜け殻状態の友梨は
もう失うモノなんてない。

⏰:07/06/20 19:20 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#71 []
だから・・・
ごめんなさい。

博を思って
友梨は裕クンとキスしてた。

重なるはずない
二人のヒトを
必死に重ねようとして

何度も何度も
唇を重ねた・・・・・




これが友梨達の
初めてのキス。

⏰:07/06/20 19:23 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#72 []
・・・重ねた陰・・・

⏰:07/06/20 19:25 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#73 []
「彼氏と仲直りした?」

世界史の時間
マガジンを読みながら
適当そうに聞いてきた
隣の席の三木(ミツキ)。

三木とは小学校からの連れ。

世界史の時間は席が隣で
いろいろ相談してた。

この前喧嘩してた時も

「万が一別れたら男紹介してやるさ」

って言ってた。

⏰:07/06/21 17:39 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#74 []
"ありがとー"
って適当に流してたけど
まさかホントに
別れるとは・・・


『別れましたよー』

「は!?まじで!?
その割には普通じゃん。」

わかってないなー三木。
空元気に決まってんじゃん。

『やろ〜(笑)』

何言ってんだ自分・・・

⏰:07/06/21 17:45 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#75 []
「まぁ元気出せよ。」

いっつも馬鹿とかアホしか
言わない三木が
この時は優しくて
なんだか変な感じがした。

『ありがと♪でも意外と大丈夫〜昨日泣きまくったし(笑)』

とか強がり並べた。

弱さ見せたり
甘えたりって
誰にでも出来ない。

素直じゃないから・・・
裕クンには見せまくりだけど(笑)

⏰:07/06/21 17:50 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#76 []
「じゃあ約束の男紹介してやるさ」

『わーい♪ありがとう』



ってえーーーーーっ!!!!???

What What What ?????

『やっぱり友梨いいよ〜まだ博吹っ切れてないし』

「あ"ん!?お前それ早く言えよ!もうメール送ってまったにけ」

まじかよっ!!

⏰:07/06/21 18:15 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#77 []
行動早いって!!

「まぁ〜切りたきゃきれよ。」


三木の顔もあるので
とりあえず
メールする事になった。

紹介されたのは
大山南高校のサッカー部で
同級生のイケメン君。


らしい・・・

⏰:07/06/21 19:01 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#78 []
タメってあんまり
好きじゃないし

また大山市民かよ・・・

って感じで
さらにノリ気じゃない友梨。


地元では進学校で有名な
私立ってだけあって
携帯の持ち込み禁止らしい。


って事で
先公にバレたらヤバイので
夜メールすると言われた。

⏰:07/06/21 19:06 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#79 []
部活が終わり
帰宅し夕食を済ませ
部屋に戻ると
知らないアドレスから
メールが来てた。

"始めまして!三木に紹介してもらった浩輝(ヒロキ)っていいます♪イキナリやけど俺実は彼女居るから,俺の連れとメールしてやって☆よろしく!

xxxxxxxxxxx@docomo.ne.jp"



ってアド載せんなや!!
強制かよっ!!

⏰:07/06/21 19:10 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#80 []
『三木のばかー!!!』

なんでこんな大規模な事に
なってる!?




冗談で・・・
強がりで言ったことが
現実になってる。

しかも紹介のテンポ
良すぎだから!!

とりあえず"わかった"と
メールを返し携帯を閉じた。

⏰:07/06/21 19:13 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#81 []
アドレスを見る限り


自分の好きな歌手の名前に
312は誕生日ってとこかな。


浩輝とは違って
イケてない感じだ。

どうしようか
すごく迷ったけど
写メみて決めよう!
と思い浩輝のメールに
載っていたアドレスに
メールを送った。

⏰:07/06/21 19:17 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#82 []
所詮アタシはそういう奴。
今までだってそうだった。

メル友だって
何人ブチったことか。

でも博と出会って
友梨は変わった。


優しくなれた。


でもまた
元の友梨に戻ろうとしてる。


あの荒れてた時期の友梨に・・・

⏰:07/06/21 19:24 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#83 []
ブーッブーッ

受信
xxxxxxxxxxx@docomo.ne.jp


うわっ!!



"こちらこそ宜しく♪
名前何ていうの?"


"牧野友梨
友梨でいいよ。そっちは?"

送信

⏰:07/06/21 19:27 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#84 []
それから
夜中までメールしてて
途中で寝てしまった。

博みたいに
絵文字のいっぱい付いた
カラフルなメール。

博を思い出して
博とメールしてる気分になった


林 俊道(トシミチ)

アーチェリー部のエース。
大山南のアーチェリー部は
地元じゃかなり強豪だ。

⏰:07/06/21 19:33 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#85 []
そこのエースなんだから
かなりスゴイ!!

おまけに
失恋したてらしい。

一緒じゃん(笑)



以外と話が盛り上がって
寂しくなかった。

けど
どうしても博と
重ねてしまう自分に
博への依存を感じた。

⏰:07/06/21 19:52 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#86 []
俊道とメールのやり取りを
続けるうちに
電話もするようになった。

ハッキリ言って
かつぜつの悪い
独特の話し方。

写メも交換したけど
なんかイマイチ。

でも話してて楽しいから
友達として付き合っていく
つもりだった。


俊道の気持ちを
知るまでは・・・

⏰:07/06/21 19:59 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#87 []
・・・チキン野郎・・・

⏰:07/06/21 20:01 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#88 []
メールをして一ヶ月。

シャイだった俊道は
少し大胆になり

「友梨,博さん好き過ぎやで俺片思いやし」

とか言うようになった。

『会ったことないのに好きとか意味分からんからっ!』

って言ってはぐらかしてたら
じゃあ会ってみようよ。
って話になった。

⏰:07/06/22 07:44 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#89 []
あんまりノリ気
じゃなかったけど

このまま博に依存するのも
良くないと思い

俊道の気を知りながらも
会う約束をした。


嘘。
大山に行く口実が
欲しかっただけ
なのかもしれない・・・。

⏰:07/06/22 07:47 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#90 []
相変わらず五月蠅い親を
すり抜けるため

午前は部活で
午後からは生徒会の
仕事があるから

と家を出てきた。


私服をカバンに詰め
大山行きのバスに乗り
座るのはやっぱり
後ろから二番目の運転席側。

⏰:07/06/24 18:03 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#91 []
特に意味はないけど。

友梨は何となく
この席が好き。

一人で乗るときはね。





俊道に会う事よりも
もしかしたら博に
偶然会えるかもしれない!
とか淡い期待で
胸が膨らんだ

⏰:07/06/24 18:07 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#92 []
約束の時間より
少し遅れてバスが着いた。

『着いたよ。遅れてゴメン!今どこにおる?』

とメールを送ると

「タクシーの前」

タクシーなんて,いっぱい止まっててわかんない。

って思いながらも
乗り場に近づくと
日に焼けた長身の男子が
じっとこっちを見てた

⏰:07/06/24 18:11 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#93 []
"もしかして・・・??"

笑顔で手を振りながら
小走りで彼に近づいた。



あれ?写メとなんか
違う気するけど・・・


『はじめまして』

「はじめまして」

2人ぎこちなく
挨拶を交わした。

⏰:07/06/25 04:22 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#94 []
「写メより可愛いし・・・///」

何でお前が照れてんだよ!笑

『まじで???ありがと〜。』

友梨的には俊道は写メのが
マシだったからショック。


家に向かおうとしたら

「タクシー乗るから」

って言われて
タクシーに乗り込んだ

金持ちのボンは
やることが違うからビックリだ。

⏰:07/06/25 04:28 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#95 []
『VIPやねぇ〜笑』

「見られたくないから」

どういう意味だよ。

『見られたらマズイん?』

「うん。学校で何言われるか」

なんだそれ。
それはこっちのセリフだ。




一気にテンションが下がった。

⏰:07/06/25 04:32 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#96 []
会いたいって言ったの
自分じゃん?

好きとか言ってんのも
自分じゃん?


上から目線とか
まじないわぁ〜!!!!


って思いつつも
笑顔で普通を装った。
初対面やしな。

⏰:07/06/25 04:36 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#97 []
博の家とは真逆に進む
タクシーの中
すこしガッカリしてた。

窓の外は知らない場所で
すこし怖くなった。



タクシーを降りて
少し坂を上ると
俊道の家に着いた。

狭い勝手口を通り
俊道の部屋に通された。

『え・・・・・』

⏰:07/06/25 04:41 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#98 []
足の踏み場もない程に
散らかった汚い部屋。

窓がなく
閉め切られた暗い部屋。

「どうぞ,座って」

出されたのは布団。

唖然とする友梨に

「イーハイ予選で掃除する暇なかったで汚いけど!これでもちょっとはしたんやで??」

って言い訳を始めた。

⏰:07/06/26 07:18 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#99 []
『布団・・・座布団代わりにすんなよ〜笑』

笑えない。

「まぁ〜いいって,いいって」

よくねぇよ。
友梨が嫌だし。

てか何で布団2枚あるわけ?



まさか・・・・
童貞のコイツが・・・
まさか・・・ね???

