・・・・幸せになれよ・・・・
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#151 [柊]
ホントは「うん」なんて言いたくなかった。


「ずっと好きでいろ」

って言いたかった。

俺は自分から美紅を手放したくせに、美紅に嫌われたくなかった。ずっと好きでいてほしかった…

「…これからは友達だよね?加奈と篤と4人で昔みたいにいっぱい遊ぼ?」
そういう美紅の顔が少し辛そうに見えた気がした…

⏰:08/02/28 10:11 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#152 [柊]
それから2人で和也んちに戻った。
その間一言も言葉を交わさなかった。


部屋に戻るとみんな起きていた。

俺と篤、加奈と美紅もそれぞれ帰ることにした。
「じゃあお先に帰るね〜」
加奈が車の窓を開けて言う。

俺と篤はそれを見送った。

⏰:08/02/28 23:58 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#153 [柊]
助手席に乗った美紅はこっちを見ようとしない。
加奈と美紅の乗った車が見えなくなるまで見送りながら、俺はもう二度と美紅には会えないようなそんな気がしていた…


「俺らも行くか〜てかどっかで昼飯でも食って帰る?」

加奈達の車が見えなくなると篤が言った。

⏰:08/02/29 00:05 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#154 [柊]
「篤…ちょい話たいことあるんだけど…」

俺は篤に全部話そうって決めた。

きっと篤は昨日の夜美紅と何があったのか心配してくれてると思う。

でもあえて何も聞いてこないのは、俺のためだと思う…

俺がみんなに言えないような何かを抱えてるって篤はきっと分かってる。
篤は俺から言うのを何も言わずに待っててくれてるんだ。

俺はその篤の気持ちを裏切りたくない。

⏰:08/02/29 10:53 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#155 [柊]
篤はしばらく車を走らせると近くのファミレスに車を止めた。


中に入ってしばらく沈黙…


そして俺は少しずつ全部を話した。

病気のこと

それが理由で美紅と別れたこと

美紅は俺の病気を知らないこと

昨日の夜のこと

今朝のこと…

⏰:08/02/29 10:57 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#156 [柊]
篤は黙って俺の話を聞いていた。

最後に今まで篤に黙っていたことを謝った。

「エイズだなんて篤が知ったら…離れてくって思ったんだ…ごめんな」

でも篤は

「俺はどんなことがあったってお前のこと一番の親友だって思ってるよ」
って言った。

篤が少し涙目になっているような気がした…

⏰:08/02/29 11:08 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#157 [柊]
「柊…美紅に言えよ…」

「え…」

俺は篤の言葉に止まってしまった。

「お前ずりぃよ…お前は美紅の事考えて別れたかもしんねぇよ?でもそれって美紅が決める事じゃねぇの?大事なのは柊の病気知った上で美紅がどうしたいかだろ?」

俺は何も言えなかった。
「お前馬鹿だよ…なんで誰にも何もいわずに一人で抱え込んで決めちまうんだよ?俺も加奈も美紅もお前にとっちゃそんな頼りない存在だったんかよ?」

⏰:08/02/29 11:20 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#158 [長野]
楽しみにしてるので更新待ってますね

⏰:08/03/02 02:21 📱:SO902i 🆔:☆☆☆


#159 [里奈]
更新頑張ツてね(・∀・)

応援してます

⏰:08/03/02 21:42 📱:N905imyu 🆔:☆☆☆


#160 [柊]
篤にそう言われて、俺は泣いた。


男なのに泣くなんてかっこわりぃけど、この時は本当に涙が止まらなかった。

今まで一人で抱えてきた大きな不安が、一気に溢れだしてしまった。

平気なフリしてたけど、何ともないフリしてたけど、心の中ではすっげぇ辛かった。

⏰:08/03/02 22:02 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#161 [柊]
感染を告げられてから3ヶ月、明日死ぬんじゃないかっていつも思ってた。

