Love is...
最新 最初 全 
#1 [
]
ずっと探してたモノ。
ずっと求めてたモノ。
こんなにも傍に
大切な人は居たのに...
</Font>
:07/06/01 16:15
:D902iS
:☆☆☆
#2 [
]
第三弾になります。
全作がまだの方は
先に1・2をお読み下さい

:07/06/01 16:34
:D902iS
:☆☆☆
#3 [
]
3ヶ月記念を迎え
順調にみえたアタシ達。
いろいろ乗り越えてきた。
喧嘩なんて日常茶飯事。
だけど最近
喧嘩の内容が
微妙にリアルな気がする。
きっかけは
いつも些細な事だけど
今回は
なんか違う気がする。
:07/06/01 16:45
:D902iS
:☆☆☆
#4 [
]
『なんでよ〜!!まじ意味分からん。矛盾っ!!!』
「忙しいんやさ。わかって。じゃあな」
プーップーッ・・・・
一方的に電話を切った
こいつの名前は博(ヒロシ)
んでもって
電話切られた
アタシの名前は友梨(ユリ)
:07/06/01 16:51
:D902iS
:☆☆☆
#5 [
]
わからん!!
意味がわからん!!
あー!!
なんなんコイツ。
腹立つなぁ。
友梨がキレてんのは
コイツの言ってることが
矛盾してるから。
:07/06/01 16:55
:D902iS
:☆☆☆
#6 [
]
博は三年生で
友梨の一級上。
毎晩電話するのが
習慣になってる
それで電話したら
忙しいって半ギレで
電話切られた。
ちなみに今
学年末試験の真っ最中で
テスト勉強中らしい。
:07/06/01 17:00
:D902iS
:☆☆☆
#7 [
]
友梨だって
そこまで頭悪くない。
テスト前なのに
日課を果たそうとはしない。
ただ最近の博の態度が
気に入らなくて
ムカついたから
電話しただけ。
何で友梨が
怒ってるかって?
:07/06/01 17:02
:D902iS
:☆☆☆
#8 [
]
AM 08:00
おはようメール
AM 11:00
テスト終了メール
AM 11:05
遊びに行ってきますメール
PM 19:15
ただいまメール
PM 20:00
勉強するでバイバイ
その繰り返し。
一日5通するかしないか。
:07/06/01 17:09
:D902iS
:☆☆☆
#9 [
]
友達と遊んでても
一時間に一回
・・・せめて
二時間に一回くらい
メールくれたって
いいじゃんか。
ウチラは今まで
そういう付き合い方
してきたから
急な変化に対応できない
だけどそこは
大目に見て許す。
卒業前だしみんなと
楽しい時間
過ごしたいだろうから。
:07/06/01 17:14
:D902iS
:☆☆☆
#10 [
]
だけど。
納得いかないのは
ボーリング行く暇はあって
カラオケ行く暇はあって
友梨とメールする時間
友梨と話す時間はない。
その矛盾した
言動に腹が立つ。
しかも
申し訳なさそうに
言うなら仕方ないという気も
起きるんだろうけど
コイツの言い方が
なんかムカつく。
:07/06/01 17:17
:D902iS
:☆☆☆
#11 [
]
:07/06/10 19:23
:D902iS
:☆☆☆
#12 [
]
博のテストが無事終わった。
この間の喧嘩は
丸くはないけど
それなりに収まってて
今日も博と電話をしてた。
博とのメールで
一日が始まり,
博との電話で
一日が終わる。
当たり前の毎日。
依存しすぎたのかな?
:07/06/10 19:26
:D902iS
:☆☆☆
#13 [
]
"好きだよ"
って言い合って
笑顔で頬赤らめて
"会いたいよ・・"
って涙する。
電話越しに
アニメソング熱唱して
爆笑するアタシ達。
「ゆり〜瞼がちゅーしよる」
『え〜もう寝るの!?』
ってだだこねてさ。
何度困らせたか。
ごめんね博。
:07/06/10 19:31
:D902iS
:☆☆☆
#14 [
]
友梨は博が寝るまで
絶対寝ない。
毎日を・・
一分だって長く
博と居たい。
ねぇ?
そう願うアタシは
わがままなのかな?
:07/06/10 19:34
:D902iS
:☆☆☆
#15 [
]
『ずっと一緒やおね?』
「・・・」
『ねぇ・・ひろ・・・し?』
嫌な予感がした。
予感ってのは
なんでこんなギリギリでないと
しないんだろう。
:07/06/10 19:36
:D902iS
:☆☆☆
#16 [
]
「なぁ友梨・・・??」
どこか力ない博の声は
優しくアタシの名前を呼ぶ。
「もし・・・もし別れようって言ったらどうする?」
『え・死ぬよ(笑)死んでまうって〜笑』
「そっか。ごめんな?」
『うん。』
何言い出したかと思ったら
またからかって・・・
:07/06/10 19:40
:D902iS
:☆☆☆
#17 [
]
「ごめんな・・・」
『だからいい・・・って』
「ホントにごめん。」
アタシの言葉を遮るように
博は何度も謝る。
『えっ・・・??それは何のごめんなの?』
「・・・友梨、俺等別れよう。」
『博なに言って・・・』
「もう疲れた・・・ごめんな。友梨の事もう前みたいに好きじゃない。」
:07/06/10 19:45
:D902iS
:☆☆☆
#18 [
]
『・・・・・』
「この前の電話。アレで冷めた。勝手でごめん。」
『仲直りしたじゃん!!』
「うん。一応な。でももう好きじゃない。」
"好きじゃない"
"冷めた"
博の言葉一つ一つが
友梨の胸を突き抜けていく。
『友梨は好きやよ??こんなにも博のこと好きやよ!?』
:07/06/10 19:49
:D902iS
:☆☆☆
#19 [
]
「そういうのも重い。」
重い・・・??
「友梨さ,毎日電話したがるじゃん?」
『だって携帯ないでメールできんから・・・』
「わかるよ。でも俺が疲れとっても寝かせてくれんに。」
確かに。
言われてみれば
いつもぎりぎりまで
引き留めてた。
:07/06/10 20:01
:D902iS
:☆☆☆
#20 [
]
"毎日の電話ぶっちゃけ
すげー嬉しいんやお"
ふと
博からのメールを
思い出した。
『だって博・・・前嬉しいって言ってくれたじゃん。』
「付き合い始めはな。でも話したくない日もあるんやさ。」
『友梨はないよ!!』
「お前はな。でも俺は違ったんやさ!!!!!」
涙が止まらなかった。
:07/06/10 20:05
:D902iS
:☆☆☆
#21 [
]
ずっと同じ気持ちだって
思ってたから?
裏切られた気がしたから?
ううん。
博の気持ちの変化に
気づけなかったからだ。
博の気も知らないで
会えない寂しさを
紛らわす為に
話していたいから。
距離を感じたくないから。
完璧自己満なのに。
:07/06/10 20:10
:D902iS
:☆☆☆
#22 [
]
「友梨の好きと俺の好き重さは重さが違う。」
重さ・・・?
『好きに重さなんてないよ』
どっちが重いとか
どっちが軽いとか
そんなのないんだよ。
好きになった時点で
どっちも重いんだから。
:07/06/10 22:16
:D902iS
:☆☆☆
#23 [
]
「価値観も違った。」
色んな思いが
頭の中をグルグル
駆け回ってて
壊れてしまいそうだった。
何を言っても
言い返されるだけで
博の気持ちを取り戻すことは
出来なかった。
「今までありがとな。俺なんか早く忘れて,幸せになれよ」
:07/06/11 07:31
:D902iS
:☆☆☆
#24 [
]
『何それ・・・』
もう声にならない声で
アタシは問う。
「切るよ?泣くなよ・・・」
『泣くよ バカァ・・・』
泣くに決まってんじゃん。
大切な人との別れだよ?
泣かない人がいるのかな?
友梨は無理だよ。
泣き虫だもん・・・
:07/06/11 07:35
:D902iS
:☆☆☆
#25 [
]
「切るでな。ごめん・・・」
『やだっ!博待っ・・・』
プーップーップーッ
受話器を耳から離した。
切断音って
こんなに大きかったっけ?
意外と長いんだね。
:07/06/11 07:38
:D902iS
:☆☆☆
#26 [
]
苦しくて苦しくて
息が出来ないほど
泣いた。
声を殺して
枕がビッショリ濡れるまで
泣いた。
過呼吸になった。
大切なモノを
失った時
人はこんなにも
弱くなる。
友梨ただでも
弱虫なのにね。
:07/06/11 07:42
:D902iS
:☆☆☆
#27 [
]
友梨の中にいる
博の大きさ。
当たり前だと思っていた
毎日の尊さ。
友梨を取り巻く世界は
一瞬にして
モノクロになる。
だけど時間は
止まってくれない。
秒針の音を永遠と聞いた。
溢れる涙を
我慢するだけの力
友梨には残ってない
:07/06/11 17:31
:D902iS
:☆☆☆
#28 [
]
不思議だね。
もう博との電話を切って
二時間以上経つのに
涙は止まらなくて
目が腫れてるのが解った。
まだ泣いてたけど
さっきよりは落ち着いたから
体を起こした。
指輪を外すと箱にしまって
机の引き出しから
プリ帳を取り出して
開いた。
:07/06/11 17:35
:D902iS
:☆☆☆
#29 [
]
"結婚しよう"
そんな二人の会話が
昨日のことに思える。
結婚したら
二人の思い出が
いっぱい詰まった
この手帳を
子供に見せてあげたかった。
"ママとパパの足跡だよ"
って・・・。
毎回コメントを添えて
カラフルにデコったページ。
博の分と二冊作ったんだ
:07/06/11 17:40
:D902iS
:☆☆☆
#30 [
]
:07/06/11 17:42
:D902iS
:☆☆☆
#31 [
]
表紙をめくった。
"1025"
"H

Y"
</Font>
また目頭が熱くなり
頬を伝った涙が
手帳に落ちた。
泣きながら
ページをめくる・・・
:07/06/11 17:46
:D902iS
:☆☆☆
#32 [
]
11月3日
"fast shot"
"初チュープリ
ぎこちない"
"お姫様だっこしてくれたあ-"ひとつひとつ
プリクラにコメントがある。
:07/06/11 17:50
:D902iS
:☆☆☆
#33 [
]
初デート
40分も遅刻ッ!!
ごめんなさぁーい↓↓
でもまぢキセキ起こったし!
運命感じてまいますよ〜
めちゃx02らぼらぼっぷりを
大山市民に見せつけた(笑)
帰りにセガでプリ撮って
マックで五平餅をwatching。
博まぢ好きやけんッ!!
:07/06/11 17:55
:D902iS
:☆☆☆
#34 [
]
11月23日
祝 01ヶ月
02日早いけど,01ヶ月おめでと
ありがと

