キャバ嬢、のちヘル嬢。
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#1 [よしか]
はじめまして、よしかです。
あたしの18歳〜現在をここに綴りたいと思います★自己満ですし、私生活の合間に作っているので、お時間を頂く場合がありますがご了承くださいm(_ _)m

⏰:07/12/10 00:11 📱:W47T 🆔:TrCln/Mc


#2 [よしか]
‐今から4年前の
2003年5月‐
長い冬も終え
ぽかぽかとした日々が続く頃、
物語が始まった。

⏰:07/12/10 00:12 📱:W47T 🆔:TrCln/Mc


#3 [よしか]
あたし、木村よしか。
18歳。
高校からの紹介で
入った美容関係の仕事に
就いて1ヶ月。
中学の頃からの夢
メイクアップアーティストになりたい。
その夢が
就職した途端
一気に崩れ落ちた。

⏰:07/12/10 00:12 📱:W47T 🆔:TrCln/Mc


#4 [よしか]
あたしは
両親の遺伝で
生まれつきの
アトピーとわきが。
幸いアトピーは
顔には出なかったものの、
わきがが
仕事の難点だった。

⏰:07/12/10 00:12 📱:W47T 🆔:TrCln/Mc


#5 [よしか]
ある日
仕事先の社長が
切り捨てる様に
言った‐
「君わきがでしょ。
来週中に
手術をして治すか、
それができないなら
明日から来なくていいよ」

⏰:07/12/10 00:13 📱:W47T 🆔:TrCln/Mc


#6 [よしか]
突然すぎて
呆然とする
あたしをよそに
社長は姿を消した。
その夜
家に帰り
あたしは泣きながら
親に話した。

⏰:07/12/10 00:13 📱:W47T 🆔:TrCln/Mc


#7 [よしか]
すると
父親が言った言葉‐
「そんな会社やめなさい。
自分の体を
傷付けてまで
働きたい会社なのか?」
確かにそう思った。
そして
事実上クビ。

⏰:07/12/10 00:13 📱:W47T 🆔:TrCln/Mc


#8 [よしか]
あたしのこの体が
変わらない限り
あたしの夢は
無理なんだ

こんな体に
生まれたくなかった

あたしの体は
汚い。

お父さんお母さん
あたしは
二人の余分な所を
受け継いだんだね

何で
お姉ちゃんたちは
綺麗な体なの?