⏰:07/06/26 07:22 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#100 []
「一緒に寝る?」

『寝ません』


人が好きになろうって
俊道の気持ちに応えようって
努力してんのに
コイツは全然ダメだ。

とりあえず布団の上しか
散らかってない場所が
なかったから仕方なく
座布団にして座って
いろいろ話してた。

⏰:07/06/26 07:26 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#101 []
11時を過ぎて
朝御飯を食べてない友梨は
空腹の絶頂に!!

『俊道〜ご飯行こうよ!友梨お腹空いた。朝早くて食べてないの・・・』

「まだ早いって。」



何だろう・・・胸が痛む

⏰:07/06/26 07:29 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#102 []
結局粘って粘って
友梨の勝利。

コンビニ行くことに
なったんだけど・・・


「ここで寝とけ。」

え?

『ひゃっ!!!!』

布団をかけられ
謎の発言。

⏰:07/06/26 07:33 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#103 []
留守番ですか?

おいてきぼり?

なにそれ。


理由はやっぱり
「見られたくないから」
らしい。

呆れて言葉もない。

「部屋漁らんといてな。」

『興味ないし。』

好きでもない男の部屋なんか

⏰:07/06/26 07:35 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#104 []
イチゴオレと
おにぎりを頼んで
友梨は俊道の部屋に一人。

布団に潜ったまま
目を閉じた。

俊道の匂いがする。
博とは違う匂い。
あんまり好きじゃないな・・・



このまま逃げようか。
帰りたい・・・
帰りたいよ・・・・
助けて博・・・。

⏰:07/06/26 07:38 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#105 []
博は会う日の朝起きたら
絶対メールくれた。

今家出た とか
着いたよ とか
友梨が心配性だから。



博は友梨のこと
一人にしない。
友梨が寂しがりだから。



何よりも
友梨といることを
恥じたりしなかった。

⏰:07/06/27 05:01 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#106 []
明日は友梨が来るから。
って何時間もかけて
部屋を掃除してくれた。

友梨がタバコが苦手だから
友梨といるときは
絶対吸わなかった。

すぐに「お腹空いた」
って言う友梨の為に
いつもお菓子とジュース
買ってくれてたね。

博が友梨にしてくれた事が
当たり前なんかじゃなく
博のちょっとした
気遣いであり
博の優しさでもあった
事に気づいた。

⏰:07/06/27 05:08 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#107 []
今更気づいても遅いのに。


博は・・・





博は・・・






戻ってこない―――――――。

⏰:07/06/27 05:10 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#108 []
そう思う反面
ある日突然

「やっぱり好きだ」

って友梨のもとに
帰ってきてくれる気がして。

ずっと消せないでいる
保護メールとプリ画。


ほんと未練がましい。
キモイよね。

でもこの気持ち
嘘なんかじゃない。
どうすることも出来ない・・・

⏰:07/06/27 05:14 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#109 []
ブーッブーッ

突然手の中の携帯が鳴り
着信は俊道だった。

現実に引き戻される。



「イチゴオレなかった」
っていう報告。
しょうがなくリプトンにした。


しばらくすると
俊道が息を切らして
帰ってきた。

⏰:07/06/27 05:19 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#110 []
『お帰り』

泣いてたのがバレないように
笑顔で迎えた。

友梨はこの汚い部屋に
一人で待ってたのに・・・

なのに・・・


「部屋漁ってないよな?」


は?
そこかよ。

この男ありえない。

⏰:07/06/28 19:23 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#111 []
リプトンぶっかけて
やりたかった。

帰りたい。

帰りたい。

帰りたい!!!



「あ〜疲れた!」

俊道は布団に
横たわった。

友梨は起き上がり
一人ご飯を食べ始めた。

⏰:07/06/28 19:26 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#112 []
一人黙々と
おにぎりを食べてると

「友梨まじ可愛いな」

って俊道が言った。

『そうか?普通やって』

冷たい反応をする。

「そそるよな〜笑」

でた。変態っ!!


こういうのは
相手にしちゃいけない。

⏰:07/06/28 19:31 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#113 []
ヤれば好きになれる?
アンタのこと。

細い腕枕じゃなくて
筋肉質な太い腕が
心地よくなるの?

狭いあの部屋を
好きになった様に
この部屋も
好きになれるのかな?



少しの我慢で
この気持ちが博から離れて
俊道を好きになれるなら
アタシはなんだってする。

⏰:07/06/28 19:36 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#114 []
『やりたいの?』

「え?いいの?」

『別に初めてじゃないし』

「うんっ!!」




男って単純。
なんて生き物なの・・・




友梨は俊道の隣に座った。

⏰:07/06/28 19:39 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#115 []
俊道は友梨を抱いた。

「シャンプーAsieoce?」

『何でわかったの?』

「シャンプー当てるの得意」

どんな特技だか。
笑っちゃうよね。

そのまま布団に倒され
キスされそうになった時

アタシは拒んでしまった・・・

裕くんは大丈夫だったのに
おかしいな・・・

⏰:07/06/28 19:44 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#116 []
『ごめん!やっぱり無理!!』

鳥肌が立ってた

「ここまできて
それはないろ!!」

ですよね・・・

だけど無理なの。

「もう起ったし!! ///」

『ホントにごめん・・・』


ごめんなさい。
あなたを好きになれそうに
ありません・・・

⏰:07/06/28 19:49 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#117 []
「いいじゃん!なんで??」

よほど
卒業したかったんだろう
しつこかった

鬱陶しくて

『そんなにやりたきゃ
一人でやんなよ。』

「恥ずかしいにか!!」

『チキン 笑』

鼻で笑った。

⏰:07/06/28 19:52 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#118 []
「チキンじゃねぇし!!
あぁ〜いいよ!やってやるよ」






ムキになるところが
違う気がするけど・・・

好きじゃないし
こんな男どうでもよかった

所詮ただのメル友。
暇つぶしでしかなかった。

⏰:07/06/28 19:55 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#119 []
俊道は布団の中で
脱いでしまったらしく

「脱いだし!チキンじゃねぇ」

そう言うと
隣で自慰行為を始めた。


まさか本気でやるとは
思ってなくてビックリした。



恥ずかしくないの?
惨めじゃないの?

結局は抜きたかった
だけだろう。

⏰:07/06/28 19:58 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#120 []
行為が終わると

「誰にも言うなよ」

って。

誰に話すんだよ。
こんな気持ち悪い話。
逆に友梨が引かれるし。

『言うわけないし』

「よかった。」


ビビってんなら
最初からすんなっつーの!
めっちゃチキンやん。

⏰:07/06/28 20:01 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#121 []
バスの時間が近づき
帰ることにした。

解放されたかった。

早く・・・

早く・・・

タクシーを降りた
所まで来ると

「バスで行こうぜ」


市内を循環してる
100円で乗れるバス。

⏰:07/07/08 09:50 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#122 []
『これ3時半までに駅着く?』

「初めて乗る♪」


却下。
そんな危険な乗り物には
乗りません。

友梨は六時前に
学校まで行かなきゃいけない。
親に嘘付いてきたし・・・

3時半のバスに
乗り遅れるわけには
いかない。

⏰:07/07/08 09:54 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#123 []
なのにコイツは

「確か大丈夫やよ」

って言って
友梨の腕を掴むと
バスに押し入れた。

(ほんとかよ・・・)






これが間違いだった。
やっぱ歩けばよかった。

⏰:07/07/08 09:57 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#124 []
明らかに駅とは逆に進む
バスに不安を抱き
運転手に駅に着く時間を
聞いてもらうと・・・

「3時40分だよ」





「『え"―――――っ!?』」

『俊道おりよっ!!』

「ここから走ってももう無理だよ・・・」

『・・・・・』

⏰:07/07/08 10:00 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#125 []
一気に機嫌が悪くなる。

顔も見たくない。

「ごめん。俺のせいや・・」

『だから乗った事ないのに止めようってゆったやん!!』

「だって・・・」

『言い訳なんか聞とない』

「ごめん・・・」


謝られても
こればっかりは無理。

⏰:07/07/08 10:03 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#126 []
「なんでもするから・・・」

『3時半のバス乗らせて』

「それは・・・」

『なんでも。じゃないじゃん。適当なこと抜かすな』

怒りを通り越し
友梨はバスの中で
泣いてしまった・・・


なんとかしなきゃ。
なんとか・・・
6時までに帰る方法・・・

⏰:07/07/08 10:06 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#127 []
翔くん!!!!!

携帯を取り出し
翔くんに電話を
かけようとしたら

「俺の電話代使っていいよ」

『・・・』

「それで何とかなるなら」

『ありがと』


プルルルルッ
プルルルルッ――――

「はい?」

⏰:07/07/08 10:09 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#128 []
『久しぶり。友梨やけど・・・』

「あれ?番号かえたんけ?」

『ううん。友達の〜♪』


電話に出たって事は・・・
仕事休みだ!!!

『あのさ〜今日休みやったりする?』

「うん、夜勤明けでさっ!どうした?」

『車出してくださいっっ!!』

⏰:07/07/08 10:12 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#129 []
「ごめん・・・今実家向かっとって・・・家じゃない↓三ッ橋に聞いてみれよ。春休みで帰ってきとるはずやで」


翔くんはダメだったけど
三ッ橋くんなら!!






