・・・・幸せになれよ・・・・
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#50 [柊]
俺んちの帰りはいつも駅まで美紅をチャリで送った。
駅までの長い下り坂、美紅はいつも怖がって「ゆっくりこいで〜!」って言うんだ。
でも俺はわざとスピード出して美紅を怖がらせた(笑)
そうすると美紅が俺にギュッてしがみつくんだ。
美紅が電車に乗って、電車が見えなくなるまで見送った。
:08/02/16 23:35
:W43S
:☆☆☆
#51 [柊]
美紅と二人で篤の家にいた時はイチャイチャくっついてたら、篤に「帰れ〜」って追い出された(笑)
でもなんか篤の家は居心地よくて、美紅と二人でよく遊びにいったな。
なぁ美紅
俺はホントに美紅が大好きだったんだ
:08/02/17 01:51
:W43S
:☆☆☆
#52 [柊]
美紅とずっと一緒にいたかった
美紅と結婚して
美紅に似たかわいい赤ちゃんを抱きたかった。
じいちゃんばあちゃんになったら手繋いでのんびり散歩して
死ぬまで一緒にいたかった。
:08/02/17 01:55
:W43S
:☆☆☆
#53 [柊]
…
高3の2月
美紅と付き合って3ヶ月が経った。
俺はある日放課後担任からの呼び出しをくらった。
「お前何したの(笑)」
篤が面白がって近付いてきた。
:08/02/17 02:03
:W43S
:☆☆☆
#54 [柊]
「心当たりありすぎでわかんね(笑)」
「俺今日加奈んち行くから先帰るな〜」
「あいよ、加奈によろしく」
篤は俺にヒラヒラと手を振って帰っていった。
そして俺は職員室に向かった。
:08/02/17 09:08
:W43S
:☆☆☆
#55 [柊]
「早瀬〜」
職員室に行くと担任が俺を呼んだ。
担任に渡されたのは先月にやった血液検査の結果用紙だった。
俺の結果に異常があったらしく再度病院で検査してこいとの事だった。
この時俺は「めんどくせぇ」ぐらいにしか思っていなかった。
自分の身体に何が起きているのかも知らないまま…
:08/02/17 22:44
:W43S
:☆☆☆
#56 [柊]
日曜日、俺は母さんと一緒に病院に行った。
今日病院が終わったら美紅と会う。
もう2月、来週から学校もほとんど休みになる。だから美紅と一緒に自動車学校に通う事にした。今日そのための書類を車学にもらいに行く。
俺は、免許とったら美紅とどこに行こうかなんて考えながら、診察の順番を待った。
:08/02/18 00:07
:W43S
:☆☆☆
#57 [柊]
「早瀬さん、お入り下さい」
看護婦が俺の名前を呼ぶ。
俺は母さんと二人で医者の前に座った。
「…早瀬柊さんですね?落ち着いて聞いてください…」
…?
…なんだ?
:08/02/18 00:11
:W43S
:☆☆☆
#58 [
葵
]
:08/02/18 00:13
:F902iS
:☆☆☆
#59 [ノ]
頑張って★
:08/02/18 21:03
:W42K
:☆☆☆
#60 [柊]
「…柊さんはHIVに感染しています…」
…HI…V?
…エ…イズ…?