ヤル気も夢も
なくなったあたしは
家を出た。

⏰:07/12/10 00:14 📱:W47T 🆔:TrCln/Mc


#9 [よしか]
家にいてもつまらない
親や姉と喧嘩になるし

その頃
同じ職場で
同期のアスミも
仕事を辞めた
と言う連絡が来た。
理由はあたしと同じ。

⏰:07/12/10 00:14 📱:W47T 🆔:TrCln/Mc


#10 [よしか]
そんなこんなで
意気投合した。
あたしは
アスミの家に
住ませてもらい、
毎晩の様に
アスミの男友達と
毎晩遊んだ。

今さえ楽しければいい
その頃のあたしは
そんな馬鹿な
考えしか持たず

お金がなくても
働かなくても
男に甘えれば
すぐ迎えに来る。
ご飯に
連れて行ってくれる

女って楽じゃん

⏰:07/12/10 00:15 📱:W47T 🆔:TrCln/Mc


#11 [よしか]
‐6月に入り‐
あたしたちは
相変わらずの
毎日を送っていた。

ある日
中学時代からの友達
友里から
メールが来た。

⏰:07/12/10 00:16 📱:W47T 🆔:TrCln/Mc


#12 [よしか]
「おひさぁ
元気
よしかお金欲しくないI
一緒に
キャバクラの一体しないx」

一体とは
一日体験の略語。
キャバクラに入店(在籍)する前に
一日働いてみる事。
色々なお店に
一体に行って、自分に合った
お店を探したりする。

⏰:07/12/10 00:16 📱:W47T 🆔:TrCln/Mc


#13 [よしか]
「元気だよぉN
一体行く
お金欲しいx」


迷わず返事をした。

⏰:07/12/10 00:17 📱:W47T 🆔:TrCln/Mc


#14 [よしか]
「マジ
じゃあ土曜日の
P.M.6:00に駅前ね。
お姉系で来てよx」


「わかったぁ」


‐これがあたしの
夜の始まりだった‐

⏰:07/12/10 00:17 📱:W47T 🆔:TrCln/Mc


#15 [よしか]
舞台は名古屋の錦。
約束の時間に
友里を
待っていると
友里が長身の
ホストっぽい男と歩いて来た。

⏰:07/12/10 00:18 📱:W47T 🆔:TrCln/Mc


#16 [よしか]
「おまたせぇ!
この人今日一体行く
お店のキャッチの人だよ」

「こんばんは、斎藤です。
宜しくね。
早速だけど、お店に行こうか」

⏰:07/12/10 00:18 📱:W47T 🆔:TrCln/Mc


#17 [よしか]
斎藤さんは
お店に
入店してくれる
女の子を探したり、一体に来てくれた子を入店させる仕事らしい。

とりあえずあたしは
言われるがままに
お店へ向かった。

⏰:07/12/10 00:18 📱:W47T 🆔:TrCln/Mc


#18 [よしか]
‐P.M.6:05‐
某ビルの3F。
エレベーターに乗り
ドアを空けると
ボーイの何人かが
慌ただしく
掃除をしていた。

⏰:07/12/10 00:19 📱:W47T 🆔:TrCln/Mc


#19 [よしか]
「ママ
おはようございます。
この子たち
今日一体なんで、宜しくお願いします」
斎藤さんはそう言って
足早にお店を出て行った。

〈これがママ?!
ただのオカマじゃん〉

⏰:07/12/10 00:19 📱:W47T 🆔:TrCln/Mc


#20 [よしか]
ママとは
このお店の
金庫番みたいな存在で、
店長の次に偉い人らしい。
容姿はというと、
難民の様にカリカリの体に
金髪のポニーテール。
ノーメイクで
出っ歯に眼鏡。
40代前半といった所だろう。

⏰:07/12/10 00:20 📱:W47T 🆔:TrCln/Mc


#21 [よしか]
「私の事ママって呼んでね。
それと、
6時30分〜翌朝の7時までが
店の営業時間だから。
あなたたち
何時までいける?」
友里は
「あたし親にバレるとヤバいから、
0時まででお願いします」
あたしは
「あたしは最後まで出来ます」と言って
ボーイの一人に
お店のシステムや
お酒の作り方、
マナーや
ドリンクの頼み方を教えてもらった。

⏰:07/12/10 00:20 📱:W47T 🆔:TrCln/Mc


#22 [よしか]
約束事も言われた。
一体とは言ってはいけない事。
もし聞かれたら、
『今日入店した
あなたが初めてのお客様』と言う事。
そうすると、
気前の良いお客は
指名をしてくれたり
シャンパンを
下ろしてくれる。
女の子のドリンクは
通常ソフトドリンク。
でもお客はお酒だと思っている。
「ウーロンハイ」
と頼んでも、出て来るのは
「ウーロン茶」。
「ウーロンハイ濃いめ」
と頼めば、
本物のウーロンハイが出て来るとの事。

⏰:07/12/10 00:20 📱:W47T 🆔:TrCln/Mc


#23 [よしか]
6時30から開店し、
ウーロン茶やジュースを飲みながら
お客と話す。
煙草だって吸える。
何もかもが新鮮で
あたしは楽しくて
しかたがなかった。