「ごめん。昨日までならおったんやけどなぁ・・・さっき帰ってきたんや」

チーン(-_-)・・・・・

⏰:07/07/08 10:16 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#130 []
車持ちの知り合いに
片っ端から連絡したけど
平日でみんな仕事。


今日ツイてない。


とりあえず
次のバスに乗り
乗り換えの駅まで
行くことにした。

「気をつけて帰れよ。今日はホントにゴメンな。」

20分後大山バスセンターに
着くと俊が謝ってきた

⏰:07/07/08 10:22 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#131 []
『もぉええよ』

「嫌いになった?」

『嫌いにはなってないけど好感度はゼロに近いな(笑)』

率直な意見。

「じゃあ俺後輩ん家行ってくる。気をつけて帰れよ」

はい?

最低な言動の数々に加え
見送りもしない気らしい。

限りなくゼロに近かった
好感度はマイナスへと
変化した。

⏰:07/07/08 10:35 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#132 []
タクシーで帰ろうか
迷っていると・・・

「あれ?マッキー(牧野)じゃん♪」

『え?』

振り返ると
そこには中学時代
仲が良かったサヤがいた。

「制服で何してんの?」

『実は・・・』

全てを簡潔に話した。

⏰:07/07/08 13:43 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#133 []
「そいつ最低やん(笑)ウチ今親来るから乗ってきなよ♪飛ばしてもらうし!!」

『サヤ・・・ありがとう!』





サヤ(の親)のお陰で
6時前に学校に
着くことができた。



それから
俊道とは疎遠になっていき
今はもう連絡先もしらない。

⏰:07/07/08 13:47 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#134 []
独りの夜は
怖くて眠れない。

自律神経やられてんのかと
思うくらい
涙は勝手に溢れてくる


俊道がチキンじゃなくても
友梨は俊道を好きには
なれなかったんだ。



博以外の他の誰かなんて
愛せないんだから――――。

⏰:07/07/08 13:51 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#135 []

・・・LOVE DIALY・・・

⏰:07/07/08 13:54 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#136 []
【書き込む】

『何やってんだろう・・・』



博と2人で始めた
ホームページ。

別れた後も
毎日欠かさず書き続けてる。




博が読んでるのに
気づいたから・・・

⏰:07/07/08 13:58 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#137 []
メールや電話は
怖くて出来なかったけど

もしかしたら時間が経って
ほとぼりも冷めた時
ふと思い出して
覗いてくれるかもしれない。

そんな日がいつか来て
友梨が変わった事が
伝わったらいいな・・・

そう思ってた。

だから辛くても
書き続けると決めた。

素直な気持ちを。
ありのままに・・・

⏰:07/07/08 14:07 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#138 []
別れて3日ほど経った頃
博の日記が
更新されているのに
気が付いた。


"日記読ませてもらいます"

"辛くても頑張れよ!!"



涙が止まらなかった。


博はちゃんと見ててくれた。

⏰:07/07/08 17:34 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#139 []
毎日部活が終わって
家に帰宅するとすぐに
日記を書いた。

訪問すると
カウントされる数字が
プラス1になっているのが
嬉しかった。

ほんの些細なことでも
博と繋がっていられる事が

今の友梨にとっては
とても大きな幸せだった。

⏰:07/07/09 07:28 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#140 []
博の日記が
更新される事は
なかったけど・・・

友梨はまた書いてくれる
んじゃないかって
毎日博の日記も覗いてみた

博がホームページに
来ている事は事実で・・・

だけど
博の今日の出来事を
知る権利は
友梨にはもう無くて・・・


この気持ちは
博にはわかんないよね。

⏰:07/07/09 07:35 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#141 []
更新のない
博の日記を今日も見た。



見てしまった――――。







【……………】


更新されてたんだ・・・

⏰:07/07/09 07:37 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#142 []
ボーリング行ったとか
カラオケ行ったとか
仕事の話。


それから
ちょくちょく
博の日記が更新されるように
なっていった。


でも友梨は
みちゃいけなかったんだ・・・

まだ癒えていない傷を
抱えた友梨には
辛すぎる事実が
淡々と綴られていた。

⏰:07/07/09 07:42 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#143 []
訂正
【×】
ボーリング行ったとか
カラオケ行ったとか
仕事の話。


【○】
ボーリング行ったとか
カラオケ行ったとか



すみませんm(_ _)m

⏰:07/07/09 07:45 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#144 []
別れて1ヶ月だったけど
誕生日は別。
友梨だっておめでとうって
言いたかった。

一週間くらい前から
何て書こうか
ずっと迷って・・・

だって今の自分の立場から
使って良い言葉
控えなきゃいけない言葉って
あると思うから・・・

悩んで悩んで作ったら
誕生日メールは
何かが足りなくて・・・

それが何なのか
わかんなかった。

⏰:07/07/09 07:51 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#145 []
そんな時
他校へ進学した親友(ナナ)から
遊ぼうと誘われ

久々に遊びに出た。


『久しぶり〜』

待ち合わせ場所に行くと
ナナが驚いた顔で

「友梨なんかあったの!?何でそんな痩せたん!?」

『ダイエットやって(笑)』

笑って流した

⏰:07/07/09 07:55 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#146 []
「真剣に聞いとるんよ!?」

少し怒ったようなナナ。

「・・・別れたん?」

『・・・・・』

「話さんとわからんに・・」

『失恋しましたぁ〜(笑)』


「あほ!無理しんのっ!!」

駅のホームで
ナナは友梨を抱きしめた。

人目なんてまるで
気にならなかった。
二人で泣いた・・・

⏰:07/07/09 07:58 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#147 []
それからマックに入って
ナナに話した。

長い間会ってなくて
彼氏が出来た事しか
言ってなかったから
どこから話していいのか
わからなくて

とりあえず
訳わかんない言葉を
ナナにぶつけまくった。

ナナは泣きながら

"頑張ったね""辛かったね"

って何度も言った。

⏰:07/07/09 17:34 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#148 []
一通り話終わると

「友梨の事ね。好きじゃなくても気になっとるんやと思うよ」


好きじゃないのに
気になってる?

よく意味が分からなかった。

「男ってそんなもんやさっ」

わからないながらに
ナナの言葉を
理解しようと必死だった

⏰:07/07/09 17:38 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#149 []
はっちゃけて
楽しんだ帰りの電車の中。

彼氏とメールしてる
ナナを見て
なんとなく
ホームページを開いた。

またカウントが増えてる・・・



まさか・・・!!!!!


書き込みがあった

⏰:07/07/09 17:41 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#150 []
博は何か
勘違いしてるのか
機嫌が悪かった。

何で怒ってたのか
よく覚えてないけど・・・


帰る間中
不安だったのは覚えてる。

⏰:07/07/09 17:43 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#151 []
乗り換えの待ち時間。
誕生日メールの相談をした。

何かが足りなくて
それが何なのか
わからないと――――。

ナナはあっさりと

「友梨の気持ちやと思う。好きなら好きって言って良いじゃん?素直な気持ちが欠けとるから足りん気がするんじゃない?」

素直な気持ち・・・
友梨好きって言って
いいのかな?

⏰:07/07/09 17:46 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#152 [下痢たれ]
ラーブイーズォーバー悲しいけーれどー

ってかうははははは

⏰:07/07/09 19:00 📱:SH902iSL 🆔:☆☆☆


#153 []
夜携帯と
にらめっこしながら
何日もかけて・・・
何度も作り直して・・・

言葉を選んで
でも素直な気持ちを

博に届きますように・・・

メールに着メッセを添えて
12時ちょうどに
送信した。

⏰:07/07/09 19:02 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#154 []
18歳おめでとう

ヒロシが生まれて18年

ユリが知っとるヒロシは1/18以下やけど・・・

楽しくて・・・

優しくて・・・

いっつも人気者やおね

そんなヒロシが大好きです

会えてよかった

生まれてきてくれてありがとう
幸多き01年でありますように・・・

⏰:07/07/09 19:07 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#155 []
素直になったよ。

伝わるかわからないけど・・・



本当に会えてよかったって
思ってる。

どん底にいた
どうしようもない友梨に
手を差し伸べてくれた
かけがえのない人。

ずっと忘れないから・・・

博も忘れないで・・・?

