ーA&R-
最新 最初 🆕
#1 [なお(・∀・)]


初めて小説書きます
(・∀・)

至らない点が
あると思いますが
よろしくお願い致します
m(_ _)m

荒らし・中傷
ご遠慮下さい。

⏰:08/10/18 15:19 📱:D705imyu 🆔:uHAdzj6I


#2 [なお(・∀・)]


※最初の注意点

主の[なお(・∀・)]と
小説の[りょう]は
同一人物です。

紛らわしいと
思いますが
気に入ってるHN
だったので
変えたくありませんでした。

ご了承下さい。

⏰:08/10/18 15:25 📱:D705imyu 🆔:uHAdzj6I


#3 [なお(・∀・)]
◆Prologue



フゥー‥…

これは
決意。

変わる。

変える。

⏰:08/10/18 15:27 📱:D705imyu 🆔:uHAdzj6I


#4 [なお(・∀・)]


「‥…………ウェ。ゲッホ。ゴッホゴホ。」


蒼い空の下。

学校の建物の上。

太陽が真ん中。

みっともない
咳をしながら
僕,りょうは決めた。

⏰:08/10/18 15:29 📱:D705imyu 🆔:uHAdzj6I


#5 [なお(・∀・)]
◆T


事の始まり。

それはつい
2日前。

「‥……………ない。」

寒空の下
派手な豹柄のマフラー。

周りには
号泣する者。
歓喜する者。

</Font>

⏰:08/10/18 15:32 📱:D705imyu 🆔:uHAdzj6I


#6 [なお(・∀・)]


>>5

ミスです;;

すいません;;

⏰:08/10/18 15:37 📱:D705imyu 🆔:uHAdzj6I


#7 [なお(・∀・)]


>>5から

そりゃもう
色んな人が
ごった返してて...
でも僕は
独りだった。

一言呟いた僕の言葉は
白い気体となり
すぐに消えた。

⏰:08/10/18 15:38 📱:D705imyu 🆔:uHAdzj6I


#8 [なお(・∀・)]


「りょう
どうだった?」

そう聞くこいつは
麻実(あさみ)
僕の一番の友達。

⏰:08/10/18 15:43 📱:D705imyu 🆔:uHAdzj6I


#9 [なお(・∀・)]


「駄目だった。」

「え?」

「ないや。
落ちたっぽい。」

「ぽいって
なんだよ。」

⏰:08/10/18 15:44 📱:D705imyu 🆔:uHAdzj6I


#10 [なお(・∀・)]


「あさはー?」

「…受かったよ...」

「おめでとう。」

僕は
心の底から
微笑んで
麻実に言ったんだ。

⏰:08/10/18 15:45 📱:D705imyu 🆔:uHAdzj6I


#11 [なお(・∀・)]


ここは
高校。

そう。

今日は合格発表の日。

同じ位の
偏差値だった
麻実と僕は
同じ高校を受けた。

⏰:08/10/18 15:46 📱:D705imyu 🆔:uHAdzj6I


#12 [なお(・∀・)]


でも...

僕は落ちて
麻実は受かった。

何度見ても
228番は
目に映らなかった。

分かってた。

予測はしてた。

⏰:08/10/18 15:48 📱:D705imyu 🆔:uHAdzj6I


#13 [なお(・∀・)]


麻実が受かって
僕が落ちる

麻実が落ちて
僕が受かる

2人とも落ちる

2人とも受かる

⏰:08/10/18 15:49 📱:D705imyu 🆔:uHAdzj6I


#14 [なお(・∀・)]


その4つしか
答えはないんだ。

その中の
1つになっただけ。

ただそれだけ。

⏰:08/10/18 15:50 📱:D705imyu 🆔:uHAdzj6I


#15 [なお(・∀・)]


麻実に
卑屈になった
訳じゃない

麻実を
嫌いになった
訳じゃない

僕はそもそも
[お受験]なんて
無関心だった。

⏰:08/10/18 15:52 📱:D705imyu 🆔:uHAdzj6I


#16 [なお(・∀・)]


麻実と僕は
よく似てる。

がさつで
さばさばしてて
所謂
[女の子っぽさ]なんて
微塵もなかった。

⏰:08/10/18 15:53 📱:D705imyu 🆔:uHAdzj6I


#17 [なお(・∀・)]


中学校の時
ずっと一緒に
居たのは
そのせいだと思う。

ずっと一緒に
居たって言っても
意味が違う。

クラスは違ったし
帰りなんかも
一緒に帰ったことない。

⏰:08/10/18 15:55 📱:D705imyu 🆔:uHAdzj6I


#18 [なお(・∀・)]


廊下で会ったら
挨拶して
適当な話をして
また互いのクラスに
戻る。

そんな関係。

⏰:08/10/18 15:56 📱:D705imyu 🆔:uHAdzj6I


#19 [なお(・∀・)]


部活も一緒で
よく2人で
サボって川に
遊びに行ったり。

家に遊びに
行って
無言の時間の方が
多かったり。

⏰:08/10/18 15:57 📱:D705imyu 🆔:uHAdzj6I


#20 [なお(・∀・)]


廊下で馬鹿騒ぎして
2人で先生に
説教喰らったり。

選択の授業が
一緒で
落書きしまくって
授業中に爆笑して
怒られたり。

⏰:08/10/18 15:59 📱:D705imyu 🆔:uHAdzj6I


#21 [なお(・∀・)]


互いに
干渉されるのが嫌いで
互いに
深い所を探らなかった。

故意にじゃなくて
自然に。

無言が息苦しくない。

だから
楽だった。

だから
居心地がよかった。

⏰:08/10/18 16:01 📱:D705imyu 🆔:uHAdzj6I


#22 [なお(・∀・)]


話を戻そうか。

で,

勝者と敗者が
並んでる訳だけど。


「‥…行くかっ。」

先に口を
開いたのは僕。

⏰:08/10/18 16:02 📱:D705imyu 🆔:uHAdzj6I


#23 [なお(・∀・)]


「え?何処に?」

驚いた
麻実は聞き返す。

「決まってんだろっ!!
飲みにだよっ!!
麻実の合格祝い
いっちょ
やっちゃいますか!!」

⏰:08/10/18 16:03 📱:D705imyu 🆔:uHAdzj6I


#24 [なお(・∀・)]


麻実は
一瞬驚いた顔したが
すぐに笑顔になり
言った。

「やっちゃいますかっ!!」

「「いぇーいっ!!」」

落ちた奴と
受かった奴が
2人でこんな
盛り上がれんの
僕らしかいねぇな。

⏰:08/10/18 16:04 📱:D705imyu 🆔:uHAdzj6I


#25 [なお(・∀・)]


「で?何処に?」

「は?だから
さっきも言ったっしょ?
のーみーにっ!!」

「だからー
どーこーにー?」

「‥………………………………………………………………………………………。」

⏰:08/10/18 16:06 📱:D705imyu 🆔:uHAdzj6I


#26 [なお(・∀・)]


「もっ
もしかして
考えてなかったとか
言うんじゃない
でしょうねぇ?」

「だってさー
麻実が受かって
嬉しくて
盛り上がっちゃったんだもんっ!!」

「はぁ?
呆れた。
そんくらい
考えときなさいよね。
この麻実様が
落ちる訳ないんだから。」

⏰:08/10/18 16:07 📱:D705imyu 🆔:uHAdzj6I


#27 [なお(・∀・)]


>>26

[続き]が出てしまい
読みにくくて
すいません;;

以後気をつけます。

⏰:08/10/18 16:09 📱:D705imyu 🆔:uHAdzj6I


#28 [なお(・∀・)]


>>26から

「うっせ。
調子乗んなっ!!
ぎりっぎりまで
B判定で
うちより焦ってたのは
誰だよっ!!」

「るっさいわねー。
わざとよ。
わざとー。」

「はいはい。」

「「ぷっ。はははは。」」

⏰:08/10/18 16:11 📱:D705imyu 🆔:uHAdzj6I


#29 [なお(・∀・)]


その後は
2人で爆笑。

落ちたのに
何でこんなに
笑えんだ自分。

⏰:08/10/18 16:12 📱:D705imyu 🆔:uHAdzj6I


#30 [なお(・∀・)]


で,結局。

「此処?」

「此処。」

「本当に?」

「本当に。」

「まじで?」

「‥まじで」

⏰:08/10/18 16:13 📱:D705imyu 🆔:uHAdzj6I


#31 [なお(・∀・)]


「がち‥「あーもうしつこいなっ!!此処だよ。悪いか。なんか文句あんのか。言ってみろや。こら。」

僕が男並みの
まくし立てをすると
麻実はスゥーと
息を吸い込むと

「寒い。屋根無い。虫いる。」

とでっかい声で
叫んだ。

⏰:08/10/18 16:14 📱:D705imyu 🆔:uHAdzj6I


#32 [なお(・∀・)]


でも
その後に

「でも此処が
一番いいかもね。
いい場所だよ。
ありがとう。
りょうにしては
やるじゃん。」

って笑顔で言った。

⏰:08/10/18 16:16 📱:D705imyu 🆔:uHAdzj6I


#33 [なお(・∀・)]


「おうっ!!
っつかお前
一言多いっつの。」

「あはは。」

そこは
2人が部活の時
サボってよく来た
河原だった。

⏰:08/10/18 16:17 📱:D705imyu 🆔:uHAdzj6I


#34 [なお(・∀・)]


―プシュ。

スーパーで買った
缶ビールと缶酎ハイを
開けて
僕が言った。

「じゃあ
あさの奇跡の
合格を祝って...」

「うるせっ。
ってか待って。
それ止めよ。
あたしが言う。」

⏰:08/10/18 16:19 📱:D705imyu 🆔:uHAdzj6I


#35 [なお(・∀・)]


「?」

麻実が微笑みながら

「あたし1人が
祝われるのって
なんかやだ。
だから...
2人の新たな
スタートを祝って...
乾杯っ!!」

⏰:08/10/18 16:20 📱:D705imyu 🆔:uHAdzj6I


#36 [なお(・∀・)]


―コツン。

僕の持ってた
缶に麻実の缶が
ぶつかる。

僕は一瞬
驚いたけど
すぐに笑顔になって

「乾杯。」

と麻実の缶に
自分の缶をぶつけた。

⏰:08/10/18 16:21 📱:D705imyu 🆔:uHAdzj6I


#37 [なお(・∀・)]


それから
飲んで
飲んで
飲んで
寒さなんか忘れて。

2人して酔っ払って。

⏰:08/10/18 16:23 📱:D705imyu 🆔:uHAdzj6I


#38 [なお(・∀・)]


「あさー。
見て見てー。
じゃーん。」

「何ー?
ってうわっ!!
やっぱお前
気ぃ利くわ。」

「だろ?」

⏰:08/10/18 16:24 📱:D705imyu 🆔:uHAdzj6I


#39 [なお(・∀・)]


僕が出したのは
花火セット。

夏の余りが
家にあったから
やろうと思って
持ってきてたんだ。

⏰:08/10/18 16:25 📱:D705imyu 🆔:uHAdzj6I


#40 [なお(・∀・)]


「やろー。やろー。」

「おぅ。」

2人はそう言って

打ち上げ花火に
火を灯した。

⏰:08/10/18 16:26 📱:D705imyu 🆔:uHAdzj6I


#41 [なお(・∀・)]


―シュッ。ブシュー。

「綺麗。
あたし冬に
花火やるの初めて。」

「うちも。
綺麗だな。」

「まぁあたしの方が
綺麗だけど?」

⏰:08/10/18 16:27 📱:D705imyu 🆔:uHAdzj6I


#42 [なお(・∀・)]


「うるせー。
調子こく奴には
こうだっ。」

僕は打ち上げ花火を
手に持って
麻実に向けた。

「あっつ。
それはヤバいって。
熱いって。」

⏰:08/10/18 16:28 📱:D705imyu 🆔:uHAdzj6I


#43 [なお(・∀・)]


2人で
追いかけっこ。

笑った。

笑った。

涙が出る程。

⏰:08/10/18 16:29 📱:D705imyu 🆔:uHAdzj6I


#44 [なお(・∀・)]


―最後の線香花火

「ねぇ
りょう?」

「んー?」

「線香花火ってさ
なんか蝶々みたくない?」

⏰:08/10/18 16:32 📱:D705imyu 🆔:uHAdzj6I


#45 [なお(・∀・)]


「えぇ?
どこが?」

「これだから
想像力がない奴は;;」

「うっせ。」

「なんかさ。
パッパッてしてる瞬間。
真ん中の火種に
集まる蝶々みたい。」

⏰:08/10/18 16:34 📱:D705imyu 🆔:uHAdzj6I


#46 [なお(・∀・)]


「んー
確かに言われて
みるとそうだな。」

「でしょ。
でも線香花火って
いつの間にか
消えちゃうじゃん?
そこも似てる...
蝶々っていつの間にか
居なくなってるから。」

「確かにな。」

「ねー。」

⏰:08/10/18 16:37 📱:D705imyu 🆔:uHAdzj6I


#47 [なお(・∀・)]


―ポトッ

「あっ。
落っこちちゃった。」

「あさは
下手くそだな。
うちを見よ。」

⏰:08/10/18 16:40 📱:D705imyu 🆔:uHAdzj6I


#48 [なお(・∀・)]


―フッ

僕の線香花火の火種は
消えないまま
静かに消えた...

「…行こっか。」

「おう。」

⏰:08/10/18 16:41 📱:D705imyu 🆔:uHAdzj6I


#49 [なお(・∀・)]


僕らは
ゴミを集め
河原を後にした。

「りょう。
今日はありがとう。」

「こちらこそ。」

そして
互いの家路に着いた。


◆T end...

⏰:08/10/18 16:44 📱:D705imyu 🆔:uHAdzj6I


#50 [なお(・∀・)]




ねぇ
あさ。

あの頃の僕等は

まだ幼すぎて...

