・・・・幸せになれよ・・・・
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#1 [柊]
「ごめん」
今はただそれだけ伝えたい
:08/02/13 23:39
:W51P
:☆☆☆
#2 [柊]
俺の名前は
早瀬 柊(はやせ しゅう)
中学時代から多少落ちこぼだった俺は高校入学と同時に落ちこぼれ街道まっしぐら。
学校は毎日言ってたけど、勉強なんかしなかった。
友達と女と会うのが楽しくて毎日騒いでた。
:08/02/13 23:43
:W51P
:☆☆☆
#3 [我輩は匿名である]
…………………………………伝えたい………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………
:08/02/13 23:58
:W42S
:☆☆☆
#4 [我輩は匿名である]
………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………
:08/02/13 23:58
:W42S
:☆☆☆
#5 [我輩は匿名である]
………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………
:08/02/13 23:59
:W42S
:☆☆☆
#6 [我輩は匿名である]
俺の名前は………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………
:08/02/13 23:59
:W42S
:☆☆☆
#7 [柊]
高校の入学式で仲良くなった篤(あつし)とは入学して以来毎日つるんでた。
毎日学校が終わると、そのまま篤と街に繰り出して女ナンパしてた。
:08/02/14 08:45
:W51P
:☆☆☆
#8 [柊]
ナンパした女はだいたいお持ち帰り。
そんなこと毎日続けてたら、いつのまにか地元での俺らは有名人になっていた。
「〇〇高校の柊と篤は気を付けろ」
「ヤ リ チ ン」
「遊び人」
そんな風に言われるのはもう慣れていた。
:08/02/14 08:49
:W51P
:☆☆☆
#9 [さやか]
気になります

:08/02/14 10:59
:N905imyu
:☆☆☆
#10 [柊]
彼女が出来ても長くは続かんかった。
俺は飽きっぽい性格だったし、遊び人だったから浮気もしたし。
:08/02/14 12:59
:W51P
:☆☆☆
#11 [柊]
だけど軽い男にはやっぱり軽い女が寄ってくるって感じで女に困ったこともなかった。
とにかく毎日が楽しかった。
毎日好きなことしてバカやって大騒ぎして笑って、セックスしたくなったら女ナンパして。
だけど…この時はまだ俺は自分の体に起きている異変に気付いていなかった。
:08/02/14 13:03
:W51P
:☆☆☆
#12 [我輩は匿名である]
頭悪そうですね^^
:08/02/14 13:06
:W42S
:☆☆☆
#13 [柊]
月日は流れ高3になった。
相変わらず俺と篤は毎日つるんでた。
今日も篤と2人で夜のナンパに出かけた。
「てか3年間で俺ら何人に声かけたよ?」
篤が笑いながら言った。
「確実に3ケタ(笑)」
俺は答えた。
:08/02/14 13:11
:W51P
:☆☆☆
#14 [柊]
「もうこの辺の女全員声掛けちゃったんじゃね?」
そんな話をしながら歩いていると目の前のコンビニから女が2人出てきた。
篤もそれに気付いたらしく
「あの2人よさげ?行く?」
と言った。
:08/02/14 13:15
:W51P
:☆☆☆
#15 [柊]
篤と2人で2人の女の前に先回りした。
「ねぇ〜」
篤が話し掛ける
2人の女は立ち止まった。
「カラオケいこ♪」
俺が言う。
1人は化粧濃いめのギャル系、もう1人はキレイめのお嬢系。
:08/02/14 13:20
:W51P
:☆☆☆
#16 [柊]
「てか〇〇高の篤と柊!?」
ギャル系が篤を見て驚いたように言った。
「俺らの事知ってんの〜?俺ってば有名人じゃん♪」
篤がふざけて笑った。
「カッコイイって有名だよぉ!てか本物初めて見たんだけど!てか篤めちゃタイプ♪」
ギャル系は篤に向かっていろいろ話掛けた。
「…ちょっと加奈っ!」
:08/02/14 13:26
:W51P
:☆☆☆
#17 [柊]
突然のお嬢系の大きい声にその場の空気が一瞬止まった。
「加奈っ!早く行くよ!」
お嬢系はギャル系を引っ張って歩きだそうとした。