⏰:07/07/09 19:10 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#156 []
"ありがとう"

って返事は
当然のように
返ってこなくて

だけど友梨馬鹿だし
1時まで待ってた。






まさか
あんな形で
返事が返ってくるとは
まだ知りもしないで・・・

⏰:07/07/09 19:13 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#157 []
次の日いつものように
ホームページへ行くと
博の日記が更新されていた。



誕生日メールが
沢山きて嬉しかった事。








一番嬉しかったのは
マキからのシンプルな
メールだったと―――――

⏰:07/07/09 19:16 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#158 []
その場に泣き崩れ
その日からまた
ご飯を食べなくなった。


人間って
強いフリして弱いよね。


恋愛には臆病で
些細なことで
こんなにも凹んでさ。



『大嫌い』

そう思えたらいいのに・・・

⏰:07/07/09 19:20 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#159 []
大嫌いになんて
なれるはずない。

だって好きだもん。



こんなにも
胸が締め付けられるほど
苦しくて切なくても



これが恋だから・・・



人を愛するって事だから・・・

⏰:07/07/09 19:23 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#160 []
それから
博の日記は
日記ではなく
友梨へのメッセージとなり

友梨の日記は
博へ打ち明けられない
思いを綴る場所となった。


口にしちゃいけない言葉は
博には教えていない
もう一つのホームページに
密かに綴った。



切ない片思い日記・・・

⏰:07/07/09 19:25 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#161 []
・・・飛べない千羽鶴・・・

⏰:07/07/09 19:26 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#162 []
何の進展もないまま
月日は流れ

博は高校を卒業し
地元の企業に就職した。


友梨は生徒会役員となり
着々と三年生に
なろうとしていた。



もうすぐ4月になる・・・。

不安で仕方ない。

⏰:07/07/09 19:33 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#163 []
時間は
正確に時を刻み続ける。

一日が終わり
明日になるのが怖かった。



「"4月に死ぬ"」



博の言葉が
日を追うごとに
重く友梨にのしかかる。

⏰:07/07/09 19:38 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#164 []
大切な人が
居なくなるのに

17の友梨には
どうすることも出来なくて


博にとって友梨は
関係のない奴で
ただのお節介かもしれない。

だけど
じっとなんて
していられなくて・・・


文具店に行った。

⏰:07/07/09 19:40 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#165 []
折り紙を買い占め
店を出た。

一日20枚以上のペースで
折り始めたのは



"千羽鶴"



友梨には願うことしか
出来なくて

つくづく人間って
無力なんだと
思い知らされる

⏰:07/07/09 19:55 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#166 []
博には黙ってた。

ウザイとか
言われそうで・・・。



誰の力も借りず
千羽折ってみせる。



なんだってするから。



お願い・・・
博を連れていかないで・・・

⏰:07/07/09 19:57 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#167 []
寿命を分ける事が
できるのなら
友梨の寿命を・・・。

博と入れ替われるなら
友梨の体を・・・


悪夢に魘される日が増えて
ノイローゼになりそうだった。


そんなある日の夜だった

博からメールがきた・・・

⏰:07/07/09 20:01 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#168 []
目を疑った。

嘘だと言って欲しかった。

怒らないから
質の悪い冗談だと
誰か否定してほしかった。







【俺、月末に死ぬわ】




.

⏰:07/07/09 20:03 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#169 []
急いで電話をかけると
すぐに博はでた。



「なに?」

『嘘やよね?てか嘘って言って欲しいんやけど・・・』

「ホントやさ!」





全身が震えだし
涙が止まらなくて
どうにかなってしまいそう・・

⏰:07/07/09 20:06 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#170 []
この人は
どこまで友梨を
苦しめるの?

これ以上不安に
させないで。



別れを受け入れるだけで
精一杯なのに
永遠の別れなんて・・・
友梨には耐えられない。




「仕方ないろ・・・?」

⏰:07/07/10 07:17 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#171 []
『仕方なくない!!』

そうやって
諦めて欲しくない。

「必然は変えれん」

執着してよ。

"生きる"って大切な事。

"明日"がくるって
素晴らしい事なんだよ?


人は全身全霊をかけて
守りたい大切なモノが
出来た時初めて
生きていたいと思う。

⏰:07/07/10 07:22 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#172 []
つまらなかった毎日に
刺激を求め

寂しさを埋めるために
男と寝た。

信じては裏切られ
心に傷を負い
それを隠すために
強がってた。

いつ死んでも
構わないと思ってた。



でも今は違う・・・

⏰:07/07/10 18:31 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#173 []
離れてても良い。

報われなくても良い。




生きていたい。

いつかきっと
友梨も幸せになれるから。





そう信じてた

⏰:07/07/10 18:33 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#174 []
信じてたのに・・・

現実はそんな甘いもんじゃない






「俺・・・今大切な人おるでさ」






.

⏰:07/07/10 18:35 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#175 []
大切な人・・・?




それは友梨じゃない
他の誰かで

それは
友梨との終わりを
意味してて・・・


『彼女・・・できたの・・・?』


わかってんのに
聞いてしまった。

⏰:07/07/10 18:38 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#176 []
聞いてすぐ
後悔したけど

「うん。」

ってあっさり言われちゃった。




所詮友梨は
別れて1ヶ月で
忘れられるような
女なんだと
自分を責めたりもした。

けどそんなの
なんの意味もなくて

⏰:07/07/10 18:41 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#177 []
`




" サイテイ "





そう言い返すのに精一杯。




電話越しに
一人しゃべり続けるのを
博は黙って聞いてた。

⏰:07/07/10 18:44 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#178 []
胸が熱くて
涙が止まらなくて


こんなことなら
連絡なんて
とらなきゃよかったんだ。


そしたらさ
知らなくてよかった事実
だったのに。



あほやん。
友梨めっちゃあほやん・・・

⏰:07/07/10 18:59 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#179 []
電話を切ると
布団を握りしめ
声を殺して泣いた。

悔しかった。

悲しかった。

切なかった。


苦しいよ・・・・・。


これが恋だというなら
友梨はもう
恋なんてしたくない。

傷つきたくないよ・・・

⏰:07/07/10 19:04 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#180 []
ぼーっとしたまま
起きあがると
棚から小さな箱を出した。


静かにふたを開ける。


『こんなもんっ!!!!!』

『博なんか・・・!!博なんか!!』




床には
小さな鶴が散らばった。

⏰:07/07/10 19:08 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#181 []
もうすぐだったのにね・・・


1000羽じゃなきゃ飛べない
この鳥たちに
込めた願いは重すぎて

紙切れなんかで
人の命が左右されるなんて
無理な話だけど



それでも



それでも大切な人へ
何かしてあげたかった

⏰:07/07/10 19:11 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#182 []
" 博なんか "


の次の言葉が
言えなくて・・・




『ごめんね・・・』


泣きながら
一羽ずつ丁寧に
鶴を開いた。

⏰:07/07/10 19:15 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#183 []
852羽の
鶴たちが
折り紙へと戻っていく。







友梨の恋は
飛べなかった千羽鶴と共に
灰になり


空へ舞った・・・・・

⏰:07/07/10 19:46 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#184 []
・・・涙の夜・・・

⏰:07/07/11 04:45 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#185 []
「愛される女になれよ」

"心から愛したいと
思われる人になれ"


そう課せられた課題は
友梨にはとっては
簡単なもんじゃない。


今までもきっと
そうだったんだ・・・

みんな好きだけど
愛してはくれなかった。
愛そうと思え無かったんだね

友梨が悪いんだ・・・

⏰:07/07/11 04:52 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#186 []
「来週の金曜日から彼女に会いに大阪・・・行ってくる」



大阪・・・

彼女に会いに・・・



博の言葉の数々は
今も心に傷を残してる。

いつか癒えると
信じてるけど・・・

⏰:07/07/11 04:55 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#187 []
"彼女は知っとるの?その・・・月末の事とか・・・(未来が)見える事とか"



"言ってない。"



友梨には話したじゃん。
彼女に黙ってんの
よくないよ・・・



でもどこか
嬉しいと思ってしまう
最低な自分

⏰:07/07/11 04:59 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#188 []
博が居なくなれば
友梨のこの気持ちは
諦めが付いて

心の傷も
時間と共に癒えるの?

他の誰かを愛せるの?


無理だ・・・
博のいない世界は
モノクロでしかない

博が最期に会いたいのは
友梨じゃないけど

本当に最期だというなら
もう一度、
あなたに会いたい・・・

⏰:07/07/11 05:03 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#189 []
ブーッブーッ


夜の九時を過ぎた頃
携帯が鳴り
一通のメールを受信した。


登録外ではあったものの
アドレスを見れば
誰だかすぐにわかった。

わかりやすいから(笑)



送信者は文博だった。

⏰:07/07/11 07:06 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#190 []
「起きとる!?」

ってまだ九時だし・・・(笑)

『眠いかなぁ〜笑』


送信するとすぐに
電話がかかってきた。

ビックリして出ると

「まだ寝やんでな??まだ寝やんでな??」


って文博かよ!!!笑

『起きとるって(笑)何〜?』

⏰:07/07/11 07:13 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#191 []
「いやぁ〜友梨ちゃん今フリーやんね?」

今触れて欲しくない話題
ナンバー1!!!!

『そやけど?』

「友梨ちゃんに会いたいなぁ〜ってw」

『会いたいんじゃなくてヤりたいんやろっ!』


バレバレやって。
相当欲求不満じゃん

⏰:07/07/11 17:10 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#192 []
「なっそんな失礼な〜会いたいんやて〜」

はいはい。
動揺してんじゃん。

『悪いけど・・・』







ちょっと待った!

文博が来てくれれば・・・

⏰:07/07/11 17:12 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#193 []
『いいよ。ドライブ行きたいなっ♪』


「友梨の頼みなら何だって聞きますっ!!なんでもおっしゃってくださぁ〜い(笑)」


『なんでも!?』

「うんっ♪」





よし来たっ!!!!!