綺麗な物しか

見て無くて...

汚い物のこと
知らなすぎたね。

⏰:08/10/18 16:46 📱:D705imyu 🆔:uHAdzj6I


#51 [なお(・∀・)]


でも
あさとなら
今が楽しければ
それでいいって

本気で想ってた。

この日
2人で見た
花火みたいに

綺麗な物だけ見て
生きていきたかったの。

⏰:08/10/18 16:47 📱:D705imyu 🆔:uHAdzj6I


#52 [なお(・∀・)]


Tは
これで終了です。

次回は
高校のことを
書いていこうと
思っています。

駄文すぎて
読みにくいでしょうが
よかったら
お付き合い下さい
m(_ _)m

⏰:08/10/18 16:49 📱:D705imyu 🆔:uHAdzj6I


#53 [なお(・∀・)]
◆U



とりあえず
麻実と別れて
その日は
疲れてたし
夜遅かったから
すぐに
ベットに倒れ込んだ。

⏰:08/10/18 19:19 📱:D705imyu 🆔:uHAdzj6I


#54 [なお(・∀・)]


朝。

親父に呼ばれて
下の居間に行く。

そこには
何故か
家族全員の姿。

⏰:08/10/18 19:20 📱:D705imyu 🆔:uHAdzj6I


#55 [なお(・∀・)]


親父・美智代(母親)

そして
親父のお父さん・お母さん

つまり
お爺ちゃん・お婆ちゃん

⏰:08/10/18 19:22 📱:D705imyu 🆔:uHAdzj6I


#56 [なお(・∀・)]


僕は
頭の中が
「?」でいっぱいに
なるのを感じた。

昨日
合格発表を見て
すぐ美智代に
[落ちました。]
とメールをうったはずだ。

⏰:08/10/18 19:23 📱:D705imyu 🆔:uHAdzj6I


#57 [なお(・∀・)]


そして
前に受かっていた
私立の学校に
行くことが
決まっていた。

何故今更?
と頭の中が
混乱している僕を見て
お爺ちゃんは
言った。

⏰:08/10/18 19:25 📱:D705imyu 🆔:uHAdzj6I


#58 [なお(・∀・)]


「りょう。
ちょっとそこに
座りなさい。」

返事もせず
座った。

僕は昔から
お爺ちゃんが
嫌いだった。

⏰:08/10/18 19:26 📱:D705imyu 🆔:uHAdzj6I


#59 [なお(・∀・)]


昔ながらの考えで
亭主関白で
自分では
何もできないのに
威張り腐ってる
お爺ちゃんが大嫌いだった。

そのお爺ちゃんが
口を開いた。

⏰:08/10/18 19:27 📱:D705imyu 🆔:uHAdzj6I


#60 [なお(・∀・)]


「お前
落ちたんだってな。」

分かってることを
今更まざまざと
言われると
こんなに腹が立つのは
何故なんだろう。

「うん。」

⏰:08/10/18 19:28 📱:D705imyu 🆔:uHAdzj6I


#61 [なお(・∀・)]


それからは
永遠と説教。

お前は
我が家の恥曝しだ。

恥ずかしいと
思わないのか。

お前が
落ちたのは
お前の実力不足だ。

などなど。

⏰:08/10/18 19:29 📱:D705imyu 🆔:uHAdzj6I


#62 [なお(・∀・)]


中でも1番
嫌だったのは
姉貴の話。

僕には
姉貴がいて
すごく優秀だった。

⏰:08/10/18 19:30 📱:D705imyu 🆔:uHAdzj6I


#63 [なお(・∀・)]


中学の部活では
いい成績を残し

高校は僕が住んでる所で
2番目にいい高校に
受かった。

因みに
僕が落ちたのは
3番目の高校。

⏰:08/10/18 19:32 📱:D705imyu 🆔:uHAdzj6I


#64 [なお(・∀・)]


当時は大学に
通っていて
実家には居なかった。

その大学っていうのも
[国立]ってやつ。

でも姉貴を
嫌いな訳じゃなかった。

⏰:08/10/18 19:33 📱:D705imyu 🆔:uHAdzj6I


#65 [なお(・∀・)]


姉貴は
話上手で
優しくて
頭がよくて
僕によく勉強を
教えてくれた。

姉貴を嫌いな人が
いるのだろうかとも
思った位だ。

⏰:08/10/18 19:34 📱:D705imyu 🆔:uHAdzj6I


#66 [なお(・∀・)]


つまり
僕とは造りが
違う訳だ。

そして
その姉貴と比べられながら
淡々と時間は過ぎる。

そして
お爺ちゃんの話が
終わり
もう終わりかと
席を外そうとした時。

⏰:08/10/18 19:35 📱:D705imyu 🆔:uHAdzj6I


#67 [なお(・∀・)]


「りょう。」

美智代に呼び止められた。

振り向いた瞬間...

―バシッ。

⏰:08/10/18 19:36 📱:D705imyu 🆔:uHAdzj6I


#68 [なお(・∀・)]


一瞬何が起きたか
分からなかった。

暫くして左頬の痛みに
気付いた。

そして思った。

あぁ殴られたんだって。

⏰:08/10/18 19:38 📱:D705imyu 🆔:uHAdzj6I


#69 [なお(・∀・)]


あの時の
美智代の目
殴られた痛み
そして言葉を

僕は一生忘れない。

⏰:08/10/18 19:39 📱:D705imyu 🆔:uHAdzj6I


#70 [なお(・∀・)]


美智代は
僕に冷たい目を
向け言った。






「あんな負け犬の
集まりみたいな所
行きやがって。」

⏰:08/10/18 19:40 📱:D705imyu 🆔:uHAdzj6I


#71 [なお(・∀・)]


その時。

僕の中で
何かが崩れていくのを
感じた。

⏰:08/10/18 19:41 📱:D705imyu 🆔:uHAdzj6I


#72 [なお(・∀・)]


そして
冒頭に戻る。

フゥー‥…

口から出る
白い煙。

⏰:08/10/18 19:48 📱:D705imyu 🆔:uHAdzj6I


#73 [なお(・∀・)]


此処は
中学の屋上。

僕の中学は
古いから
合い鍵が簡単に
作れる。

仲のいい先輩から
先輩が卒業する時に
貰ったんだ。

⏰:08/10/18 19:49 📱:D705imyu 🆔:uHAdzj6I


#74 [なお(・∀・)]


「‥…………ウェ。ゲッホ。ゴッホゴホ。」

むせた...

見事にむせた。

初めての煙草。

不味い以外の
何ものでもなかった。

⏰:08/10/18 19:51 📱:D705imyu 🆔:uHAdzj6I


#75 [なお(・∀・)]


でも本当に
自己満足だけど
この時
何かが
変わったんだ。

いや
変えたんだ。

この瞬間から...

⏰:08/10/18 19:52 📱:D705imyu 🆔:uHAdzj6I


#76 [なお(・∀・)]


4月。

別れの季節。

出逢いの季節。

―バサバサ

「いつも
ありがとねー。」

美容師さんが
前掛けを払いながら
言う。

⏰:08/10/18 19:53 📱:D705imyu 🆔:uHAdzj6I


#77 [なお(・∀・)]


「いえ。」

「どう気に入ってくれた?」

「はい。すごく。」

「それはよかった。」

僕は
行き着けの
美容室に居た。

ある決意の元。

⏰:08/10/18 19:55 📱:D705imyu 🆔:uHAdzj6I


#78 [なお(・∀・)]


「でも本当によかったの?」

「はい。
いいんです。」

「そう。
入学式頑張ってね。」

何を頑張れば
いいのか
さっぱりだったが
とりあえず
「はい。」とだけ
言っておいた。

⏰:08/10/18 19:56 📱:D705imyu 🆔:uHAdzj6I


#79 [なお(・∀・)]


そして
式当日。

僕は麻実と
別々の入学式場に居た。
僕は私立の。

麻実は県立の。

⏰:08/10/18 19:57 📱:D705imyu 🆔:uHAdzj6I


#80 [なお(・∀・)]


制服がパリパリして
なんだか
こそばゆい。

入学式は
中学の友達と
行った。

僕と同じ県立を
受けて落ちた
由希(ゆき)

⏰:08/10/18 19:58 📱:D705imyu 🆔:uHAdzj6I


#81 [なお(・∀・)]


待ち合わせ場所に
急ぐ。

寝坊。

お決まり。

自分のことながら
なんて緊張感のない奴。

⏰:08/10/18 20:00 📱:D705imyu 🆔:uHAdzj6I


#82 [なお(・∀・)]


待ち合わせ場所に
着くと
由希はもういた。

「りょうー。
遅いよー。
始まっちゃうよ?
ってどうしたのっ!!」

「ごめんごめん。
どうしたのって
これ?」

⏰:08/10/18 20:01 📱:D705imyu 🆔:uHAdzj6I


#83 [なお(・∀・)]


頭を指すと

由希は大げさすぎる位
首を縦に振った。

「気合い入れ?
なんか
新しくしてみようと思ってさ。」

⏰:08/10/18 20:03 📱:D705imyu 🆔:uHAdzj6I


#84 [なお(・∀・)]


由希が
驚いたのも
無理はない。

僕はそれまでの
黒いロングヘアーを
ばっさり...
激しいウルフに
していた。

⏰:08/10/18 22:01 📱:D705imyu 🆔:uHAdzj6I


#85 [なお(・∀・)]


「ふーん。
なんかかっこいいね。」

由希は
笑いながら
言ってくれた。

「ありがとう。
っつか遅れっから
行こうよ。」

「!!
急ごっ!!」

⏰:08/10/18 22:02 📱:D705imyu 🆔:uHAdzj6I


#86 [なお(・∀・)]


入学式には
なんとか間に合った。

クラス別に分かれる所で
由希とは
別のクラスに
なったことが
分かった。

まぁ
全部で8クラスだったから
8分の1なんて
結構な確率だもんな。

⏰:08/10/18 22:03 📱:D705imyu 🆔:uHAdzj6I


#87 [なお(・∀・)]


そこで
担任の先生に
初めて会った。

背が小さくて
なんだか
苦手な雰囲気の
先生だった。

⏰:08/10/18 22:05 📱:D705imyu 🆔:uHAdzj6I


#88 [なお(・∀・)]


入学式が始まると
とりあえず...

眠い。

校長とか
教頭とか

話長い。

僕は
いつの間にか
寝てた。

⏰:08/10/18 22:06 📱:D705imyu 🆔:uHAdzj6I


#89 [なお(・∀・)]


入学式が
終わって

今日はこれで
下校。

携帯を見ると
麻実から
メールがきてた。

⏰:08/10/18 22:07 📱:D705imyu 🆔:uHAdzj6I


#90 [なお(・∀・)]


内容は
入学式で
友達が1人も
できなくて
焦ってる
みたいな感じ。

僕は
自分もだ
という事を
送り返した。

それから
毎日麻実から
メールがきた。

⏰:08/10/18 22:08 📱:D705imyu 🆔:uHAdzj6I


#91 [なお(・∀・)]


今日も友達できなかった

どうしよう

焦る

僕は
麻実のメールを
毎日送り返した。

それから
一週間。

いきなり
麻実からの
メールが途絶えた。

⏰:08/10/18 22:09 📱:D705imyu 🆔:uHAdzj6I


#92 [なお(・∀・)]


僕は
寂しかったけど
嬉しかった。

麻実に
友達が出来たのだと
本当に安心していた。

僕の方も
ちらほらと
友達が出来始めていた。

⏰:08/10/18 22:10 📱:D705imyu 🆔:uHAdzj6I


#93 [なお(・∀・)]


でも...

こんな見た目だから
寄ってくる人達は
柄が悪い人ばっかりだった。

悪いことは
みんなその人達に
教えてもらった。

化粧
ピアス
煙草
お酒
パチンコ

でもただ1つ
薬だけは
やらなかった。

僕には
目標があったから。

⏰:08/10/18 22:11 📱:D705imyu 🆔:uHAdzj6I


#94 [なお(・∀・)]


>93
また続き出ちゃいましたね;;

本当にすいません;;

⏰:08/10/18 22:12 📱:D705imyu 🆔:uHAdzj6I


#95 [なお(・∀・)]


>>93から

そんな頃
三者面談が
あった。

美智代が来た。

僕は学校では
真面目にしてたから
指導されることは
ないと思ってた。

⏰:08/10/18 22:14 📱:D705imyu 🆔:uHAdzj6I


#96 [なお(・∀・)]


でも
担任の口から
出てきたのは
驚くべきものだった。

「その髪型がですね。
その〜。
派手というか
目立つというか
ですから
少し親御さんの方で
ご指導頂けると
有り難いのですが。」

⏰:08/10/18 22:15 📱:D705imyu 🆔:uHAdzj6I


#97 [なお(・∀・)]


美智代は
隣で頭を下げる
ばかりだった。

僕は
最後まで
頭を下げる気は
なかった。

⏰:08/10/18 22:16 📱:D705imyu 🆔:uHAdzj6I


#98 [なお(・∀・)]


月に一度
行われる頭髪検査で
僕はいつも
合格してたからだ。

つまりは
担任が言ってることは
自分自身の独断と偏見で
僕が気に入らないという理由だけで
わざわざ親が来た時に
初めて言ったんだ。

⏰:08/10/18 22:17 📱:D705imyu 🆔:uHAdzj6I


#99 [なお(・∀・)]


僕は
帰りに美智代に
散々怒られた。

もうお前なんか
知らない。

お前の三者面談なんか
二度と行きたくない。

⏰:08/10/18 22:18 📱:D705imyu 🆔:uHAdzj6I


#100 [なお(・∀・)]


本当に
それからの
三者面談は
親父しかこなかった。

僕はその日
鋏を持ち
襟足を自分で
切り落とした。

汚い大人に
吐き気がした。

⏰:08/10/18 22:19 📱:D705imyu 🆔:uHAdzj6I


#101 [なお(・∀・)]