「ちょっとぉ〜!美紅(みく)ぅ〜篤達とカラオケ行こうよぉ!」
「何言ってんの!?ナンパされるとか軽い女に見られてるって事だよ!?こんなの無視して行くよ!」
:08/02/14 13:31
:W51P
:☆☆☆
#18 [柊]
どうやらギャル系が加奈、お嬢系は美紅という名前らしい。
「い―じゃん♪みんなでカラオケ行きや♪」
俺がそう言って美紅の肩に手を掛けた。
「ちょっと!触んないでよ!ナンパ男とかウザイから!」
大人しそうな顔に似合わず美紅は俺を振り払った。
:08/02/14 13:36
:W51P
:☆☆☆
#19 [柊]
俺は正直そんな美紅の態度に“なんだコイツ…めんどい女”って思った。
ナンパしてこういう女って今までいなかった。みんな声かければソッコーついてきたから。厄介なのに声掛けちゃったなって思った。
俺がそんな事を考えているうちに篤と加奈は意気投合してめちゃくちゃ盛り上がっていた。
美紅はそんな加奈に諦めたのか、黙っていた。
:08/02/14 13:43
:W51P
:☆☆☆
#20 [柊]
すると篤が俺のトコにやってきて耳打ちした。
「加奈めっちゃタイプなんだけど!」
「は〜?」
まぁ確かに加奈は篤のタイプだ。元気なギャル系。
「あっちのめんどくさいのは柊に任す♪だからこれから4人で遊びや♪」
「はっ!?」
:08/02/14 13:49
:W51P
:☆☆☆
#21 [柊]
篤はそう言ってまた加奈の方を向くと加奈と話し始めた。
なんで俺がこのめんどくさい女を…
俺はとりあえず美紅に話しかけた。
「なんか…篤があの子気に入ったらしいんだよね」
美紅は俺を見るとすぐ目を反らして
「加奈もたぶんあの人相当気に入ってる」
と言った。
:08/02/14 13:54
:W51P
:☆☆☆
#22 [柊]
「あの2人これからカラオケ行く気みたいだけど?お前は?帰んの?」
「加奈置いて帰れないし!ιしかもナンパ男2人となんて絶対置いて帰れない!」
「…じゃカラオケ行く?」
俺は美紅の顔色を伺いながら聞いた。
「…わかったι行く〜…ι」
こうして俺と篤と加奈と美紅の4人でカラオケに行くことになった。
:08/02/14 13:58
:W51P
:☆☆☆
#23 [柊]
カラオケが始まってからは篤と加奈がめちゃくちゃ盛り上がってて、2人で歌いまくり踊りまくり。
美紅はそんなノリに疲れたのか部屋を出ていった。
俺は篤と加奈のこの盛り上がりの中1人でいるのもいやだったから、美紅の後を追って部屋を出た。
:08/02/14 14:59
:W51P
:☆☆☆
#24 [柊]
部屋を出て廊下を見渡す。
美紅はカラオケ内の廊下に置いてある俺に背を向けてソファーに座っていた。
「あのテンションついていけねぇな」
俺はそう言いながら美紅の座っているソファーに、美紅と少し距離を置いて座った。
美紅はコクンと頷いた。
「…お前さ〜…」
「“お前”じゃない!美紅」
…ι
コイツいちいちうるせぇなι
:08/02/14 15:23
:W51P
:☆☆☆
#25 [柊]
「あ〜…美紅さぁ、いつもあんな感じでナンパ断ってんの?」
「当たり前じゃん!てゆ―か加奈だっていつもはついていかないんだからね!?今日はあの篤って人だったから…加奈前からあの人に会いたがってたし…」
「…ふ―ん」
…こりゃ篤のやつ加奈とうまくいくんじゃね?
「…アンタさぁ」
「アンタじゃねぇし〜“柊”ですがぁ〜」
今度は俺が美紅にさっきのお返しにイヤミたっぷりに言ってやった。
:08/02/14 15:49
:W51P
:☆☆☆
#26 [柊]
「〜〜っ…あんたホントうざいッッ!!」
「ウザイのお前じゃん!お前もさっき同じ事俺に言ったし(笑)」
「だ〜か〜ら〜!!“美紅”!!お前って言うなぁ!」
さっきまでツンツンして生意気だったくせに、俺がこんなくだらない事でからかっただけで本気で怒る美紅が面白くてなんだかかわいく見えた。
:08/02/14 16:24
:W51P
:☆☆☆
#27 [柊]
そんなんのやりとりをしてるうちに美紅も俺に心を開いてくれたらしく、いろいろ話してくれた。
美紅は俺とタメの高3
俺達の高校の近くの女子高に通っていた。
加奈とは同じクラスで中学からの親友らしい。
他にもいろんな話をした。
「柊ってオモシロイね!」
美紅が笑うたびにサラサラのストレートの髪が優しく揺れた。
:08/02/14 17:14
:W51P
:☆☆☆
#28 [柊]
「柊さぁ、いい加減ナンパとかやめなよね?柊と篤君うちの学校でも有名だよ?」