⏰:07/07/11 17:14 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#194 []
文博には悪いけど
足になってもらう事にした。


博に会いに行くと
決意した。


当然ヤリ目の文博は
明日の夜来るといい
嬉しそうに電話を切った。


もう昔の友梨じゃないのに
文博はきっと期待してた。



最低な事くらいわかってる。
でもこうするしかなかったの

⏰:07/07/11 17:17 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#195 []
その日の日記に一言。

『ごめんね』

と書き加えた。


突然押し掛けてごめん。

未練がましくてごめん。

彼女いるのにごめん。


いろんな思いを込めた・・・

大きくて思い"ごめん"

⏰:07/07/11 17:19 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#196 []
訂正

×・・大きくて思いごめん。

○・・大きくて重いごめん

⏰:07/07/11 18:03 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#197 []
文博と会う約束をした夜。

「着いたよ」

と電話が来て
友梨は家を飛び出した。


最後にあった日・・・
文博は自動車学校に
通ってて
そこまで会いに
行ったっけ(笑)


『久しぶり〜』

とドアを開けて
口まで開いてしまった

⏰:07/07/11 18:07 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#198 []
マリーちゃんで
埋め尽くされた車内。

マリーちゃん付きのファーが
フロントに敷かれ

マリーちゃんのミラーに
カーテン・毛布
キーホルダー。

すべてマリーちゃん・・・

きょろきょろしていると

「かわいいやら〜笑」

って言われた。

『女の子に車借りてきたん?』

⏰:07/07/11 18:13 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#199 []
って聞いたら
自分の車らしい・・・

ピンクのギャルギャルした
この車を
18の男が乗ってるなんて
誰も思わないと思う。



「友梨ちゃんどこ行きたい?」


『えっ・・・・・・っま・・』

「ん?」

『大山っっ!!』

⏰:07/07/11 18:16 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#200 []
『博に会わせて下さい・・・』

「俺は足か!?」

『わかっとる!!最低な事頼んどるって・・・でも・・・』

「もぉ〜そんな目で頼まれたら断れんやら〜友梨ちゃんのお願いなら俺何でも聞いちゃう〜」



文博は笑いながら
大山へ・・・博の元へ
行くことを許してくれた。

⏰:07/07/11 18:36 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#201 []
大山へ向かう途中
コンビニに寄った。

怖い兄ちゃん達が居たから
友梨は車で待ってた。

戻ってきた文博が

「はい,友梨のっ」

って差し出したのは
イチゴ・オレ。




さすが文博っ!!
わかってる(笑)

⏰:07/07/12 07:46 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#202 []
『会ってくれるかな?博』

「引っ張り出しやぁ〜(笑)」


『彼女さんに悪いよね?』

「友梨らしくないやん。他人の心配なんて。彼女なんかはったおしたれよ(笑)」



マイナス思考になる友梨を
文博は勇気づけてくれた。


アタシ・・・頑張るよ

⏰:07/07/12 07:51 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#203 []
いつも通った
博の家への坂道。

あの公園。


閑静な住宅街。
その中にある
白い小さな博の家。


『ここ・・・』

「・・・」

少し離れた通りの角に
車を止めた。

⏰:07/07/12 18:47 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#204 []
エンジンを切ると
静まり返った車内は
緊張感に溢れた。


「電話。かけやぁ。」

『やっぱり無理っ!!迷惑やし。これ以上嫌われて傷つくの耐えれん・・・』

泣き出す友梨に
呆れた様に文博は

「ここまで来たのに逃げたらアカン。向き合わな。最後にするって決めたんやったら正面からぶつからな」

って言った。

⏰:07/07/12 18:51 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#205 []
向き合う。

最後にするんだ。

振り向いちゃいけない。





家にいるか確認する為
電話をすると
話し中だった。

いや、拒否られてんのかも。

『繋がらん』

⏰:07/07/12 19:06 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#206 []
すこし時間をおいて
もう一度かけた。

文博が手を握っててくれた・・



強く握られた手から
"頑張れ"が伝わる。



繋がったけど
なかなか出てくれない。

無理かなぁって
思って切ろうとした瞬間
出た。

⏰:07/07/12 19:09 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#207 []
まだ番号登録してて
くれたんだと思う。

「なに?」

って言われた。



嬉しいような
悲しいような・・・


『今家におる?』

文博が心配そうに
のぞき込む

⏰:07/07/14 09:07 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#208 []
「おるけど何?」

超冷たい返事。

それでも友梨は
トーンを上げたまま
必死に喋った。


『今から会いたいの』

「は?」


無理もない。
片道一時間かかる距離。

まさか友梨がここまで
来てるなんて思いもしない。

⏰:07/07/14 09:11 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#209 []
『今近くまで来とるの。会って下さい・・・』

「俺彼女おるし。」

『お願い・・・ちょっとだけ・・』
「・・・」

『・・・』


沈黙が流れる。

電話を切られるんじゃ
ないかって
正直怖かった。

⏰:07/07/14 09:13 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#210 []
沈黙の間
悩んだんだと思う。

はーっ

って大きなため息をつくと

「めんどくせぇ女やなっ!今どこにおるんよ?」

『角んとこ・・・』


会いたい・・・
会いたい・・・



「公園におれよ」

⏰:07/07/14 09:17 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#211 []
『来てくれるの!?』

「気が向いたら。」


何でもよかった。
来てくれるって信じてた。


博に会える・・・

どうしよう・・・
もう泣きそうだよ・・・



電話を切ると
文博を残し一人車を飛び出し
公園へ走った

⏰:07/07/14 09:20 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#212 []
公園に着くと
ベンチに座り博を待った。

3月だっていうのに
冷たい風が頬を撫でる。

空を見上げると
星がたくさん光ってた。




泣かない。
絶対泣かない。

最後は笑顔で・・・

"最期"だから・・・

⏰:07/07/14 09:25 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#213 []
ガサッ


足音がした方を見ると
誰かが立ってた。

暗くてわからないけど
暗闇に浮かび上がる
あの華奢なシルエット。

大好きな人の影を
間違えるはずがない。


『ひろし・・・』

「・・・」

⏰:07/07/14 09:30 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#214 []
立ち上がり
陰の方へ駆け寄った。



博だ・・・
2ヶ月ぶりに会った博は
もう学生の博じゃなくて

あの無邪気な笑顔もなくて
疲れきった大人の顔をしてた



友梨の知らない
博がそこにはいて・・・

ちょっと寂しかった。

⏰:07/07/14 09:33 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#215 []
『また痩せた?』

高鳴る胸の鼓動を
必死に抑えながら
できるだけ笑顔で・・・

「かもな」

『ちゃんと食べんと・・』

「うるせぇな。要件は何よ」



突き放すような言葉に
胸が締め付けられた。

『・・・』

⏰:07/07/14 09:36 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#216 []
「明日も仕事なんで寝たいんですけど。」

『・・・』


泣かない。泣かない。
頑張るんだよ友梨。



『会いたかったの・・・博が最期とか言うから。死ぬとか言うから!!!』

博に一歩近づいた。

「さわんなっ!!!」

⏰:07/07/14 09:39 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#217 []
『えっ・・・』

「そんだけかよ」



それだけ?

そんな軽いもんじゃない。

友梨がどんな気持ちで
ここまで来たか・・・
博はぜんぜんわかってない



目頭が熱くなる。

⏰:07/07/14 09:41 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#218 []
『もういいよっ!!!!!』


気付けばそう言って
博に背を向けてた。


我慢してた糸が切れて
涙が溢れ止まらなかった。



こんな事言いに
来たんじゃないのに・・・

伝えたい言葉
いっぱいあったのに・・・

素直になれなかった。

⏰:07/07/14 09:44 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#219 []
泣いてんのがバレないように
涙は拭かなかった。

後ろから
博も歩いてくるのがわかった。



振り返って
博の胸に飛び込んで
今でも好きだと泣きつけば
何か変わってただろうか。

でもそんな勇気
友梨になくて
早足で文博の待つ車へと
道を急いだ

⏰:07/07/14 09:47 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#220 []
いつか博が言ってた。

「女の涙だけは弱い」って。

だから涙は見せない。
卑怯だから。

博を苦しめるのは
なんだか自分も苦しいから。





車に乗り込み
文博に抱きついて
大声で子供みたいに泣いた。

「頑張ったやん」

⏰:07/07/14 09:52 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#221 []
「友梨は大人になれるよ。強い女になれる。」


そう元気付けてくれる
文博の言葉にまた涙する。



泣いて泣いて泣いて。

弱虫。意気地なし。

結局伝えたい言葉を
何一つ言えないまま


博の元を後にした。

⏰:07/07/14 09:54 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#222 []
会う度に来てた
ゲームセンターの裏の
駐車場に車を止め

イチゴオレを一気飲み。



博からの連絡はなくて

べつに「ごめん」って言って
欲しい訳じゃないけど

連絡がないのは
ちょっと痛い。

⏰:07/07/14 18:59 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#223 []
彼女が居る人を
いくら思っても仕方ない。

まだ結ばれてない糸を
結ぶのは努力次第で
なんとかなる。


だけど・・・
一度切れた糸を

ましてやもう
他の糸と結ばれているのに
繋ぎ直すことは

容易な事じゃない。

わかってる

⏰:07/07/15 17:44 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#224 []
友梨が博を思うように
彼女さんもきっと
博の事を思ってる。

愛してる。




必要としてるから・・・



友梨はもう
関わっちゃいけない。

⏰:07/07/15 17:47 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#225 []
「泣くなよ・・・」

文博が友梨を
抱きしめた。


「友梨が他の男の為に泣いとんの見とんの結構キツイで?」


それは・・・





どういう意味なの?