僕はそれから
バイトをし始めた。

スーパーでのバイト。

時給は
決して高くは
なかったけど
バイト代は
コツコツ貯めた。

⏰:08/10/18 22:19 📱:D705imyu 🆔:uHAdzj6I


#102 [なお(・∀・)]


ちょうど同じ時期。

僕は
沙千(さち)という子と
仲良くなった。


⏰:08/10/18 22:20 📱:D705imyu 🆔:uHAdzj6I


#103 [なお(・∀・)]

本日の更新は
この辺にしておきます。

読んでくれている方
いらっしゃるのでしょうか。

よかったら
ご感想やご意見
お待ちしております
m(_ _)m

明日はお昼頃
更新したいと
考えています。

⏰:08/10/18 22:23 📱:D705imyu 🆔:uHAdzj6I


#104 [我輩は匿名である]
主さんは…女ですよね?
僕って言ってるのは後から何かあるんでしょうか

⏰:08/10/19 03:32 📱:SH903i 🆔:YVQwm12g


#105 [渚]

>>104さん

冒頭に書いてありますよ。

なおさん
とても読みやすくて
大好きです!
無理なさらずに
頑張ってくださいね´・ω・`

無駄なスペース
すみませんでした。

⏰:08/10/19 05:50 📱:D903i 🆔:xI9S1Rxg


#106 [なお(・∀・)]


>>104
匿名さん

コメントありがとうございます
m(_ _)m

主は女です。

口で言う時の一人称は
[うち]
書き込む時の一人称は
[僕]
となっております。

分かりにくくて
すいません。

後の繋がりは
ないので
安心して下さい。

⏰:08/10/19 10:35 📱:D705imyu 🆔:/cVLZ61o


#107 [なお(・∀・)]

>>105 渚さん

大好きだなんて
ありがとうございます
m(_ _)m

これからも
頑張りますので
お暇があれば
ご覧になって下されば
幸いです。

⏰:08/10/19 10:37 📱:D705imyu 🆔:/cVLZ61o


#108 [なお(・∀・)]


時間ができたので
今から更新します。

⏰:08/10/19 10:38 📱:D705imyu 🆔:/cVLZ61o


#109 [なお(・∀・)]

>>102から

沙千は
僕とは正反対の子だった。
[女の子]って感じで
ふわふわしたイメージ。

⏰:08/10/19 10:40 📱:D705imyu 🆔:/cVLZ61o


#110 [なお(・∀・)]


家庭環境が
あまりよくなくて
高校も通っていたけど
たまにしか
通ってなくて
自分と妹のバイト代で
妹と2人暮らしをしていた。

⏰:08/10/19 10:41 📱:D705imyu 🆔:/cVLZ61o


#111 [なお(・∀・)]


沙千とは
中学が一緒だったけど
あまり喋らなかった。

多分見た目が
全然違ったから。

⏰:08/10/19 10:42 📱:D705imyu 🆔:/cVLZ61o


#112 [なお(・∀・)]


沙千は
清楚系。

僕は...
まぁいいよ。

沙千のバイト先に
僕がたまたま
行ったことが
不思議な関係の始まり。

⏰:08/10/19 10:43 📱:D705imyu 🆔:/cVLZ61o


#113 [なお(・∀・)]


僕は週1位で
沙千の家に
行くようになった。

目的は
[食事]...

⏰:08/10/19 10:44 📱:D705imyu 🆔:/cVLZ61o


#114 [なお(・∀・)]


沙千は
家賃だけでバイト代が
ほとんど無くなっていたから
1日1食の生活なんて
当たり前にあった。

だから
僕は自分のバイト代で
週に一度
沙千の家に
食べ物を買っていった。

⏰:08/10/19 10:45 📱:D705imyu 🆔:/cVLZ61o


#115 [なお(・∀・)]


勿論
沙千の妹の分も。

沙千はいつも
申し訳ないって
顔してたけど
僕には全然
苦じゃなかった。

⏰:08/10/19 10:46 📱:D705imyu 🆔:/cVLZ61o


#116 [なお(・∀・)]


でも...
沙千は僕が
通い始めてから
何かと問題を
起こすようになった。

最初は
バイト先の売り上げ金を
盗んだ。

⏰:08/10/19 10:47 📱:D705imyu 🆔:/cVLZ61o


#117 [なお(・∀・)]


たかが
一万円...

両親は勿論
来てくれず
家庭環境を話したら
店長さんが
警察には言わず
首で許してくれたそうだ...

⏰:08/10/19 10:48 📱:D705imyu 🆔:/cVLZ61o


#118 [なお(・∀・)]


−バンッ

僕は沙千の家の
テーブルを叩きつけた。

「欲しかったんだろ?
やるよ。」

⏰:08/10/19 10:49 📱:D705imyu 🆔:/cVLZ61o


#119 [なお(・∀・)]


そう言って
一万を差し出した。

沙千は
泣きながら
俯き,首を振った。

⏰:08/10/19 10:50 📱:D705imyu 🆔:/cVLZ61o


#120 [なお(・∀・)]


「なんだよ。
やるっつってんだよ。
盗みやる程
欲しかったんだもんな。」

「‥…要らない。」

「じゃあなんで
盗んでんだよ。」

⏰:08/10/19 10:51 📱:D705imyu 🆔:/cVLZ61o


#121 [なお(・∀・)]


「‥…覚えてない。」

「は?」

「本当に覚えてないの。」

「何言ってんだ?」

「ごめんなさい。」

⏰:08/10/19 10:53 📱:D705imyu 🆔:/cVLZ61o


#122 [なお(・∀・)]


そう言って
泣きじゃくる沙千を
これ以上怒鳴る気にも
なれず...

煙草を吸いながら
沙千が泣き止むのを
待った。

⏰:08/10/19 10:54 📱:D705imyu 🆔:/cVLZ61o


#123 [なお(・∀・)]


「お前さ。
本当に感謝しろよ。」

沙千が
落ち着いたのを
確認して
僕は一言ぽつりと
呟いた。

⏰:08/10/19 10:55 📱:D705imyu 🆔:/cVLZ61o


#124 [なお(・∀・)]


「店長さんに。
盗みなんかで
警察に呼ばれたら
罰金とか払ったかも
しんねぇんだからよ。」

「うん。」

⏰:08/10/19 10:57 📱:D705imyu 🆔:/cVLZ61o


#125 [なお(・∀・)]


「それと,
人の物は盗むな。
これは友達の間でもそうだ。
友達だから...って
考えじゃ駄目だかんな。
あと,楽して金稼ごう
なんて甘ったれた
考えすんな。
お前もバイトやってんだから
わかんだろ?」

⏰:08/10/19 10:58 📱:D705imyu 🆔:/cVLZ61o


#126 [なお(・∀・)]


「うん。うん。」

そう言って
涙目になる
沙千はまるで
目が朱い兎の様だった。

⏰:08/10/19 10:59 📱:D705imyu 🆔:/cVLZ61o


#127 [なお(・∀・)]


「まぁうるさい説教は
この辺にして
ご飯食べるか。」

「‥…うんっ!」

「うんって言うな。
本当にうちの説教が
うるさかったみてぇ
じゃん。」

「「あははは。」」

⏰:08/10/19 11:01 📱:D705imyu 🆔:/cVLZ61o


#128 [なお(・∀・)]


けど
沙千が起こす問題は
こんなもんじゃ
済まなかった。

次は
定期の期限切れを
使って捕まった。

⏰:08/10/19 11:02 📱:D705imyu 🆔:/cVLZ61o


#129 [なお(・∀・)]


今回も警察は
呼ばれなかったが
切れた日から
今までの
往復の料金を
払うことになり
その額は
結構なものだった。

⏰:08/10/19 11:03 📱:D705imyu 🆔:/cVLZ61o


#130 [なお(・∀・)]


一括払いが
条件だったが
到底払える訳もなく
頼みに頼みこんで
分割にしてもらったそうだ。

「‥…どうしよう。」

⏰:08/10/19 11:04 📱:D705imyu 🆔:/cVLZ61o


#131 [なお(・∀・)]


「お前どうしよう
って言うならさ
こんなことやんなよ。」

「‥…仕方なかった。」

「は?」

⏰:08/10/19 11:06 📱:D705imyu 🆔:/cVLZ61o


#132 [なお(・∀・)]


「今までの定期代は
お母さんに払って
もらってたの。
でも今回は
払ってくれなくて
でもお金がないから
仕方なく。
捕まったのだって
あたしが
ドジ踏んだからだって。
そんなのってひどい。」

⏰:08/10/19 11:07 📱:D705imyu 🆔:/cVLZ61o


#133 [なお(・∀・)]


‥…正直呆れた。

それが親のすることかって。

人の親だけど
ぶん殴りそうになった。

大人ってやっぱり汚い。

⏰:08/10/19 11:08 📱:D705imyu 🆔:/cVLZ61o


#134 [なお(・∀・)]


そして次。

沙千が事故った。

病院に駆けつけたら
包帯が何重にも
巻かれた沙千が
ベッドに横たわってた。

⏰:08/10/19 11:09 📱:D705imyu 🆔:/cVLZ61o


#135 [なお(・∀・)]


「!!
やっちゃった〜。」

こっちの思いは
つゆ知らずか
沙千は笑顔で
そう言った。

⏰:08/10/19 11:10 📱:D705imyu 🆔:/cVLZ61o


#136 [なお(・∀・)]


「やっちゃった
じゃねぇよ。
何があった?」

沙千が口を開く。

⏰:08/10/19 11:11 📱:D705imyu 🆔:/cVLZ61o


#137 [なお(・∀・)]


自分は無免で
原付を運転してたこと。
信号無視の
ダンプカーに衝突されたこと。
警察を呼ばれて
無免がバレたこと。
治療費は
あっちが出してくれること。

⏰:08/10/19 11:12 📱:D705imyu 🆔:/cVLZ61o


#138 [なお(・∀・)]


一通り話を聞いて
僕が言った。

「お前も無免なんだから
タダじゃ済まされねぇだろ。」

「‥…うん。
これから裁判だって。
ただ未成年だから
そんな罪には
ならないってさ。」

⏰:08/10/19 11:14 📱:D705imyu 🆔:/cVLZ61o


#139 [なお(・∀・)]


「だよな。」

かける言葉が
見つからなくて
ただそれだけ言った。

⏰:08/10/19 11:15 📱:D705imyu 🆔:/cVLZ61o


#140 [なお(・∀・)]


「‥…フルフェイスのね
ヘルメットが飛んだの。
ぶつかった瞬間
スローモーションみたいだった。
あぁ死ぬんだって
漠然と思った。
あたしね
警察の人に奇跡だ
って言われた。
死んでてもおかしくない
事故だったって。」

「‥…………。」

⏰:08/10/19 11:16 📱:D705imyu 🆔:/cVLZ61o


#141 [なお(・∀・)]


「死ねばよかった〜。
もう生きてんの辛いよ。
りょう。」

泣きながら
そう言う沙千に
かける言葉も
見つからなかった。

⏰:08/10/19 11:17 📱:D705imyu 🆔:/cVLZ61o


#142 [なお(・∀・)]


それから
しばらく病院に
通って見舞いに行くと
沙千は元気に
なっていった。

退院の日。

沙千は初めて僕に言った。

⏰:08/10/19 11:18 📱:D705imyu 🆔:/cVLZ61o


#143 [なお(・∀・)]


「あたしね
彼氏ができたの。」

「ふ〜ん。」

「そんな関心ない
なんてひどい。
住んでる場所は遠いけど
頑張るね。」

「おぅ。
っつかなんで
今まで隠してたんだよ。」

⏰:08/10/19 11:20 📱:D705imyu 🆔:/cVLZ61o


#144 [なお(・∀・)]


「だって
あたしばっか幸せになって
悪いかなって。
りょういつまで経っても
可愛い彼女できないんだもん。」

「なんで彼女なんだよ。」

⏰:08/10/19 11:23 📱:D705imyu 🆔:/cVLZ61o


#145 [なお(・∀・)]


「あはは。
りょうは彼氏より
彼女って感じ。
かっこいいのにね〜。」

「うっせ。」

⏰:08/10/19 11:24 📱:D705imyu 🆔:/cVLZ61o


#146 [なお(・∀・)]


僕はその頃
付き合った人は
何人かいたけど
自分から
連絡を取らないせいか
1・2ヶ月で終わる
という付き合いを
繰り返していた。

「「あはは。」」

⏰:08/10/19 11:25 📱:D705imyu 🆔:/cVLZ61o


#147 [なお(・∀・)]


それから
無事退院して
裁判所に行くことになった。
沙千に下された処分は
一定期間
免許を取得できない
というものだった。

⏰:08/10/19 11:26 📱:D705imyu 🆔:/cVLZ61o


#148 [なお(・∀・)]


「まぁしょうがないよね。」

「そうだな。」

「裁判所でね
ビデオ見せられた。
無免許の人が
起こした事故。
怖かった。
血とかすごい
飛び散ってて。」

⏰:08/10/19 11:27 📱:D705imyu 🆔:/cVLZ61o


#149 [なお(・∀・)]


「‥…うん。
でもなお前は
ラッキーだったってだけで
そうなる確率は
充分にあったんだかんな。」

「分かってる。
もう二度としない。」

⏰:08/10/19 11:28 📱:D705imyu 🆔:/cVLZ61o


#150 [なお(・∀・)]


「よし。」

そう誓った日。

もう息も白くなってて
高校に行って
初めての冬が来ていた。

◆U end...