⏰:07/12/10 00:21 📱:W47T 🆔:TrCln/Mc


#24 [よしか]
気がつけば
あっという間に
朝の7時。
友里が帰って行った事さえ
気がつかなかった。
数少ないお客を送り出し、閉店した。

あたしたちは
ママと先輩たちにお礼を言い、
ボーイに呼ばれ
話を聞いていた時
ドアが開いた。

⏰:07/12/10 00:21 📱:W47T 🆔:TrCln/Mc


#25 [よしか]
にぎやかな部屋が
一瞬にして凍り付いた。


店長だ。


全身黒のスーツに
真っ黒のサングラス。
その人を見ただけで
とてつもない
オーラを感じだ。

⏰:07/12/10 00:22 📱:W47T 🆔:TrCln/Mc


#26 [よしか]
「今日は売上ええんか?」


〈冷めた話し方…〉


店長とママは
お店の隅で
今日の売上の計算をしだした。


計算が終わると
あたしたちに
給料が支払われた。

⏰:07/12/10 00:22 📱:W47T 🆔:TrCln/Mc


#27 [よしか]
「お疲れ様。
今日のお給料ね。」
〈夢見たい…
あんなに楽しい思いして
28000円もらえるの?!〉
今思えば
あたしは本当に
馬鹿だ…
あの頃のあたしは
何事も安易に
考え過ぎていた。

テンションの上がったあたしは
ボーイに勧められるがままに

入店した…

⏰:07/12/10 00:22 📱:W47T 🆔:TrCln/Mc


#28 [よしか]
ドライバーに
三重にあるあすみの家まで送ってもらい、
化粧も落とさずに
布団に潜り込んだ。

〈もう朝の10時じゃん。
アスミいないし…また男と遊びに行ったのかなぁ〉

⏰:07/12/10 00:28 📱:W47T 🆔:TrCln/Mc


#29 [よしか]
そんな事を考えながら
眠りについた…


慣れない事をしたせいか、
その日は、
夜中にやっと
目を覚ました。
隣りの布団には、
アスミが寝ていた。
アスミのかわいらしい寝顔を見たら、
なんだか急に
ホッとした…

⏰:07/12/10 00:29 📱:W47T 🆔:TrCln/Mc


#30 [よしか]
それから
あたしは
毎週金曜日と土曜日の夜だけ出勤していた。
アスミはキャバクラに興味津々らしく、
「ねぇねぇ!
キャバクラって楽しいの?
怖いお客さんとかいないの?〜」
なんて毎日聞かれるほどだ。

⏰:07/12/10 00:29 📱:W47T 🆔:TrCln/Mc


#31 [よしか]
「じゃあ今週の金曜日
一緒に働いてみようよ」
と誘って話は決まった。
金曜日の夜‐
二人でお店に行き、
アスミはママに
軽く自己紹介をしてから
早速源氏名を決める。

⏰:07/12/10 00:30 📱:W47T 🆔:TrCln/Mc


#32 [よしか]
「ん〜どうしよ…
何でもいいんだけど…」
優柔不断なアスミはいつもこうだ。
すると
タイミング良く斎藤さんが
「ん〜。じゃあレモンちゃんは?
ほら、黄色のワンピース着てるし☆」
「可愛い名前ですね!
レモンでお願いしまぁす」
<レモン?!斎藤さんも適当だな…>
なんて
あたしは考えつつ、
話はまとまった。

⏰:07/12/10 00:31 📱:W47T 🆔:TrCln/Mc


#33 [よしか]
無事に仕事は終わり、
いつもの様に
ドライバーに送ってもらい家路に着いた。
結局、アスミは
この日の一体で
入店することに。
そして、あたしたちは
定休日の日曜日以外
OPEN〜LAST出勤の
レギュラーになった。

⏰:07/12/10 00:36 📱:W47T 🆔:TrCln/Mc


#34 [よしか]
月日は流れ‐
7月の終わり。
あたしとアスミは
キャバクラ業に
専念していた。
男友達と遊ぶ時間があるなら、
とにかく寝たい。
男友達と電話する時間があるなら、
お客にメールをする。

⏰:07/12/10 00:36 📱:W47T 🆔:TrCln/Mc


#35 [よしか]
いつも思う事。
お店の中には、
ムカつく客や、体を触る客だっている。
先輩のお客様だとは知らずに
番号を聞いて
散々怒られた日もあった。
吐くまで呑まされて
記憶がない日だってあった。
でも、あたしは
この仕事が好き。
世間からは
"楽な仕事"だとか
"キャバクラなんて…"
だとか
何かしらの偏見はあるだろう。
それでもいい。
自分を必要とされている気がしたから…
キャバ嬢だって
立派な仕事だ。