ワロス(-∀-)
20日ぶりの再会!!
この20日,喧嘩耐えんかったけど
いつもスグ仲直りできたのは
博が大人になって
くれとったからやね。
ありがとぉ。
友梨05時起き,博オールで
まぢ眠かったぁぁ!!
博途中爆睡するし
妹にゎ切れられるしで意外に凹↓↓
でも09時間も一緒におれて
幸せでした。
お昼ご飯ごちそうさま☆
次ゎチャリ乗りたい!痩せるべ!
02ヵ月記念も無事迎えれますよーに
:07/06/13 20:38
:D902iS
:☆☆☆
#35 [
]
12月24日
01ヵ月ぶりに会ったんやお!
本当ゎイルミネーション見たりする
予定やったけどォカンがダメって五月蠅くて。
04時半ので帰りました。
明日も会えるし寂しくないよ☆
薬局で博が
「夫婦みたいやな」って・・・///
今日の移動ゎ全部チャリ。
02ケツの夢叶いました!!
重くてゴメンね。
ローソンのケーキ買って食べた
生クリームばっか食べてスマソm(_ _)m
ケーキ食べるだけなのにいっぱい笑って(笑)
サプライズでプレゼントもろた!!
博との時間ゎあっという間で
ホントに幸せです...
明日も明後日もこぉやって
笑っていられますよぉに
:07/06/17 12:54
:D902iS
:☆☆☆
#36 [
]
12月25日
祝 02ヶ月
ミナと3人でなんて我が儘言ってゴメン。
ミナが帰った後の話し合い,
友梨泣いてばッかで何も話せんかったね
しかも「別れよう」って死語
今日で何回目かな...???
ほんとにゴメンね。
宣戦布告の【31】
「送ってく」「記念日プリ撮らんでいいんけ?」
って言葉嬉しかったよ。
最悪のクリスマスと記念日やったね↓
見てよ!!今回のプリめちゃ微妙やに↓↓
03ヶ月記念も会えるかな??
今日の分もラブラブしたいな...
:07/06/17 13:00
:D902iS
:☆☆☆
#37 [
]
涙が止まらなくて...
プリ帳の文字が滲んでく。
こんなこともあったな
あんなこともあったっけ
いろんな場面が
二人の笑顔から
鮮明に思い出される。
苦しくなって
プリ帳を閉じた...
:07/06/17 13:05
:D902iS
:☆☆☆
#38 [
]
次のページは見たくない。
ペアリングをはめて
いっぱい撮ったプリクラ。
"君に出会えたことで
ずっと探してた幸せを
捕まえたよ。ありがとう。"
"ペアリングありがと"
"好きになった理由より
好きだと思えたこと
一緒にいたいと思えたこと
その事実が大切"
"いろいろあったけど
やっぱ大好き!!!"
"ずっと一緒に居ようね..."
:07/06/17 13:09
:D902iS
:☆☆☆
#39 [
]
ねぇ博...
全部嘘だったの???
信じた友梨がバカだった?
騙される方が悪いよね。
わかってる。
わかってるけど・・・
受け入れられないよ...
:07/06/17 13:11
:D902iS
:☆☆☆
#40 [
]
:07/06/18 20:19
:D902iS
:☆☆☆
#41 [
]
―真夜中―
まだ泣き止まない
腫れぼったい目で
子機を手にし番号を押す。
090・・・・・・・2
プルルルップルルルッ
「はいはい?」
『・・・・・・・・ッ(泣)』
落ち着いたこの声
久々に聞く"あの人"の声
「はっ!?友梨!??どうしたんよ??また彼氏と喧嘩け(笑)」
:07/06/18 20:26
:D902iS
:☆☆☆
#42 [
]
"あの人"は
泣いてて話せない友梨を
ちょっとでも元気付けようと
一人で喋ってる。
いつもなら笑うんだろうけど
今日は無理みたい。
ごめんね。
笑えなくて・・・
"あの人"は
「泣き止んだら話な?」
って言ってくれた。
:07/06/18 20:28
:D902iS
:☆☆☆
#43 [
]
『裕クン・・・・・ッ
友梨・・・友梨ね・・・』
「どうした?」
『・・・・・振られたの・・・・
友梨・・・・どうしよう・・
普通に無理やンかぁー!!』
布団に潜って
また泣いた。
泣いたって言うより
叫んでたかな!
「例の大山のヤローにか??」
:07/06/18 20:33
:D902iS
:☆☆☆
#44 [
]
『そ。友梨死んでまう・・・』
「俺がおんに!!笑」
『いらんて〜泣』
冗談混じりの会話は
友梨を落ち着かせてくれた。
『寝れん』
「そしゃ起きとけよ(笑)
俺寝るし。」
とか
たまに冷たかったりする。
『何でよ〜!!オールしよっ』
:07/06/18 20:38
:D902iS
:☆☆☆
#45 [
]
「やだ。」
そくとー!!
でも明日の夜なら
いいよって言ってくれたから
明日の夜
思いっきり愚痴る事にし
この日は電話を切った。
あんなに寝れないと
思ってたのに
電話を切ってから
泣き疲れて
いつの間にか眠ってた。
:07/06/18 20:42
:D902iS
:☆☆☆
#46 [
]
PM 09:30
いつもの場所に
裕クンは迎えに来てくれた。
『おねがいしまぁす(笑』
友梨は出来るだけ笑顔で
車に乗った。
今日はドライブじゃなくて
裕クンの家へ行った。
家にあった裕クンの部屋は
車庫の二階に移動してて
離れ状態だった。
:07/06/18 20:47
:D902iS
:☆☆☆
#47 [
]
「あー!!今日も疲れたわぁ。
なぁ,友梨♪」
親父みたいに言いながら
テレビをつけて
裕クンは友梨の隣に座った。
『それ所じゃないし!!』
「そやった!そやった!笑」
タバコとライターを取り出し
火を付けようとする
裕クンの腕を掴んだ。
『タバコ吸わんで??』
:07/06/19 19:19
:D902iS
:☆☆☆
#48 [
]
「ここ俺の部屋だけど?」
『副流煙のが体に悪いんやで?友梨の大事な体労ってよ(笑)』
「ったくよ〜↓生意気なおこちゃまでちゅね〜(笑)」
『うるせっ!!笑』
一瞬沈黙になり
見つめ合ったまま
お互い反らせないでいた・・・
:07/06/19 19:24
:D902iS
:☆☆☆
#49 [
]
これってもしかして
ヤバイ空気やったりする?
どうしよう・・・
裕クンが友梨に手を
伸ばしてきた。
・・・!!!!!
反射的に
避けるように
目をつぶってしまった。
:07/06/19 19:26
:D902iS
:☆☆☆
#50 [
]
・・・・・!!!???????
裕クンの手は
友梨の頭をくしゃくしゃに
撫でただけだった。
「そんな脅えんでいいのに(笑)俺そんな怖い!?」
首を横に振った。
『びっくりした!
急になにぃ〜?笑』
「友梨かわいいっ♪」
不意打ちだった
予想外の言葉に
一瞬にして全身が熱くなった
:07/06/19 19:31
:D902iS
:☆☆☆
#51 [
]
『ちょ・・・///』
裕クンは何も言わず
友梨を抱いたまま。
ぎゅっと抱かれた友梨は
裕クンの腕の中に
すっぽり入った。
それが無償に切なくて
また泣いてしまった。
もう博に抱かれることは
無いんだと自分に
必死に言い聞かせた。
:07/06/20 07:10
:D902iS
:☆☆☆
#52 [
]
友梨より太くて
たくましい裕クンの腕。
あんなにも
友梨より細い博の腕に
不満だらけだったのに・・・
なんでだろ??
博の腕じゃなきゃ
ダメみたい。
:07/06/20 07:14
:D902iS
:☆☆☆
#53 [
]
「友梨泣いてんの!?ごめん!!!嫌やった???」
違う・・・
違うの・・・
嫌じゃないよ。
嫌じゃないんだけど・・・
なんで
泣いてんだろ?
:07/06/20 07:18
:D902iS
:☆☆☆
#54 [
]
抱くのを止め
心配そうな顔で
友梨を覗き込む裕クン。
「泣くなよ・・・」
『笑うよ!!』
フルスマイルで笑ったけど
目からはポロポロと
涙がこぼれ落ちて
『友梨,カッコ悪いね(笑)』
「そんなことないよ」
って言ってくれた
:07/06/20 07:22
:D902iS
:☆☆☆
#55 [
]
『ごめん・・・泣かせて?』
裕クンの返事を聞く前に
友梨は自ら裕クンの胸に
飛び込み泣いた。
わんわんと声を上げ
自分でも何言ってるか
わかんないほどに泣いた。
裕クンは友梨が泣き止むまで
ずっと友梨の背中を
撫でてくれてた。
雪国ではまだ寒い
2月の夜だった――――。
:07/06/20 07:27
:D902iS
:☆☆☆
#56 [
]
『・・・もう泣かんから』
『ありがとぉね。』
「大丈夫か?」
『あんまり(笑)』
裕クンは一人ベッドに入ると
「気持ちいいなぁ〜
布団最高っ!!
一番幸せな瞬間やし↑」
とか言ってた(笑)
:07/06/20 18:11
:D902iS
:☆☆☆
#57 [
]
友梨も布団が
恋しくなったけど
一緒に寝るのは
なんか怖くて
我慢して座ってた。
「友梨も寝る?」
『いいっ!!』
「そか。」
『え


』
つっこんでよ!!
「なに?」
:07/06/20 18:13
:D902iS
:☆☆☆
#58 [
]
つまり・・・
その・・・
一応男と女やし
こんな時間やし
ムラッとされたら・・・
困るじゃん!?
「一緒に寝ようよ」
ほら。
そうやって誘ってさ。
危なくないですか!?
:07/06/20 18:16
:D902iS
:☆☆☆
#59 [
]
『あのさ・・・』
「はい,半分な。どーぞ♪」
『どーぞ♪じゃなくてさ!』
「???」
もぉっっ!!
そういう顔で見んといて!
『何もせんのなら
一緒に寝るけど・・・』
裕クンは笑ってた。
:07/06/20 18:19
:D902iS
:☆☆☆
#60 [
]
「何かするわけないじゃん。
友梨なんかさっ(笑)」
『うわっ!失礼やし』
「あははっ!何かされたいんじゃなくて??笑」
『ばかっ!』
変な妄想をした
友梨は変態扱い。
「襲わないでよ!」
とか調子に乗りだした
:07/06/20 18:23
:D902iS
:☆☆☆
#61 [
]
けど結局
「おいで」
って優しく言われて
友梨は布団に入った。
博より太い腕枕は
枕は高めが好きな友梨に
ちょうどよかった。
タバコの匂いがする
裕クンに抱かれ
ドキドキしてた。
なんなんだろ。
この感情・・・
:07/06/20 18:26
:D902iS
:☆☆☆
#62 [
]
「友梨は絶対に幸せになれるから。頑張るんやぞ」
『うん・・・』
「いい子・・・」
抱き寄せられ
裕クンの顔を見た。
目を閉じたまま
友梨を抱いてる。
キレイな顔だった・・・。
:07/06/20 18:30
:D902iS
:☆☆☆
#63 [
]
「そんな見つめんといてよ」
裕クンが目を開けた。
『気づいとったの??笑』
「上目使い禁止