「かっこいいって〜?笑」
俺はふざけて答えた。
「それもあるけど…遊び人て!いっぱいセフレいるとか、ヤリ捨てされるとか!いい噂聞かないし…」
「んなコトいってもねぇ…遊びたい年頃なんだよね〜」
「そんな馬鹿なコト言ってると絶対いつか後悔するからね!」
美紅がそう言う真剣な目は、なんだかすごく俺の胸に刺さった。
:08/02/14 18:38
:W51P
:☆☆☆
#29 [柊]
しばらくして俺と美紅は篤たちがいる元の部屋にもどった。
俺達が部屋を出てから2時間近くたってたのにまだ2人は盛り上がってた。
それから結局朝までカラオケして、加奈と美紅と別れた。
「俺マジで加奈狙うわ!」
篤と2人になった帰り道、突然篤が言った。
:08/02/14 21:18
:W51P
:☆☆☆
#30 [柊]
「あ〜マジで?うまくいきそうだしいいんじゃね?」
俺は答えた。
「メアドとケー番ばっちり聞いたし♪てかお前は?あのめんどくさい女〜」
「あぁ〜…うん、まぁ…」
俺はなんとなく言葉につまった。
:08/02/14 22:27
:W51P
:☆☆☆
#31 [柊]
「おまえ等2人そろって途中で抜けたもんな〜怪しすぎだろ〜」
篤は完璧オモシロがってる。
「なんもねぇし〜アドすら聞いてないし」
「は!?柊がそんなんてめずらしくね!?出会った女の連絡先は必ずいつも聞くじゃん!」
篤の言うとおり。
俺はナンパした女とは必ずアド交換してきた。
だけど美紅とはしなかった。
:08/02/14 23:21
:W51P
:☆☆☆
#32 [柊]
「それともあんなめんどい女の連絡先なんか聞く必要ないってか?笑」
…そうだ。
篤の言う通りだ…
あんなめんどい女もう会いたくもねぇし…
生意気でウゼぇし…
…違う
:08/02/14 23:45
:W51P
:☆☆☆
#33 [愛]
更新楽しみにしてます

:08/02/15 01:36
:F703i
:☆☆☆
#34 [柊]
続き書きます。
携帯今日修理出してるので代用携帯で書きます。
:08/02/15 19:35
:W43S
:☆☆☆
#35 [柊]
美紅には誤解されたくなかったんだ。
あの場でアド聞いたら、軽く思われるんじゃないかって…
もうすでに十分軽く見られてるのは分かってるけど、簡単に連絡先聞いて今までナンパしてきた女と同じに見てるって思われるのがなんだか嫌だった。
美紅はなんか…俺の中で、今までの女とは違う存在になっていた。
:08/02/15 23:34
:W43S
:☆☆☆
#36 [柊]
それから一週間が経った。
篤は加奈とメールが続いているようだった。
そのせいもあって2年以上も続けていたナンパにも篤は全く行かなくなった。
篤は加奈に本気みたいだった。
俺もナンパはあの日以来しなくなった。篤がしなくなったからってのもあったけど、なんとなくする気にもならなくて俺の中では美紅の存在がいつまでも忘れられなかった。
しばらくしてまた4人で遊ぶことになった。
:08/02/16 14:51
:W43S
:☆☆☆
#37 [柊]
加奈と篤のリクエストでまたカラオケ。
加奈と美紅は学校帰りに来たらしく制服だった。そのせいかわかんねぇけど前に会った時と美紅がなんかまた違ってかわいく見えた。
「柊、久しぶり」
美紅は俺を見るとニコッと笑った。
:08/02/16 15:16
:W43S
:☆☆☆
#38 [柊]
カラオケの途中タバコがなくなった俺は近くのコンビニにタバコを買いに出掛けた。
「柊!」
コンビニに向かって歩いていると後ろから加奈が走ってきた。
「加奈?どした?」
「あたしも一緒に行くよ!」
「買うもんあるなら買ってきてやるけど」
「いいの〜!外の空気吸いたかったから!あの部屋タバコ臭くて〜」
「タバコ臭くて悪かったな〜笑」
:08/02/16 16:02
:W43S
:☆☆☆
#39 [柊]
加奈と買い物を済ませてコンビニの帰り道、加奈が言った。
「実は今日遊ぼうって言い出したの美紅なの。美紅がまた柊に会いたいって言ったんだよね」
正直びっくりした…
美紅は俺になんか興味も持ってないだろうって思ってたから。
「あたしびっくりしたし!美紅ってそういう事今まで言ったことなかったから」
カラオケに戻ってからは加奈にそれを聞いたせいか美紅をすげぇ意識してしまった。
:08/02/16 16:23
:W43S
:☆☆☆
#40 [柊]
そして俺は美紅を好きになって
いる事に気付いた。
カラオケのあとの帰り道、美紅と隣同士になった。