⏰:07/12/10 00:37 📱:W47T 🆔:TrCln/Mc


#36 [よしか]
そうは思っていたが…
家族だけには言えなかった。
「飲み屋のお姉ちゃんになんてならないでね」
お母さんに昔言われた
言葉が引っ掛かっていて、
裏切った気持ちになったから。
お母さんを泣かせたくなかった。
そんな矛盾した気持ちを
心にしまい込み、
あたしは今日も
夜の繁華街に行く‐
そして、
あたしはあの男に出会う‐

⏰:07/12/10 00:37 📱:W47T 🆔:TrCln/Mc


#37 [よしか]
「二名様来店でーす」
「いらっしゃいませ〜」
騒がしい店内に響く声。
決まって週末の夜は
待ちができるほど
忙しい。
新規二名のお客には
あたしとアスミが
決まって選ばれていた。
「失礼します、よしかです」
「はじめまして、レモンです」

⏰:07/12/10 00:37 📱:W47T 🆔:TrCln/Mc


#38 [よしか]
この二人組…
見るからに同業者であろう…
ホストには見えず、
かと言って昼職の
サラリーマンではない感じ。
午前3時前後は、
仕事を終えた同業者がよく来る時間帯だ。
他店の幹部だろう…
毎日働いていれば
こんな事がわかってしまう。
"慣れ"ってやつは怖い。

⏰:07/12/10 00:42 📱:W47T 🆔:TrCln/Mc


#39 [よしか]
「あっどうも。龍二です」
そう、この男に出会ってしまった…
「レモンちゃんってかわいらしいねぇ。おじさん好きだよぉ〜」
30代後半の
磐田さんは
アスミを気に入った様だった。

⏰:07/12/10 00:42 📱:W47T 🆔:TrCln/Mc


#40 [よしか]
二人は閉店までいてくれた。
指名とシャンパンを
ご馳走になったあたしたちは
あたし⇔龍二
アスミ⇔磐田さん
で番号を交換した。
「ありがとうございました〜」
家に帰る途中、
早速龍二からの電話。

⏰:07/12/10 00:43 📱:W47T 🆔:TrCln/Mc


#41 [よしか]
「もしもしー?
お疲れ!今日はありがとな!
また行くわー。
俺の店な、お前らの店のすぐそばのキャバやねん。」
「こちらこそありがとう!
すぐ近くなんだぁ!
じゃあ外でも会いそうだね!」
あえて仕事の事は聞かなかったあたしは、
知らないフリと
驚いたフリをしてみた。

⏰:07/12/10 00:43 📱:W47T 🆔:TrCln/Mc


#42 [よしか]
すぐそばと言われても
飲み屋街にキャバクラなんて
いくらだってある。
ましてや、
メイン通りにあった
あたしのお店の
周りには
数えきれない程の
キャバクラがあった。
お店までは検討がつかない。
今思えば興味がなかったのだろう。
適当に話を合わせ、
しばらくして電話を切った。
その時は、ただの
お客の一人としてしか思ってなかったから‐

⏰:07/12/10 00:44 📱:W47T 🆔:TrCln/Mc


#43 [よしか]
どなたか見てますか?m

⏰:07/12/10 00:46 📱:W47T 🆔:TrCln/Mc


#44 [我輩は匿名である]
みてるよ!がんばって

⏰:07/12/10 00:46 📱:PC 🆔:zACh183w


#45 [よしか]
>>44サン
ありがとうございます(≧Д≦)ゞ見づらかったらゴメンなさいホ

次で今日は落ちます

⏰:07/12/10 00:51 📱:W47T 🆔:TrCln/Mc


#46 [よしか]
ある日‐
店内で事件が起きた。
7名の団体が呑みに来た。
全員ほろ酔い気味。
全員女の子フリーで、
全員が来る子来る子に
ドリンクを呑ませた。
時間になり
会計を見て
全員ビックリ…