」
『なんで?』
「やりたくなるから」
『・・・あほっ!///』
「うーそっ♪寝るぞ。」
そう言って
裕クンは寝てしまった。
:07/06/20 18:34
:D902iS
:☆☆☆
#64 [
]
裕クンが寝たのを確認すると
友梨は体を起こした。
『ひろし・・・』
名前を口にするだけで
また泣いてしまった。
でも裕クンが起きないように
声を殺して泣いてた
『ごめんね・・・ごめんね・・・』
後悔が押し寄せる。
:07/06/20 18:38
:D902iS
:☆☆☆
#65 [
]
どうして
大切に出来なかったんだろう
どうして
思いやれなかったんだろう
どうしてあの時
ごめんね博。
友梨
捨てられて当然だよね。
:07/06/20 18:40
:D902iS
:☆☆☆
#66 [
]
「泣き虫」
突然後ろから
裕クンが友梨を包んだ。
『泣いてっ・・・ないっ!』
「はいはい。あほ友梨」
この日はなんだかんだで
ずっと泣いてた気がする。
夜中に大泣きして
厄介な女だよね。
:07/06/20 19:07
:D902iS
:☆☆☆
#67 [
]
裕クンは友梨を寝かせると
「友梨は変な男に惚れすぎ。
俺みたいないい人見つけんと」
『笑』
自分で言うか?普通
ホント面白い。
『裕クンみたいないい人これから先見つかるかな?』
見つかるよね?
いい人。
裕クンみたいなイイ人・・・
:07/06/20 19:11
:D902iS
:☆☆☆
#68 [
]
「友梨っ!」
少し体を起こし
友梨の上に裕クンが...
『ん?』
「ちゅーしていい?」
へ?
ちゅー?
していい―――――――!?
別に嫌じゃないっていうか
友梨キスぐらい
嫌いじゃなければ出来るし。
って性格だから。
:07/06/20 19:14
:D902iS
:☆☆☆
#69 [
]
『ほっぺなら』
って言った瞬間に
チュッてされた。
「へへっ♪」
そう言って
何度もほっぺにキスされた
「友梨もして?」
チュッ―――――――
『・・・・・・・・んっ!!!!???』
:07/06/20 19:17
:D902iS
:☆☆☆
#70 [
]
友梨達は
ほっぺなんかじゃなく
普通にキスしてた。
でも自然と
抵抗したりしなかった。
嫌じゃないって言うのも
あったけど
それよりも
自分なんてどうでもよかった。
大切なモノを失った
抜け殻状態の友梨は
もう失うモノなんてない。
:07/06/20 19:20
:D902iS
:☆☆☆
#71 [
]
だから・・・
ごめんなさい。
博を思って
友梨は裕クンとキスしてた。
重なるはずない
二人のヒトを
必死に重ねようとして
何度も何度も
唇を重ねた・・・・・
これが友梨達の
初めてのキス。
:07/06/20 19:23
:D902iS
:☆☆☆
#72 [
]
:07/06/20 19:25
:D902iS
:☆☆☆
#73 [
]
「彼氏と仲直りした?」
世界史の時間
マガジンを読みながら
適当そうに聞いてきた
隣の席の三木(ミツキ)。
三木とは小学校からの連れ。
世界史の時間は席が隣で
いろいろ相談してた。
この前喧嘩してた時も
「万が一別れたら男紹介してやるさ」
って言ってた。
:07/06/21 17:39
:D902iS
:☆☆☆
#74 [
]
"ありがとー"
って適当に流してたけど
まさかホントに
別れるとは・・・
『別れましたよー』
「は!?まじで!?
その割には普通じゃん。」
わかってないなー三木。
空元気に決まってんじゃん。
『やろ〜(笑)』
何言ってんだ自分・・・
:07/06/21 17:45
:D902iS
:☆☆☆
#75 [
]
「まぁ元気出せよ。」
いっつも馬鹿とかアホしか
言わない三木が
この時は優しくて
なんだか変な感じがした。
『ありがと♪でも意外と大丈夫〜昨日泣きまくったし(笑)』
とか強がり並べた。
弱さ見せたり
甘えたりって
誰にでも出来ない。
素直じゃないから・・・
裕クンには見せまくりだけど(笑)
:07/06/21 17:50
:D902iS
:☆☆☆
#76 [
]
「じゃあ約束の男紹介してやるさ」
『わーい♪ありがとう』
ってえーーーーーっ!!!!???
What What What ?????
『やっぱり友梨いいよ〜まだ博吹っ切れてないし』
「あ"ん!?お前それ早く言えよ!もうメール送ってまったにけ」
まじかよっ!!
:07/06/21 18:15
:D902iS
:☆☆☆
#77 [
]
行動早いって!!
「まぁ〜切りたきゃきれよ。」
三木の顔もあるので
とりあえず
メールする事になった。
紹介されたのは
大山南高校のサッカー部で
同級生のイケメン君。
らしい・・・
:07/06/21 19:01
:D902iS
:☆☆☆
#78 [
]
タメってあんまり
好きじゃないし
また大山市民かよ・・・
って感じで
さらにノリ気じゃない友梨。
地元では進学校で有名な
私立ってだけあって
携帯の持ち込み禁止らしい。
って事で
先公にバレたらヤバイので
夜メールすると言われた。
:07/06/21 19:06
:D902iS
:☆☆☆
#79 [
]
部活が終わり
帰宅し夕食を済ませ
部屋に戻ると
知らないアドレスから
メールが来てた。
"始めまして!三木に紹介してもらった浩輝(ヒロキ)っていいます♪イキナリやけど俺実は彼女居るから,俺の連れとメールしてやって☆よろしく!
xxxxxxxxxxx@docomo.ne.jp"
ってアド載せんなや!!
強制かよっ!!
:07/06/21 19:10
:D902iS
:☆☆☆
#80 [
]
『三木のばかー!!!』
なんでこんな大規模な事に
なってる!?
冗談で・・・
強がりで言ったことが
現実になってる。
しかも紹介のテンポ
良すぎだから!!
とりあえず"わかった"と
メールを返し携帯を閉じた。
:07/06/21 19:13
:D902iS
:☆☆☆
#81 [
]
アドレスを見る限り
自分の好きな歌手の名前に
312は誕生日ってとこかな。
浩輝とは違って
イケてない感じだ。
どうしようか
すごく迷ったけど
写メみて決めよう!
と思い浩輝のメールに
載っていたアドレスに
メールを送った。
:07/06/21 19:17
:D902iS
:☆☆☆
#82 [
]
所詮アタシはそういう奴。
今までだってそうだった。
メル友だって
何人ブチったことか。
でも博と出会って
友梨は変わった。
優しくなれた。
でもまた
元の友梨に戻ろうとしてる。
あの荒れてた時期の友梨に・・・
:07/06/21 19:24
:D902iS
:☆☆☆
#83 [
]
ブーッブーッ
受信
xxxxxxxxxxx@docomo.ne.jp
うわっ!!
"こちらこそ宜しく♪
名前何ていうの?"
"牧野友梨
友梨でいいよ。そっちは?"
送信
:07/06/21 19:27
:D902iS
:☆☆☆
#84 [
]
それから
夜中までメールしてて
途中で寝てしまった。
博みたいに
絵文字のいっぱい付いた
カラフルなメール。
博を思い出して
博とメールしてる気分になった
林 俊道(トシミチ)
アーチェリー部のエース。
大山南のアーチェリー部は
地元じゃかなり強豪だ。
:07/06/21 19:33
:D902iS
:☆☆☆
#85 [
]
そこのエースなんだから
かなりスゴイ!!
おまけに
失恋したてらしい。
一緒じゃん(笑)
以外と話が盛り上がって
寂しくなかった。
けど
どうしても博と
重ねてしまう自分に
博への依存を感じた。
:07/06/21 19:52
:D902iS
:☆☆☆
#86 [
]
俊道とメールのやり取りを
続けるうちに
電話もするようになった。
ハッキリ言って
かつぜつの悪い
独特の話し方。
写メも交換したけど
なんかイマイチ。
でも話してて楽しいから
友達として付き合っていく
つもりだった。
俊道の気持ちを
知るまでは・・・
:07/06/21 19:59
:D902iS
:☆☆☆
#87 [
]
:07/06/21 20:01
:D902iS
:☆☆☆
#88 [
]
メールをして一ヶ月。
シャイだった俊道は
少し大胆になり
「友梨,博さん好き過ぎやで俺片思いやし」
とか言うようになった。
『会ったことないのに好きとか意味分からんからっ!』
って言ってはぐらかしてたら
じゃあ会ってみようよ。
って話になった。
:07/06/22 07:44
:D902iS
:☆☆☆
#89 [
]
あんまりノリ気
じゃなかったけど
このまま博に依存するのも
良くないと思い
俊道の気を知りながらも
会う約束をした。
嘘。
大山に行く口実が
欲しかっただけ
なのかもしれない・・・。
:07/06/22 07:47
:D902iS
:☆☆☆
#90 [
]
相変わらず五月蠅い親を
すり抜けるため
午前は部活で
午後からは生徒会の
仕事があるから
と家を出てきた。
私服をカバンに詰め
大山行きのバスに乗り
座るのはやっぱり
後ろから二番目の運転席側。
:07/06/24 18:03
:D902iS
:☆☆☆
#91 [
]
特に意味はないけど。
友梨は何となく
この席が好き。
一人で乗るときはね。
俊道に会う事よりも
もしかしたら博に
偶然会えるかもしれない!
とか淡い期待で
胸が膨らんだ
:07/06/24 18:07
:D902iS
:☆☆☆
#92 [
]
約束の時間より
少し遅れてバスが着いた。
『着いたよ。遅れてゴメン!今どこにおる?』
とメールを送ると
「タクシーの前」
タクシーなんて,いっぱい止まっててわかんない。
って思いながらも
乗り場に近づくと
日に焼けた長身の男子が
じっとこっちを見てた
:07/06/24 18:11
:D902iS
:☆☆☆
#93 [
]
"もしかして・・・??"
笑顔で手を振りながら
小走りで彼に近づいた。
あれ?写メとなんか
違う気するけど・・・
『はじめまして』
「はじめまして」
2人ぎこちなく
挨拶を交わした。
:07/06/25 04:22
:D902iS
:☆☆☆
#94 [
]
「写メより可愛いし・・・///」
何でお前が照れてんだよ!笑
『まじで???ありがと〜。』
友梨的には俊道は写メのが
マシだったからショック。
家に向かおうとしたら
「タクシー乗るから」
って言われて
タクシーに乗り込んだ
金持ちのボンは
やることが違うからビックリだ。
:07/06/25 04:28
:D902iS
:☆☆☆
#95 [
]
『VIPやねぇ〜笑』
「見られたくないから」
どういう意味だよ。
『見られたらマズイん?』
「うん。学校で何言われるか」
なんだそれ。
それはこっちのセリフだ。
一気にテンションが下がった。
:07/06/25 04:32
:D902iS
:☆☆☆
#96 [
]
会いたいって言ったの
自分じゃん?
好きとか言ってんのも
自分じゃん?
上から目線とか
まじないわぁ〜!!!!
って思いつつも
笑顔で普通を装った。
初対面やしな。
:07/06/25 04:36
:D902iS
:☆☆☆
#97 [
]
博の家とは真逆に進む
タクシーの中
すこしガッカリしてた。
窓の外は知らない場所で
すこし怖くなった。
タクシーを降りて
少し坂を上ると
俊道の家に着いた。
狭い勝手口を通り
俊道の部屋に通された。
『え・・・・・』
:07/06/25 04:41
:D902iS
:☆☆☆
#98 [
]
足の踏み場もない程に
散らかった汚い部屋。
窓がなく
閉め切られた暗い部屋。
「どうぞ,座って」
出されたのは布団。
唖然とする友梨に
「イーハイ予選で掃除する暇なかったで汚いけど!これでもちょっとはしたんやで??」
って言い訳を始めた。
:07/06/26 07:18
:D902iS
:☆☆☆
#99 [
]
『布団・・・座布団代わりにすんなよ〜笑』
笑えない。
「まぁ〜いいって,いいって」
よくねぇよ。
友梨が嫌だし。
てか何で布団2枚あるわけ?
まさか・・・・
童貞のコイツが・・・
まさか・・・ね???
:07/06/26 07:22
:D902iS
:☆☆☆
#100 [
]
「一緒に寝る?」
『寝ません』
人が好きになろうって
俊道の気持ちに応えようって
努力してんのに
コイツは全然ダメだ。
とりあえず布団の上しか
散らかってない場所が
なかったから仕方なく
座布団にして座って
いろいろ話してた。
:07/06/26 07:26
:D902iS
:☆☆☆
#101 [
]
11時を過ぎて
朝御飯を食べてない友梨は
空腹の絶頂に!!
『俊道〜ご飯行こうよ!友梨お腹空いた。朝早くて食べてないの・・・』
「まだ早いって。」
何だろう・・・胸が痛む
:07/06/26 07:29
:D902iS
:☆☆☆
#102 [
]
結局粘って粘って
友梨の勝利。
コンビニ行くことに
なったんだけど・・・
「ここで寝とけ。」
え?
『ひゃっ!!!!』
布団をかけられ
謎の発言。
:07/06/26 07:33
:D902iS
:☆☆☆
#103 [
]
留守番ですか?
おいてきぼり?
なにそれ。
理由はやっぱり
「見られたくないから」
らしい。
呆れて言葉もない。
「部屋漁らんといてな。」
『興味ないし。』
好きでもない男の部屋なんか
:07/06/26 07:35
:D902iS
:☆☆☆
#104 [
]
イチゴオレと
おにぎりを頼んで
友梨は俊道の部屋に一人。
布団に潜ったまま
目を閉じた。
俊道の匂いがする。
博とは違う匂い。
あんまり好きじゃないな・・・
このまま逃げようか。
帰りたい・・・
帰りたいよ・・・・
助けて博・・・。
:07/06/26 07:38
:D902iS
:☆☆☆
#105 [
]
博は会う日の朝起きたら
絶対メールくれた。
今家出た とか
着いたよ とか
友梨が心配性だから。
博は友梨のこと
一人にしない。
友梨が寂しがりだから。
何よりも
友梨といることを
恥じたりしなかった。
:07/06/27 05:01
:D902iS
:☆☆☆
#106 [
]
明日は友梨が来るから。
って何時間もかけて
部屋を掃除してくれた。
友梨がタバコが苦手だから
友梨といるときは
絶対吸わなかった。
すぐに「お腹空いた」
って言う友梨の為に
いつもお菓子とジュース
買ってくれてたね。
博が友梨にしてくれた事が
当たり前なんかじゃなく
博のちょっとした
気遣いであり
博の優しさでもあった
事に気づいた。
:07/06/27 05:08
:D902iS
:☆☆☆
#107 [
]
今更気づいても遅いのに。
博は・・・
博は・・・
戻ってこない―――――――。
:07/06/27 05:10
:D902iS
:☆☆☆
#108 [
]
そう思う反面
ある日突然
「やっぱり好きだ」
って友梨のもとに
帰ってきてくれる気がして。
ずっと消せないでいる
保護メールとプリ画。
ほんと未練がましい。
キモイよね。
でもこの気持ち
嘘なんかじゃない。
どうすることも出来ない・・・
:07/06/27 05:14
:D902iS
:☆☆☆
#109 [
]
ブーッブーッ
突然手の中の携帯が鳴り
着信は俊道だった。
現実に引き戻される。
「イチゴオレなかった」
っていう報告。
しょうがなくリプトンにした。
しばらくすると
俊道が息を切らして
帰ってきた。
:07/06/27 05:19
:D902iS
:☆☆☆
#110 [
]
『お帰り』
泣いてたのがバレないように
笑顔で迎えた。
友梨はこの汚い部屋に
一人で待ってたのに・・・
なのに・・・
「部屋漁ってないよな?」
は?
そこかよ。
この男ありえない。
:07/06/28 19:23
:D902iS
:☆☆☆
#111 [
]
リプトンぶっかけて
やりたかった。
帰りたい。
帰りたい。
帰りたい!!!
「あ〜疲れた!」
俊道は布団に
横たわった。
友梨は起き上がり
一人ご飯を食べ始めた。
:07/06/28 19:26
:D902iS
:☆☆☆
#112 [
]
一人黙々と
おにぎりを食べてると
「友梨まじ可愛いな」
って俊道が言った。
『そうか?普通やって』
冷たい反応をする。
「そそるよな〜笑」
でた。変態っ!!
こういうのは
相手にしちゃいけない。
:07/06/28 19:31
:D902iS
:☆☆☆
#113 [
]
ヤれば好きになれる?
アンタのこと。
細い腕枕じゃなくて
筋肉質な太い腕が
心地よくなるの?
狭いあの部屋を
好きになった様に
この部屋も
好きになれるのかな?
少しの我慢で
この気持ちが博から離れて
俊道を好きになれるなら
アタシはなんだってする。
:07/06/28 19:36
:D902iS
:☆☆☆
#114 [
]
『やりたいの?』
「え?いいの?」
『別に初めてじゃないし』
「うんっ!!」
男って単純。
なんて生き物なの・・・
友梨は俊道の隣に座った。
:07/06/28 19:39
:D902iS
:☆☆☆
#115 [
]
俊道は友梨を抱いた。
「シャンプーAsieoce?」
『何でわかったの?』
「シャンプー当てるの得意」
どんな特技だか。
笑っちゃうよね。
そのまま布団に倒され
キスされそうになった時
アタシは拒んでしまった・・・
裕くんは大丈夫だったのに
おかしいな・・・
:07/06/28 19:44
:D902iS
:☆☆☆
#116 [
]
『ごめん!やっぱり無理!!』
鳥肌が立ってた
「ここまできて
それはないろ!!」
ですよね・・・