「楽しかったね〜」
美紅が言う。
「篤と加奈のテンション相変わらずついていけないけどな」
「たしかにぃ〜笑」
今日はこれで解散する。
また連絡先が聞けずに別れたくなかった。
今日こそ聞きたかった
:08/02/16 16:36
:W43S
:☆☆☆
#41 [柊]
俺がそんな事を考えていたその時…
「番号聞いてもいい?」
美紅が言った。
そして美紅とアドと番号を交換した。
たぶん俺こん時相当笑顔だったと思う(笑)
:08/02/16 16:40
:W43S
:☆☆☆
#42 [柊]
それから1ヶ月俺は毎日美紅とメールをした。
時々4人で遊んだり、そのうち二人で会うようにもなった。
俺は美紅の事マジで好きになっていった。
そして出会ってから2ヶ月後俺は美紅に告った。
:08/02/16 22:04
:W43S
:☆☆☆
#43 [柊]
「俺と付き合お、美紅」
俺がそう言って抱き締めると美紅は何も言わずにただ優しく笑ってウンと頷いた。
美紅の事心の底から大事にしようと思った。
:08/02/16 22:15
:W43S
:☆☆☆
#44 [柊]
俺は今まで女と抱き合うことで心を満たしていたつもりだった。
だけど
抱き合わなくても
肌と肌が触れ合わなくっても
美紅とは一緒にいるだけで心が満たされた。
:08/02/16 22:17
:W43S
:☆☆☆
#45 [柊]
そして俺達が付き合った一週間後に篤と加奈も付き合うことになった。
学校が終われば毎日篤の家に4人で集まった。
付き合って分かった事は美紅はすっげぇ甘えるって事。二人きりになると「柊〜…」ってくっついてきてめちゃめちゃかわいい。
付き合ってすぐのバレンタインは美紅がクッキーを焼いてくれた。
「変になっちゃったぁ(泣)」
と美紅は言いながら俺に渡した。
クッキーはちょっと硬くて、見た目悪くて、でもそこがかわいかった。
:08/02/16 22:47
:W43S
:☆☆☆
#46 [柊]
素直じゃない俺は「へたくそぉ〜」なんて言ったけどホントはすげぇ旨かったし嬉しかった。
次の日篤に「美紅からクッキーもらった♪」ってノロけたら、篤がそれを加奈に言ったらしく加奈から美紅に「柊が美紅にクッキーもらったってノロけたらしい」って伝わって、恥ずかしかったっけ。
あ、バレンタインの前にクリスマスがあった。
クリスマスは付き合ってすぐだった。
朝から二人で出かけてお揃いのネックレス買った。
美紅はゴールド、俺はシルバー。
美紅の首につけてやった。
美紅の細くて綺麗な白い首にゴールドがよく似合ってた。
:08/02/16 22:55
:W43S
:☆☆☆
#47 [柊]
美紅も俺につけようとしてくれたけど、身長差ありすぎて美紅はなかなかつけられなかったよな(笑)
「柊おっきい〜座れェ〜」
なんて美紅が言ったから、俺は
「ち―び♪」
なんて言って美紅のオデコでこぴんした。
その日の昼は美紅が行きたがってたパスタ屋行った。
デザートに美紅がパフェ頼んだら予想以上にでかくて二人で笑った。
:08/02/16 23:02
:W43S
:☆☆☆
#48 [柊]
それを一生懸命食べる美紅がかわいくて俺はずっと見てた。
「一口ちょ―だい」
って俺が言ったら、
「全部食べたいからだめ〜」
とか言って。
なのに結局全部食べられなくて、
「あげるぅ」
とか言ってパフェ差し出してきてさ(笑)
:08/02/16 23:16
:W43S
:☆☆☆
#49 [柊]
学校が休みの日曜日はだいたい俺んちでのんびりした。
俺がEXILE好きでよく流してて、その影響で美紅もEXILE好きんなったって言ったな。
俺は美紅のサラサラの長い髪をいじるのが好きだった。
鏡の前に美紅を座らせて、いろんな髪型にして二人でよく遊んだ。
変なのにして俺が大爆笑すると
「もぉ―」
って美紅が怒ったっけ。
:08/02/16 23:30
:W43S
:☆☆☆
#50 [柊]
俺んちの帰りはいつも駅まで美紅をチャリで送った。
駅までの長い下り坂、美紅はいつも怖がって「ゆっくりこいで〜!」って言うんだ。
でも俺はわざとスピード出して美紅を怖がらせた(笑)
そうすると美紅が俺にギュッてしがみつくんだ。
美紅が電車に乗って、電車が見えなくなるまで見送った。
:08/02/16 23:35
:W43S
:☆☆☆
#51 [柊]
美紅と二人で篤の家にいた時はイチャイチャくっついてたら、篤に「帰れ〜」って追い出された(笑)
でもなんか篤の家は居心地よくて、美紅と二人でよく遊びにいったな。
なぁ美紅