不安で押しつぶされそうだった。


篤に話して、その不安な気持ちが全部溢れだしてしまったんだ。


もっと早く篤に話していたら何か変わっていたのかもしれない。篤を信じで相談すればよかった。

⏰:08/03/02 22:06 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#162 [柊]
篤と話した後、家に帰って俺は篤の言葉を思いだしていた。


“美紅に言えよ”


美紅のためにも、自分のためにも美紅に言うべきなのかもしれない…
美紅が俺の病気を知って離れていくならそれはしょうがない。むしろそれだったら俺もきっとあきらめがつく…

もし…もし俺の病気を知っても俺の側にいてくれるというなら、俺はできる限りの力で美紅を幸せにしてやろう。病気を告げられた3ヶ月前は、病気の俺が美紅を幸せになんか出来るわけないって思った。でも美紅を失って改めて美紅への気持ちの大きさを再確認できた。

⏰:08/03/02 22:16 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#163 [柊]
美紅を手放したくない。
美紅を幸せにしてやりたい。
その気持ちは誰にも負けない自信がある。


もう今更かもしれない。

こんな都合のいい俺に美紅は怒るかもしんねぇ。

だけど美紅に全てを伝えなきゃいけないんだ。




こうして俺はこの日から一週間毎日悩んでいた。

⏰:08/03/02 22:24 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#164 [柊]
今思えば…この時俺がすぐに美紅に電話していれば、一週間も悩んでないですぐに決断していればよかった。

この一週間がなかったら、俺と美紅はきっとこんなにすれ違うことはなかったのに…








一週間悩んだ俺は、ついに美紅に話をする決心をした。

⏰:08/03/02 22:31 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#165 [ケ]
頑張って下さいmフ

⏰:08/03/02 23:53 📱:W41T 🆔:☆☆☆


#166 [柊]
その日俺はいつものように朝学校に行った。
美紅には夜電話をしようと思っていた。

昼休み電話がなった。
篤からだった。


「もしもし篤?」

「柊?美紅に…今日言うって言ってたよな?」

「おぅ、言うつもりだけど…どした?なんだよ」



なんとなく篤の様子がおかしい気がした。


「さっき加奈から聞いたんだけど…美紅彼氏できたらしいわ…」

⏰:08/03/03 00:47 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#167 [柊]
俺は言葉を失った。



美紅に彼氏…!?



「あ…そーなんだ…わかった。教えてくれてサンキュー、篤…」

そう言って一方的に電話を切った。


電話の向こうで俺を呼ぶ篤の声が聞こえたけど、構わずに切ってしまった。





ショックだった。

⏰:08/03/03 00:52 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#168 [柊]
俺が呆然としているとまた携帯が鳴った。


届いたのは…美紅からのアド変だった。





新しい美紅のアドには…



“yuuta”の文字が


…ユウタ―…



美紅の新しい男…

⏰:08/03/03 01:06 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#169 [柊]
そのアドは、美紅に男が出来たという事実をリアルに物語っていた…





なんでだよ…?




美紅と友達に戻ろうって言ったのは確かに俺だ。



だけど…



だけど…っ

⏰:08/03/03 01:11 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#170 [柊]
一週間前はまだ俺の事を好きだと言ってくれたのに


他の奴は好きになれないって言ったのは嘘だったのかよ…





美紅を責めるのは間違ってるのはよくわかってた。だけど認めたくなかったんだ、美紅に男が出来たという事実を…

⏰:08/03/03 01:15 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#171 [柊]
放課後、また篤から電話がきた。

「もしもし柊?これから加奈と会うんだけどさ、お前も来いよ」

「悪いけど遠慮しとく、帰るわ」

今は誰にも会いたくなかった。

「いーから!とりあえず来いよ!強制だぞ!」

「…わかった」



そして俺は篤たちとの待ち合わせの公園に向かった。

⏰:08/03/03 14:01 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#172 [柊]
公園にはもう篤と加奈がいた。