⏰:08/10/19 11:29 📱:D705imyu 🆔:/cVLZ61o


#151 [なお(・∀・)]



ねぇ
あさ。

高校に入って
連絡を取り合う
ってことが
苦手な僕等は
ぱったり連絡を
取らなくなったけど

⏰:08/10/19 11:30 📱:D705imyu 🆔:/cVLZ61o


#152 [なお(・∀・)]

あさを忘れた日なんて
一度もなかった。

でも
いつの間にか
兎みたいにか弱い少女を
ほっておけなくて
あさより
存在が大きくなってたの。

⏰:08/10/19 11:32 📱:D705imyu 🆔:/cVLZ61o


#153 [なお(・∀・)]

こんな僕を
しょうがないな
って
笑って許してくれた?

⏰:08/10/19 11:33 📱:D705imyu 🆔:/cVLZ61o


#154 [なお(・∀・)]


Uは以上で終わりです。

読んで下さる方
ありがとうございます
m(_ _)m

次は今夜にでも
更新したいと
思います。

⏰:08/10/19 11:35 📱:D705imyu 🆔:/cVLZ61o


#155 [なお(・∀・)]
◆V

「ねぇ
これかっこいいね。
あたしも空けようかな?」

僕の耳を見ながら
沙千は言った。

「やめとけ。
彼氏にフラれんぞ。」

⏰:08/10/19 22:18 📱:D705imyu 🆔:/cVLZ61o


#156 [なお(・∀・)]


「えー。」

僕の耳は
いつの間にか
ピアスが
7つも空いていた。

「それにお前
痛いの嫌いじゃん。」

⏰:08/10/19 22:19 📱:D705imyu 🆔:/cVLZ61o


#157 [なお(・∀・)]


「りょうは
痛くないって
言ってたじゃん。」

「うそうそ。
いってぇぞ〜。
涙が出るくらい。」

「え〜。」

⏰:08/10/19 22:20 📱:D705imyu 🆔:/cVLZ61o


#158 [なお(・∀・)]


なんて
いつもみたいに
馬鹿みたいな話を
してた冬のある日。

「やっべ。
もうこんな時間か。
じゃあ帰るね。」

煙草を灰皿に
押し付けて
豹柄のマフラーを
巻きながら言った。

⏰:08/10/19 22:22 📱:D705imyu 🆔:/cVLZ61o


#159 [なお(・∀・)]


「うん。
気をつけてね。
いつもありがと。」

「おぅ。じゃな。」

「ばいばい。」

⏰:08/10/19 22:24 📱:D705imyu 🆔:/cVLZ61o


#160 [なお(・∀・)]


外はすっかり
日が暮れて
星が綺麗に
瞬いてた。

「さっみ〜。」

沙千の家を出て
すぐに体温が
下がった。

⏰:08/10/19 22:25 📱:D705imyu 🆔:/cVLZ61o


#161 [なお(・∀・)]


自転車にまたがり
急いで家路に着く。

「ただいま〜。」

なんて言っても
おかえりと
返してくれる人は
いない。

⏰:08/10/19 22:26 📱:D705imyu 🆔:/cVLZ61o


#162 [なお(・∀・)]


僕が
高校に落ちてから
家族の仲は
冷えきっていた。

冷蔵庫の中から
適当な食材を取り
料理をし始めた。

⏰:08/10/19 22:27 📱:D705imyu 🆔:/cVLZ61o


#163 [なお(・∀・)]


簡単な料理。

すぐにできる。

それを食べ

部屋で一服。

お風呂に入って

寝る。

⏰:08/10/19 22:29 📱:D705imyu 🆔:/cVLZ61o


#164 [なお(・∀・)]


それが僕の
普段の生活リズム。

テレビなんて
あんまり見ないから
最近の曲やニュースには
疎かった。

⏰:08/10/19 22:30 📱:D705imyu 🆔:/cVLZ61o


#165 [なお(・∀・)]


いつも通り
ベッドに横になり
うとうとと
眠りにつき始めた頃。


〜♪


携帯が鳴った。

しかも電話。

⏰:08/10/19 22:33 📱:D705imyu 🆔:/cVLZ61o


#166 [なお(・∀・)]


誰だよ
こんな時間に。
なんて思いながら
寝ぼけ眼で
電話に出る。

「もしもし〜?」

「‥……………。」

イタ電か?

⏰:08/10/19 22:34 📱:D705imyu 🆔:/cVLZ61o


#167 [なお(・∀・)]


受話器を耳から外し
画面表示を見てみると


[沙千]


「!!」

僕はびっくりして
一気に目が覚めた。

⏰:08/10/19 22:36 📱:D705imyu 🆔:/cVLZ61o


#168 [なお(・∀・)]


「もしもし?
沙千か。
どうした?」

「‥……ウッ。ヒック。」

「おい。
泣いてんのか?
どーした?
何があった?」

⏰:08/10/19 22:39 📱:D705imyu 🆔:/cVLZ61o


#169 [なお(・∀・)]


「りょ...お。
たすけて...」

「待ってろ。
今行くから。」

僕は寒い中
自転車をとばして
沙千の家に向かった。

⏰:08/10/19 22:41 📱:D705imyu 🆔:/cVLZ61o


#170 [なお(・∀・)]


沙千の家に着き
ドアの前まで
走ると

―ガチャ

という音がした。

鍵が開いた。


⏰:08/10/19 22:43 📱:D705imyu 🆔:/cVLZ61o


#171 [なお(・∀・)]


僕は急いで
ドアを開けると
沙千が袖を顔にあて
下を向いていた。

「大丈夫か?
なんかあったんか?」

「りょう〜。
もうやだ。」

⏰:08/10/19 22:45 📱:D705imyu 🆔:/cVLZ61o


#172 [なお(・∀・)]


そう言って
また泣きじゃくる沙千。

らちがあかないので
沙千が泣きやむのを
待つ。

「んで?
どうした?」

⏰:08/10/19 23:15 📱:D705imyu 🆔:/cVLZ61o


#173 [なお(・∀・)]


「彼氏にね...
浮気されたの。」

そう言うと
また
思い出したのか
目が潤む。

「なんで
浮気してるって
分かったの?」

⏰:08/10/19 23:16 📱:D705imyu 🆔:/cVLZ61o


#174 [なお(・∀・)]


「ん...
彼氏がね
電話に出ないの。」

「‥…………………は?
寝てんのかも
しんねぇじゃん。」

「違うの!!
あたしのじゃないよ。
あたしと会ってる時。」

⏰:08/10/19 23:17 📱:D705imyu 🆔:/cVLZ61o


#175 [なお(・∀・)]


「ん〜
お前との時間を
大切にしたいんじゃね?」

「だって
友達のは普通に
出るよ?」

「ん"〜。
着信音違うの?」

⏰:08/10/19 23:19 📱:D705imyu 🆔:/cVLZ61o


#176 [なお(・∀・)]


「同じ。
でもランプの色が違う。
いつも出ないのは
ピンクのランプ。」

「うわっ
ピンクとかあからさま〜。」

「ねぇ〜。
そういうこと言う?」

⏰:08/10/19 23:20 📱:D705imyu 🆔:/cVLZ61o


#177 [なお(・∀・)]


「だってピンクて。
明らか女じゃん。
で?
彼氏には言ったの?」

「言ってない。
ってか言えないよ。」

「は〜?
じゃあこのままの状況しかないんじゃない?」

⏰:08/10/19 23:21 📱:D705imyu 🆔:/cVLZ61o


#178 [なお(・∀・)]


「やだっ
それは嫌っ!!」

「んなこと言ったって
お前がなんか
先手打たなけりゃ
なんも状況は
変わんないじゃん。
彼氏は気づいてないと

思ってんだからさ。」

⏰:08/10/19 23:22 📱:D705imyu 🆔:/cVLZ61o


#179 [なお(・∀・)]


「‥……確かに。」

「だろ?
メールでも
なんでもいいから
お前の気持ち
ちゃんと伝えてみな?」

「分かった。」

⏰:08/10/19 23:23 📱:D705imyu 🆔:/cVLZ61o


#180 [なお(・∀・)]


ひとまず
解決した所で
一服...

「やべっ。」

「どしたの?」

「焦ってきたから
煙草忘れちった。」

⏰:08/10/19 23:24 📱:D705imyu 🆔:/cVLZ61o


#181 [なお(・∀・)]


「ちょっと
待ってて!!」

「ん。」

何やら
クローゼットを弄る沙千。

「これどーぞっ!!」

⏰:08/10/19 23:25 📱:D705imyu 🆔:/cVLZ61o


#182 [なお(・∀・)]


沙千が
差し出してきたのは
煙草。

「お前吸うの?」

「たま〜にね。
でもお金がないから
吸わない。」

⏰:08/10/19 23:26 📱:D705imyu 🆔:/cVLZ61o


#183 [なお(・∀・)]


「ん〜。」

「それねっ
メンソールが好きなりょうに
ぴったりかなって思って
買ったんだよ?
バイトの先輩も
それが一番
メンソールが強いって
言ってたの!!」

⏰:08/10/19 23:27 📱:D705imyu 🆔:/cVLZ61o


#184 [なお(・∀・)]


「お前はうちの彼女か。」

笑いながら
煙草に火を付ける。

息を吸って
肺に入れる。

煙を出す。

「どう?どう?」

⏰:08/10/19 23:28 📱:D705imyu 🆔:/cVLZ61o


#185 [なお(・∀・)]


目を輝かせながら
僕を見る沙千。

「軽いわ。
吸ってる気しない。」

「え〜。
確かにタール
低いけどさ。」

⏰:08/10/19 23:29 📱:D705imyu 🆔:/cVLZ61o


#186 [なお(・∀・)]


なんて言いながら
"あの事"があるまで
僕はずっと
その銘柄だったよ。

お前が
僕の為に選んでくれたから...

もう一生吸わない...

⏰:08/10/19 23:30 📱:D705imyu 🆔:/cVLZ61o


#187 [なお(・∀・)]



―icene―


⏰:08/10/19 23:31 📱:D705imyu 🆔:/cVLZ61o


#188 [なお(・∀・)]

今日の更新は
ここまでです。

読んで下さった方
ありがとうございます
m(_ _)m

明日は用事があるため
更新できないので
ご了承下さい。

宜しければ
感想・ご意見
お待ちしております
m(_ _)m

⏰:08/10/19 23:33 📱:D705imyu 🆔:/cVLZ61o


#189 [咲]


読んでます!★
頑張って下さい\(^O^)/

⏰:08/10/19 23:35 📱:N702iD 🆔:VOz8fJt2


#190 [なお(・∀・)]


更新しなくて
すいませんm(_ _)m

>>189 咲さま
ありがとうございます
(^ω^)

必ず
完結させますので
お暇があれば読んで下さい
(´∀∩)

今から更新します!!

⏰:08/10/21 20:59 📱:D705imyu 🆔:UWVgo4yk


#191 [なお(・∀・)]


その出来事があって
一週間後。

僕はまた沙千の家にいた。

「んで?
どうなった?」

⏰:08/10/21 21:00 📱:D705imyu 🆔:UWVgo4yk


#192 [なお(・∀・)]


「やっぱりって所かな?
予感的中。」

「そっか。」

「うん。」

「別れんの?」

⏰:08/10/21 21:01 📱:D705imyu 🆔:UWVgo4yk


#193 [なお(・∀・)]


「まだ考え中。
もうしないなんて
信用できないけど
信じてみたいって
思ってる自分も
いるの。」

「へ〜。」

沙千はなんだか
いつもの様子と違ってた。

⏰:08/10/21 21:02 📱:D705imyu 🆔:UWVgo4yk


#194 [なお(・∀・)]


携帯をこまめに見たり
僕に今日は何時に
帰るの?
と聞いたり,
遠回しに
僕に帰ってほしい
感じだった。

「この後なんか
予定でも入ってた?」

⏰:08/10/21 21:03 📱:D705imyu 🆔:UWVgo4yk


#195 [なお(・∀・)]


僕がそう聞くと
沙千は言いにくそうに

「う〜ん。
まぁね。」

なんて言った。

「彼氏?
だとしたらごめん。」

⏰:08/10/21 21:05 📱:D705imyu 🆔:UWVgo4yk


#196 [なお(・∀・)]


「だとしたら
どんなにいいか。」

沙千は
乾いたような
ははっと笑いを吐いた。

「どういう意味?」

「‥…………。」

⏰:08/10/21 21:06 📱:D705imyu 🆔:UWVgo4yk


#197 [なお(・∀・)]


「言えよ。」

「‥………あたし
今から浮気する。」

沙千は
決心をしたかのように
言った。

「本気で言ってんの?」

⏰:08/10/21 21:07 📱:D705imyu 🆔:UWVgo4yk


#198 [なお(・∀・)]


「浮気するっていうのに
本気っておかしいけど...
‥…ずっと
連絡を取ってた
男の人がいるの。
彼氏の相談とかも
のってくれてね,
あたしのことね
親身になって
考えてくれるの。」

「‥……沙千はさ
それを下心とは
考えないの?」

⏰:08/10/21 21:09 📱:D705imyu 🆔:UWVgo4yk


#199 [なお(・∀・)]


「分かってるよ。
今日だって
何もなしで
じゃあバイバイってなる
って思う程
子供じゃない。」

「じゃあなんで「あっちが悪いんだよ。」

「‥……。」

⏰:08/10/21 21:10 📱:D705imyu 🆔:UWVgo4yk


#200 [なお(・∀・)]


「あっちが先に
浮気したんだから
あたしが浮気しても
あっちは何も
言えないじゃない。
浮気された時の気持ちを
あの人に味あわせて
やりたいの。」

「‥………はは。」

⏰:08/10/21 21:11 📱:D705imyu 🆔:UWVgo4yk


#201 [なお(・∀・)]


「何がおかしいの?」

「いや〜。
うちさ,お前
普段は子供みたいだけど
恋愛になると
結構一途でしっかり
してんじゃんって
思ってたんだけどさ
いや〜勘違いだったわ。
見損なったわ。
最低だなお前。」

⏰:08/10/21 21:13 📱:D705imyu 🆔:UWVgo4yk


#202 [なお(・∀・)]