⏰:07/12/10 00:52 📱:W47T 🆔:TrCln/Mc


#47 [双龍]
続きが気になる…

⏰:07/12/10 21:13 📱:N702iD 🆔:KamoXqkU


#48 [れーか]
気になるう

⏰:07/12/10 21:48 📱:N902iS 🆔:CTKjLWqU


#49 [よしか]
こんばんは^
双龍サン
れーかサン
見てくれてありがとうございますx
今から続き書きます~

⏰:07/12/10 23:05 📱:W47T 🆔:TrCln/Mc


#50 [よしか]
>>46の続き

「1セット3000円じゃないの?!」
「そうですよ。
でも女の子のドリンク代は
別料金だと事前に
お話してありますが。
料金表にも書いてありますし」
ママは決まり文句の様にお客に言った。
合計46200円。
飲み屋に慣れていないだけなのか、
それともヤカラかなのか…

⏰:07/12/10 23:06 📱:W47T 🆔:TrCln/Mc


#51 [よしか]
「そんな話知らん!!
女の飲み物もタダだと思ってたから呑ませたんだ!!
ぼったくりじゃねーか!!」
男の大声にザワザワとしだす店内。
黙って下を向いてままでいた別の男は
自分が呑んでいた
ビールグラスを
手に持ち、おもいきり
床に叩き付けた。


‐ガシャーンッッ!!!!‐

⏰:07/12/10 23:06 📱:W47T 🆔:TrCln/Mc


#52 [よしか]
フロントでボーイが、
あたふたし始めるが
ママはそんなのお構いなし状態。

そして
上半分がなくなり
トゲの様に先がとがった
グラスを手に
男は
自分の隣りにいた女の子の首に向けて
突き付けた。
「おい!オカマ!
女どもが呑んだ分を引け!
ぼったくり!
この女刺すぞ」

⏰:07/12/10 23:07 📱:W47T 🆔:TrCln/Mc


#53 [よしか]
その中にいたあたしは
"早く終わって!
ママもここまでされてるんだし
折れてよ…
てかボーイ!
店長呼べよ!"

と、男と目が合わない様に
ママをじっと見ていた。

とがったグラスを
突き付けられている
女の子は
目をつむり震えている。
当然だ…
小心者のあたしなら
鼻水を垂らしながら
泣いているだろう…

⏰:07/12/10 23:07 📱:W47T 🆔:TrCln/Mc


#54 [よしか]
誰もが
時が止まったかの様に
動きも喋りもせず
数分がたった時‐

店長がやっと来た。

「お客様、申し訳ありません。
今日のお会計は
もうよろしいので
お店の外で
数分お話よろしいでしょうか?」
何故かわからないが
7人全員が
そそくさと帰って行った…
きっと
こわもての店長と
あのオーラを
感じたのか。

⏰:07/12/10 23:07 📱:W47T 🆔:TrCln/Mc


#55 [よしか]
男達が帰った後、
緊張の糸がほどけ
席についていた女の子は
泣いていた。
その中で
一応先輩にあたるあたしは
「もう大丈夫だよ」
なんて平然を装い
頭を撫でた。
一段落つき
あたしは、ビルの階段に座り込み
電話をかけた。
そう。龍二に。

⏰:07/12/10 23:17 📱:W47T 🆔:TrCln/Mc


#56 [よしか]
『さっきこんな事があってね』
って愚痴りたい。
最初はそんな軽い気持ちで電話したのに…
「はい、もしもし」
久しぶりに聞く
龍二の声。
「もしもし?今大丈夫?」
「どないしたん?
今店が暇になったでええよ〜」
なんて喋りながら、
一通り話した。
龍二から
思わぬ言葉が‐

⏰:07/12/10 23:17 📱:W47T 🆔:TrCln/Mc


#57 [よしか]
「お前何ですぐ俺に電話せんのや!!
お前ケガないんか?!本当にないんか?!
俺が探し出して
そいつら刺したるわ!!!」
お店で初めて会った時の
笑顔や話し方、声までもが
別人みたいだ。
「でも、もう店長が来て話片付いたし、
みんなケガないから
大丈夫だよ〜」
と言いながらも…
あたしは泣いていた。