だけど無理なの。
「もう起ったし!! ///」
『ホントにごめん・・・』
ごめんなさい。
あなたを好きになれそうに
ありません・・・
:07/06/28 19:49
:D902iS
:☆☆☆
#117 [
]
「いいじゃん!なんで??」
よほど
卒業したかったんだろう
しつこかった
鬱陶しくて
『そんなにやりたきゃ
一人でやんなよ。』
「恥ずかしいにか!!」
『チキン 笑』
鼻で笑った。
:07/06/28 19:52
:D902iS
:☆☆☆
#118 [
]
「チキンじゃねぇし!!
あぁ〜いいよ!やってやるよ」
?
ムキになるところが
違う気がするけど・・・
好きじゃないし
こんな男どうでもよかった
所詮ただのメル友。
暇つぶしでしかなかった。
:07/06/28 19:55
:D902iS
:☆☆☆
#119 [
]
俊道は布団の中で
脱いでしまったらしく
「脱いだし!チキンじゃねぇ」
そう言うと
隣で自慰行為を始めた。
まさか本気でやるとは
思ってなくてビックリした。
恥ずかしくないの?
惨めじゃないの?
結局は抜きたかった
だけだろう。
:07/06/28 19:58
:D902iS
:☆☆☆
#120 [
]
行為が終わると
「誰にも言うなよ」
って。
誰に話すんだよ。
こんな気持ち悪い話。
逆に友梨が引かれるし。
『言うわけないし』
「よかった。」
ビビってんなら
最初からすんなっつーの!
めっちゃチキンやん。
:07/06/28 20:01
:D902iS
:☆☆☆
#121 [
]
バスの時間が近づき
帰ることにした。
解放されたかった。
早く・・・
早く・・・
タクシーを降りた
所まで来ると
「バスで行こうぜ」
市内を循環してる
100円で乗れるバス。
:07/07/08 09:50
:D902iS
:☆☆☆
#122 [
]
『これ3時半までに駅着く?』
「初めて乗る♪」
却下。
そんな危険な乗り物には
乗りません。
友梨は六時前に
学校まで行かなきゃいけない。
親に嘘付いてきたし・・・
3時半のバスに
乗り遅れるわけには
いかない。
:07/07/08 09:54
:D902iS
:☆☆☆
#123 [
]
なのにコイツは
「確か大丈夫やよ」
って言って
友梨の腕を掴むと
バスに押し入れた。
(ほんとかよ・・・)
これが間違いだった。
やっぱ歩けばよかった。
:07/07/08 09:57
:D902iS
:☆☆☆
#124 [
]
明らかに駅とは逆に進む
バスに不安を抱き
運転手に駅に着く時間を
聞いてもらうと・・・
「3時40分だよ」
「『え"―――――っ!?』」
『俊道おりよっ!!』
「ここから走ってももう無理だよ・・・」
『・・・・・』
:07/07/08 10:00
:D902iS
:☆☆☆
#125 [
]
一気に機嫌が悪くなる。
顔も見たくない。
「ごめん。俺のせいや・・」
『だから乗った事ないのに止めようってゆったやん!!』
「だって・・・」
『言い訳なんか聞とない』
「ごめん・・・」
謝られても
こればっかりは無理。
:07/07/08 10:03
:D902iS
:☆☆☆
#126 [
]
「なんでもするから・・・」
『3時半のバス乗らせて』
「それは・・・」
『なんでも。じゃないじゃん。適当なこと抜かすな』
怒りを通り越し
友梨はバスの中で
泣いてしまった・・・
なんとかしなきゃ。
なんとか・・・
6時までに帰る方法・・・
:07/07/08 10:06
:D902iS
:☆☆☆
#127 [
]
翔くん!!!!!
携帯を取り出し
翔くんに電話を
かけようとしたら
「俺の電話代使っていいよ」
『・・・』
「それで何とかなるなら」
『ありがと』
プルルルルッ
プルルルルッ――――
「はい?」
:07/07/08 10:09
:D902iS
:☆☆☆
#128 [
]
『久しぶり。友梨やけど・・・』
「あれ?番号かえたんけ?」
『ううん。友達の〜♪』
電話に出たって事は・・・
仕事休みだ!!!
『あのさ〜今日休みやったりする?』
「うん、夜勤明けでさっ!どうした?」
『車出してくださいっっ!!』
:07/07/08 10:12
:D902iS
:☆☆☆
#129 [
]
「ごめん・・・今実家向かっとって・・・家じゃない↓三ッ橋に聞いてみれよ。春休みで帰ってきとるはずやで」
翔くんはダメだったけど
三ッ橋くんなら!!
「ごめん。昨日までならおったんやけどなぁ・・・さっき帰ってきたんや」
チーン(-_-)・・・・・
:07/07/08 10:16
:D902iS
:☆☆☆
#130 [
]
車持ちの知り合いに
片っ端から連絡したけど
平日でみんな仕事。
今日ツイてない。
とりあえず
次のバスに乗り
乗り換えの駅まで
行くことにした。
「気をつけて帰れよ。今日はホントにゴメンな。」
20分後大山バスセンターに
着くと俊が謝ってきた
:07/07/08 10:22
:D902iS
:☆☆☆
#131 [
]
『もぉええよ』
「嫌いになった?」
『嫌いにはなってないけど好感度はゼロに近いな(笑)』
率直な意見。
「じゃあ俺後輩ん家行ってくる。気をつけて帰れよ」
はい?
最低な言動の数々に加え
見送りもしない気らしい。
限りなくゼロに近かった
好感度はマイナスへと
変化した。
:07/07/08 10:35
:D902iS
:☆☆☆
#132 [
]
タクシーで帰ろうか
迷っていると・・・
「あれ?マッキー(牧野)じゃん♪」
『え?』
振り返ると
そこには中学時代
仲が良かったサヤがいた。
「制服で何してんの?」
『実は・・・』
全てを簡潔に話した。
:07/07/08 13:43
:D902iS
:☆☆☆
#133 [
]
「そいつ最低やん(笑)ウチ今親来るから乗ってきなよ♪飛ばしてもらうし!!」
『サヤ・・・ありがとう!』
サヤ(の親)のお陰で
6時前に学校に
着くことができた。
それから
俊道とは疎遠になっていき
今はもう連絡先もしらない。
:07/07/08 13:47
:D902iS
:☆☆☆
#134 [
]
独りの夜は
怖くて眠れない。
自律神経やられてんのかと
思うくらい
涙は勝手に溢れてくる
俊道がチキンじゃなくても
友梨は俊道を好きには
なれなかったんだ。
博以外の他の誰かなんて
愛せないんだから――――。
:07/07/08 13:51
:D902iS
:☆☆☆
#135 [
]
:07/07/08 13:54
:D902iS
:☆☆☆
#136 [
]
【書き込む】
『何やってんだろう・・・』
博と2人で始めた
ホームページ。
別れた後も
毎日欠かさず書き続けてる。
博が読んでるのに
気づいたから・・・
:07/07/08 13:58
:D902iS
:☆☆☆
#137 [
]
メールや電話は
怖くて出来なかったけど
もしかしたら時間が経って
ほとぼりも冷めた時
ふと思い出して
覗いてくれるかもしれない。
そんな日がいつか来て
友梨が変わった事が
伝わったらいいな・・・
そう思ってた。
だから辛くても
書き続けると決めた。
素直な気持ちを。
ありのままに・・・
:07/07/08 14:07
:D902iS
:☆☆☆
#138 [
]
別れて3日ほど経った頃
博の日記が
更新されているのに
気が付いた。
"日記読ませてもらいます"
"辛くても頑張れよ!!"
涙が止まらなかった。
博はちゃんと見ててくれた。
:07/07/08 17:34
:D902iS
:☆☆☆
#139 [
]
毎日部活が終わって
家に帰宅するとすぐに
日記を書いた。
訪問すると
カウントされる数字が
プラス1になっているのが
嬉しかった。
ほんの些細なことでも
博と繋がっていられる事が
今の友梨にとっては
とても大きな幸せだった。
:07/07/09 07:28
:D902iS
:☆☆☆
#140 [
]
博の日記が
更新される事は
なかったけど・・・
友梨はまた書いてくれる
んじゃないかって
毎日博の日記も覗いてみた
博がホームページに
来ている事は事実で・・・
だけど
博の今日の出来事を
知る権利は
友梨にはもう無くて・・・
この気持ちは
博にはわかんないよね。
:07/07/09 07:35
:D902iS
:☆☆☆
#141 [
]
更新のない
博の日記を今日も見た。
見てしまった――――。
【……………】
更新されてたんだ・・・
:07/07/09 07:37
:D902iS
:☆☆☆
#142 [
]
ボーリング行ったとか
カラオケ行ったとか
仕事の話。
それから
ちょくちょく
博の日記が更新されるように
なっていった。
でも友梨は
みちゃいけなかったんだ・・・
まだ癒えていない傷を
抱えた友梨には
辛すぎる事実が
淡々と綴られていた。
:07/07/09 07:42
:D902iS
:☆☆☆
#143 [
]

訂正

【×】
ボーリング行ったとか
カラオケ行ったとか
仕事の話。
【○】
ボーリング行ったとか
カラオケ行ったとか
すみませんm(_ _)m
:07/07/09 07:45
:D902iS
:☆☆☆
#144 [
]
別れて1ヶ月だったけど
誕生日は別。
友梨だっておめでとうって
言いたかった。
一週間くらい前から
何て書こうか
ずっと迷って・・・
だって今の自分の立場から
使って良い言葉
控えなきゃいけない言葉って
あると思うから・・・
悩んで悩んで作ったら
誕生日メールは
何かが足りなくて・・・
それが何なのか
わかんなかった。
:07/07/09 07:51
:D902iS
:☆☆☆
#145 [
]
そんな時
他校へ進学した親友(ナナ)から
遊ぼうと誘われ
久々に遊びに出た。
『久しぶり〜』
待ち合わせ場所に行くと
ナナが驚いた顔で
「友梨なんかあったの!?何でそんな痩せたん!?」
『ダイエットやって(笑)』
笑って流した
:07/07/09 07:55
:D902iS
:☆☆☆
#146 [
]
「真剣に聞いとるんよ!?」
少し怒ったようなナナ。
「・・・別れたん?」
『・・・・・』
「話さんとわからんに・・」
『失恋しましたぁ〜(笑)』
「あほ!無理しんのっ!!」
駅のホームで
ナナは友梨を抱きしめた。
人目なんてまるで
気にならなかった。
二人で泣いた・・・
:07/07/09 07:58
:D902iS
:☆☆☆
#147 [
]
それからマックに入って
ナナに話した。
長い間会ってなくて
彼氏が出来た事しか
言ってなかったから
どこから話していいのか
わからなくて
とりあえず
訳わかんない言葉を
ナナにぶつけまくった。
ナナは泣きながら
"頑張ったね""辛かったね"
って何度も言った。
:07/07/09 17:34
:D902iS
:☆☆☆
#148 [
]
一通り話終わると
「友梨の事ね。好きじゃなくても気になっとるんやと思うよ」
好きじゃないのに
気になってる?
よく意味が分からなかった。
「男ってそんなもんやさっ」
わからないながらに
ナナの言葉を
理解しようと必死だった
:07/07/09 17:38
:D902iS
:☆☆☆
#149 [
]
はっちゃけて
楽しんだ帰りの電車の中。
彼氏とメールしてる
ナナを見て
なんとなく
ホームページを開いた。
またカウントが増えてる・・・
まさか・・・!!!!!
書き込みがあった
:07/07/09 17:41
:D902iS
:☆☆☆
#150 [
]
博は何か
勘違いしてるのか
機嫌が悪かった。
何で怒ってたのか
よく覚えてないけど・・・
帰る間中
不安だったのは覚えてる。
:07/07/09 17:43
:D902iS
:☆☆☆
#151 [
]
乗り換えの待ち時間。
誕生日メールの相談をした。
何かが足りなくて
それが何なのか
わからないと――――。
ナナはあっさりと
「友梨の気持ちやと思う。好きなら好きって言って良いじゃん?素直な気持ちが欠けとるから足りん気がするんじゃない?」
素直な気持ち・・・
友梨好きって言って
いいのかな?
:07/07/09 17:46
:D902iS
:☆☆☆
#152 [下痢たれ]
ラーブイーズォーバー