僕が呆れた感じで
そう言うと
沙千は
悲しそうな顔して言った。

「複雑な乙女ゴコロ?
吐き気がするね。」

「りょうには
分かんないよ。」

⏰:08/10/21 21:15 📱:D705imyu 🆔:UWVgo4yk


#203 [なお(・∀・)]


「分かりたくもないよ。
お前彼氏が浮気した時
どう思った?」

「悲しかった。」

「そんな綺麗なもんじゃねぇだろ。」

「ムカついた。
最低野郎って思った。」

⏰:08/10/21 21:18 📱:D705imyu 🆔:UWVgo4yk


#204 [なお(・∀・)]


「ふ〜ん。
じゃあお前も
その[最低野郎]とやらに
成り下がるんだな。」

「‥………。」

「意味ねぇよ。
浮気し返すとか。
お前には残酷に
聞こえるかもしんねぇけど。
別れた方が
いいと思うよ。」

⏰:08/10/21 21:19 📱:D705imyu 🆔:UWVgo4yk


#205 [なお(・∀・)]


「‥……。
本当はね
分かってた。
もう彼の気持ちが
あたしにはないこと。
でも彼に振り向いて
ほしかったの。
気にかけてほしかったの。
あたし
あなたが思ってる以上に
モテるんだよって
ほっといたら
どっかいっちゃうよって。」

⏰:08/10/21 21:20 📱:D705imyu 🆔:UWVgo4yk


#206 [なお(・∀・)]


「‥……そっか。
でも一途なお前だからこそ
人の気持ちが
そんな簡単に
変わらないこと...
分かるよな?」

沙千はこくりと頷いた。

⏰:08/10/21 21:22 📱:D705imyu 🆔:UWVgo4yk


#207 [なお(・∀・)]


「今から男の人に
やっぱり会えない
ってメールするね。」

「ん。」

「‥……笑ってさよなら
できるかな?」

「沙千はさ
今の人付き合って
よかったって思う?」

⏰:08/10/21 21:23 📱:D705imyu 🆔:UWVgo4yk


#208 [なお(・∀・)]


「うん。
これだけははっきり
言える。
あたしあの人と
付き合えて
よかった。」

「じゃあできるよ。
もっともっと
いい女になって
浮気したこと
後悔させてやれ。」

「‥……うんっ。」

⏰:08/10/21 21:24 📱:D705imyu 🆔:UWVgo4yk


#209 [なお(・∀・)]


沙千は
笑顔でそう言った。

僕は微笑んで
沙千の頭を撫でた。

「りょう?
ありがとね。」

「ん。」

⏰:08/10/21 21:25 📱:D705imyu 🆔:UWVgo4yk


#210 [なお(・∀・)]


「りょうが
男だったらよかったのに。
そしたら
あたし絶対
りょうと付き合うのにな〜。」

「うちは
あんたみたいな
我が儘お嬢様
勘弁だね。」

「え〜。」

「「あはは。」」

⏰:08/10/21 21:31 📱:D705imyu 🆔:UWVgo4yk


#211 [なお(・∀・)]


−それから程なくして
沙千は彼氏と別れた。

煙草を吸いながら
報告のメールを見て
すぐ閉じた。

部屋のベッドに
寝そべりながら
兎が震えている所を
想像した。

⏰:08/10/21 21:32 📱:D705imyu 🆔:UWVgo4yk


#212 [なお(・∀・)]

今日はここまでで
失礼させて
頂きます
m(_ _)m

あまり更新できなくて
すいません;;

明日少し
更新するかもしれません

⏰:08/10/21 21:34 📱:D705imyu 🆔:UWVgo4yk


#213 [なお(・∀・)]

更新しなくて
すいません;;

読んでくれている方
呆れないでやって下さい。

今から更新します。

⏰:08/10/22 19:36 📱:D705imyu 🆔:0zjSlwP.


#214 [なお(・∀・)]


彼氏と別れてから
初めて沙千と会う日。

「!!
耳どうしたの?」

「えへへ〜。
空けてみた。」

「ふ〜ん。」

⏰:08/10/22 19:37 📱:D705imyu 🆔:0zjSlwP.


#215 [なお(・∀・)]


「痛くなかったよ。」

「ふ〜ん。」

「‥………嘘。
本当はすごく痛かった。
でも後悔はしてない。」

⏰:08/10/22 19:38 📱:D705imyu 🆔:0zjSlwP.


#216 [なお(・∀・)]


「そっか。
僕みたいな耳には
なるなよ?」

「絶対ないから
大丈夫。」

「うっせ。」

⏰:08/10/22 19:39 📱:D705imyu 🆔:0zjSlwP.


#217 [なお(・∀・)]


僕の耳の
9個のピアス。

沙千の耳の
1個のピアス。

それぞれの
意味があるピアス。

それぞれの
傷を追ったピアス。

⏰:08/10/22 19:40 📱:D705imyu 🆔:0zjSlwP.


#218 [なお(・∀・)]


「拡張もしてみよっかな。」

「絶対やめろ。」

「なんでよー。」

「うちでも痛かったから。」

⏰:08/10/22 19:41 📱:D705imyu 🆔:0zjSlwP.


#219 [なお(・∀・)]


「ぷっ。じゃあやめよ。」

「単純。」

「うるさいな〜。」

◆V end...

⏰:08/10/22 19:42 📱:D705imyu 🆔:0zjSlwP.


#220 [なお(・∀・)]



ねぇ
あさ。

あの頃から
僕等の歯車は
狂ってたのかも
しれないね。

⏰:08/10/22 19:43 📱:D705imyu 🆔:0zjSlwP.


#221 [なお(・∀・)]

ただ同じ方向を
向いていたかった
それだけなのに...

同じ人間なんて
居ないのに
どうして同じものを
求めてやまないんだろう

⏰:08/10/22 19:44 📱:D705imyu 🆔:0zjSlwP.


#222 [咲]

なお(・∀・)さんの
ペースで
頑張って下さい

⏰:08/10/22 20:31 📱:N702iD 🆔:jznK4zzM


#223 [なお(・∀・)]

>>222 咲さま

本当にありがとうございます
m(_ _)m

読者様のお声が
今の自分の原動力です
(´∀∩)

これからも
宜しくお願い致します

⏰:08/10/22 22:25 📱:D705imyu 🆔:0zjSlwP.


#224 [なお(・∀・)]


「見てれば分かるって。
お前分かり易いもん。」

「そっかな?
今度は幸せになるね。」

「今でも充分
幸せそうな顔しやがって。」

「分かる〜?」

「うっぜ。」

⏰:08/10/22 22:26 📱:D705imyu 🆔:0zjSlwP.


#225 [なお(・∀・)]


―季節はもう
春になっていた。

もうすぐ
新たなクラスになる。

また新たな出逢いが
始まる...

⏰:08/10/22 22:27 📱:D705imyu 🆔:0zjSlwP.


#226 [なお(・∀・)]


2年になり
沙千と絡むように
なってから
柄の悪い人達との
繋がりもすっぱり
切った僕は
平和な学校生活を
送っていた...

はずだった。

⏰:08/10/22 22:28 📱:D705imyu 🆔:0zjSlwP.


#227 [なお(・∀・)]


でも
そんなに世の中
上手くはいかない。

[女の子]みたいに
グループで行動せず
明るい人から
大人しめの人達まで
幅広く,でも深入りはしない
そんな付き合いを
していた僕に制裁がきた。

⏰:08/10/22 22:29 📱:D705imyu 🆔:0zjSlwP.


#228 [なお(・∀・)]


クラスのちょっと
やんちゃしてます
みたいな女子に
リンチを受けた。

体育の時間。

みんなが体育館に
移動する中
僕だけ教室に残され
いきなり殴られた。

⏰:08/10/22 22:30 📱:D705imyu 🆔:0zjSlwP.


#229 [なお(・∀・)]


殴られた理由は
簡単。

僕が気に入らないから。

「八方美人とか
要らねぇから。」

彼女達は
そういうと
僕を殴った。

⏰:08/10/22 22:31 📱:D705imyu 🆔:0zjSlwP.


#230 [なお(・∀・)]


でも顔は
分かり易いから
お腹・背中・太もも
ひたすら見えない場所。

「お前
身内だと思ってたのに
裏切るとか最低。」

⏰:08/10/22 22:32 📱:D705imyu 🆔:0zjSlwP.


#231 [なお(・∀・)]


彼女達の
意味が分からない
逆鱗に触れてしまった
僕はただ殴られるしかなかった。

殴り返したら
僕も彼女達と
同じ所まで
堕ちるんじゃないかと
思った。

ただ黙って
時間が過ぎるのを待った。

⏰:08/10/22 22:33 📱:D705imyu 🆔:0zjSlwP.


#232 [なお(・∀・)]


気が済んだのか
彼女達は教室から
出て行った。

「いってっ。」

誰もいない教室で
虚しく響く僕の声。

⏰:08/10/22 22:34 📱:D705imyu 🆔:0zjSlwP.


#233 [なお(・∀・)]


平気。

別に全然平気。

殴られてる時も
ちっとも怖くなかったし
僕には
怖いものなんてなかった。

⏰:08/10/22 22:35 📱:D705imyu 🆔:0zjSlwP.


#234 [我輩は匿名である]
この小説すき(。・ω・。)
更新楽しみにしてます☆

⏰:08/10/23 14:41 📱:P904i 🆔:s3A/Xzmo


#235 [かおり]
続き気になります
頑張ってね(¨#)

⏰:08/10/23 20:08 📱:L704i 🆔:5MVPxLAI


#236 [なお(・∀・)]

>>234 匿名さま

ありがとうございます
(´;ω;`)

本当に嬉しいです。

頑張りますので
見てやって下さい
m(_ _)m

⏰:08/10/23 22:04 📱:D705imyu 🆔:Aa488H9I


#237 [なお(・∀・)]

>>235 かおりさま

素敵なコメント
ありがとうございます
m(_ _)m

今から更新しますので
お暇があれば
読んで下さい★

⏰:08/10/23 22:05 📱:D705imyu 🆔:Aa488H9I


#238 [なお(・∀・)]

その日の学校帰り

沙千の家に寄った。

「?」

「どうしたの?」

⏰:08/10/23 22:06 📱:D705imyu 🆔:Aa488H9I


#239 [なお(・∀・)]


「‥……ピアスは?」

僕がそう言うと
慌てたように

「あっうん。
なんか少し膿んじゃってさ。
埋めたんだ。」

と沙千は言った。

⏰:08/10/23 22:08 📱:D705imyu 🆔:Aa488H9I


#240 [なお(・∀・)]


「‥……本当に?」

「どうして?」

「あんだけ
後悔してないって
言い切ってたのに
案外軽く埋めるんだなって。」

「‥…そうだっけ?」


⏰:08/10/23 22:09 📱:D705imyu 🆔:Aa488H9I


#241 [なお(・∀・)]


「彼氏さんに
言われたの?」

「‥………うん。」

「なんで嘘つくの?」

「なんか
彼氏に言われた位で
簡単に変える女なんだ
って思われたくなくて。」

⏰:08/10/23 22:10 📱:D705imyu 🆔:Aa488H9I


#242 [なお(・∀・)]


「だったら外さなきゃいいじゃん。」

「でも彼氏のこと
好きなの。
理想に近づきたいの。」

「だったら堂々と胸張って彼氏に言われたから
外したって言えば?」

⏰:08/10/23 22:11 📱:D705imyu 🆔:Aa488H9I


#243 [なお(・∀・)]


「‥………。」

「‥………ごめん。
言い過ぎた。
今日は帰るね。」

いつものように
煙草を灰皿に押し付ける。

⏰:08/10/23 22:12 📱:D705imyu 🆔:Aa488H9I


#244 [なお(・∀・)]


「icene...」

「ん?」

「あたしが勧めてから
ずっと吸ってくれてるよね。
それまではずっと
マルメンだったし。」

「まぁ。」

⏰:08/10/23 22:13 📱:D705imyu 🆔:Aa488H9I


#245 [なお(・∀・)]


「りょうはさ
何かに迷ったり
人の意見に
惑わされないよね。
自分が決めたものは
ずっと貫くって感じ。
羨ましいな。
そういうの。」

⏰:08/10/23 22:14 📱:D705imyu 🆔:Aa488H9I


#246 [なお(・∀・)]


「そっか?」

「うん。
あたしは駄目だ。
弱いから。
人の目を気にしちゃう。
人にこっちの方がいいよ
って言われたら
そっちにしちゃうし。
自分て何なんだろう
って時々思うよ。」

⏰:08/10/23 22:15 📱:D705imyu 🆔:Aa488H9I


#247 [なお(・∀・)]


「ふ〜ん。」

「りょうはさ
こいつ羨ましいな〜
って思った人いる?」

「いるよ。」

⏰:08/10/23 22:16 📱:D705imyu 🆔:Aa488H9I


#248 [なお(・∀・)]


「いるの?
りょうでも?」

「失礼な。
いるよ。
うちと同じ位
自由奔放ででも
自己中って感じじゃなくて。
絵がすっげー上手くて
馬鹿ばっかする奴。」

⏰:08/10/23 22:17 📱:D705imyu 🆔:Aa488H9I


#249 [なお(・∀・)]


「へ〜。
会ってみたいな。」

「いつかな。」

「うん。」

「じゃな。」

「ばいばい。」

⏰:08/10/23 22:18 📱:D705imyu 🆔:Aa488H9I


#250 [なお(・∀・)]


あの話の
羨ましいなって
思ってた奴は
もちろんあさ。

沙千は僕のこと
迷わない
人に惑わされない
って言ったけど
そんなの嘘。

⏰:08/10/23 22:20 📱:D705imyu 🆔:Aa488H9I


#251 [なお(・∀・)]


僕はずっと
あさみたいになりたかった。
あさが羨ましかった。
あさみたいに
孤独を愛し
気高く生きたかった。

⏰:08/10/23 22:22 📱:D705imyu 🆔:Aa488H9I


#252 [なお(・∀・)]


あさはずっと
左耳に1つだけ
ピアスをしていた。
空けたのは
僕よりずっとずっと前。
沙千の穴の埋まった
耳を見たら
何故だか
あさのこと
思い出した。

⏰:08/10/23 22:23 📱:D705imyu 🆔:Aa488H9I


#253 [なお(・∀・)]


あさの耳には
まだピアスが
光っているのだろうか。

なんてことを
思いながら
ゆっくり家路に着いた。

⏰:08/10/23 22:24 📱:D705imyu 🆔:Aa488H9I


#254 [なお(・∀・)]


次の日から
それは始まった。

イジメ。

シカト・わざとらしい悪口

手は出してこないが
ある意味
「暴力」より
「暴力的」だった。

⏰:08/10/23 22:25 📱:D705imyu 🆔:Aa488H9I


#255 [なお(・∀・)]


しかし
僕は色んな人と
幅広く絡んでいた為
味方でいてくれる子が
たくさんいた。

「なんかあった?
お昼一緒に食べない?」

そう言ってくれる子が
嬉しかった。

⏰:08/10/23 22:26 📱:D705imyu 🆔:Aa488H9I


#256 [なお(・∀・)]


でも僕は
みんなに迷惑を
かけたくないが為に
1人でいる道を
選んだ。

元々
[グループ]というものに
所属していなかったので
それまでの生活と
何ら変わりはなかった。

⏰:08/10/23 22:29 📱:D705imyu 🆔:Aa488H9I


#257 [なお(・∀・)]


それでも
[寂しさ]という奴は
僕を執拗に襲った。

人の優しさに
どっぷり浸かり
当たり前だと
感じていた自分に
腹が立った。

⏰:08/10/23 22:31 📱:D705imyu 🆔:Aa488H9I


#258 [なお(・∀・)]


その日家に帰り
初めて...