⏰:07/12/10 23:17 📱:W47T 🆔:TrCln/Mc


#58 [よしか]
さっきの出来事が
フラッシュバックされて怖かった気持ちと
龍二の男らしさに
涙が出ていた。

泣いていると、
余計に龍二を
心配させてしまった。
「お前もう仕事あがれ!
俺も仕事切り上げるから、
お前の店の近くのファミマにいろ!
今から行くからな!」
そう言われて電話を切った。
この時すでに
あたしの気持ちは
『ただのお客』
から
『特別な人』
になっていたのかもしれない。

⏰:07/12/10 23:17 📱:W47T 🆔:TrCln/Mc


#59 [よしか]
適当な理由をつけて
仕事をあがらせてもらい、
ファミマに向かって走った。
龍二はまだ来ておらず、
端っこにしゃがみ込んだ。
"早く会いたい…
早く来て…"
一人で龍二の言葉を
思い出していると、
「よしか?」
声の方に顔を向ける。
「大丈夫か?」
といって強く抱き締められた。

⏰:07/12/10 23:18 📱:W47T 🆔:TrCln/Mc


#60 [よしか]
「さっきは刺すだとか
余計お前を怖がらせる事言ってごめんな。
俺ホンマ心配やねん。
お前に何かあったら…
って考えたらな…
今日みたいな事があったら、
すぐ俺に電話しろよ?
いつでもかけて来いよ。
絶対お前を守ったるで…」
そんな言葉生まれて初めて言われたよ…
「うん…わかった…
ありがとう…」
何でこの人は
こんなあたしに
そんな言葉を言ってくれるの?
人目も気にせず
あたしが泣きやむまで
ずっと抱き締めてくれた。

⏰:07/12/11 00:00 📱:W47T 🆔:IHSh5.Z6


#61 [よしか]
あたしの気持ちは
龍二に走って行った‐
しばらくして
龍二と別れ、家に帰り
風邪で寝込んでいたアスミに
龍二の事を話した。
「そうなんだぁ。
龍二くんよしかの事
好きなんだね!
だってよしかも
龍二くんといる時
楽しそうだったし
よしかも好きなんでしょ?
『私の事どう思ってるの?』って
聞いてみたら、
告られるよ絶対に〜」
そう言われて
一人浮かれる単純なあたし。

⏰:07/12/11 00:01 📱:W47T 🆔:IHSh5.Z6


#62 [よしか]
煙草を買いに行くと言って
夜道を歩きながら龍二に電話をかけた。
「お疲れ〜。
もう落ち着いたな。」
「うん。さっきは本当にありがとう…
あのね…」
アスミに言われた様に言ってみた。
「あたしの事どう思ってる?」
「はぁ??いきなり何やねん(笑)


………好きやで?」

⏰:07/12/11 00:02 📱:W47T 🆔:IHSh5.Z6


#63 [よしか]
「えっ?マジで言ってるの?」
信じてないフリをしてみた。
「ホンマに好きです。
付き合って下さい。」
「………ぁっ、はい。」
龍二の真剣すぎる声に
言葉が詰まるあたし。
「ホンマ?
じゃあ今日から
お前は俺の女やで!」
「はい、宜しくお願いします!」

8月11日‐
あたし18歳。
龍二28歳。
こうして
付き合いが始まった‐

⏰:07/12/11 00:02 📱:W47T 🆔:IHSh5.Z6


#64 [よしか]
感想板作りました
カキお願いしますァ
bbs1.ryne.jp/r.php/novel/3113/

⏰:07/12/11 01:58 📱:W47T 🆔:IHSh5.Z6


#65 [よしか]
数日後‐
あたしは
アスミの家を出て
お店の寮に引っ越した。
あこがれの一人暮らし。
家からお店まで
車で10分。
自分だけの世界が
出来た気がした。
"これで龍二とも
近くなった〜
毎日会いたいな"

⏰:07/12/11 01:59 📱:W47T 🆔:IHSh5.Z6


#66 [よしか]
『毎日仕事入る前に
電話しろよ。
仕事終わってからもな。』
付き合いだしてから
そう言われていた。

指名客が増えてくると仕事に入る時間が
遅くなる。

P.M.9:00前‐
電話をかける。



…ッガチャッ!!