悲しい

けーれどー

ってか

うははははは

:07/07/09 19:00
:SH902iSL
:☆☆☆
#153 [
]
夜携帯と
にらめっこしながら
何日もかけて・・・
何度も作り直して・・・
言葉を選んで
でも素直な気持ちを
博に届きますように・・・
メールに着メッセを添えて
12時ちょうどに
送信した。
:07/07/09 19:02
:D902iS
:☆☆☆
#154 [
]
18歳おめでとう
ヒロシが生まれて18年
ユリが知っとるヒロシは1/18以下やけど・・・
楽しくて・・・
優しくて・・・
いっつも人気者やおね
そんなヒロシが大好きです
会えてよかった
生まれてきてくれてありがとう
幸多き01年でありますように・・・
:07/07/09 19:07
:D902iS
:☆☆☆
#155 [
]
素直になったよ。
伝わるかわからないけど・・・
本当に会えてよかったって
思ってる。
どん底にいた
どうしようもない友梨に
手を差し伸べてくれた
かけがえのない人。
ずっと忘れないから・・・
博も忘れないで・・・?
:07/07/09 19:10
:D902iS
:☆☆☆
#156 [
]
"ありがとう"
って返事は
当然のように
返ってこなくて
だけど友梨馬鹿だし
1時まで待ってた。
まさか
あんな形で
返事が返ってくるとは
まだ知りもしないで・・・
:07/07/09 19:13
:D902iS
:☆☆☆
#157 [
]
次の日いつものように
ホームページへ行くと
博の日記が更新されていた。
誕生日メールが
沢山きて嬉しかった事。
一番嬉しかったのは
マキからのシンプルな
メールだったと―――――
:07/07/09 19:16
:D902iS
:☆☆☆
#158 [
]
その場に泣き崩れ
その日からまた
ご飯を食べなくなった。
人間って
強いフリして弱いよね。
恋愛には臆病で
些細なことで
こんなにも凹んでさ。
『大嫌い』
そう思えたらいいのに・・・
:07/07/09 19:20
:D902iS
:☆☆☆
#159 [
]
大嫌いになんて
なれるはずない。
だって好きだもん。
こんなにも
胸が締め付けられるほど
苦しくて切なくても
これが恋だから・・・
人を愛するって事だから・・・
:07/07/09 19:23
:D902iS
:☆☆☆
#160 [
]
それから
博の日記は
日記ではなく
友梨へのメッセージとなり
友梨の日記は
博へ打ち明けられない
思いを綴る場所となった。
口にしちゃいけない言葉は
博には教えていない
もう一つのホームページに
密かに綴った。
切ない片思い日記・・・
:07/07/09 19:25
:D902iS
:☆☆☆
#161 [
]
:07/07/09 19:26
:D902iS
:☆☆☆
#162 [
]
何の進展もないまま
月日は流れ
博は高校を卒業し
地元の企業に就職した。
友梨は生徒会役員となり
着々と三年生に
なろうとしていた。
もうすぐ4月になる・・・。
不安で仕方ない。
:07/07/09 19:33
:D902iS
:☆☆☆
#163 [
]
時間は
正確に時を刻み続ける。
一日が終わり
明日になるのが怖かった。
「"4月に死ぬ"」
博の言葉が
日を追うごとに
重く友梨にのしかかる。
:07/07/09 19:38
:D902iS
:☆☆☆
#164 [
]
大切な人が
居なくなるのに
17の友梨には
どうすることも出来なくて
博にとって友梨は
関係のない奴で
ただのお節介かもしれない。
だけど
じっとなんて
していられなくて・・・
文具店に行った。
:07/07/09 19:40
:D902iS
:☆☆☆
#165 [
]
折り紙を買い占め
店を出た。
一日20枚以上のペースで
折り始めたのは
"千羽鶴"
友梨には願うことしか
出来なくて
つくづく人間って
無力なんだと
思い知らされる
:07/07/09 19:55
:D902iS
:☆☆☆
#166 [
]
博には黙ってた。
ウザイとか
言われそうで・・・。
誰の力も借りず
千羽折ってみせる。
なんだってするから。
お願い・・・
博を連れていかないで・・・
:07/07/09 19:57
:D902iS
:☆☆☆
#167 [
]
寿命を分ける事が
できるのなら
友梨の寿命を・・・。
博と入れ替われるなら
友梨の体を・・・
悪夢に魘される日が増えて
ノイローゼになりそうだった。
そんなある日の夜だった
博からメールがきた・・・
:07/07/09 20:01
:D902iS
:☆☆☆
#168 [
]
目を疑った。
嘘だと言って欲しかった。
怒らないから
質の悪い冗談だと
誰か否定してほしかった。
【俺、月末に死ぬわ】
.
:07/07/09 20:03
:D902iS
:☆☆☆
#169 [
]
急いで電話をかけると
すぐに博はでた。
「なに?」
『嘘やよね?てか嘘って言って欲しいんやけど・・・』
「ホントやさ!」
全身が震えだし
涙が止まらなくて
どうにかなってしまいそう・・
:07/07/09 20:06
:D902iS
:☆☆☆
#170 [
]
この人は
どこまで友梨を
苦しめるの?
これ以上不安に
させないで。
別れを受け入れるだけで
精一杯なのに
永遠の別れなんて・・・
友梨には耐えられない。
「仕方ないろ・・・?」
:07/07/10 07:17
:D902iS
:☆☆☆
#171 [
]
『仕方なくない!!』
そうやって
諦めて欲しくない。
「必然は変えれん」
執着してよ。
"生きる"って大切な事。
"明日"がくるって
素晴らしい事なんだよ?
人は全身全霊をかけて
守りたい大切なモノが
出来た時初めて
生きていたいと思う。
:07/07/10 07:22
:D902iS
:☆☆☆
#172 [
]
つまらなかった毎日に
刺激を求め
寂しさを埋めるために
男と寝た。
信じては裏切られ
心に傷を負い
それを隠すために
強がってた。
いつ死んでも
構わないと思ってた。
でも今は違う・・・
:07/07/10 18:31
:D902iS
:☆☆☆
#173 [
]
離れてても良い。
報われなくても良い。
生きていたい。
いつかきっと
友梨も幸せになれるから。
そう信じてた
:07/07/10 18:33
:D902iS
:☆☆☆
#174 [
]
信じてたのに・・・
現実はそんな甘いもんじゃない
「俺・・・今大切な人おるでさ」
.
:07/07/10 18:35
:D902iS
:☆☆☆
#175 [
]
大切な人・・・?
それは友梨じゃない
他の誰かで
それは
友梨との終わりを
意味してて・・・
『彼女・・・できたの・・・?』
わかってんのに
聞いてしまった。
:07/07/10 18:38
:D902iS
:☆☆☆
#176 [
]
聞いてすぐ
後悔したけど
「うん。」
ってあっさり言われちゃった。
所詮友梨は
別れて1ヶ月で
忘れられるような
女なんだと
自分を責めたりもした。
けどそんなの
なんの意味もなくて
:07/07/10 18:41
:D902iS
:☆☆☆
#177 [
]
`
" サイテイ "
そう言い返すのに精一杯。
電話越しに
一人しゃべり続けるのを
博は黙って聞いてた。
:07/07/10 18:44
:D902iS
:☆☆☆
#178 [
]
胸が熱くて
涙が止まらなくて
こんなことなら
連絡なんて
とらなきゃよかったんだ。
そしたらさ
知らなくてよかった事実
だったのに。
あほやん。
友梨めっちゃあほやん・・・
:07/07/10 18:59
:D902iS
:☆☆☆
#179 [
]
電話を切ると
布団を握りしめ
声を殺して泣いた。
悔しかった。
悲しかった。
切なかった。
苦しいよ・・・・・。
これが恋だというなら
友梨はもう
恋なんてしたくない。
傷つきたくないよ・・・
:07/07/10 19:04
:D902iS
:☆☆☆
#180 [
]
ぼーっとしたまま
起きあがると
棚から小さな箱を出した。
静かにふたを開ける。
『こんなもんっ!!!!!』
『博なんか・・・!!博なんか!!』
床には
小さな鶴が散らばった。
:07/07/10 19:08
:D902iS
:☆☆☆
#181 [
]
もうすぐだったのにね・・・
1000羽じゃなきゃ飛べない
この鳥たちに
込めた願いは重すぎて
紙切れなんかで
人の命が左右されるなんて
無理な話だけど
それでも
それでも大切な人へ
何かしてあげたかった
:07/07/10 19:11
:D902iS
:☆☆☆
#182 [
]
" 博なんか "
の次の言葉が
言えなくて・・・
『ごめんね・・・』
泣きながら
一羽ずつ丁寧に
鶴を開いた。
:07/07/10 19:15
:D902iS
:☆☆☆
#183 [
]
852羽の
鶴たちが
折り紙へと戻っていく。
友梨の恋は
飛べなかった千羽鶴と共に
灰になり
空へ舞った・・・・・
:07/07/10 19:46
:D902iS
:☆☆☆
#184 [
]
:07/07/11 04:45
:D902iS
:☆☆☆
#185 [
]
「愛される女になれよ」
"心から愛したいと
思われる人になれ"
そう課せられた課題は
友梨にはとっては
簡単なもんじゃない。
今までもきっと
そうだったんだ・・・
みんな好きだけど
愛してはくれなかった。
愛そうと思え無かったんだね
友梨が悪いんだ・・・
:07/07/11 04:52
:D902iS
:☆☆☆
#186 [
]
「来週の金曜日から彼女に会いに大阪・・・行ってくる」
大阪・・・
彼女に会いに・・・
博の言葉の数々は
今も心に傷を残してる。
いつか癒えると
信じてるけど・・・
:07/07/11 04:55
:D902iS
:☆☆☆
#187 [
]
"彼女は知っとるの?その・・・月末の事とか・・・(未来が)見える事とか"
"言ってない。"
友梨には話したじゃん。
彼女に黙ってんの
よくないよ・・・
でもどこか
嬉しいと思ってしまう
最低な自分
:07/07/11 04:59
:D902iS
:☆☆☆
#188 [
]
博が居なくなれば
友梨のこの気持ちは
諦めが付いて
心の傷も
時間と共に癒えるの?
他の誰かを愛せるの?
無理だ・・・
博のいない世界は
モノクロでしかない
博が最期に会いたいのは
友梨じゃないけど
本当に最期だというなら
もう一度、
あなたに会いたい・・・
:07/07/11 05:03
:D902iS
:☆☆☆
#189 [
]
ブーッブーッ
夜の九時を過ぎた頃
携帯が鳴り
一通のメールを受信した。
登録外ではあったものの
アドレスを見れば
誰だかすぐにわかった。
わかりやすいから(笑)
送信者は文博だった。
:07/07/11 07:06
:D902iS
:☆☆☆
#190 [
]
「起きとる!?」
ってまだ九時だし・・・(笑)
『眠いかなぁ〜笑』
送信するとすぐに
電話がかかってきた。
ビックリして出ると
「まだ寝やんでな??まだ寝やんでな??」
って文博かよ!!!笑
『起きとるって(笑)何〜?』
:07/07/11 07:13
:D902iS
:☆☆☆
#191 [
]
「いやぁ〜友梨ちゃん今フリーやんね?」
今触れて欲しくない話題
ナンバー1!!!!
『そやけど?』
「友梨ちゃんに会いたいなぁ〜ってw」
『会いたいんじゃなくてヤりたいんやろっ!』
バレバレやって。
相当欲求不満じゃん
:07/07/11 17:10
:D902iS
:☆☆☆
#192 [
]
「なっ


そんな失礼な〜会いたいんやて〜」
はいはい。
動揺してんじゃん。
『悪いけど・・・』
ちょっと待った!
文博が来てくれれば・・・
:07/07/11 17:12
:D902iS
:☆☆☆
#193 [
]
『いいよ。ドライブ行きたいなっ♪』
「友梨の頼みなら何だって聞きますっ!!なんでもおっしゃってくださぁ〜い(笑)」
『なんでも!?』
「うんっ♪」
よし来たっ!!!!!
:07/07/11 17:14
:D902iS
:☆☆☆
#194 [
]
文博には悪いけど
足になってもらう事にした。
博に会いに行くと
決意した。
当然ヤリ目の文博は
明日の夜来るといい
嬉しそうに電話を切った。
もう昔の友梨じゃないのに
文博はきっと期待してた。
最低な事くらいわかってる。
でもこうするしかなかったの
:07/07/11 17:17
:D902iS
:☆☆☆
#195 [
]
その日の日記に一言。
『ごめんね』
と書き加えた。
突然押し掛けてごめん。
未練がましくてごめん。
彼女いるのにごめん。
いろんな思いを込めた・・・
大きくて思い"ごめん"
:07/07/11 17:19
:D902iS
:☆☆☆
#196 [
]