:08/02/18 22:10
:W43S
:☆☆☆
#61 [柊]
エイズ(AIDS)…HIVが血液や精液を介して感染して引き起こされる。性行為または血液製剤による感染者が多い。極めて死亡率が高く現在根本的な治療がない。
俺はエイズに感染していた…
:08/02/18 22:14
:W43S
:☆☆☆
#62 [柊]
俺はナンパでいろんな女とセックスした…
不特定多数との性行為によって、俺はいつのまにかエイズに感染していた…
「…エ…イズ…?」
俺はそれ以上頭が回らなくなりただただ呆然とした。
:08/02/18 22:18
:W43S
:☆☆☆
#63 [柊]
「しかし…柊さんはウイルスに感染してはいますが、発症はしていない状態にあります」
それから医者の長い説明が始まった。
母さんは泣いていた。
:08/02/18 22:44
:W43S
:☆☆☆
#64 [柊]
俺はもう死ぬんだ…
そう思った。
だけど…医者の説明を聞いているうちに、すこしの望みが見えてきた。
:08/02/18 22:49
:W43S
:☆☆☆
#65 [柊]
俺は確かにHIVに感染していた。
でもまだ発症はしていなかった。
いつ発症するかは分からない。
でももしかしたらこのまま死ぬまで発症しないかもしれない。
:08/02/18 22:52
:W43S
:☆☆☆
#66 [柊]
もし発症しなければ、今までと変わらない生活がこれからも続けられる…
そして医者から、これからの生活上の注意点を聞いた。
性行為は行わないこと。
自分の血の後始末の仕方。
そのほか細かい注意点をいくつも聞いた。
:08/02/18 23:00
:W43S
:☆☆☆
#67 [柊]
病院のあと家に帰った。
自分の部屋に行きベッドに倒れこんだ。
何も考えられなかった。
考えたくなかった。
:08/02/18 23:13
:W43S
:☆☆☆
#68 [柊]
〜〜♪
その時、携帯が鳴った。
携帯を見ると美紅から電話だった。
そういえば…美紅とでかける約束してたんだっけ…
俺は携帯に表示された名前をぼ―っと見つめた。
:08/02/18 23:20
:W43S
:☆☆☆
#69 [柊]
…美紅には
もう…
会えない…
俺は美紅の傍にいちゃだめなんだ…
:08/02/18 23:23
:W43S
:☆☆☆
#70 [柊]
俺は美紅を幸せにしてやれない…
これから自分の事で精一杯になる俺が、美紅を守ってやることなんてもう出来ない…
結婚をしたとしたって、子どもなんて望めない…
子どもが大好きな美紅を母親にしてやることもできない…
それに…俺はいつ死ぬかだって分からない…
俺には明日がくる保証はないんだから…
:08/02/18 23:39
:W43S
:☆☆☆
#71 [柊]
美紅の無邪気な笑顔が浮かんだ…
美紅に会いたい…
美紅とずっと一緒にいたい…
今のこの現実は今まで俺がしてきた事に対する罰なのか…
やっと人を好きになれたのに
大事にしたい女を見つけたのに…
“いつか絶対後悔するよ”
初めて美紅と会った日美紅に言われた言葉が頭をよぎった…
:08/02/19 00:07
:W43S
:☆☆☆
#72 [柊]
お前の言う通りだな…
俺馬鹿みたいだ…
携帯を開いて“美紅”の名前を表示する。
震える指で通話ボタンを押した。
「もしもし?柊?」
数回の呼び出しのあと美紅が出た。
:08/02/19 00:15
:W43S
:☆☆☆
#73 [柊]
美紅の声…
なんだかいつも以上に愛しく感じる。
「柊〜!用事終わった?あたし車学行く準備バッチリだよ♪」
「…美紅…」
「なぁに!?」
美紅を失いたくない…
美紅と離れたくない…
ホントはこんな事言いたくないんだ…
「…俺ら別れよ」
:08/02/19 19:58
:W43S
:☆☆☆
#74 [柊]
「…ぇ…」
一瞬美紅が止まったのが分かる。そしてしばらくして美紅がポツリと言った。
「…なんで…そんな事言うの…?」
美紅…きっとすげぇ辛そうな顔してる…
「…もうお前の事好きじゃないから」
俺の精一杯のウソ…
:08/02/19 20:04
:W43S
:☆☆☆
#75 [柊]
「…やだ…やだぁ…!」
声で美紅が泣いたのが分かった。
それから美紅は泣きながらずっと「別れたくない」って言い続けた。
俺は
「もう好きじゃない」
「別れたい」
「きらい」
なんて嘘の言葉を並べた。
:08/02/19 20:10
:W43S
:☆☆☆
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