自分で自分を
傷つけた。

⏰:08/10/23 22:32 📱:D705imyu 🆔:Aa488H9I


#259 [なお(・∀・)]


死にたかった訳じゃない
ただ
自分に苛ついて

あさになりきれていない
自分が嫌だった。

⏰:08/10/23 22:34 📱:D705imyu 🆔:Aa488H9I


#260 [なお(・∀・)]


それからは
毎日学校から
帰っては
自分を傷つけた。

何度も何度も
寂しくなんかないと
自分に言い聞かせた。

⏰:08/10/23 22:35 📱:D705imyu 🆔:Aa488H9I


#261 [なお(・∀・)]


いくら傷付けても
沙千には言わなかった。

沙千の前では
いつでも
[無敵のヒーロー]で
いたかった。

⏰:08/10/23 22:36 📱:D705imyu 🆔:Aa488H9I


#262 [なお(・∀・)]


沙千が傷付いて
泣けば
いつでも
駆け付けて
笑顔にする。

そんな
[ヒーロー]であり続けたかった。

⏰:08/10/23 22:38 📱:D705imyu 🆔:Aa488H9I


#263 [なお(・∀・)]


今日の更新は
ここまでに
させて頂きます
m(_ _)m

少ししか
更新できなくて
すいません;;

⏰:08/10/23 22:42 📱:D705imyu 🆔:Aa488H9I


#264 [なお(・∀・)]

学校に行くと
腕がズキズキと
悲鳴をあげた。

最初は
かすり傷程度だったものも
いつの間にか
床に血が溜まる程度に
深くなっていた。

⏰:08/10/24 21:09 📱:D705imyu 🆔:aaMh1H2s


#265 [なお(・∀・)]


それでも
リスカ・アムカは
止められなかった。

やってる間は
sexをしてる時なんかより
よっぽどイケる。

⏰:08/10/24 21:09 📱:D705imyu 🆔:aaMh1H2s


#266 [なお(・∀・)]


痛みを感じず
血を見ると安心した。

その頃になると
沙千の家に行く頻度も
減っていった。

⏰:08/10/24 21:10 📱:D705imyu 🆔:aaMh1H2s


#267 [なお(・∀・)]


ある日
沙千がまた
泣いて電話を掛けてきた。

彼氏が
「もうやってらんねえ。」
と言い
沙千を突き飛ばしたらしい。

⏰:08/10/24 21:11 📱:D705imyu 🆔:aaMh1H2s


#268 [なお(・∀・)]


僕は
今度の彼なら
沙千をずっと
笑顔でいさせられると
信じてた。

けどやっぱり
男なんて信用ならない。

⏰:08/10/24 21:12 📱:D705imyu 🆔:aaMh1H2s


#269 [なお(・∀・)]


[無敵のヒーロー]は
いつだって僕だ。

それでも
すぐに彼と仲直りし
僕にも笑顔で接してくる。

⏰:08/10/24 21:13 📱:D705imyu 🆔:aaMh1H2s


#270 [なお(・∀・)]


か弱くて
寂しいと
死にそうで
愛を貰うと
すぐ元気になる。

沙千は兎そのものだった。

⏰:08/10/24 21:14 📱:D705imyu 🆔:aaMh1H2s


#271 [なお(・∀・)]


沙千が
変わっていったのは
この頃からだった。

⏰:08/10/24 21:15 📱:D705imyu 🆔:aaMh1H2s


#272 [なお(・∀・)]


お洒落だった服は廃れ
綺麗に整えられていた
眉毛は伸び放題。
落ち着いたよく似合う
ミルクティー色の髪色は
漆黒になり
よく磨かれて
洗練されていた爪は
短く切り落とされた。

⏰:08/10/24 21:17 📱:D705imyu 🆔:aaMh1H2s


#273 [なお(・∀・)]


「どうしたの?」

「何が?」

「‥……なんか
前の沙千じゃない。」

「そう?
変わってないよ。」

⏰:08/10/24 21:18 📱:D705imyu 🆔:aaMh1H2s


#274 [なお(・∀・)]


「ねぇ。」

「何?」

「彼氏との間決まり事。
言ってみてくれない?」

「ん〜?
髪染めちゃ駄目。」

⏰:08/10/24 21:19 📱:D705imyu 🆔:aaMh1H2s


#275 [なお(・∀・)]


「うん。」

「爪は伸ばし過ぎたら駄目。」

「うん。」

「服は彼氏が選んでくれるからそれ以外着ちゃ駄目。」

「‥……うん。」

⏰:08/10/24 21:20 📱:D705imyu 🆔:aaMh1H2s


#276 [なお(・∀・)]


「眉毛は彼氏が抜いてくれるからいじっちゃ駄目。」

「‥…………。」

「あとは,
夜遅く駅をうろついちゃ
いけない。
男となんか勿論
絡んじゃ駄目。
バイトの連絡さえもね。
駄目。

⏰:08/10/24 21:21 📱:D705imyu 🆔:aaMh1H2s


#277 [なお(・∀・)]

バイト先も彼氏が選んで
バイト先に1日1回は
来るよ。
遊びに行く時は
何処で誰と何時まで遊ぶか言う。
彼氏からOKが出ないと遊べないし。

⏰:08/10/24 21:22 📱:D705imyu 🆔:aaMh1H2s


#278 [なお(・∀・)]

ゲーセン・居酒屋は行っちゃ駄目だし。
あとは女友達も
彼氏が認めた相手じゃないと絡んじゃ駄目。
あと...」

「もういい。」

⏰:08/10/24 21:23 📱:D705imyu 🆔:aaMh1H2s


#279 [なお(・∀・)]


「そう?」

「もういいよ。」

「分かった。」

「ねぇ沙千?」

「なに?」

⏰:08/10/24 21:24 📱:D705imyu 🆔:aaMh1H2s


#280 [なお(・∀・)]


「彼は沙千をドールとしか
思ってないように
見えるよ。
自分が遊びたい時に遊んで,
着せたい服を着せて,
その他の時はお部屋に
飾っておく。
自分好みに仕上がった
ただのドールだ。」

⏰:08/10/24 21:38 📱:D705imyu 🆔:aaMh1H2s


#281 [なお(・∀・)]


「違う...」

「違くない。
彼は[沙千]を
好きなんじゃない。
[自分の言うことを
何でも聞く沙千]が
好きなだけだ。」

⏰:08/10/24 21:41 📱:D705imyu 🆔:aaMh1H2s


#282 [なお(・∀・)]


「違うよ。
彼はあたしが外に出て
他の男の目に届くのが
嫌なんだって。
子供みたいな人なの。」

「ねぇ沙千。
じゃあ聞くけど
彼の束縛を
どう思うの?」

⏰:08/10/24 21:43 📱:D705imyu 🆔:aaMh1H2s


#283 [なお(・∀・)]


僕は意を決して
聞いた。

今思えば
聞かなければよかったんだ。

そしたら
沙千は今でも...

⏰:08/10/24 21:44 📱:D705imyu 🆔:aaMh1H2s


#284 [なお(・∀・)]


沙千は間を置いて
答えた。








「うーん。
少し大事にされすぎかな?」

⏰:08/10/24 21:45 📱:D705imyu 🆔:aaMh1H2s


#285 [なお(・∀・)]


何故だか今
母親のあの目
あの言葉
あの頬の痛みが
僕の中を貫いた。

⏰:08/10/24 23:03 📱:D705imyu 🆔:aaMh1H2s


#286 [なお(・∀・)]


ーねぇ

無敵のヒーローは
悲劇のヒロインを
救うことはない
なんて
誰が決めたんだろうね。

悲劇のヒロインを
本当に救えるのは
白馬に乗った
王子様だけだって

もっと早く
気付けばよかった。

⏰:08/10/24 23:06 📱:D705imyu 🆔:aaMh1H2s


#287 [なお(・∀・)]


それから
沙千と連絡を
取ることを
一切しなくなった。

いや
沙千が連絡を
しなくなったんだ。

⏰:08/10/24 23:08 📱:D705imyu 🆔:aaMh1H2s


#288 [なお(・∀・)]


理由は分かってる。

彼氏に僕と
繋がることを
止められたんだ。

⏰:08/10/24 23:09 📱:D705imyu 🆔:aaMh1H2s


#289 [なお(・∀・)]


沙千から連絡が
来なければ
僕から会いに
行く用はない。

彼氏に止められたなら
尚更だ。

⏰:08/10/24 23:11 📱:D705imyu 🆔:aaMh1H2s


#290 [なお(・∀・)]


僕は未だに
沙千を心の何処かで
赦せないでいる。

一人が嫌いな
沙千が
友達より彼氏を
取るのは当然なのに...

⏰:08/10/24 23:13 📱:D705imyu 🆔:aaMh1H2s


#291 [なお(・∀・)]


沙千を1番幸せにできる
なんて自負するつもりは
さらさらないよ。

⏰:08/10/24 23:14 📱:D705imyu 🆔:aaMh1H2s


#292 [なお(・∀・)]


でも
僕は沙千を
哀しませることも
傷つけることも
涙を流させることも
しない。

彼みたいに。

⏰:08/10/24 23:16 📱:D705imyu 🆔:aaMh1H2s


#293 [なお(・∀・)]


でも
それを帳消しにできる
笑顔を与えられるのも

また
彼だった。

⏰:08/10/24 23:17 📱:D705imyu 🆔:aaMh1H2s


#294 [なお(・∀・)]


[無敵のヒーロー]の
役目は終わり。

悲劇のヒロインは
美しいお姫様になり
白馬の王子様に
救われたのです。

⏰:08/10/24 23:18 📱:D705imyu 🆔:aaMh1H2s


#295 [なお(・∀・)]


こんなことになるなら
兎のような彼女を
籠にでも
閉じ込めて
おくべきだった。

なんて
醜い考えは
もう止める。

⏰:08/10/24 23:20 📱:D705imyu 🆔:aaMh1H2s


#296 [なお(・∀・)]


沙千がそれで
いいのなら。

沙千がそれを
選ぶのなら。

僕は黙って
見守るよ。

⏰:08/10/24 23:25 📱:D705imyu 🆔:aaMh1H2s


#297 [なお(・∀・)]


ただ
傷付いて
前が見えなくなった時
だけでいい

鳴らしてよ。

いつでも
何処でも
駆け付けるからさ。

◆W end...

⏰:08/10/24 23:27 📱:D705imyu 🆔:aaMh1H2s


#298 [なお(・∀・)]



ねぇあさ。

人は絶対
誰かの[モノ]になんて
なるはずがないのに
どうして
僕はこんなに
その事実が
赦せないんだろう

⏰:08/10/24 23:29 📱:D705imyu 🆔:aaMh1H2s


#299 [なお(・∀・)]

あさは
誰の[モノ]にもならず
誰かを[モノ]になんて
絶対しないよね。

僕の中で
あんたこそ
[無敵のヒーロー]だよ。

⏰:08/10/24 23:30 📱:D705imyu 🆔:aaMh1H2s


#300 [なお(・∀・)]

役不足の僕を
赦して...

⏰:08/10/24 23:31 📱:D705imyu 🆔:aaMh1H2s


#301 [なお(・∀・)]

本日はここまでの
更新とさせて頂きます
m(_ _)m

明日は用事があるため
更新ができないので
多めに更新したつもりですが,主の勝手をお許し下さい。

宜しければ
感想・ご意見お待ちしております。
皆様のお声は本当に力なります。

⏰:08/10/24 23:34 📱:D705imyu 🆔:aaMh1H2s


#302 [咲]

リアルタイムで読んでました(^^)v
いつも心打たれます(;_;)
これからも読み続けます!★
頑張って下さい!!!!!