「柊…あたし…柊がまだ美紅の事好きってさっき篤に聞いて……」


加奈が泣きそうな顔で言ってきた。

篤は病気の事は言ってなくても俺が美紅を好きってことを加奈には言ったらしい…


ここまできたらもう病気の事も加奈に言おうと思った。


ここには詳しく書いてこなかったけど、俺と加奈は知り合った時からお互い一番の相談相手だった。

⏰:08/03/03 14:09 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#173 [柊]
俺もこんななんでも話せる女友達は初めてだった。

お互い付き合う前は篤の相談や美紅の相談をそれぞれしあっていたし、お互い相手が出来てからも異性の一番の理解者はお互いだったと思う。


俺は加奈に病気の事を話した。


加奈はすげぇ驚いてた。


俺の話を泣きながら聞いていた。


「柊…っアンタばかじゃん…自業自得だよ…」
加奈はそう言った。

⏰:08/03/03 14:18 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#174 [ゆかり]
            今日最初から一気に読みました。

読んでて涙がでました゚。(p>∧<q)。゚゚

私も応援してます!
頑張ってください。

⏰:08/03/03 16:13 📱:N903i 🆔:☆☆☆


#175 [柊]
そして加奈は続けた。

「あたし…美紅が柊にふられたって聞いたとき、すっごいショックだった…柊の事最悪だって思った…だけど…っこんな…柊がこんなことになってるなんて…」

「加奈…」

篤がそう言って加奈の肩を抱いた。


「美紅…男出来たんだろ?」

俺は聞いた。


「同じ学校の人みたい…少し前に告られたって…」

⏰:08/03/03 21:36 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#176 [柊]
「もう俺美紅の事あきらめるわ…てか男出来たんならあきらめるしかねぇよな…」


もうなんかどーでもよかった。


篤も美紅も何も言わなかった。
何も言えなかったんだと思う。

⏰:08/03/03 22:03 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#177 [柊]
「篤も美紅も」


ではなく


「篤も加奈も」


です。

⏰:08/03/03 22:12 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#178 [愛]
あげ

⏰:08/03/05 20:31 📱:F703i 🆔:☆☆☆


#179 [我輩は匿名である]
はよかいて

⏰:08/03/09 00:18 📱:W51SA 🆔:☆☆☆


#180 [柊]
その日







俺は美紅をあきらめる決心をした。





もうあきらめざるを得なかった。




美紅は他の男を選んだ。




いつ死ぬかわからない俺が「戻ってこい」なんてもう言えなかった。

⏰:08/03/10 16:59 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#181 []
頑張ってください

⏰:08/03/10 22:01 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#182 [匿名]
書いて

⏰:08/03/10 23:42 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#183 []
主さん
応援してます
主のペースで、書いてくださいU
楽しみにしてます

⏰:08/03/13 00:58 📱:822SH 🆔:☆☆☆


#184 [ゆき]
初めから読ませて
いただきました。
涙がとまりません(*>m<*)
応援してます☆

⏰:08/03/13 02:19 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#185 [我輩は匿名である]
柊さん

がんばれ

⏰:08/03/13 15:13 📱:L704i 🆔:☆☆☆


#186 [りーちゃん]
最初から読んでます
あたしは美紅ちゃんと
似た経験して、なんだか
他人事に思えません
最後まで読むので
柊さんのペースで
頑張って下さい

⏰:08/03/14 16:04 📱:N903i 🆔:☆☆☆


#187 [えぇ(]
最初ヵラ読みましたo
応援してマス(p'v`q◆)
ガンバって下さぃ(・∀・)ゝ゛

⏰:08/03/15 13:20 📱:PC 🆔:☆☆☆


#188 [我輩は匿名である]
>>100-200

⏰:08/03/15 23:49 📱:W53CA 🆔:☆☆☆


#189 [我輩は匿名である]
>>150-200

⏰:08/03/15 23:51 📱:W53CA 🆔:☆☆☆


#190 [柊]
待たせてすみません。今日からまた書きます。みなさん待っててくださりありがとうございました。

⏰:08/03/16 22:20 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#191 [柊]
美紅と最後に会ったゴールデンウィークから半年が経った。