俺はホントに美紅が大好きだったんだ
:08/02/17 01:51
:W43S
:☆☆☆
#52 [柊]
美紅とずっと一緒にいたかった
美紅と結婚して
美紅に似たかわいい赤ちゃんを抱きたかった。
じいちゃんばあちゃんになったら手繋いでのんびり散歩して
死ぬまで一緒にいたかった。
:08/02/17 01:55
:W43S
:☆☆☆
#53 [柊]
…
高3の2月
美紅と付き合って3ヶ月が経った。
俺はある日放課後担任からの呼び出しをくらった。
「お前何したの(笑)」
篤が面白がって近付いてきた。
:08/02/17 02:03
:W43S
:☆☆☆
#54 [柊]
「心当たりありすぎでわかんね(笑)」
「俺今日加奈んち行くから先帰るな〜」
「あいよ、加奈によろしく」
篤は俺にヒラヒラと手を振って帰っていった。
そして俺は職員室に向かった。
:08/02/17 09:08
:W43S
:☆☆☆
#55 [柊]
「早瀬〜」
職員室に行くと担任が俺を呼んだ。
担任に渡されたのは先月にやった血液検査の結果用紙だった。
俺の結果に異常があったらしく再度病院で検査してこいとの事だった。
この時俺は「めんどくせぇ」ぐらいにしか思っていなかった。
自分の身体に何が起きているのかも知らないまま…
:08/02/17 22:44
:W43S
:☆☆☆
#56 [柊]
日曜日、俺は母さんと一緒に病院に行った。
今日病院が終わったら美紅と会う。
もう2月、来週から学校もほとんど休みになる。だから美紅と一緒に自動車学校に通う事にした。今日そのための書類を車学にもらいに行く。
俺は、免許とったら美紅とどこに行こうかなんて考えながら、診察の順番を待った。
:08/02/18 00:07
:W43S
:☆☆☆
#57 [柊]
「早瀬さん、お入り下さい」
看護婦が俺の名前を呼ぶ。
俺は母さんと二人で医者の前に座った。
「…早瀬柊さんですね?落ち着いて聞いてください…」
…?
…なんだ?
:08/02/18 00:11
:W43S
:☆☆☆
#58 [
葵
]
:08/02/18 00:13
:F902iS
:☆☆☆
#59 [ノ]
頑張って★
:08/02/18 21:03
:W42K
:☆☆☆
#60 [柊]
「…柊さんはHIVに感染しています…」
…HI…V?
…エ…イズ…?
:08/02/18 22:10
:W43S
:☆☆☆
#61 [柊]
エイズ(AIDS)…HIVが血液や精液を介して感染して引き起こされる。性行為または血液製剤による感染者が多い。極めて死亡率が高く現在根本的な治療がない。
俺はエイズに感染していた…
:08/02/18 22:14
:W43S
:☆☆☆
#62 [柊]
俺はナンパでいろんな女とセックスした…
不特定多数との性行為によって、俺はいつのまにかエイズに感染していた…
「…エ…イズ…?」
俺はそれ以上頭が回らなくなりただただ呆然とした。
:08/02/18 22:18
:W43S
:☆☆☆
#63 [柊]
「しかし…柊さんはウイルスに感染してはいますが、発症はしていない状態にあります」
それから医者の長い説明が始まった。
母さんは泣いていた。
:08/02/18 22:44
:W43S
:☆☆☆
#64 [柊]
俺はもう死ぬんだ…
そう思った。
だけど…医者の説明を聞いているうちに、すこしの望みが見えてきた。
:08/02/18 22:49
:W43S
:☆☆☆
#65 [柊]
俺は確かにHIVに感染していた。
でもまだ発症はしていなかった。
いつ発症するかは分からない。
でももしかしたらこのまま死ぬまで発症しないかもしれない。
:08/02/18 22:52
:W43S
:☆☆☆
#66 [柊]
もし発症しなければ、今までと変わらない生活がこれからも続けられる…
そして医者から、これからの生活上の注意点を聞いた。
性行為は行わないこと。
自分の血の後始末の仕方。
そのほか細かい注意点をいくつも聞いた。
:08/02/18 23:00
:W43S
:☆☆☆
#67 [柊]
病院のあと家に帰った。
自分の部屋に行きベッドに倒れこんだ。
何も考えられなかった。
考えたくなかった。
:08/02/18 23:13
:W43S
:☆☆☆
#68 [柊]
〜〜♪
その時、携帯が鳴った。
携帯を見ると美紅から電話だった。
そういえば…美紅とでかける約束してたんだっけ…
俺は携帯に表示された名前をぼ―っと見つめた。
:08/02/18 23:20
:W43S
:☆☆☆
#69 [柊]