⏰:08/10/24 23:37 📱:N702iD 🆔:f48r6ljc


#303 [なお(・∀・)]

更新しなくて
すいません。

今から更新したいと
思います。

>>302 咲さま
いつもコメントありがとう
ございます
m(_ _)m

本当に頑張ろうって
思えます。

⏰:08/10/27 13:12 📱:D705imyu 🆔:SzzbHcaA


#304 [なお(・∀・)]
◆X

その日から僕の
リスカ・アムカは激しくなる
一方だった。

目眩・立ち眩みは
日常的になっていた。

⏰:08/10/27 13:19 📱:D705imyu 🆔:SzzbHcaA


#305 [なお(・∀・)]

サウスポーだったので
僕の右腕は
傷跡がない部分が
無くなっていた。

寂しさを失す為に
やっていた行為が
傷跡が僕の寂しさを
物語っていた。

⏰:08/10/27 13:22 📱:D705imyu 🆔:SzzbHcaA


#306 [なお(・∀・)]

ある日
学校帰り
中学の友達に会った。

「りょう!!」

「おぉ〜久しぶり。」

「久しぶり。」

⏰:08/10/27 13:25 📱:D705imyu 🆔:SzzbHcaA


#307 [なお(・∀・)]

そいつは話すのが
大好きらしく
聞き役の方が楽な僕は
ひたすら
「うん。うん。」
とあまり聞きもせず
言っていた。

⏰:08/10/27 13:29 📱:D705imyu 🆔:SzzbHcaA


#308 [なお(・∀・)]

でもある話で
僕の意識は止まった。

「そういえばさ〜。
この前○○○で
沙千見たよ〜。」

僕は相槌を打つのも
忘れ,話に聞き入っていた。

⏰:08/10/27 13:35 📱:D705imyu 🆔:SzzbHcaA


#309 [なお(・∀・)]


「彼氏さんと
いてさ〜。
仲良さそうで
本当に羨ましかった〜。
あたしもさ〜
あんな彼氏できたら
いいな〜。
あたしの理想はさ〜‥……。」

⏰:08/10/27 13:36 📱:D705imyu 🆔:SzzbHcaA


#310 [なお(・∀・)]

ここまでで
僕の意識はすっかり
抜けていた。

「でさ〜
ってりょう聞いてる?」

「ごめん。
帰るわ。」

⏰:08/10/27 13:39 📱:D705imyu 🆔:SzzbHcaA


#311 [なお(・∀・)]

「え?
ちょっとりょうっ!!」

そういう友達の声が
遠く後ろで聞こえていた。

家に帰り,
クローゼットを必死に漁った。

⏰:08/10/27 13:41 📱:D705imyu 🆔:SzzbHcaA


#312 [なお(・∀・)]


なんであんなことを
したのか
今でも分からない。

ただ
辛かった。

⏰:08/10/27 13:42 📱:D705imyu 🆔:SzzbHcaA


#313 [なお(・∀・)]

「あった。」

僕の手にあったのは
ニードル。

ピアスを開ける専用の針。

それからの記憶は
鮮明。

⏰:08/10/27 13:44 📱:D705imyu 🆔:SzzbHcaA


#314 [なお(・∀・)]

けど,意識はまばら。

僕はニードルをかまえ...










舌を出した。

⏰:08/10/27 13:45 📱:D705imyu 🆔:SzzbHcaA


#315 [なお(・∀・)]


舌に向かい
ニードルを落とし
そのまま力をこめた。

痛くはない。

なのに
全身から汗が吹き出た。

⏰:08/10/27 13:48 📱:D705imyu 🆔:SzzbHcaA


#316 [なお(・∀・)]


ーブツッ。

生々しい音をたてて
僕の舌の表面を
ニードルが貫く。

⏰:08/10/27 13:51 📱:D705imyu 🆔:SzzbHcaA


#317 [なお(・∀・)]


自分の舌に
今,ニードルが
通ってると
思うとぞくぞくした。

⏰:08/10/27 13:54 📱:D705imyu 🆔:SzzbHcaA


#318 [なお(・∀・)]


第三者が見たら
頭が完全にイカれてる
と思うだろう。

⏰:08/10/27 13:55 📱:D705imyu 🆔:SzzbHcaA


#319 [なお(・∀・)]


口の端から
唾液が垂れ
手が震えた。

⏰:08/10/27 13:57 📱:D705imyu 🆔:SzzbHcaA


#320 [なお(・∀・)]


ーブツリ

生々しい音が
もう一度
僕の部屋に響く。

ニードルは完全に
僕の舌を貫通していた。

⏰:08/10/27 13:58 📱:D705imyu 🆔:SzzbHcaA


#321 [なお(・∀・)]


今日の晩御飯は
しょっぱい物は
避けよう。
なんて呑気なことを
考えていた。

⏰:08/10/27 14:00 📱:D705imyu 🆔:SzzbHcaA


#322 [なお(・∀・)]


ニードルを抜き
ピアスを通し
鏡を見る。

初めて生で見た
舌ピアスは
自分の物だった。

⏰:08/10/27 14:02 📱:D705imyu 🆔:SzzbHcaA


#323 [なお(・∀・)]


鏡を見ながら
人差し指で
銀のボールを触る。

ツンッとした痛みが
舌を駆ける。

⏰:08/10/27 14:05 📱:D705imyu 🆔:SzzbHcaA


#324 [なお(・∀・)]


僕はピアスに
魅せられた。

⏰:08/10/27 14:06 📱:D705imyu 🆔:SzzbHcaA


#325 [なお(・∀・)]


次の日。
驚く程舌が腫れていた。

呂律が回らず
気持ちが悪い。

しかし
嫌ではなかった。

⏰:08/10/27 14:09 📱:D705imyu 🆔:SzzbHcaA


#326 [なお(・∀・)]

それからというもの
僕はピアスに狂った。

眉毛


ヘソ

開けたい所に
本能のまま
開けていった。

⏰:08/10/27 14:11 📱:D705imyu 🆔:SzzbHcaA


#327 [なお(・∀・)]


拡張していた耳のピアスも
8Gだったのが
0Gになり

向こう側が見え,
煙草一本が
入るくらいになった。

⏰:08/10/27 14:13 📱:D705imyu 🆔:SzzbHcaA


#328 [なお(・∀・)]


友達には
気持ち悪いとか
女の子なんだからとか
言われたけど

僕には関係なかった。

ピアスをすることで
「僕」は「僕」で
居られた。

⏰:08/10/27 14:16 📱:D705imyu 🆔:SzzbHcaA


#329 [なお(・∀・)]


そんなことに
溺れていく内に
月日は驚く程
早く流れた。

もう3年生。

⏰:08/10/27 20:53 📱:D705imyu 🆔:SzzbHcaA


#330 [なお(・∀・)]


バイトもなんだかんだで
続けていた。

けど
やっぱり僕の人生
そう上手くはいかないように
なってるんだ。

⏰:08/10/27 20:54 📱:D705imyu 🆔:SzzbHcaA


#331 [なお(・∀・)]


ある日バイトに行き

「おはようございます。」
といつものように
挨拶すると

「りょうちゃん
ちょっと。」

と店長から
呼び出しが掛かった。

⏰:08/10/27 20:56 📱:D705imyu 🆔:SzzbHcaA


#332 [なお(・∀・)]


嫌な予感がした。

店長はいつもふざけてて
明るくて
彼氏ができない僕を
いつも馬鹿にするような人。

この日だけは
違ってた。

⏰:08/10/27 20:57 📱:D705imyu 🆔:SzzbHcaA


#333 [なお(・∀・)]


「これ見て。」

そう言うと
店長は一枚の紙を
僕の前に差し出した。

それは
ーお客様の声ー

いわゆるアンケート。

⏰:08/10/27 20:59 📱:D705imyu 🆔:SzzbHcaA


#334 [なお(・∀・)]


そこには
決して上手いとは
言えない字で

[バイトの若い子で
化粧が濃すぎな子が
いる。不愉快。]
と書かれていた。

⏰:08/10/27 21:00 📱:D705imyu 🆔:SzzbHcaA


#335 [なお(・∀・)]


店長が言いたいことは
すぐに分かった。

「今日はいいから。」

店長はそう言ったけど

「いいです。
おとします。」

僕はそういうと
トイレに駆け込んだ。

⏰:08/10/27 21:02 📱:D705imyu 🆔:SzzbHcaA


#336 [なお(・∀・)]


水道で石鹸で
化粧を洗い流した。

石鹸が目にしみて
悔しかった。

⏰:08/10/27 21:03 📱:D705imyu 🆔:SzzbHcaA


#337 [なお(・∀・)]


でも
ーお客様の声ーは
これだけじゃ
済まなかった。

[声が小さい。]
[髪色が明るすぎる。]
[Gパンがだらしない。]

⏰:08/10/27 21:05 📱:D705imyu 🆔:SzzbHcaA


#338 [なお(・∀・)]


バイトには
僕以外にも
ギャルの先輩がいたけど
その先輩が直しても
ーお客様の声ーは
やまない。

逆に僕が直したら
先輩が直さなくても
その項目はなくなった。

⏰:08/10/27 21:07 📱:D705imyu 🆔:SzzbHcaA


#339 [なお(・∀・)]

完全に僕へのクレーム。

字が一緒で
いつも同じ人だった。

けど
氏名を書く欄はないので
男か女か
それすらも分からなかった。

⏰:08/10/27 21:08 📱:D705imyu 🆔:SzzbHcaA


#340 [なお(・∀・)]

僕がバイトに出る度に
一枚また一枚と
ーお客様の声ーは
増える。

アンケート掲示板を
見るのが恐怖だった。

⏰:08/10/27 21:09 📱:D705imyu 🆔:SzzbHcaA


#341 [なお(・∀・)]


誰か分からない。

どこかでずっと
誰かが見ている。

バイトの時
僕はいつも緊張状態だった。

⏰:08/10/27 21:11 📱:D705imyu 🆔:SzzbHcaA


#342 [なお(・∀・)]


そして僕に限界が来た。

「オエ。ゲホッゲホッ。」

バイトに行く前に
必ず吐き気が襲い
嘔吐してから
バイトに向かうように
なった。

⏰:08/10/27 21:12 📱:D705imyu 🆔:SzzbHcaA


#343 [なお(・∀・)]


食べ物も喉を通らず
体重は30キロ代にまで
落ち込んだ。

僕の身長が
160だったから
明らかに痩せすぎだった。

⏰:08/10/27 21:14 📱:D705imyu 🆔:SzzbHcaA


#344 [なお(・∀・)]

もう限界だった。

僕は慣れ親しんだバイトを
逃げるように辞めた。

⏰:08/10/27 21:15 📱:D705imyu 🆔:SzzbHcaA


#345 [なお(・∀・)]

それからまた
新しいバイトを始めた。

居酒屋。

友達が紹介してくれた。

一緒に働こうって
言ってくれた。

⏰:08/10/27 21:16 📱:D705imyu 🆔:SzzbHcaA


#346 [なお(・∀・)]


でもその友達も
数週間後
ばっくれた。

多分ばっくれたくても
ばっくれられないから
僕という新しいバイトを
入れて安心して
ばっくれたんだろう。

⏰:08/10/27 21:18 📱:D705imyu 🆔:SzzbHcaA


#347 [なお(・∀・)]

その友達とは
連絡すらつかず
完全に利用された。

僕は
人を信用することが
できなくなっていた。

⏰:08/10/27 21:19 📱:D705imyu 🆔:SzzbHcaA


#348 [なお(・∀・)]


前のバイトと違い
制服が七分袖だった為
強制的に
僕の右腕にテーピングを
貼られた。

お客さんに
「どうしたの?」
と言われても
「か弱いから
腱鞘炎に
なっちゃったんですー。」
とか言って誤魔化してた。

⏰:08/10/27 21:22 📱:D705imyu 🆔:SzzbHcaA


#349 [なお(・∀・)]


その頃には

[愛想笑い]が
僕の得意技になってた。

絡んでくるお客も
愛想笑いで交わした。

⏰:08/10/27 21:23 📱:D705imyu 🆔:SzzbHcaA


#350 [なお(・∀・)]


へらへら笑ってれば
なんでも交わせる。

へらへら笑ってれば
傷も癒える。

そう思ってた。

そう思おうとした。

⏰:08/10/27 21:25 📱:D705imyu 🆔:SzzbHcaA


#351 [なお(・∀・)]


学校はほとんど
行ってなかった。

その間
免許を取った。

⏰:08/10/27 21:27 📱:D705imyu 🆔:SzzbHcaA


#352 [なお(・∀・)]


多分高校の時の同級生に
僕のことを聞いても

「りょう?
そんな奴いたっけ?」

ってみんなが
口を揃えて言うと思う。

⏰:08/10/27 21:28 📱:D705imyu 🆔:SzzbHcaA


#353 [なお(・∀・)]


今のバイト先は
お酒を扱うこともあって
好き放題だった。

お客に連絡先を
聞かれることも
しばしば。

⏰:08/10/27 21:32 📱:D705imyu 🆔:SzzbHcaA


#354 [なお(・∀・)]


教えては
一回会って
それっきり。

連絡をシカトするだけ。

[恋愛ごっこ]を
楽しんでいた。

⏰:08/10/27 21:33 📱:D705imyu 🆔:SzzbHcaA


#355 [なお(・∀・)]


お客も
気まずいのか
それっきり来ない
お客ばっかりだった。

たまに
しつこくしてくるお客も
いたけど
そういうお客には
バイト仲間に料理の
上げ下げをしてもらった。

⏰:08/10/27 21:35 📱:D705imyu 🆔:SzzbHcaA


#356 [なお(・∀・)]


愛とか
恋とか
嫉妬とか
独占欲とか
泣かせたとか
泣かされたとか
傷付いたとか
傷付けられたとか

面倒くさかった。

どうでもよかった。

⏰:08/10/27 21:37 📱:D705imyu 🆔:SzzbHcaA


#357 [なお(・∀・)]


涙なんて
いつ流したのかさえ
忘れてた。

信じれる人なんて
いなかった。

⏰:08/10/27 21:38 📱:D705imyu 🆔:SzzbHcaA


#358 [なお(・∀・)]


無敵のヒーロー?

そんなの無理。

それをできるのは
[あいつ]しかいない。

あいつ?