美紅に男が出来たとわかったあの日以来、俺は美紅への想いを封印して毎日を過ごしてきた。

篤と加奈とは付き合いは続いてるけど、美紅とはあの日以来会っていない。

加奈だけは美紅と会ったりしてるみたいだった。

でも加奈も俺に気を使ってか、美紅の事を話題に出すようなことはしない。

⏰:08/03/16 22:25 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#192 []
柊さん
さっき最初からここまで
読みました
これからつらいこと
くるしいこと
いろいろあると
おもいますが、
頑張ってください

なんか…ありきたりで
ごめんなさい

悔いのない人生を。

⏰:08/03/17 02:38 📱:SO903i 🆔:☆☆☆


#193 [柊]
美紅のアドと番号はずっと俺の携帯の中に残っていた。

この半年の間それを見るたび、美紅に連絡してみようと何度も思ったけど、結局最後の発信ボタンが押せなかった。


俺の体調は相変わらずで、病院には毎日通っていたが発症はまぬがれていた。

⏰:08/03/17 14:40 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#194 [柊]
専門学校1年の12月…

俺は授業で偶然隣の席になったのをきっかけに、同じクラスの栞(しおり)とよく話すようになった。

栞は静かで大人しい女の子らしい子で、優しく笑った笑顔がなんとなく美紅に似ていた。


栞といると俺はすげぇ穏やかな気持ちになれた。
栞が隣にいる時間が心地良くて、俺と栞はいつも一緒にいた。

⏰:08/03/17 14:55 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#195 [柊]
「柊ーっ、次移動だよぉ!和田先生の授業だよ!」

栞が俺を呼ぶ。


「和田かぁι俺アイツに目つけられてっからな〜遅刻できねぇ(笑)」

「柊は和田先生の授業寝すぎだからだよ〜。むしろ起きてたことある?」

「…ないな(笑)」


学校ではもちろん、学校の行きも帰りも栞と一緒だった。

⏰:08/03/17 23:28 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#196 [◆hB/ij5xC9Y]
>>140-300

⏰:08/03/20 15:02 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#197 [柊]
同じ学校の奴らの間では、俺と栞は付き合ってるって噂が立つくらい俺らはいつも一緒だった。


俺は少しずつ美紅の事を忘れていったんだ…

⏰:08/03/20 23:53 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#198 [柊]
12月31日、大晦日。

夜、俺は篤と地元の神社に行く約束をした。

大晦日の夜はここの神社で篤と年を越すのが、毎年の習慣になっている。
篤を迎えに行く車の中で、去年は美紅と加奈と4人で行ったなぁなんてぼんやりと考えていた。


その時携帯が鳴った。

⏰:08/03/21 00:00 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#199 [柊]
電話の相手は栞だ。

「もしもし柊?今日○○神社初詣行く?」

「行くよ」

「あたしも友達と行くの!会えるといーね♪」

「見かけたら声かけてよ。俺もかけるし。」

「はいよぉー。じゃまたあとでー」


そんな事でわざわざ電話してきたんかよ(笑)

電話を切りながら俺は一人で笑った。

⏰:08/03/21 00:05 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#200 [柊]
篤んちに着いて篤を拾って神社に向かった。

「今日加奈は?連れてくりゃよかったじゃん」

俺はふと気になって篤に聞いた。

「それがさぁ!今日昼間ケンカしたんだよ!」

「マジで(笑)」

「ぜってぇまだキレてっから今夜はとりあえずほっとく!」

篤と加奈はくだらない事でよくケンカするけど、なんだかんだで仲がいい。

⏰:08/03/21 00:10 📱:W51P 🆔:☆☆☆


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