…美紅には
もう…
会えない…
俺は美紅の傍にいちゃだめなんだ…
:08/02/18 23:23
:W43S
:☆☆☆
#70 [柊]
俺は美紅を幸せにしてやれない…
これから自分の事で精一杯になる俺が、美紅を守ってやることなんてもう出来ない…
結婚をしたとしたって、子どもなんて望めない…
子どもが大好きな美紅を母親にしてやることもできない…
それに…俺はいつ死ぬかだって分からない…
俺には明日がくる保証はないんだから…
:08/02/18 23:39
:W43S
:☆☆☆
#71 [柊]
美紅の無邪気な笑顔が浮かんだ…
美紅に会いたい…
美紅とずっと一緒にいたい…
今のこの現実は今まで俺がしてきた事に対する罰なのか…
やっと人を好きになれたのに
大事にしたい女を見つけたのに…
“いつか絶対後悔するよ”
初めて美紅と会った日美紅に言われた言葉が頭をよぎった…
:08/02/19 00:07
:W43S
:☆☆☆
#72 [柊]
お前の言う通りだな…
俺馬鹿みたいだ…
携帯を開いて“美紅”の名前を表示する。
震える指で通話ボタンを押した。
「もしもし?柊?」
数回の呼び出しのあと美紅が出た。
:08/02/19 00:15
:W43S
:☆☆☆
#73 [柊]
美紅の声…
なんだかいつも以上に愛しく感じる。
「柊〜!用事終わった?あたし車学行く準備バッチリだよ♪」
「…美紅…」
「なぁに!?」
美紅を失いたくない…
美紅と離れたくない…
ホントはこんな事言いたくないんだ…
「…俺ら別れよ」
:08/02/19 19:58
:W43S
:☆☆☆
#74 [柊]
「…ぇ…」
一瞬美紅が止まったのが分かる。そしてしばらくして美紅がポツリと言った。
「…なんで…そんな事言うの…?」
美紅…きっとすげぇ辛そうな顔してる…
「…もうお前の事好きじゃないから」
俺の精一杯のウソ…
:08/02/19 20:04
:W43S
:☆☆☆
#75 [柊]
「…やだ…やだぁ…!」
声で美紅が泣いたのが分かった。
それから美紅は泣きながらずっと「別れたくない」って言い続けた。
俺は
「もう好きじゃない」
「別れたい」
「きらい」
なんて嘘の言葉を並べた。
:08/02/19 20:10
:W43S
:☆☆☆
#76 [柊]
胸が苦しかった。
美紅を泣かせてるのは自分なんだと思ったら、俺まで涙が出てきた。
電話して2時間が経った。
美紅はもう俺に何を言ってもダメだと諦めたのか、静かにこう言った。
「…わかった…もう柊の気持ちが変わらないならいい…」
:08/02/19 20:13
:W43S
:☆☆☆
#77 [柊]
静かに美紅から電話が切られた。
その瞬間一気に涙が溢れてきた。
俺はこんなに美紅が好きだったんだ。
美紅を失ったという現実が俺を追い詰めていく。
なんで俺なんだ。
なんで俺が感染してしまったんだ。
:08/02/20 21:46
:W43S
:☆☆☆
#78 [柊]
美紅を失った虚しさが、よりいっそう自分を責めた。
美紅というたった一人の人間を失っただけなのに、俺は生きていく力を全て失ったような気がした。
病気になったことよりも
美紅を失った事がただただショックだった…
:08/02/20 21:55
:W43S
:☆☆☆
#79 [柊]
次の日、俺は一人で車学へ書類を出しに行った。
「あれ?柊!」
名前を呼ばれて振り向くと篤がいた。
「…篤」
「お前も今日書類出しに来たんか?」
「…おぅ」
「てか…加奈から聞いたけど…美紅の事振ったんだって?どうしたんだよ。ケンカでもした?」
:08/02/20 22:21
:W43S
:☆☆☆
#80 [柊]
きっと昨日美紅が加奈に電話でもしたんだろうな…
「ケンカとかじゃねぇよ。美紅の事もう冷めたから」
俺はまた嘘をつく。
「冷めたぁ!?あんな仲良かったじゃん」
…やべぇ…泣きそ…
「まぁ美紅の話はもういいじゃん!終わった事だし!てか俺書類出してくるわ!じゃな!」
俺は精一杯の笑顔を作ってその場を後にした。
:08/02/20 22:40
:W43S
:☆☆☆
#81 [
]
続き気になる

頑張って書いて〜
:08/02/20 22:56
:SO903iTV
:☆☆☆
#82 [柊]
書類を出して帰ろうとすると、出入口の方から見覚えのある声が聞こえた。
加奈と…美紅…
きっと二人も書類を出しに来たんだろう…
篤もいて三人で話している。
俺はどうしたらいいんだ…
今まで通り話せばいいのか…
もう知らない人のように避ければいいんだろうか…