⏰:07/07/15 17:49 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#226 []
知りたい気持ちと
知らなくていい気持ち。

知りたい事実と
知りたくない事実。
知らなくていい事実って



きっと
いっぱいありすぎて
今の友梨には

これはこっちで
それはこっち。とか
分ける事が出来ない。

⏰:07/07/15 17:52 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#227 []
知らなくて良いことまで
知りたがって
傷ついて。

気が付けば
こんなにもボロボロで


だけど
好きな人のことは
傷つくと分かっていても
知りたいと思ってしまう。




恋愛って
単純で。だけど難しい

⏰:07/07/15 17:54 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#228 []
「友梨・・・」

甘い声を
聞き終わるより先に
文博の体が
友梨の上にのしかかった。



『何しとんの?』



悲しみのあまり
驚くとか
そんな感情はなくて

醒めきった目で
文博を見た。

⏰:07/07/19 19:12 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#229 []
「気付けよ」

その言葉の意味は
分からなくはないけど

今は文博の気持ちには
答えられないし
文博とは終わったんだから。


あの雨上がりの
小さな駅のホームで・・・


アタシは前に進む。
振り返らないと決めた。


気付いてないのは
文博の方だよ・・

⏰:07/07/19 19:16 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#230 []
『ごめんね』


「友梨一生あんな奴思って、苦しい過去背負って生きてくん?」

『別に構わんと思っとる』

「俺がいややわ!」


こんな友梨に
ムキになる文博が
わからなかった。

空回りしてんの
気付いてるんでしょ?

⏰:07/07/19 19:21 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#231 []
『・・・』

無理矢理されたキスに
抵抗する気力もなく

窓から夜空を見て
泣いた。


自分が好きな人が
他の人を思ってるのが
痛くて苦しいことを
アタシは知ってる。

十分すぎるほどに
分かっているのに・・・

文博を傷つけてしまう。

⏰:07/07/19 19:27 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#232 []
そんな自分が情けなくて。



いっそ嫌われてしまえば
この微妙な三角形は
消えて無くなる。




この時友梨の中には
文博を選ぶという選択肢は
まったくなくて

嫌われなきゃ
ってばかり考えてた。

⏰:07/07/19 19:31 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#233 []
『なんで?』

『なんで友梨なん?』

「なんでって?」




『文博の事足に使ったんやよ?こんな冷たくしてさ・・・他に女なんていっぱいおるじゃん。やめときなよ、友梨なんか』

「ぶっ!!」

突然吹き出した文博に
驚いていると

⏰:07/07/19 19:37 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#234 []
「自分で言うなよ(笑)」

「なんかな・・・友梨弱っちいしほっとけんねん」



あぁ・・・
守りたくなる女って奴?


確かに寂しがりで
泣き虫で弱虫だけど

友梨そんな
可愛いもんんじゃないんだ。

⏰:07/07/19 19:42 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#235 []
結局マリーちゃんの
毛布にくるまって

車の中で朝を迎えた。





博への思いも貫けず

文博の気持ちにも
答えられない。

⏰:07/07/19 19:47 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#236 []
こんな中途半端な
アタシだけど

幸せになるための
課程であり




本当に大切な人に
気付くための





ほんの小さな出来事に
過ぎなかった。

⏰:07/07/19 19:50 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#237 []
・・・抱きしめて・・・

⏰:07/07/19 20:27 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#238 []
ここんとこ
ずっと体調が良くない。


拒食症で
小さくなってしまった胃。

泣きすぎて眠れない夜。




そんな毎日に
弱っちい友梨の体は
悲鳴をあげてた。

⏰:07/07/20 17:13 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#239 []
無性に誰かに会いたくて。

強く強く抱きしめて
欲しかった・・・。

それが誰でも構わない。
そう思ってた。




またサイトで男を
捕まえれば早いんだけど・・

博以外の誰かと
体を重ねるなんて
まだ出来なくて・・・

⏰:07/07/20 17:16 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#240 []
結局連絡をしたのは
裕君だった。


『今日会える?』


アポを取ると
いつもの橋で待ち合わせ
裕君の家へ行った。




部屋の戸を開けると
タバコの匂いがした。

⏰:07/07/20 17:20 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#241 []
裕君は
一緒にいても
キス以上のことは
絶対にしてこない。

「無理やりとか嫌やから」

っていつも言う。



だから裕君の下ネタは
気持ち悪くない。

理性を持ってる
大人な裕君が大好きだし
安心できた。

⏰:07/07/20 17:24 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#242 []
この日も
キス以上のことは
絶対にないと
安心しきってた。


部屋にはいるなり
泣きついてしまった。


華奢な博の胸じゃなきゃ
ダメだと思ってたのに

裕君のたくましい胸の中が
居心地よく感じた。



博と別れてまだ
3ヶ月だっていうのに・・・

⏰:07/07/22 13:29 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#243 []
文博の胸でも泣いたし
優しい言葉も沢山くれた。

だけど何か足りなくて
その足りないモノを
裕君は全て埋めてくれた。



裕君は
友梨の不安とか
モヤモヤを全部
取り除いてくれる人だった。



強く抱きしめて
優しく撫でてくれる・・・

⏰:07/07/22 13:34 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#244 []
ぐぅ―――っ

『・・・///』

友梨のお腹が鳴った。

「また夕飯抜いたの?」

だって食欲ないし・・・

『ちょっとはたべとるで』

ほんとはいい加減
ちゃんとしなきゃいけない
ことくらい分かってる。

⏰:07/07/24 12:17 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#245 []
「お腹すいたんやろ?」

『うん・・・///』

俯き真っ赤な顔を
隠しながら答えた。


「コンビニ行くか」


夜中の2時過ぎ。

仕事で疲れてるのに
車を出してコンビニまで
連れていってくれた。

⏰:07/07/24 12:22 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#246 []
「寒いから乗っとけよ。何がいい?」


そういう小さな気遣い。


『いいの?ありがとう。温かいのがいいな』


裕クンと一緒に居ると
優しい気持ちになれる。


声がすごく穏やかに
なるのが自分でもわかった

不思議な気持ち・・・

⏰:07/07/24 12:27 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#247 []
「はい、温めてもらった」

戻ってきた裕クンの
袋の中には

ピザパンと
ホットレモンが入ってた。



前に寒い日は
ホットレモンを飲むんだ。

って話したっけ・・・

覚えててくれたんだ(笑)
なんか嬉しかった。

⏰:07/07/24 12:30 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#248 []
部屋に戻ると

「温かいうちに食べない」


って言って
ベッドに寝そべって
こっちを見てた。

『うんっ♪』

こんなに食欲が出たのは
久々だった。

『全部食べれるかもっ』

なんて張り切ってた

⏰:07/07/24 12:33 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#249 []
「食べれる時に食べんと,それ以上胸ちっちゃくなったら大変やでな(笑)」

『そぉーなんやっ・・・って失礼な!!!

とか楽しく話した。


ヌルくなったピザパンを
食べ終わる頃には
すっかり元気になってた。

『ごちそうさまっ!友梨も寝る〜笑』

言うより早く
裕クンのベッドにダイビング

⏰:07/07/24 12:38 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#250 []
「ちょっとずつでもちゃんと食えよ?」

『わかった・・・』


少し沈黙のあと
裕クンは起き上がると
タバコを吸い始めた。

その横顔を見ながら

分かってんのに
傷つくのが怖くて

気付かない振りをして
このまま優しさに
甘えていたかった

⏰:07/07/24 13:15 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#251 []
裕クンの方に体を向け
布団を抱いたまま

『何でそんな優しいん?』

って聞いた。
ずっと気になってた。


ここまでしてくれるワケ・・


「昔からだよ」

裕クンはこっちをみて
笑いながら言った。

⏰:07/07/24 14:28 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#252 []
『だからモテるんやな(笑)』

笑って返した。

「バーカ。好きじゃなきゃここまでしんよ、普通。」

『そうやよね〜♪好きじゃなきゃここまで・・・・』


え?


えっ?



え―――――っ!!?

⏰:07/07/24 14:32 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#253 []
『今・・・好きじゃなきゃ・・へっ!?えっ!?嘘や〜笑』


何言ってんの?

好き?

裕クンが友梨を?

「理解すんの遅っ!笑」

『・・・///』

だってそんなサラッと
普通の顔して言うから
心の準備とかさ!!