「はぁー?何?」
「おはよ。仕事入るね。」
「んー。」


…ガチャッ!!


ツーツーツー……


"はぁ…↓"
自分のお店の
売上が良くないと
相変わらず機嫌が悪い。

⏰:07/12/11 02:04 📱:W47T 🆔:IHSh5.Z6


#67 [ゆ-ン//]
あげ

⏰:07/12/11 02:09 📱:SO903i 🆔:A47H.Q2g


#68 [よしか]
>>67ゆ-ン//エサン
ありがとうですx

⏰:07/12/12 00:30 📱:W47T 🆔:XmrYE1.A


#69 [よしか]
>>66の続き

B型で、自己中で
喧嘩っ早い性格の龍二。
それでもあたしと
龍二は、喧嘩もなく
ほぼ毎日会っていた。

龍二の家に朝一緒に
帰り、龍二の家から
出勤する。


好きな男と半同棲…


生まれて初めての
あたしは、完全に


『恋は盲目』状態。


その時は
幸せだったんだと思う

⏰:07/12/12 00:35 📱:W47T 🆔:XmrYE1.A


#70 [よしか]
仕事は順調

彼氏もできた

上り調子で
調子こきのあたしは


周りが見えなくなっていた…

⏰:07/12/12 00:37 📱:W47T 🆔:XmrYE1.A


#71 [よしか]
付き合って1ヶ月が経ち‐

いつもの様に
龍二の家でテレビを見ていた。

「なぁ〜よしかぁ?」

「なに〜?」

「結婚せぇへん?
今月からお互い毎月10万ずつ
貯金してさ!
マンション買って
一緒に住もうや!
給料日俺に
10万渡してくれれば
俺の銀行口座に
定期貯金しとくし。」

⏰:07/12/12 00:38 📱:W47T 🆔:XmrYE1.A


#72 [よしか]
"えっ?結婚?10万?マンション?"
いきなり過ぎて
理解するのに時間がかかった。

そして理解した途端に

嬉しい気持ちの反面

"結婚って事は
うちの親に会うんだよね…"

想像するだけで鳥肌がたった…

"勝手に家出て
ろくに連絡もしなくて
家に帰ってきたら
知らない男と結婚だなんて…
絶対お父さん怒るよね…
っていうか…
それ以前にあたしたち本名すら
知らないじゃん!"

今思えばありえないよね。
本当に馬鹿すぎた。

⏰:07/12/12 00:39 📱:W47T 🆔:XmrYE1.A


#73 [よしか]
その頃は、
龍二の突然の
プロポーズに
真剣にOKしたあたし。
別に顔が良い訳でもないし
どこが魅力的だったかなんて
もうわかんないけど、
何故だかアイツに
言われるがままに
行動する様になった。

⏰:07/12/12 00:47 📱:W47T 🆔:XmrYE1.A


#74 [よしか]
『コンビニ行ってこい』
一日平均5回は言われる。
あたしが寝てても
叩き起こされる。
『俺の洗濯物洗って干せ』
『スーツをクリーニング屋に出しに行け』

"毎日毎日全部あたしのお金じゃん!
タクシー代も
外食代まで…
あたしパシリでも
家政婦でもないし"

⏰:07/12/12 17:55 📱:W47T 🆔:XmrYE1.A


#75 [よしか]
これじゃ
仕事はしてるけど
ただの『ヒモ』。

思っていても
口が裂けても言えない

いつの間にか
上下関係ができていた様だった。


どうしてこんな風に
なってしまったの?