:08/02/20 23:23
:W43S
:☆☆☆
#83 [柊]
そんな事を考えていたら加奈に見つかった。
「柊!」
加奈に呼ばれた。
美紅も俺を見る。
思わず美紅から目を反らしてしまった。
加奈も俺に言いたいことがいろいろあっただろうけど、気を使ってくれたのか俺と美紅の事には触れなかった。
:08/02/20 23:26
:W43S
:☆☆☆
#84 [柊]
「柊も書類?」
加奈が話しかけてきた。
「おぅ。お前らも?」
「うん!」
ふと美紅と目が合った。
「…おはよ」
美紅はニコッと笑うと俺に向かって言った。
いつもの美紅だ。
…でもどことなく暗い気もした。
「…おはよ」
俺も挨拶を返す。
:08/02/20 23:29
:W43S
:☆☆☆
#85 [柊]
「…加奈、書類出しに行こ?」
そして美紅は俺を避けるように行ってしまった。
そんな美紅の後ろ姿を見つめながら、“もう俺達は元には戻れないんだ”そんな風に思い知らされたような気がした。
そして1ヶ月後…
:08/02/21 00:16
:W43S
:☆☆☆
#86 [柊]
俺は無事高校を卒業した。
4月からは美容の専門学校へ通う。
篤は地元の工場に就職、加奈は居酒屋でバイト、
そして美紅は、保育の短大に行くというのを加奈づたいに聞いた。美紅は子どもが好きだから、幼稚園の先生になりたいって付き合ってた頃よく言っていた。
4月になりそれぞれ新しい生活も始まれば、俺も少しずつ美紅を忘れられると思った。
:08/02/21 01:52
:W43S
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#87 [柊]
高校卒業してからも篤とはずっとつるんでた。
篤と加奈は相変わらず付き合ってたから加奈にもたまに会ったりしてた。
でも美紅とは会わなかった。
専門学校は楽しかった。自分がやりたい興味ある事だったから勉強も楽しかった。友達も出来たし、毎日充実してた。
だけどなんか足りなかった。
ふとした時に美紅を思い出した。
学校や街でロングヘアの女を見ると、違うって分かってるのに目で追ってしまう。
:08/02/21 11:44
:W43S
:☆☆☆
#88 [柊]
そんな日々が続き、5月のGWがやってきた。
GW一日目、俺は朝から病院へ定期検査へ行った。
2月に感染が分かってから俺は毎月一回検査をするように医者から言われている。
今のところ発症はせずに落ち着いている。でも風邪を引いて抵抗力が落ちると発症する可能性もあるらしく、体調管理には気を付けていた。
一日朝晩の体温測定で平熱より一度でも高いとすぐに病院に行って検査をしたりの毎日だった。
:08/02/21 16:43
:W43S
:☆☆☆
#89 [柊]
そんなこともあり毎日ストレスの溜まる生活が続いた。
病院での検査が終わると、丁度篤から電話がかかってきた。
「もしもし柊クン〜?今日の夜ヒマ〜?♪」
コイツは常にテンションが高い…(笑)
「夜?ヒマだけど」
「じゃあ和也んちで飲も―ぜ♪」
和也は高校の時俺や篤と同じクラスだった奴で、よくつるんでた仲間の一人。
:08/02/21 16:52
:W43S
:☆☆☆
#90 [柊]
「和也?久々じゃん!東京から帰ってきてんの?」
和也は東京の専門学校へ行っている。
「昨日帰ってきたっぽい!」
「まじかぁ〜じゃあ久しぶりに騒ごうぜ〜篤今日仕事?」
「そだよん♪今昼休み♪今日仕事6時までだから終わったら迎え行くわ!」
「はいよ〜」
和也に会うのは卒業式ぶりだ。久々に会えんのが嬉しかったし俺は飲みをおっけーした。
:08/02/21 17:11
:W43S
:☆☆☆
#91 [柊]
夕方、篤からの連絡を待ちながら出かける準備をした。
あ、やべ…コレ忘れるとこだった。
俺は美紅とお揃いのあのネックレスをつけた。
美紅と別れても俺は毎日それを身につけていた。
女みたいで女々しいかもしれんけど、コレをつけてるとなんだか別れても美紅と繋がっていられるような気がして嬉しかった。
美紅はきっと付けてないだろうけど…もう捨てられたかもしんねぇな…
:08/02/21 18:03
:W43S
:☆☆☆
#92 [柊]
篤の迎えが来て、二人で和也んちに向かった。
「あ、コンビニ寄ってい?タバコ切れたわ」
途中篤はそう言ってコンビニに寄った。
俺は車の中で篤を待った。
すると隣に車が一台止まった。
「え、柊じゃん!」
突然名前を呼ばれて隣を見ると、加奈がたっていた。隣に止まったのは加奈の車だった。