⏰:08/10/27 21:40 📱:D705imyu 🆔:SzzbHcaA


#359 [なお(・∀・)]


あさ。

今なにしてる?

高校ちゃんと行ってる?

なんで連絡くれないの?

会いたいよ。

⏰:08/10/27 21:41 📱:D705imyu 🆔:SzzbHcaA


#360 [なお(・∀・)]


また僕の為に
絵を描いて?

僕まだ
中学の時
あさが描いてくれた絵
持ってるよ。

ねぇ
あさ。

⏰:08/10/27 21:43 📱:D705imyu 🆔:SzzbHcaA


#361 [なお(・∀・)]


でも
どんな顔して
会えばいい?

こんなボロボロに
なった僕を
あさは笑顔で
受け入れてくれる?

⏰:08/10/27 21:44 📱:D705imyu 🆔:SzzbHcaA


#362 [なお(・∀・)]


あさに
あわす顔がないよ。

ーパタッ

携帯のメール送信画面を
開いてまた閉じた。

⏰:08/10/27 21:45 📱:D705imyu 🆔:SzzbHcaA


#363 [なお(・∀・)]


そんな葛藤を
繰り返していたら
世間は
[受験シーズン]とやらに
入ったみたい。

⏰:08/10/27 21:47 📱:D705imyu 🆔:SzzbHcaA


#364 [なお(・∀・)]


僕には関係ないけど...

高校を卒業したら
家を出て
一人暮らしをするって
決めていた。

バイト代も免許も
その日の為。

⏰:08/10/27 21:48 📱:D705imyu 🆔:SzzbHcaA


#365 [なお(・∀・)]


バイトをしていれば
一人暮らし位できる。

それ位の貯金はあった。

⏰:08/10/27 21:50 📱:D705imyu 🆔:SzzbHcaA


#366 [なお(・∀・)]


あさは
進学するんだろうか。

バイト場で知り合った
男とお酒を飲みながら
そんなことを
ぼんやり考えていた。

⏰:08/10/27 21:52 📱:D705imyu 🆔:SzzbHcaA


#367 [なお(・∀・)]


そんな日を
繰り返していた僕。

今日もまた
酒を飲んで
ベットにダイブして
堕ちていた。

⏰:08/10/27 21:53 📱:D705imyu 🆔:SzzbHcaA


#368 [なお(・∀・)]


〜♪

深夜。

携帯が鳴った。

眠気とアルコールで
くらくらする頭を
必死に持ち上げて
画面を見た。

⏰:08/10/27 21:55 📱:D705imyu 🆔:SzzbHcaA


#369 [なお(・∀・)]


[新着メール 1件]

メールか。

誰だよ
こんな時間に。

少し苛つきながら
クリックした。

⏰:08/10/27 21:56 📱:D705imyu 🆔:SzzbHcaA


#370 [なお(・∀・)]


そこには
驚くべき名前。











あさ

⏰:08/10/27 21:57 📱:D705imyu 🆔:SzzbHcaA


#371 [なお(・∀・)]


すぐにメールを
見たい気持ちと

どうしようという
気持ちが

交錯する。

⏰:08/10/27 21:58 📱:D705imyu 🆔:SzzbHcaA


#372 [なお(・∀・)]


5分位
迷って,
ようやく開く決心をした。

⏰:08/10/27 22:00 📱:D705imyu 🆔:SzzbHcaA


#373 [なお(・∀・)]


僕は数日前に
ブログを作り
みんなに一斉送信していた。

⏰:08/10/27 22:05 📱:D705imyu 🆔:SzzbHcaA


#374 [なお(・∀・)]


連絡を取れないから
友達が少ない。

死にたい。

そんなようなことばっかり
書いてある
下らない日記。

⏰:08/10/27 22:06 📱:D705imyu 🆔:SzzbHcaA


#375 [なお(・∀・)]


読んでくれている
はずもないと思った。

でも
読んでくれた。

そして

返事まで書いてくれた。

⏰:08/10/27 22:07 📱:D705imyu 🆔:SzzbHcaA


#376 [なお(・∀・)]


−-−-−-−-
to りょう

日記を読んだので

気になってメールを

しました。

実は初めて

見たんだけどね

なんだかんだ

元気でやっていて

何よりです(笑)

⏰:08/10/27 22:09 📱:D705imyu 🆔:SzzbHcaA


#377 [なお(・∀・)]


本当は改行なんか
してないけど
それ位
僕は一行一行
ゆっくり
丁寧に読んだ。

⏰:08/10/27 22:11 📱:D705imyu 🆔:SzzbHcaA


#378 [なお(・∀・)]


連絡をこまめに

とれないから

友達が少ないというところに

すごく共感した(笑)

⏰:08/10/27 22:12 📱:D705imyu 🆔:SzzbHcaA


#379 [なお(・∀・)]


今日はお知らせがあって

メールをしました。

実は私留学することに

なりました。

⏰:08/10/27 22:13 📱:D705imyu 🆔:SzzbHcaA


#380 [なお(・∀・)]


私が留学したら

遊びに来てね

案内するから

留学先は

たぶんイギリスだよ

⏰:08/10/27 22:14 📱:D705imyu 🆔:SzzbHcaA


#381 [なお(・∀・)]


私も人との関係を

保つのが苦手だから、、

すごく勝手なんだけど、
もしもう○○○(僕らの地元)に

行くことなくても、

⏰:08/10/27 22:16 📱:D705imyu 🆔:SzzbHcaA


#382 [なお(・∀・)]


もし日本に

離れることになっても、
もしもうりょうに

会うことがなくても、

ずっと友達なんだと

思えるよ

⏰:08/10/27 22:18 📱:D705imyu 🆔:SzzbHcaA


#383 [なお(・∀・)]
<Font Size="-1">
だからどんなに

久しぶりに会っても

安心できる、

私も

夢の芸術家めざして(笑)

元気にやってます。

from 麻実
-−-−-−-−

⏰:08/10/27 22:20 📱:D705imyu 🆔:SzzbHcaA


#384 [なお(・∀・)]

僕はこのメールを

読み終えて

泣いた。

わんわん泣いた。

子供みたいに。

⏰:08/10/27 22:21 📱:D705imyu 🆔:SzzbHcaA


#385 [なお(・∀・)]

声をあげて
泣くのは
何年振りだろう。

いつだって
大人ぶっていたくて
涙なんか見せたくなかった。

けど
今はそんなの関係なかった。

⏰:08/10/27 22:22 📱:D705imyu 🆔:SzzbHcaA


#386 [なお(・∀・)]


もう会えなくなってしまうかもしれないこと

留学してしまうこと

色んなことが
悲しかったけど
一番悲しかったのは
あさも僕と同じ傷を
抱えてたということ。

⏰:08/10/27 22:24 📱:D705imyu 🆔:SzzbHcaA


#387 [なお(・∀・)]


あさは
[無敵のヒーロー]
なんかじゃなかった。

[無敵のヒーロー]は
僕が造り上げた
虚像だった。

⏰:08/10/27 22:25 📱:D705imyu 🆔:SzzbHcaA


#388 [なお(・∀・)]


あさは
みんなと同じ。

一喜一憂する
普通の女の子だった。

⏰:08/10/27 22:26 📱:D705imyu 🆔:SzzbHcaA


#389 [なお(・∀・)]


そんな当たり前のこと

今更気付いた自分に
また泣けた。

⏰:08/10/27 22:27 📱:D705imyu 🆔:SzzbHcaA


#390 [なお(・∀・)]


ひたすら
ただ
ずっと
声をあげて

泣き続けた。

⏰:08/10/27 22:28 📱:D705imyu 🆔:SzzbHcaA


#391 [なお(・∀・)]


なんで
信用できる人間なんて
いないなんて
これっぽっちでも
思ったんだろう。

⏰:08/10/27 22:29 📱:D705imyu 🆔:SzzbHcaA


#392 [なお(・∀・)]


なんで
死にたいなんて
これっぽっちでも
思ったんだろう。

⏰:08/10/27 22:30 📱:D705imyu 🆔:SzzbHcaA


#393 [なお(・∀・)]


なんで
独りだなんて
これっぽっちでも
思ったんだろう。

⏰:08/10/27 22:31 📱:D705imyu 🆔:SzzbHcaA


#394 [なお(・∀・)]


僕にはいつだって
あさという
同じ傷を抱えた人が
いたのに...

⏰:08/10/27 22:32 📱:D705imyu 🆔:SzzbHcaA


#395 [なお(・∀・)]


その日はひたすら
泣いて練れなかった。

朝がきて
もう昼も過ぎる頃

僕は準備して
ある場所に向かった。

⏰:08/10/27 22:33 📱:D705imyu 🆔:SzzbHcaA


#396 [なお(・∀・)]


そこは
タトゥースタジオ。

あるタトゥーを彫りに
僕はこの場所にいた。

⏰:08/10/27 22:34 📱:D705imyu 🆔:SzzbHcaA


#397 [なお(・∀・)]


「本当にこれでいいの?」
彫り師さんが
僕に言う。

「はい。」

僕は深く深く
頷いた。

⏰:08/10/27 22:36 📱:D705imyu 🆔:SzzbHcaA


#398 [なお(・∀・)]


数週間後

それはできた。

⏰:08/10/27 22:37 📱:D705imyu 🆔:SzzbHcaA


#399 [なお(・∀・)]


背中に
綺麗な綺麗な










蝶の羽。

しかも片羽だけ。

⏰:08/10/27 22:38 📱:D705imyu 🆔:SzzbHcaA


#400 [なお(・∀・)]


あさのメールに
返事はしなかった。

と言うか
できなかった。

夢に向かって
頑張っているあさに
適当に生きてる僕が
返事なんか
できなかった。

⏰:08/10/27 22:39 📱:D705imyu 🆔:SzzbHcaA


#401 [なお(・∀・)]


でもいつかは
返事をしようと
思う。

その時の文章は
もう決まっている。

「今から会いに行くよ」

⏰:08/10/27 22:41 📱:D705imyu 🆔:SzzbHcaA


#402 [なお(・∀・)]

その時は
笑顔で会えるように...

ね?
あさ。

◆X end...

⏰:08/10/27 22:42 📱:D705imyu 🆔:SzzbHcaA


#403 [なお(・∀・)]
◆endrole

いつか異国の地で
会ったら

また
僕の為に絵を描いてよ

綺麗な綺麗な
蝶の羽。

⏰:08/10/27 22:43 📱:D705imyu 🆔:SzzbHcaA


#404 [なお(・∀・)]

そしたら
僕はその絵を
背中に飾るから...

あさが大好きな蝶が
2人で1つに
なるよ。

⏰:08/10/27 22:45 📱:D705imyu 🆔:SzzbHcaA


#405 [なお(・∀・)]

僕が初めて
あさの絵に
お金を払うお客さん。

いいよね?
あさ。


ーA&Rー end...

⏰:08/10/27 22:46 📱:D705imyu 🆔:SzzbHcaA


#406 [なお(・∀・)]
あとがき

長い間
ありがとうございました
m(_ _)m

皆様のおかげで
完結できたような
ものです。

⏰:08/10/27 22:48 📱:D705imyu 🆔:SzzbHcaA


#407 [なお(・∀・)]

不定期な更新で
皆様にご迷惑を
かけたと思います。

本当にすいませんでした。
m(_ _)m

⏰:08/10/27 22:50 📱:D705imyu 🆔:SzzbHcaA


#408 [なお(・∀・)]

あさからのメールの部分ですが
今でも保護して
とってありますので
場所と名前以外は
一字一句同じと
なっております。

誤字脱字については
お許し下さい
m(_ _)m

⏰:08/10/27 22:51 📱:D705imyu 🆔:SzzbHcaA


#409 [なお(・∀・)]

では
長くなりましたが
これで
なお(・∀・)のあとがきと
させて頂きます。

宜しければ
ご感想お待ちしております。

⏰:08/10/27 22:53 📱:D705imyu 🆔:SzzbHcaA


#410 [なお(・∀・)]


本当にありがとう
ございました。


なお(・∀・)

⏰:08/10/27 22:53 📱:D705imyu 🆔:SzzbHcaA


#411 [咲]

完結おめでとうございます\(^O^)/
感動しました(;_;)

なお(・∀・)さんの背中に
綺麗な羽が描かれることを
祈ってます(*´人`*)

⏰:08/10/28 21:32 📱:N702iD 🆔:IivJvpEo


#412 [シりこシ]
一気に読ましてもらいました
感動しました~
完結おめでとうございますス
お疲れ様でしたケ

⏰:08/10/28 22:02 📱:W53H 🆔:TrYMqrXw


#413 [なお(・∀・)]

>>411 咲さま
いつもコメント
ありがとうございました
m(_ _)m

無事完結することが
できましたvVv

まだまだ未熟者なんで
背中には1つしか
羽はありませんが
きっと2つ揃わせてみます★

本当に
ありがとうございました
m(_ _)m

⏰:08/10/30 10:03 📱:D705imyu 🆔:/59RO9Fw


#414 [なお(・∀・)]

>>412 りこさま
コメント
ありがとうございます
m(_ _)m

一気に読んで頂けたなんて
感激ですっ!!

無事完結できて
よかったです。

ありがとうございました
m(_ _)m

⏰:08/10/30 10:05 📱:D705imyu 🆔:/59RO9Fw


#415 [我輩は匿名である]
>>1-100
>>101-200
>>201-300
>>301-400
>>401-500
>>501-600
>>601-700
>>701-800
>>801-900
>>901-1000

⏰:09/10/28 12:17 📱:SH905i 🆔:FDF50VS2


#416 [ん◇◇]
↑(*゚∀゚*)

⏰:22/10/29 10:03 📱:Android 🆔:ww1G8DfI


#417 [ん◇◇]
>>380-410

⏰:22/10/29 10:16 📱:Android 🆔:ww1G8DfI


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