⏰:07/07/24 14:37 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#254 []
「友梨可愛いっ!!」

髪をなでながら
優しい目で
友梨を見つめる・・・


そのままキスをした。


唇が触れる程度のキスを
ずっとずっとしてた。



友梨は力を抜き
裕クンを受け入れる様に
抱き返した。

⏰:07/07/24 14:48 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#255 []
何故・・・
裕クンを頼るのか。

何故・・・
裕クンだけを
受け入れる事ができるのか。



友梨自身が
裕クンを求めてたんだ・・・

誰でもいいんじゃなく
裕クンじゃなきゃ
ダメだったワケは・・・


自分が一番分かってた。

⏰:07/07/24 14:50 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#256 []
友梨が本当に
好きだったのは・・・

文博でもなく

博でもなかった。






あなたの事が



大好きです・・・。

⏰:07/07/24 14:52 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#257 []
感想板
bbs1.ryne.jp/r.php/novel/2307/f

していただけると
嬉しいです

⏰:07/07/24 15:20 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#258 []
・・・高い壁・・・

⏰:07/07/24 15:23 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#259 []
『ねぇ美奈?アタシ裕クンの事好きなんかなぁ・・・』

「どうしたの??急に!」

『なんか・・・』

美奈にだけ。
本音を話した。

複雑な気持ち。

博と別れて
辛かったのは事実で

だけど裕クンに惹かれてるのも
事実だから。

⏰:07/07/25 08:41 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#260 []
「う〜ん・・・友梨が裕クンの話する時すごい幸せそう(笑)」

『うそっ!?』

「うん。友梨分かりやすいし」


確かに・・・



メールが来るだけで
テンションハイになるし

会いたくて仕方ない。

⏰:07/07/25 08:45 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#261 []
これを恋以外の
なんだというのか。



気付かない振りをしてたのは
アタシで


年が離れてるとか

タイプの顔じゃないとか

いちゃもんつけて
否定し続けてきた。

⏰:07/07/25 08:47 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#262 []
だけどこの症状・・・

もう言い訳は
出来なかった。



好きだと意識すると
世界が色を変えたように
全てが新鮮で
初々しく感じる。



3ヶ月ペースの
友梨の恋は
新たなスタートを切った。

⏰:07/07/25 08:49 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#263 []
3ヶ月ペースっていうのは
これまでの統計から。

別れて3ヶ月経つ頃には
新しい恋をしている。

もしくは
付き合っている。




っていうなんとも
ふざけた恋愛記録。

本気で恋をしてない
証でもあった。

⏰:07/07/25 08:53 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#264 []
失恋した時のアタシは
半端なく落ちる


不眠症・拒食症による
身体と精神への負担は
並大抵のモノじゃない。


でもそれは
それだけ愛したから。

ではなく
それだけ依存していたから

だと思う。

⏰:07/07/25 08:56 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#265 []
裕クンへの恋が
本物かどうかなんて
まだわかんない。

だけど
裕クンは他の人は
まったく違った。

6歳という年の差は

友梨にとって

とても安心できる
距離だったのかもしれない

⏰:07/07/25 09:04 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#266 []
自分の気持ちを認めたら
メールがくるだけで
ドキドキしてしまう。

声が聞きたくなったり

会いたくなったり・・・



我慢できなくなって
電話をかけた。


心臓の音が
受話器の向こうまで
聞こえてるんじゃないか
ってくらい響いてた。

⏰:07/08/10 18:45 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#267 []
「はいはい?」

裕クンは電話に出るとき
"もしもし"って言わない。

『仕事中やった?』

「うん。今週夜勤↓」


まじか!!!
じゃあ会えんじゃん・・・

『そっか・・・』

「なんで?」

なななな!!なんで?って・・・
そんなん決まってんじゃん

⏰:07/08/10 18:54 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#268 []
一気に熱くなった顔を
布団で隠しながら
ちっちゃい声で

"会いたいから・・・"

って素直に言った。


「今日は無理やな」


すぐに言ったことを後悔した。

『いつならいいん?』

返事が怖かった。

⏰:07/08/10 18:58 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#269 []
「明後日の夜なら。」

『うんっ!!』


「でも夜勤やで帰り遅いよ??」

え?

いつも9時に
迎えに来てくれる裕くんから
初めて言われた言葉に
友梨は少し戸惑った。

だけどそれよりも
会いたいという思いが
強くて・・・

⏰:07/08/21 13:47 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#270 []
『わかった。』

って言ってしまった。

「部屋で待っとくか?10時以降フラフラしとったら危ないしな」


裕くん・・・泣


信頼されてる感じがして
凄く凄く嬉しかった。

1時までなんて
全然平気なんだから!!

⏰:07/08/21 14:35 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#271 []
5月23日 pm 21:40分


友梨はこっそり家を出て
真っ暗な坂道を歩いた。

怖くて些細な物音にも
過剰に反応してしまう。

たった20分の距離なのに
裕くんの家に着いた時は
疲れきっててヤバかった。



静かにシャッターん開けると
二階の裕くんの部屋の
戸を開けた。

⏰:07/08/21 14:39 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#272 []
裕くんのタバコの匂いが
全身を包み

『やっと着いたー!!』

ってでっかい独り言と同時に
ベッドにダイビングした。



裕くんの香りがする。



アタシはそれだけで
裕くんが側にいる気がして

思わず笑顔になる。

⏰:07/08/21 14:44 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#273 []
裕くんとの約束。



裕くんが帰ってくるまで


電気・コンポ・テレビは
つけちゃいけないって
言われてた。



だから真っ暗な部屋に1人
月明かりに照らされながら
眠りについた。

⏰:07/08/21 14:47 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#274 []
ふと目が覚めて時計をみた。

だいぶ眠てたつもりだったけど
一時間ほどしか経ってなくて
時計の針は11時を指してた。


『あと二時間かぁ・・・』


一生懸命働いてる裕くんを
待ってようと
眠い目をこすり起きてた。

持ってきたカバンから
プリ帳を出し
豆電球をつけた。

⏰:07/08/21 16:56 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#275 []
プリ帳に落書きして
時間を潰してた。

だんだん眠くなってきて
我慢できなくなって
裕くんに手紙を書いた。



―おいちゃんぇ―

お仕事お疲れさまです。
友梨ね,頑張っとったんやけど限界やから寝ます!!笑

1人でこの部屋におるの
すごい寂しいよー
早く帰ってきてね・・・

―友梨様より―

⏰:07/08/21 17:10 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#276 []
一枚破ると
テーブルの上に置き
また布団に戻った。

11時50分だった。

アタシは速攻
眠ってしまったらしく

うるさい物音で目が覚めた。


ガラガラガラッ――――


「友梨っ!!」


誰かが部屋に入ってきた。
友梨の名前を呼んで・・・

⏰:07/08/21 17:14 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#277 []
裕くんだ・・・

『あ・・・お帰り。』

体を起こしながら言う。

「ただいま。爆睡かよ(笑)」

裕くんはあの優しい笑顔を向け
テーブルの上の手紙に
目を通してた。

「おいちゃんって俺かよ!!しかも友梨様ってなんやねん(笑)」

『へへっ(笑)』

⏰:07/08/21 17:19 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#278 []
ベッドから降りると
裕くんが両手を広げて

「おいで」

って言った。

アタシは迷わず
裕くんの胸に飛び込むと

「寂しかったやろ?ごめんな」
って言って
ぎゅっと抱きしめてくれた。

『うん。めっちゃ』

裕くんは笑ってた。

⏰:07/08/21 17:43 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#279 []
「友梨ちゅーしていい?」

今まで裕くんと
普通にしてたのに

好きだって意識すると
緊張してしまう。


だけど・・・したい・・・


真っ赤な顔で
うん って言った。

優しい優しいキスを

深くはないけれど
幸せなキスを

何度も何度もした。

⏰:07/08/21 17:50 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#280 []
「いっしょに寝よ」

『うんっ』

いつもと変わりない
二人の会話。

変わったのは
友梨の気持ちで。


だけど・・・

だから・・・


確かめたかった
裕くんの気持ち。

⏰:07/08/21 17:53 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#281 []
『ねーねー。』

「何?」


友梨を抱く腕から
裕くんに伝わっちゃうんじゃないかってくらいに

友梨の心臓は高鳴ってた。


『・・・・・』


聞いていいのかな?

友梨の事どう思ってんのか。

⏰:07/08/21 17:58 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#282 []
思わせぶりな態度。

好きだって言ってくれたし。

裕くんも
友梨と同じ気持ちだって
信じてるよ。



だけど不安だった。


今まで知り合った
男が悪かった。

アイツ等は友梨に
消えない傷を付けたから。

⏰:07/08/21 18:59 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#283 []
もう傷つくのは嫌だった。


もし・・・
もしも裕くんと幸せに
なれたとしても

この先ずっと
一緒とは限らない。

もしもまた傷つくのなら
このままの関係だって
十分に大切にされてる。

これ以上の事を求めれば
傷つく可能性も高くなる

⏰:07/08/21 19:03 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#284 []
失いたくなかった。


こんなにも
友梨を思ってくれる人を。


こんなにも傍に居た
かけがえのない大切な人を



失いたくない。



もう二度と
この傷口は開きたくない。

⏰:07/08/21 19:04 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#285 []
いろんな思いが
頭の中を掻き回してく。


「なんよ(笑)」

『えっ!?あっ・・・』

「なんか今日変じゃね?心臓バクバクやしな(笑)」



『・・・・・ッ///』



バッ・・バレてる―(´Д`)!!!