訂正

×・・大きくて思いごめん。
○・・大きくて重いごめん
:07/07/11 18:03
:D902iS
:☆☆☆
#197 [
]
文博と会う約束をした夜。
「着いたよ」
と電話が来て
友梨は家を飛び出した。
最後にあった日・・・
文博は自動車学校に
通ってて
そこまで会いに
行ったっけ(笑)
『久しぶり〜』
とドアを開けて
口まで開いてしまった
:07/07/11 18:07
:D902iS
:☆☆☆
#198 [
]
マリーちゃんで
埋め尽くされた車内。
マリーちゃん付きのファーが
フロントに敷かれ
マリーちゃんのミラーに
カーテン・毛布
キーホルダー。
すべてマリーちゃん・・・
きょろきょろしていると
「かわいいやら〜笑」
って言われた。
『女の子に車借りてきたん?』
:07/07/11 18:13
:D902iS
:☆☆☆
#199 [
]
って聞いたら
自分の車らしい・・・
ピンクのギャルギャルした
この車を
18の男が乗ってるなんて
誰も思わないと思う。
「友梨ちゃんどこ行きたい?」
『えっ・・・・・・っま・・』
「ん?」
『大山っっ!!』
:07/07/11 18:16
:D902iS
:☆☆☆
#200 [
]
『博に会わせて下さい・・・』
「俺は足か!?」
『わかっとる!!最低な事頼んどるって・・・でも・・・』
「もぉ〜そんな目で頼まれたら断れんやら〜友梨ちゃんのお願いなら俺何でも聞いちゃう〜」
文博は笑いながら
大山へ・・・博の元へ
行くことを許してくれた。
:07/07/11 18:36
:D902iS
:☆☆☆
#201 [
]
大山へ向かう途中
コンビニに寄った。
怖い兄ちゃん達が居たから
友梨は車で待ってた。
戻ってきた文博が
「はい,友梨のっ」
って差し出したのは
イチゴ・オレ。
さすが文博っ!!
わかってる(笑)
:07/07/12 07:46
:D902iS
:☆☆☆
#202 [
]
『会ってくれるかな?博』
「引っ張り出しやぁ〜(笑)」
『彼女さんに悪いよね?』
「友梨らしくないやん。他人の心配なんて。彼女なんかはったおしたれよ(笑)」
マイナス思考になる友梨を
文博は勇気づけてくれた。
アタシ・・・頑張るよ
:07/07/12 07:51
:D902iS
:☆☆☆
#203 [
]
いつも通った
博の家への坂道。
あの公園。
閑静な住宅街。
その中にある
白い小さな博の家。
『ここ・・・』
「・・・」
少し離れた通りの角に
車を止めた。
:07/07/12 18:47
:D902iS
:☆☆☆
#204 [
]
エンジンを切ると
静まり返った車内は
緊張感に溢れた。
「電話。かけやぁ。」
『やっぱり無理っ!!迷惑やし。これ以上嫌われて傷つくの耐えれん・・・』
泣き出す友梨に
呆れた様に文博は
「ここまで来たのに逃げたらアカン。向き合わな。最後にするって決めたんやったら正面からぶつからな」
って言った。
:07/07/12 18:51
:D902iS
:☆☆☆
#205 [
]
向き合う。
最後にするんだ。
振り向いちゃいけない。
家にいるか確認する為
電話をすると
話し中だった。
いや、拒否られてんのかも。
『繋がらん』
:07/07/12 19:06
:D902iS
:☆☆☆
#206 [
]
すこし時間をおいて
もう一度かけた。
文博が手を握っててくれた・・
強く握られた手から
"頑張れ"が伝わる。
繋がったけど
なかなか出てくれない。
無理かなぁって
思って切ろうとした瞬間
出た。
:07/07/12 19:09
:D902iS
:☆☆☆
#207 [
]
まだ番号登録してて
くれたんだと思う。
「なに?」
って言われた。
嬉しいような
悲しいような・・・
『今家におる?』
文博が心配そうに
のぞき込む
:07/07/14 09:07
:D902iS
:☆☆☆
#208 [
]
「おるけど何?」
超冷たい返事。
それでも友梨は
トーンを上げたまま
必死に喋った。
『今から会いたいの』
「は?」
無理もない。
片道一時間かかる距離。
まさか友梨がここまで
来てるなんて思いもしない。
:07/07/14 09:11
:D902iS
:☆☆☆
#209 [
]
『今近くまで来とるの。会って下さい・・・』
「俺彼女おるし。」
『お願い・・・ちょっとだけ・・』
「・・・」
『・・・』
沈黙が流れる。
電話を切られるんじゃ
ないかって
正直怖かった。
:07/07/14 09:13
:D902iS
:☆☆☆
#210 [
]
沈黙の間
悩んだんだと思う。
はーっ
って大きなため息をつくと
「めんどくせぇ女やなっ!今どこにおるんよ?」
『角んとこ・・・』
会いたい・・・
会いたい・・・
「公園におれよ」
:07/07/14 09:17
:D902iS
:☆☆☆
#211 [
]
『来てくれるの!?』
「気が向いたら。」
何でもよかった。
来てくれるって信じてた。
博に会える・・・
どうしよう・・・
もう泣きそうだよ・・・
電話を切ると
文博を残し一人車を飛び出し
公園へ走った
:07/07/14 09:20
:D902iS
:☆☆☆
#212 [
]
公園に着くと
ベンチに座り博を待った。
3月だっていうのに
冷たい風が頬を撫でる。
空を見上げると
星がたくさん光ってた。
泣かない。
絶対泣かない。
最後は笑顔で・・・
"最期"だから・・・
:07/07/14 09:25
:D902iS
:☆☆☆
#213 [
]
ガサッ
足音がした方を見ると
誰かが立ってた。
暗くてわからないけど
暗闇に浮かび上がる
あの華奢なシルエット。
大好きな人の影を
間違えるはずがない。
『ひろし・・・』
「・・・」
:07/07/14 09:30
:D902iS
:☆☆☆
#214 [
]
立ち上がり
陰の方へ駆け寄った。
博だ・・・
2ヶ月ぶりに会った博は
もう学生の博じゃなくて
あの無邪気な笑顔もなくて
疲れきった大人の顔をしてた
友梨の知らない
博がそこにはいて・・・
ちょっと寂しかった。
:07/07/14 09:33
:D902iS
:☆☆☆
#215 [
]
『また痩せた?』
高鳴る胸の鼓動を
必死に抑えながら
できるだけ笑顔で・・・
「かもな」
『ちゃんと食べんと・・』
「うるせぇな。要件は何よ」
突き放すような言葉に
胸が締め付けられた。
『・・・』
:07/07/14 09:36
:D902iS
:☆☆☆
#216 [
]
「明日も仕事なんで寝たいんですけど。」
『・・・』
泣かない。泣かない。
頑張るんだよ友梨。
『会いたかったの・・・博が最期とか言うから。死ぬとか言うから!!!』
博に一歩近づいた。
「さわんなっ!!!」
:07/07/14 09:39
:D902iS
:☆☆☆
#217 [
]
『えっ・・・』
「そんだけかよ」
それだけ?
そんな軽いもんじゃない。
友梨がどんな気持ちで
ここまで来たか・・・
博はぜんぜんわかってない
目頭が熱くなる。
:07/07/14 09:41
:D902iS
:☆☆☆
#218 [
]
『もういいよっ!!!!!』
気付けばそう言って
博に背を向けてた。
我慢してた糸が切れて
涙が溢れ止まらなかった。
こんな事言いに
来たんじゃないのに・・・
伝えたい言葉
いっぱいあったのに・・・
素直になれなかった。
:07/07/14 09:44
:D902iS
:☆☆☆
#219 [
]
泣いてんのがバレないように
涙は拭かなかった。
後ろから
博も歩いてくるのがわかった。
振り返って
博の胸に飛び込んで
今でも好きだと泣きつけば
何か変わってただろうか。
でもそんな勇気
友梨になくて
早足で文博の待つ車へと
道を急いだ
:07/07/14 09:47
:D902iS
:☆☆☆
#220 [
]
いつか博が言ってた。
「女の涙だけは弱い」って。
だから涙は見せない。
卑怯だから。
博を苦しめるのは
なんだか自分も苦しいから。
車に乗り込み
文博に抱きついて
大声で子供みたいに泣いた。
「頑張ったやん」
:07/07/14 09:52
:D902iS
:☆☆☆
#221 [
]
「友梨は大人になれるよ。強い女になれる。」
そう元気付けてくれる
文博の言葉にまた涙する。
泣いて泣いて泣いて。
弱虫。意気地なし。
結局伝えたい言葉を
何一つ言えないまま
博の元を後にした。
:07/07/14 09:54
:D902iS
:☆☆☆
#222 [
]
会う度に来てた
ゲームセンターの裏の
駐車場に車を止め
イチゴオレを一気飲み。
博からの連絡はなくて
べつに「ごめん」って言って
欲しい訳じゃないけど
連絡がないのは
ちょっと痛い。
:07/07/14 18:59
:D902iS
:☆☆☆
#223 [
]
彼女が居る人を
いくら思っても仕方ない。
まだ結ばれてない糸を
結ぶのは努力次第で
なんとかなる。
だけど・・・
一度切れた糸を
ましてやもう
他の糸と結ばれているのに
繋ぎ直すことは
容易な事じゃない。
わかってる
:07/07/15 17:44
:D902iS
:☆☆☆
#224 [
]
友梨が博を思うように
彼女さんもきっと
博の事を思ってる。
愛してる。
必要としてるから・・・
友梨はもう
関わっちゃいけない。
:07/07/15 17:47
:D902iS
:☆☆☆
#225 [
]
「泣くなよ・・・」
文博が友梨を
抱きしめた。
「友梨が他の男の為に泣いとんの見とんの結構キツイで?」
それは・・・
どういう意味なの?
:07/07/15 17:49
:D902iS
:☆☆☆
#226 [
]
知りたい気持ちと
知らなくていい気持ち。
知りたい事実と
知りたくない事実。
知らなくていい事実って
きっと
いっぱいありすぎて
今の友梨には
これはこっちで
それはこっち。とか
分ける事が出来ない。
:07/07/15 17:52
:D902iS
:☆☆☆
#227 [
]
知らなくて良いことまで
知りたがって
傷ついて。
気が付けば
こんなにもボロボロで
だけど
好きな人のことは
傷つくと分かっていても
知りたいと思ってしまう。
恋愛って
単純で。だけど難しい
:07/07/15 17:54
:D902iS
:☆☆☆
#228 [
]
「友梨・・・」
甘い声を
聞き終わるより先に
文博の体が
友梨の上にのしかかった。
『何しとんの?』
悲しみのあまり
驚くとか
そんな感情はなくて
醒めきった目で
文博を見た。
:07/07/19 19:12
:D902iS
:☆☆☆
#229 [
]
「気付けよ」
その言葉の意味は
分からなくはないけど
今は文博の気持ちには
答えられないし
文博とは終わったんだから。
あの雨上がりの
小さな駅のホームで・・・
アタシは前に進む。
振り返らないと決めた。
気付いてないのは
文博の方だよ・・
:07/07/19 19:16
:D902iS
:☆☆☆
#230 [
]
『ごめんね』
「友梨一生あんな奴思って、苦しい過去背負って生きてくん?」
『別に構わんと思っとる』
「俺がいややわ!」
こんな友梨に
ムキになる文博が
わからなかった。
空回りしてんの
気付いてるんでしょ?
:07/07/19 19:21
:D902iS
:☆☆☆
#231 [
]
『・・・』
無理矢理されたキスに
抵抗する気力もなく
窓から夜空を見て
泣いた。
自分が好きな人が
他の人を思ってるのが
痛くて苦しいことを
アタシは知ってる。
十分すぎるほどに
分かっているのに・・・
文博を傷つけてしまう。
:07/07/19 19:27
:D902iS
:☆☆☆
#232 [
]
そんな自分が情けなくて。
いっそ嫌われてしまえば
この微妙な三角形は
消えて無くなる。
この時友梨の中には
文博を選ぶという選択肢は
まったくなくて
嫌われなきゃ
ってばかり考えてた。
:07/07/19 19:31
:D902iS
:☆☆☆
#233 [
]
『なんで?』
『なんで友梨なん?』
「なんでって?」
『文博の事足に使ったんやよ?こんな冷たくしてさ・・・他に女なんていっぱいおるじゃん。やめときなよ、友梨なんか』
「ぶっ!!」
突然吹き出した文博に
驚いていると
:07/07/19 19:37
:D902iS
:☆☆☆
#234 [
]
「自分で言うなよ(笑)」
「なんかな・・・友梨弱っちいしほっとけんねん」
あぁ・・・
守りたくなる女って奴?
確かに寂しがりで
泣き虫で弱虫だけど
友梨そんな
可愛いもんんじゃないんだ。
:07/07/19 19:42
:D902iS
:☆☆☆
#235 [
]
結局マリーちゃんの
毛布にくるまって
車の中で朝を迎えた。
博への思いも貫けず
文博の気持ちにも
答えられない。
:07/07/19 19:47
:D902iS
:☆☆☆
#236 [
]
こんな中途半端な
アタシだけど
幸せになるための
課程であり
本当に大切な人に
気付くための
ほんの小さな出来事に
過ぎなかった。
:07/07/19 19:50
:D902iS
:☆☆☆
#237 [
]
:07/07/19 20:27
:D902iS
:☆☆☆
#238 [
]
ここんとこ
ずっと体調が良くない。
拒食症で
小さくなってしまった胃。
泣きすぎて眠れない夜。
そんな毎日に
弱っちい友梨の体は
悲鳴をあげてた。
:07/07/20 17:13
:D902iS
:☆☆☆
#239 [
]
無性に誰かに会いたくて。
強く強く抱きしめて
欲しかった・・・。
それが誰でも構わない。
そう思ってた。
またサイトで男を
捕まえれば早いんだけど・・
博以外の誰かと
体を重ねるなんて
まだ出来なくて・・・
:07/07/20 17:16
:D902iS
:☆☆☆
#240 [
]
結局連絡をしたのは
裕君だった。
『今日会える?』
アポを取ると
いつもの橋で待ち合わせ
裕君の家へ行った。
部屋の戸を開けると
タバコの匂いがした。
:07/07/20 17:20
:D902iS
:☆☆☆
#241 [
]
裕君は
一緒にいても
キス以上のことは
絶対にしてこない。
「無理やりとか嫌やから」
っていつも言う。
だから裕君の下ネタは
気持ち悪くない。
理性を持ってる
大人な裕君が大好きだし
安心できた。
:07/07/20 17:24
:D902iS
:☆☆☆
#242 [
]
この日も
キス以上のことは
絶対にないと
安心しきってた。
部屋にはいるなり
泣きついてしまった。
華奢な博の胸じゃなきゃ
ダメだと思ってたのに
裕君のたくましい胸の中が
居心地よく感じた。
博と別れてまだ
3ヶ月だっていうのに・・・
:07/07/22 13:29
:D902iS
:☆☆☆
#243 [
]
文博の胸でも泣いたし
優しい言葉も沢山くれた。
だけど何か足りなくて
その足りないモノを
裕君は全て埋めてくれた。
裕君は
友梨の不安とか
モヤモヤを全部
取り除いてくれる人だった。
強く抱きしめて
優しく撫でてくれる・・・
:07/07/22 13:34
:D902iS
:☆☆☆
#244 [
]
ぐぅ―――っ
『・・・///』
友梨のお腹が鳴った。
「また夕飯抜いたの?」
だって食欲ないし・・・
『ちょっとはたべとるで』
ほんとはいい加減
ちゃんとしなきゃいけない
ことくらい分かってる。
:07/07/24 12:17
:D902iS
:☆☆☆
#245 [
]
「お腹すいたんやろ?」
『うん・・・///』
俯き真っ赤な顔を
隠しながら答えた。
「コンビニ行くか」
夜中の2時過ぎ。
仕事で疲れてるのに
車を出してコンビニまで
連れていってくれた。
:07/07/24 12:22
:D902iS
:☆☆☆
#246 [
]
「寒いから乗っとけよ。何がいい?」
そういう小さな気遣い。
『いいの?ありがとう。温かいのがいいな』
裕クンと一緒に居ると
優しい気持ちになれる。
声がすごく穏やかに
なるのが自分でもわかった
不思議な気持ち・・・
:07/07/24 12:27
:D902iS
:☆☆☆
#247 [
]
「はい、温めてもらった」
戻ってきた裕クンの
袋の中には
ピザパンと
ホットレモンが入ってた。
前に寒い日は
ホットレモンを飲むんだ。
って話したっけ・・・
覚えててくれたんだ(笑)
なんか嬉しかった。
:07/07/24 12:30
:D902iS
:☆☆☆
#248 [
]
部屋に戻ると
「温かいうちに食べない」
って言って
ベッドに寝そべって
こっちを見てた。
『うんっ♪』
こんなに食欲が出たのは
久々だった。
『全部食べれるかもっ』
なんて張り切ってた
:07/07/24 12:33
:D902iS
:☆☆☆
#249 [
]
「食べれる時に食べんと,それ以上胸ちっちゃくなったら大変やでな(笑)」
『そぉーなんやっ・・・って失礼な!!!