多分お金を預ける様になってからだよね

⏰:07/12/12 17:57 📱:W47T 🆔:XmrYE1.A


#76 [我輩は匿名である]
ぁりきたり

⏰:07/12/12 22:46 📱:SH903i 🆔:TodeDHzE


#77 [よしか]
お金を渡しだしてからの龍二は
こんな風に変貌した。

あたしを『お金』
として見られてる気がして
あたしはしばらく
半同棲を辞めた。


少し距離が出来ると
龍二も前みたいに優しい。

⏰:07/12/12 23:46 📱:W47T 🆔:XmrYE1.A


#78 [よしか]
季節は寒くなってきたある日‐
久しぶりに龍二の家に
遊びに行くことに。


………ガチャッ………


ドアを空けて龍二が先に
靴を脱ぎ、背広を脱いだ。
あたしもブーツのチャックを下ろそうと思い、
左手を玄関の棚に手を伸ばした。

一枚の名刺が手に触れた。

⏰:07/12/12 23:47 📱:W47T 🆔:XmrYE1.A


#79 [よしか]
ファッションヘルス○○?
ヘルス?
裏には名前と番号とメアド

"ヘルス行ったんだ…
そっか。うちら付き合いだした頃の1回きりだし。
あの時舐めてって言われたけど断ったからだ…"

あたしの初体験の相手。

だから
今でもアイツの事を
ふと思い出すのかもしれない

あたしの遅い初体験の相手。

⏰:07/12/12 23:47 📱:W47T 🆔:XmrYE1.A


#80 [ゆ-ン//]
楽しみ

⏰:07/12/13 02:10 📱:SO903i 🆔:u9N1CF.A


#81 [よしか]
>>80ゆ-ン//エサンx
ありがとうございます。

⏰:07/12/16 00:35 📱:W47T 🆔:4/d27QYk


#82 [よしか]
>>79の続き


何故か腹立たしいとか
問詰めるという気にはならなかった。

お店の友達や先輩に
アイツやお金の事を
相談すると
『絶対別れた方がいいよ!
お金取られておしまいだから』
なんてみんなが
同じ事を言う。

⏰:07/12/16 00:37 📱:W47T 🆔:4/d27QYk


#83 [よしか]
それを言われるたびに
"あんただって
ホストの本彼だって言ってるけど
どうせ色彼でしょ"
"先輩は5年も彼氏いないから
羨ましく思ってるだけじゃん?"
って思ってた。

本当に貯金してるのかも
確かめず
わからずに
毎月渡す10万円。

だんだんと会う回数も
まめに連絡を取る事もなくなり
半年後には
毎月25日にだけ
会っていた。

⏰:07/12/16 00:37 📱:W47T 🆔:4/d27QYk


#84 [よしか]
家に行く事も
キスをする事も
手を繋ぐ事も
笑い合う事もない。

龍二はブラックリストらしく
あたし名義の携帯を龍二も使っていた。
当たり前の様に
龍二の携帯代も払う。
2人で毎月約20万円。
あたしの給料は
右から左に流れていく

⏰:07/12/16 00:37 📱:W47T 🆔:4/d27QYk


#85 [よしか]
龍二と付き合ってから
欲しい服も
ブランド物も
したい髪型にも
お金を使わなくなった。

というより
使えるほど余裕が
なくなった。

⏰:07/12/16 00:37 📱:W47T 🆔:4/d27QYk


#86 [よしか]
家賃や煙草代
付き合いの外食で
残りの給料は
ほとんどない。
給料日の数日前は
コンビニに食事を買いに行っても
おにぎりをひとつしか買えない時も
あった。

今思えば
自分で決めた男だ。
しょうがない。

そして
あたしの親友アスミにまで
裏切られるとは思ってもみなかった‐

⏰:07/12/16 00:38 📱:W47T 🆔:4/d27QYk


#87 [s・・$]
頑張って
L1つも更新を
楽∪みに見て
るからね
最後までファイト

⏰:07/12/17 01:59 📱:P902iS 🆔:jkuZLg5k


#88 [我輩は匿名である]
私も応援しちょる!がんばってかいてねな〜

⏰:09/11/18 17:43 📱:PC 🆔:☆☆☆


#89 [我輩は匿名である]
わざわざID隠して荒らしとかよっぽどへたれなんだねw

⏰:09/11/18 22:59 📱:N08A3 🆔:/m6TUBLE


#90 [我輩は匿名である]
あげますよっ(=´∀`)人(´∀`=)

⏰:11/08/13 18:52 📱:iPhone 🆔:cGX0Rdpo


#91 [我輩は匿名である]
読みたい( ´ ▽ ` )ノ♥

⏰:12/09/14 19:14 📱:iPhone 🆔:ZN89RIyg


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