⏰:07/08/21 19:08 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#286 []
「なんよ〜気になるに(笑)」

『だから・・・』

「・・・・???」

『その・・・』

言葉が出ない。

「言わんとこぉやぞー!!」

『やだやだやだやめてぇー!!』

横腹をくすぐる裕くん。
緊張がほぐれた。

⏰:07/08/21 19:13 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#287 []
『言います言います!!だからやめてーまじギブギブ(笑)』

くすぐったくて涙が出た。

「よし。はい,どうぞ」

そんな改まって言うの
余計言いにくいな・・・

『裕くんさ・・・友梨の事・・・・・どう思ってんの?』

「どうって・・・好きやよ(笑)」

『妹みたいで可愛いから好きなの?』

容赦なく突っ込む。

⏰:07/08/21 19:16 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#288 []
「妹・・・・としてではないよ」


『じゃあ・・・』

「ちゃんと好きやさ」



"ちゃんと好き"




凄く凄く嬉しかった。

胸がキュンと締め付けられて
熱くなった。

⏰:07/08/22 13:31 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#289 []
『友梨ね・・・裕くんが好き』


「まじで?」


『うん・・・』


「すげぇ嬉しいよ」


裕くんは
強く強くアタシを抱いた。


友梨もそれに応えるように
裕くんの背中に腕を回した。

⏰:07/08/22 13:35 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#290 []
『友梨の彼氏になって?』

「・・・・・・」

『だめ?』

「だめじゃねぇけど・・・俺今すげぇ忙しくて・・付き合ってもかまってやれんし」



髪をなでながら
申し訳なさそうに話す。


『我慢するよ』

「俺,友梨の事泣かせたくねぇんやって」

⏰:07/08/22 13:39 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#291 []
『友梨泣かんよ?寂しくないから。』

傍にいれるなら・・・

「お前超寂しがり屋やにか」

なんだってするよ。

『好きなの。頑張るから・・・』
「・・・わかった。でも辛かったら言えよ?我慢すんなよ?」

『うん』

⏰:07/08/23 15:38 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#292 []
この人と
幸せになります。



友梨の全てを受け入れて
それでも傍に居てくれる。



全身全霊をかけて
愛してくれるこの人を



友梨自身も
愛すると・・・。

⏰:07/08/23 15:43 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#293 []
隣で何やら
落ち着かない様子の裕クン。

『どうしたの?』

「いや・・・別に・・・///」

『なんな(笑)』

「ちゅーしたい」




二人の気持ちを確かめる様に
キスを繰り返した。

⏰:07/08/23 15:46 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#294 []
『・・・・っ!!!』

裕クンの舌が
友梨の中に入ってくる。

あまり得意じゃない友梨は
思わず唇を離してしまった。


「だめ・・・?お願い・・」


『ンッ・・・』

再び絡み合う舌。

でもすごく優しくて・・・
気持ちよかった。

⏰:07/08/23 15:51 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#295 []
「触って?」



一年以上一緒に居た。

何度も抱き合った。

キスもした。

何度隣で寝ただろう。



だけど一度も体を
求められた事はなかった。

だから正直驚いた。

⏰:07/08/23 15:55 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#296 []
『したいの?』

「うん・・・だめ?」

友梨は笑った。

きっとずっと
我慢してたんだね。

理性で抑えてたんだね。





待たせてごめん・・・

『いいよ。』

⏰:07/08/23 15:57 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#297 []
優しく友梨を愛撫する。


裕クンの全てが
愛おしくて
たまらない。


汚い女だけど


裕クンに抱かれてる間は


綺麗でいられる気がした。


「痛かったら言えよ?」

⏰:07/08/23 17:19 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#298 []
!!!!???

激痛が走り
裕クンの腕をを掴んだ。

「痛い!?」

『ちょっと・・・ッ』

呼吸が荒くなる。
痛みに堪えようとした。

「大丈夫か?」

心配そうな裕クンをみて
抜いて欲しいと言えなくて
涙目で裕クンに
『平気だよ』って言った。

⏰:07/08/23 17:23 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#299 []
「やっぱりやめよ?」

そう言って抜くと
ゴムを捨て
友梨に服を着せた。

『どうして!?』

「友梨が痛がっとるのに無理矢理なんて俺には出来ん」

『ごめんなさい・・・』

「なくなよ〜そのうち俺のに慣れさせるでさ(笑)」

そう言うと友梨を抱いて
そのまま眠った。

⏰:07/08/23 17:31 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#300 []
夜勤後で
疲れて眠る裕クンに
そっと話しかけた。

『疲れてんのにごめんね』

「いいさ。俺も会いたかったし」

『ほんとに?』

「会いたくない奴とこんな時間作ってまで会わん。」

『そっか・・・ありがとっ!』

⏰:07/08/28 17:18 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#301 []
友梨を抱き寄せると
そっとキスしてくれた。

『ねぇ。いつから好きやったか知っとる?笑』

「いつから?」

『ずっと前。自分でも気付かんくらい前。』

裕クンは笑った。

『裕クンは?いつから好きやったの?』

「う〜ん...」

⏰:07/09/21 22:15 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#302 []
「俺もわからん。気付いたら好きになっとった」



それが恋ってもんだよね。



眠そうに笑う
裕クンの横顔が
たまらなく愛しく感じた。
言葉には出来ない
熱い気持になった。

⏰:07/09/21 22:19 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#303 []
『友梨の彼氏になって?』

「・・・」

あれ?
何で黙ってんの?

『ダメ・・・?』

さっきのはやっぱり
冗談だったの?

ヤリたかったから
好きって言ったの?

「友梨の事は好きやよ。」

『ならどうして?』

⏰:08/01/11 08:01 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#304 []
「さっきも言ったろ?」

『仕事忙しいから?』

「うん・・・友梨ぜったい泣くもんな。」



それでもいいのに・・・。

泣かされてもいい。

寂しくてもいい。

こうやって抱いてくれたら

一瞬で幸せになれるから。

⏰:08/02/28 20:50 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#305 []
裕クンは真剣な顔して
何か考え込んでいた。

しばらくして起きあがると
あたしの方を向いて座り

「我慢出来るか?」

って優しく問いかけた。


『うん。出来る』

笑って答えると

「じゃあ付き合ってみるか」

『はいっ♪』

⏰:08/02/28 20:57 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#306 []
付き合ってんのに
クン付けわ堅苦しいからって
「裕」って呼ぶようになって

たまにしかくれなかった
メールや電話も
いっぱいするようになった。

夜勤の日は
仕事中に絶対電話してた。

ハートのついた
たくさんの保護メール。

毎日が幸せだった。

⏰:08/02/29 08:32 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#307 []
社会人と学生の壁なんて
へっちゃらだと思った。

会えなくても
毎日連絡とってるし。

友梨が大人になれば
上手くいくんだ・・・

24歳の彼と上手くいけば
結婚だって考える。

子供が大好きな裕との未来を
一人考えては笑顔になってた。

疑いもしなかった・・・

⏰:08/02/29 08:36 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#308 []
・・・さよなら・・・

⏰:08/02/29 08:37 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#309 []
放課後の帰り道。
美奈と別れた直後に
あたしの携帯が鳴った。


裕からの着信


『はいはーい★』

「友梨ごめんっ!!今日会えんくなった↓↓↓」

『えーっ!!!??』

「連れとスロット来とってさ・・・」

⏰:08/02/29 08:42 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#310 []
『もぉっ!!!友梨の方が先に約束してたのにぃー』

わざとぶーたれてみせる。

「埋め合わせはちゃんとするから!!なっ?なっ?」

『ほんとにぃ?』

「遠出デートしような♪」



その言葉を信じて
あたしはドタキャンを
受け入れた。

⏰:08/02/29 08:46 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#311 []
最近スロットいってなかった
みたいだったし・・・

大人にならなきゃって
必死だったから
ワガママも言わないで
自分の中にため込んでた。



これから先
ずっと一緒にいるんだから
ドタキャンくらい
許さなきゃ子供だよ・・・


我慢我慢・・・。

⏰:08/02/29 08:48 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#312 []
その日の夜
スロットいってるはずの
裕から着信があった。

『はいはーい』

大音量で
綾香の三日月がかかってた。

「今から帰るな」

『音でかいよっ!!笑』


《誰っすか〜?》

電話の向こうで
誰かの声がした。

⏰:08/02/29 09:11 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#313 []
「彼女。」

電話の向こうのやりとりに
嬉しくて笑顔になった。


あたしは裕の彼女


当たり前の事なのに
あたしの居場所を
認められてるんだなー
って実感したんだ・・・


電話を切った後
抱き枕をを抱きしめて
深い深い眠りについた・・・。

⏰:08/02/29 09:17 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#314 []
それから数日が経ち
高2の夏に発病した
精神病も忘れるくらいに
平凡な毎日を過ごしていた。


相変わらず連絡は少ないけど
それにも少しずつ
理解を始める自分がいた。


そんなある夜の事だった・・・


怖い夢を見た。
夢の中で泣き叫ぶあたし。

⏰:08/03/03 22:10 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


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