』
とか楽しく話した。
ヌルくなったピザパンを
食べ終わる頃には
すっかり元気になってた。
『ごちそうさまっ!友梨も寝る〜笑』
言うより早く
裕クンのベッドにダイビング
:07/07/24 12:38
:D902iS
:☆☆☆
#250 [
]
「ちょっとずつでもちゃんと食えよ?」
『わかった・・・』
少し沈黙のあと
裕クンは起き上がると
タバコを吸い始めた。
その横顔を見ながら
分かってんのに
傷つくのが怖くて
気付かない振りをして
このまま優しさに
甘えていたかった
:07/07/24 13:15
:D902iS
:☆☆☆
#251 [
]
裕クンの方に体を向け
布団を抱いたまま
『何でそんな優しいん?』
って聞いた。
ずっと気になってた。
ここまでしてくれるワケ・・
「昔からだよ」
裕クンはこっちをみて
笑いながら言った。
:07/07/24 14:28
:D902iS
:☆☆☆
#252 [
]
『だからモテるんやな(笑)』
笑って返した。
「バーカ。好きじゃなきゃここまでしんよ、普通。」
『そうやよね〜♪好きじゃなきゃここまで・・・・』
え?
えっ?
え―――――っ!!?
:07/07/24 14:32
:D902iS
:☆☆☆
#253 [
]
『今・・・好きじゃなきゃ・・へっ!?えっ!?嘘や〜笑』
何言ってんの?
好き?
裕クンが友梨を?
「理解すんの遅っ!笑」
『・・・///』
だってそんなサラッと
普通の顔して言うから
心の準備とかさ!!
:07/07/24 14:37
:D902iS
:☆☆☆
#254 [
]
「友梨可愛いっ!!」
髪をなでながら
優しい目で
友梨を見つめる・・・
そのままキスをした。
唇が触れる程度のキスを
ずっとずっとしてた。
友梨は力を抜き
裕クンを受け入れる様に
抱き返した。
:07/07/24 14:48
:D902iS
:☆☆☆
#255 [
]
何故・・・
裕クンを頼るのか。
何故・・・
裕クンだけを
受け入れる事ができるのか。
友梨自身が
裕クンを求めてたんだ・・・
誰でもいいんじゃなく
裕クンじゃなきゃ
ダメだったワケは・・・
自分が一番分かってた。
:07/07/24 14:50
:D902iS
:☆☆☆
#256 [
]
友梨が本当に
好きだったのは・・・
文博でもなく
博でもなかった。
あなたの事が
大好きです・・・。
:07/07/24 14:52
:D902iS
:☆☆☆
#257 [
]
:07/07/24 15:20
:D902iS
:☆☆☆
#258 [
]
:07/07/24 15:23
:D902iS
:☆☆☆
#259 [
]
『ねぇ美奈?アタシ裕クンの事好きなんかなぁ・・・』
「どうしたの??急に!」
『なんか・・・』
美奈にだけ。
本音を話した。
複雑な気持ち。
博と別れて
辛かったのは事実で
だけど裕クンに惹かれてるのも
事実だから。
:07/07/25 08:41
:D902iS
:☆☆☆
#260 [
]
「う〜ん・・・友梨が裕クンの話する時すごい幸せそう(笑)」
『うそっ!?』
「うん。友梨分かりやすいし」
確かに・・・
メールが来るだけで
テンションハイになるし
会いたくて仕方ない。
:07/07/25 08:45
:D902iS
:☆☆☆
#261 [
]
これを恋以外の
なんだというのか。
気付かない振りをしてたのは
アタシで
年が離れてるとか
タイプの顔じゃないとか
いちゃもんつけて
否定し続けてきた。
:07/07/25 08:47
:D902iS
:☆☆☆
#262 [
]
だけどこの症状・・・
もう言い訳は
出来なかった。
好きだと意識すると
世界が色を変えたように
全てが新鮮で
初々しく感じる。
3ヶ月ペースの
友梨の恋は
新たなスタートを切った。
:07/07/25 08:49
:D902iS
:☆☆☆
#263 [
]
3ヶ月ペースっていうのは
これまでの統計から。
別れて3ヶ月経つ頃には
新しい恋をしている。
もしくは
付き合っている。
っていうなんとも
ふざけた恋愛記録。
本気で恋をしてない
証でもあった。
:07/07/25 08:53
:D902iS
:☆☆☆
#264 [
]
失恋した時のアタシは
半端なく落ちる
不眠症・拒食症による
身体と精神への負担は
並大抵のモノじゃない。
でもそれは
それだけ愛したから。
ではなく
それだけ依存していたから
だと思う。
:07/07/25 08:56
:D902iS
:☆☆☆
#265 [
]
裕クンへの恋が
本物かどうかなんて
まだわかんない。
だけど
裕クンは他の人は
まったく違った。
6歳という年の差は
友梨にとって
とても安心できる
距離だったのかもしれない
:07/07/25 09:04
:D902iS
:☆☆☆
#266 [
]
自分の気持ちを認めたら
メールがくるだけで
ドキドキしてしまう。
声が聞きたくなったり
会いたくなったり・・・
我慢できなくなって
電話をかけた。
心臓の音が
受話器の向こうまで
聞こえてるんじゃないか
ってくらい響いてた。
:07/08/10 18:45
:D902iS
:☆☆☆
#267 [
]
「はいはい?」
裕クンは電話に出るとき
"もしもし"って言わない。
『仕事中やった?』
「うん。今週夜勤↓」
まじか!!!
じゃあ会えんじゃん・・・
『そっか・・・』
「なんで?」
なななな!!なんで?って・・・
そんなん決まってんじゃん
:07/08/10 18:54
:D902iS
:☆☆☆
#268 [
]
一気に熱くなった顔を
布団で隠しながら
ちっちゃい声で
"会いたいから・・・"
って素直に言った。
「今日は無理やな」
すぐに言ったことを後悔した。
『いつならいいん?』
返事が怖かった。
:07/08/10 18:58
:D902iS
:☆☆☆
#269 [
]
「明後日の夜なら。」
『うんっ!!』
「でも夜勤やで帰り遅いよ??」
え?
いつも9時に
迎えに来てくれる裕くんから
初めて言われた言葉に
友梨は少し戸惑った。
だけどそれよりも
会いたいという思いが
強くて・・・
:07/08/21 13:47
:D902iS
:☆☆☆
#270 [
]
『わかった。』
って言ってしまった。
「部屋で待っとくか?10時以降フラフラしとったら危ないしな」
裕くん・・・泣
信頼されてる感じがして
凄く凄く嬉しかった。
1時までなんて
全然平気なんだから!!
:07/08/21 14:35
:D902iS
:☆☆☆
#271 [
]
5月23日 pm 21:40分
友梨はこっそり家を出て
真っ暗な坂道を歩いた。
怖くて些細な物音にも
過剰に反応してしまう。
たった20分の距離なのに
裕くんの家に着いた時は
疲れきっててヤバかった。
静かにシャッターん開けると
二階の裕くんの部屋の
戸を開けた。
:07/08/21 14:39
:D902iS
:☆☆☆
#272 [
]
裕くんのタバコの匂いが
全身を包み
『やっと着いたー!!』
ってでっかい独り言と同時に
ベッドにダイビングした。
裕くんの香りがする。
アタシはそれだけで
裕くんが側にいる気がして
思わず笑顔になる。
:07/08/21 14:44
:D902iS
:☆☆☆
#273 [
]
裕くんとの約束。
裕くんが帰ってくるまで
電気・コンポ・テレビは
つけちゃいけないって
言われてた。
だから真っ暗な部屋に1人
月明かりに照らされながら
眠りについた。
:07/08/21 14:47
:D902iS
:☆☆☆
#274 [
]
ふと目が覚めて時計をみた。
だいぶ眠てたつもりだったけど
一時間ほどしか経ってなくて
時計の針は11時を指してた。
『あと二時間かぁ・・・』
一生懸命働いてる裕くんを
待ってようと
眠い目をこすり起きてた。
持ってきたカバンから
プリ帳を出し
豆電球をつけた。
:07/08/21 16:56
:D902iS
:☆☆☆
#275 [
]
プリ帳に落書きして
時間を潰してた。
だんだん眠くなってきて
我慢できなくなって
裕くんに手紙を書いた。
―おいちゃんぇ―
お仕事お疲れさまです。
友梨ね,頑張っとったんやけど限界やから寝ます!!笑
1人でこの部屋におるの
すごい寂しいよー
早く帰ってきてね・・・
―友梨様より―
:07/08/21 17:10
:D902iS
:☆☆☆
#276 [
]
一枚破ると
テーブルの上に置き
また布団に戻った。
11時50分だった。
アタシは速攻
眠ってしまったらしく
うるさい物音で目が覚めた。
ガラガラガラッ――――
「友梨っ!!」
誰かが部屋に入ってきた。
友梨の名前を呼んで・・・
:07/08/21 17:14
:D902iS
:☆☆☆
#277 [
]
裕くんだ・・・
『あ・・・お帰り。』
体を起こしながら言う。
「ただいま。爆睡かよ(笑)」
裕くんはあの優しい笑顔を向け
テーブルの上の手紙に
目を通してた。
「おいちゃんって俺かよ!!しかも友梨様ってなんやねん(笑)」
『へへっ(笑)』
:07/08/21 17:19
:D902iS
:☆☆☆
#278 [
]
ベッドから降りると
裕くんが両手を広げて
「おいで」
って言った。
アタシは迷わず
裕くんの胸に飛び込むと
「寂しかったやろ?ごめんな」
って言って
ぎゅっと抱きしめてくれた。
『うん。めっちゃ』
裕くんは笑ってた。
:07/08/21 17:43
:D902iS
:☆☆☆
#279 [
]
「友梨ちゅーしていい?」
今まで裕くんと
普通にしてたのに
好きだって意識すると
緊張してしまう。
だけど・・・したい・・・
真っ赤な顔で
うん って言った。
優しい優しいキスを
深くはないけれど
幸せなキスを
何度も何度もした。
:07/08/21 17:50
:D902iS
:☆☆☆
#280 [
]
「いっしょに寝よ」
『うんっ』
いつもと変わりない
二人の会話。
変わったのは
友梨の気持ちで。
だけど・・・
だから・・・
確かめたかった
裕くんの気持ち。
:07/08/21 17:53
:D902iS
:☆☆☆
#281 [
]
『ねーねー。』
「何?」
友梨を抱く腕から
裕くんに伝わっちゃうんじゃないかってくらいに
友梨の心臓は高鳴ってた。
『・・・・・』
聞いていいのかな?
友梨の事どう思ってんのか。
:07/08/21 17:58
:D902iS
:☆☆☆
#282 [
]
思わせぶりな態度。
好きだって言ってくれたし。
裕くんも
友梨と同じ気持ちだって
信じてるよ。
だけど不安だった。
今まで知り合った
男が悪かった。
アイツ等は友梨に