俺が窓を開けると、加奈が近づいてきた。
:08/02/21 18:27
:W43S
:☆☆☆
#93 [柊]
「なんか篤の車に似てるなぁって思ったんだよね!超偶然!柊何気に久々じゃない?てか何してんの?篤はぁ?」
あいかわらず篤と同じでテンションが高い加奈が一気に話しかけてきた(笑)
「おぅ!加奈!」
その時丁度タバコを買った篤がコンビニから出てきた。
「篤〜!何してんの?今日飲みとか言ってなかった?」
「柊と今から行くとこ♪」
俺は二人の会話を聞きながら、ふと加奈の車を見た。
:08/02/21 18:32
:W43S
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#94 [柊]
…美紅がいた。
助手席に美紅が座ってた。
…会ったのは久しぶりだ…3ヶ月近く会ってなかった。美紅と話したい…声が聞きたかった…
俺は車を降りて美紅の座っている助手席の窓をコンコンと軽く叩いた。
:08/02/21 18:36
:W43S
:☆☆☆
#95 [柊]
美紅は俺に気付くと窓を開けてくれた。俺はその瞬間ハッとしてネックレスを服の中に隠した。美紅に見られたらどう思われるか分かんねぇから…
俺は自分で行ったくせに、なんか気まずくなった。
でも美紅は俺の予想とは反対に明るかった。
「柊〜!久々だね!こんなとこで会うなんてびっくり!」
昔の明るい美紅のままでなんだか懐かしく感じた。
「久しぶり。元気してた?」
前よりまた少し明るなった髪が白いワンピによく似合っていた。たった数ヵ月会わなかっただけなのに美紅は一気に大人っぽくなったような気がした。
:08/02/21 19:12
:W43S
:☆☆☆
#96 [柊]
「加奈とどっか行くのか?」
「うん、これからゴハン食べに!柊は?」
「友達んちで飲む」
「そうなんだぁ」
そしてしばらくの沈黙…
「柊…美容の学校行ってるんでしょ?髪の毛いじるの好きだったもんね。なんか柊が美容師とか似合ってる」
美紅はそう言って俺の好きなあの優しい笑顔で笑った。
:08/02/21 20:19
:W43S
:☆☆☆
#97 [柊]
「お前は〇〇短大だろ?前から行きたいって言ってたよな」
「うん。でも結構勉強タイヘン〜」
そんな風に美紅と話していると、篤と加奈が来た。
「柊そろそろ行こ〜」
「美紅〜うちらも行こ〜」
ホントは美紅とまだずっと話していたかった。
だけどそういうわけにはいかない…
「…じゃあな」
「あ…柊…っ」
その場を離れようとすると美紅に呼び止められた。
:08/02/21 21:55
:W43S
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#98 [柊]
「なに?」
「あ…あのねっ」
真っ直ぐ見つめられて美紅から目がそらせなかった。
「…なんだよ」
「…柊…っ…あたし…」
美紅が俺の袖をきつく握り締めた。
とその時…
「美紅早く〜行こぉ〜」
加奈の声で俺も美紅もハッとした。
:08/02/21 22:35
:W43S
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#99 [柊]
「ゴメン…なんでもない。じゃあね、バイバイ」
そう言うと美紅は窓を閉めてしまった。
加奈の車が出発するのを見送って俺も篤の車に乗った。
「美紅と何話してたん?」
篤が聞いてきた。
「別に…久しぶりだなって」
「ふ〜ん。てかお前まだ美紅の事好きだろ」
「は?別に好きじゃねぇよ」
「俺ナメんなよ?3年以上もお前の友達やってんだぞ。見てれば分かるし」
:08/02/21 23:11
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#100 [柊]
「何言ってんだよ。もう好きじゃねぇって」
「…まぁお前がいいならいいけど。何があったか知らねぇけど、ホントに好きなら好きって言わなきゃ後悔するぞ。お前も美紅も俺にとっては大事な友達だからさ…二人が辛いのとかイヤなんだよ。俺に出来ることあったら言えよ」
…篤はやっぱ親友だと思った。
いつもバカやってフザケてる奴だけど、誰よりも友達思い。
篤には病気の事言ってもいいんじゃないかって思った。でもやっぱ怖かった。病気の事知ったら離れてくんじゃないかって。
:08/02/21 23:20
:W43S
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