ーA&R-
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#333 [なお(・∀・)]


「これ見て。」

そう言うと
店長は一枚の紙を
僕の前に差し出した。

それは
ーお客様の声ー

いわゆるアンケート。

⏰:08/10/27 20:59 📱:D705imyu 🆔:SzzbHcaA


#334 [なお(・∀・)]


そこには
決して上手いとは
言えない字で

[バイトの若い子で
化粧が濃すぎな子が
いる。不愉快。]
と書かれていた。

⏰:08/10/27 21:00 📱:D705imyu 🆔:SzzbHcaA


#335 [なお(・∀・)]


店長が言いたいことは
すぐに分かった。

「今日はいいから。」

店長はそう言ったけど

「いいです。
おとします。」

僕はそういうと
トイレに駆け込んだ。

⏰:08/10/27 21:02 📱:D705imyu 🆔:SzzbHcaA


#336 [なお(・∀・)]


水道で石鹸で
化粧を洗い流した。

石鹸が目にしみて
悔しかった。

⏰:08/10/27 21:03 📱:D705imyu 🆔:SzzbHcaA


#337 [なお(・∀・)]


でも
ーお客様の声ーは
これだけじゃ
済まなかった。

[声が小さい。]
[髪色が明るすぎる。]
[Gパンがだらしない。]

⏰:08/10/27 21:05 📱:D705imyu 🆔:SzzbHcaA


#338 [なお(・∀・)]


バイトには
僕以外にも
ギャルの先輩がいたけど
その先輩が直しても
ーお客様の声ーは
やまない。

逆に僕が直したら
先輩が直さなくても
その項目はなくなった。

⏰:08/10/27 21:07 📱:D705imyu 🆔:SzzbHcaA


#339 [なお(・∀・)]

完全に僕へのクレーム。

字が一緒で
いつも同じ人だった。

けど
氏名を書く欄はないので
男か女か
それすらも分からなかった。

⏰:08/10/27 21:08 📱:D705imyu 🆔:SzzbHcaA


#340 [なお(・∀・)]

僕がバイトに出る度に
一枚また一枚と
ーお客様の声ーは
増える。

アンケート掲示板を
見るのが恐怖だった。

⏰:08/10/27 21:09 📱:D705imyu 🆔:SzzbHcaA


#341 [なお(・∀・)]


誰か分からない。

どこかでずっと
誰かが見ている。

バイトの時
僕はいつも緊張状態だった。

⏰:08/10/27 21:11 📱:D705imyu 🆔:SzzbHcaA


#342 [なお(・∀・)]


そして僕に限界が来た。

「オエ。ゲホッゲホッ。」

バイトに行く前に
必ず吐き気が襲い
嘔吐してから
バイトに向かうように
なった。

⏰:08/10/27 21:12 📱:D705imyu 🆔:SzzbHcaA


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