消えない傷を付けたから。
:07/08/21 18:59
:D902iS
:☆☆☆
#283 [
]
もう傷つくのは嫌だった。
もし・・・
もしも裕くんと幸せに
なれたとしても
この先ずっと
一緒とは限らない。
もしもまた傷つくのなら
このままの関係だって
十分に大切にされてる。
これ以上の事を求めれば
傷つく可能性も高くなる
:07/08/21 19:03
:D902iS
:☆☆☆
#284 [
]
失いたくなかった。
こんなにも
友梨を思ってくれる人を。
こんなにも傍に居た
かけがえのない大切な人を
失いたくない。
もう二度と
この傷口は開きたくない。
:07/08/21 19:04
:D902iS
:☆☆☆
#285 [
]
いろんな思いが
頭の中を掻き回してく。
「なんよ(笑)」
『えっ!?あっ・・・』
「なんか今日変じゃね?心臓バクバクやしな(笑)」
『・・・・・ッ///』
バッ・・バレてる―(´Д`)!!!
:07/08/21 19:08
:D902iS
:☆☆☆
#286 [
]
「なんよ〜気になるに(笑)」
『だから・・・』
「・・・・???」
『その・・・』
言葉が出ない。
「言わんとこぉやぞー!!」
『やだやだやだやめてぇー!!』
横腹をくすぐる裕くん。
緊張がほぐれた。
:07/08/21 19:13
:D902iS
:☆☆☆
#287 [
]
『言います言います!!だからやめてーまじギブギブ(笑)』
くすぐったくて涙が出た。
「よし。はい,どうぞ」
そんな改まって言うの
余計言いにくいな・・・
『裕くんさ・・・友梨の事・・・・・どう思ってんの?』
「どうって・・・好きやよ(笑)」
『妹みたいで可愛いから好きなの?』
容赦なく突っ込む。
:07/08/21 19:16
:D902iS
:☆☆☆
#288 [
]
「妹・・・・としてではないよ」
『じゃあ・・・』
「ちゃんと好きやさ」
"ちゃんと好き"
凄く凄く嬉しかった。
胸がキュンと締め付けられて
熱くなった。
:07/08/22 13:31
:D902iS
:☆☆☆
#289 [
]
『友梨ね・・・裕くんが好き』
「まじで?」
『うん・・・』
「すげぇ嬉しいよ」
裕くんは
強く強くアタシを抱いた。
友梨もそれに応えるように
裕くんの背中に腕を回した。
:07/08/22 13:35
:D902iS
:☆☆☆
#290 [
]
『友梨の彼氏になって?』
「・・・・・・」
『だめ?』
「だめじゃねぇけど・・・俺今すげぇ忙しくて・・付き合ってもかまってやれんし」
髪をなでながら
申し訳なさそうに話す。
『我慢するよ』
「俺,友梨の事泣かせたくねぇんやって」
:07/08/22 13:39
:D902iS
:☆☆☆
#291 [
]
『友梨泣かんよ?寂しくないから。』
傍にいれるなら・・・
「お前超寂しがり屋やにか」
なんだってするよ。
『好きなの。頑張るから・・・』
「・・・わかった。でも辛かったら言えよ?我慢すんなよ?」
『うん』
:07/08/23 15:38
:D902iS
:☆☆☆
#292 [
]
この人と
幸せになります。
友梨の全てを受け入れて
それでも傍に居てくれる。
全身全霊をかけて
愛してくれるこの人を
友梨自身も
愛すると・・・。
:07/08/23 15:43
:D902iS
:☆☆☆
#293 [
]
隣で何やら
落ち着かない様子の裕クン。
『どうしたの?』
「いや・・・別に・・・///」
『なんな(笑)』
「ちゅーしたい」
二人の気持ちを確かめる様に
キスを繰り返した。
:07/08/23 15:46
:D902iS
:☆☆☆
#294 [
]
『・・・・っ!!!』
裕クンの舌が
友梨の中に入ってくる。
あまり得意じゃない友梨は
思わず唇を離してしまった。
「だめ・・・?お願い・・」
『ンッ・・・』
再び絡み合う舌。
でもすごく優しくて・・・
気持ちよかった。
:07/08/23 15:51
:D902iS
:☆☆☆
#295 [
]
「触って?」
一年以上一緒に居た。
何度も抱き合った。
キスもした。
何度隣で寝ただろう。
だけど一度も体を
求められた事はなかった。
だから正直驚いた。
:07/08/23 15:55
:D902iS
:☆☆☆
#296 [
]
『したいの?』
「うん・・・だめ?」
友梨は笑った。
きっとずっと
我慢してたんだね。
理性で抑えてたんだね。
待たせてごめん・・・
『いいよ。』
:07/08/23 15:57
:D902iS
:☆☆☆
#297 [
]
優しく友梨を愛撫する。
裕クンの全てが
愛おしくて
たまらない。
汚い女だけど
裕クンに抱かれてる間は
綺麗でいられる気がした。
「痛かったら言えよ?」
:07/08/23 17:19
:D902iS
:☆☆☆
#298 [
]
!!!!???
激痛が走り
裕クンの腕をを掴んだ。
「痛い!?」
『ちょっと・・・ッ』
呼吸が荒くなる。
痛みに堪えようとした。
「大丈夫か?」
心配そうな裕クンをみて
抜いて欲しいと言えなくて
涙目で裕クンに
『平気だよ』って言った。
:07/08/23 17:23
:D902iS
:☆☆☆
#299 [
]
「やっぱりやめよ?」
そう言って抜くと
ゴムを捨て
友梨に服を着せた。
『どうして!?』
「友梨が痛がっとるのに無理矢理なんて俺には出来ん」
『ごめんなさい・・・』
「なくなよ〜そのうち俺のに慣れさせるでさ(笑)」
そう言うと友梨を抱いて
そのまま眠った。
:07/08/23 17:31
:D902iS
:☆☆☆
#300 [
]
夜勤後で
疲れて眠る裕クンに
そっと話しかけた。
『疲れてんのにごめんね』
「いいさ。俺も会いたかったし」
『ほんとに?』
「会いたくない奴とこんな時間作ってまで会わん。」
『そっか・・・ありがとっ!』
:07/08/28 17:18
:D902iS
:☆☆☆
#301 [
]
友梨を抱き寄せると
そっとキスしてくれた。
『ねぇ。いつから好きやったか知っとる?笑』
「いつから?」
『ずっと前。自分でも気付かんくらい前。』
裕クンは笑った。
『裕クンは?いつから好きやったの?』
「う〜ん...」
:07/09/21 22:15
:SO903i
:☆☆☆
#302 [
]
「俺もわからん。気付いたら好きになっとった」
それが恋ってもんだよね。
眠そうに笑う
裕クンの横顔が
たまらなく愛しく感じた。
言葉には出来ない
熱い気持になった。
:07/09/21 22:19
:SO903i
:☆☆☆
#303 [
]
『友梨の彼氏になって?』
「・・・」
あれ?
何で黙ってんの?
『ダメ・・・?』
さっきのはやっぱり
冗談だったの?
ヤリたかったから
好きって言ったの?
「友梨の事は好きやよ。」
『ならどうして?』
:08/01/11 08:01
:D902iS
:☆☆☆
#304 [
]
「さっきも言ったろ?」
『仕事忙しいから?』
「うん・・・友梨ぜったい泣くもんな。」
それでもいいのに・・・。
泣かされてもいい。
寂しくてもいい。
こうやって抱いてくれたら
一瞬で幸せになれるから。
:08/02/28 20:50
:D902iS
:☆☆☆
#305 [
]
裕クンは真剣な顔して
何か考え込んでいた。
しばらくして起きあがると
あたしの方を向いて座り
「我慢出来るか?」
って優しく問いかけた。
『うん。出来る』
笑って答えると
「じゃあ付き合ってみるか」
『はいっ♪』
:08/02/28 20:57
:D902iS
:☆☆☆
#306 [
]
付き合ってんのに
クン付けわ堅苦しいからって
「裕」って呼ぶようになって
たまにしかくれなかった
メールや電話も
いっぱいするようになった。
夜勤の日は
仕事中に絶対電話してた。
ハートのついた
たくさんの保護メール。
毎日が幸せだった。
:08/02/29 08:32
:D902iS
:☆☆☆
#307 [
]
社会人と学生の壁なんて
へっちゃらだと思った。
会えなくても
毎日連絡とってるし。
友梨が大人になれば
上手くいくんだ・・・
24歳の彼と上手くいけば
結婚だって考える。
子供が大好きな裕との未来を
一人考えては笑顔になってた。
疑いもしなかった・・・
:08/02/29 08:36
:D902iS
:☆☆☆
#308 [
]
:08/02/29 08:37
:D902iS
:☆☆☆
#309 [
]
放課後の帰り道。
美奈と別れた直後に
あたしの携帯が鳴った。
裕からの着信
『はいはーい★』
「友梨ごめんっ!!今日会えんくなった↓↓↓」
『えーっ!!!??』
「連れとスロット来とってさ・・・」
:08/02/29 08:42
:D902iS
:☆☆☆
#310 [
]
『もぉっ!!!友梨の方が先に約束してたのにぃー』
わざとぶーたれてみせる。
「埋め合わせはちゃんとするから!!なっ?なっ?」
『ほんとにぃ?』
「遠出デートしような♪」
その言葉を信じて
あたしはドタキャンを
受け入れた。
:08/02/29 08:46
:D902iS
:☆☆☆
#311 [
]
最近スロットいってなかった
みたいだったし・・・
大人にならなきゃって
必死だったから
ワガママも言わないで
自分の中にため込んでた。
これから先
ずっと一緒にいるんだから
ドタキャンくらい
許さなきゃ子供だよ・・・
我慢我慢・・・。
:08/02/29 08:48
:D902iS
:☆☆☆
#312 [
]
その日の夜
スロットいってるはずの
裕から着信があった。
『はいはーい』
大音量で
綾香の三日月がかかってた。
「今から帰るな」
『音でかいよっ!!笑』
《誰っすか〜?》
電話の向こうで
誰かの声がした。
:08/02/29 09:11
:D902iS
:☆☆☆
#313 [
]
「彼女。」
電話の向こうのやりとりに
嬉しくて笑顔になった。
あたしは裕の彼女
当たり前の事なのに
あたしの居場所を
認められてるんだなー
って実感したんだ・・・
電話を切った後
抱き枕をを抱きしめて
深い深い眠りについた・・・。
:08/02/29 09:17
:D902iS
:☆☆☆
#314 [
]
それから数日が経ち
高2の夏に発病した
精神病も忘れるくらいに
平凡な毎日を過ごしていた。
相変わらず連絡は少ないけど
それにも少しずつ
理解を始める自分がいた。
そんなある夜の事だった・・・
怖い夢を見た。
夢の中で泣き叫ぶあたし。
:08/03/03 22:10
:D902iS
:☆☆☆
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