ーA&R-
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#201 [なお(・∀・)]


「何がおかしいの?」

「いや〜。
うちさ,お前
普段は子供みたいだけど
恋愛になると
結構一途でしっかり
してんじゃんって
思ってたんだけどさ
いや〜勘違いだったわ。
見損なったわ。
最低だなお前。」

⏰:08/10/21 21:13 📱:D705imyu 🆔:UWVgo4yk


#202 [なお(・∀・)]


僕が呆れた感じで
そう言うと
沙千は
悲しそうな顔して言った。

「複雑な乙女ゴコロ?
吐き気がするね。」

「りょうには
分かんないよ。」

⏰:08/10/21 21:15 📱:D705imyu 🆔:UWVgo4yk


#203 [なお(・∀・)]


「分かりたくもないよ。
お前彼氏が浮気した時
どう思った?」

「悲しかった。」

「そんな綺麗なもんじゃねぇだろ。」

「ムカついた。
最低野郎って思った。」

⏰:08/10/21 21:18 📱:D705imyu 🆔:UWVgo4yk


#204 [なお(・∀・)]


「ふ〜ん。
じゃあお前も
その[最低野郎]とやらに
成り下がるんだな。」

「‥………。」

「意味ねぇよ。
浮気し返すとか。
お前には残酷に
聞こえるかもしんねぇけど。
別れた方が
いいと思うよ。」

⏰:08/10/21 21:19 📱:D705imyu 🆔:UWVgo4yk


#205 [なお(・∀・)]


「‥……。
本当はね
分かってた。
もう彼の気持ちが
あたしにはないこと。
でも彼に振り向いて
ほしかったの。
気にかけてほしかったの。
あたし
あなたが思ってる以上に
モテるんだよって
ほっといたら
どっかいっちゃうよって。」

⏰:08/10/21 21:20 📱:D705imyu 🆔:UWVgo4yk


#206 [なお(・∀・)]


「‥……そっか。
でも一途なお前だからこそ
人の気持ちが
そんな簡単に
変わらないこと...
分かるよな?」

沙千はこくりと頷いた。

⏰:08/10/21 21:22 📱:D705imyu 🆔:UWVgo4yk


#207 [なお(・∀・)]


「今から男の人に
やっぱり会えない
ってメールするね。」

「ん。」

「‥……笑ってさよなら
できるかな?」

「沙千はさ
今の人付き合って
よかったって思う?」

⏰:08/10/21 21:23 📱:D705imyu 🆔:UWVgo4yk


#208 [なお(・∀・)]


「うん。
これだけははっきり
言える。
あたしあの人と
付き合えて
よかった。」

「じゃあできるよ。
もっともっと
いい女になって
浮気したこと
後悔させてやれ。」

「‥……うんっ。」

⏰:08/10/21 21:24 📱:D705imyu 🆔:UWVgo4yk


#209 [なお(・∀・)]


沙千は
笑顔でそう言った。

僕は微笑んで
沙千の頭を撫でた。

「りょう?
ありがとね。」

「ん。」

⏰:08/10/21 21:25 📱:D705imyu 🆔:UWVgo4yk


#210 [なお(・∀・)]


「りょうが
男だったらよかったのに。
そしたら
あたし絶対
りょうと付き合うのにな〜。」

「うちは
あんたみたいな
我が儘お嬢様
勘弁だね。」

「え〜。」

「「あはは。」」

⏰:08/10/21 21:31 📱:D705imyu 🆔:UWVgo4yk


#211 [なお(・∀・)]


−それから程なくして
沙千は彼氏と別れた。

煙草を吸いながら
報告のメールを見て
すぐ閉じた。

部屋のベッドに
寝そべりながら
兎が震えている所を
想像した。

⏰:08/10/21 21:32 📱:D705imyu 🆔:UWVgo4yk


#212 [なお(・∀・)]

今日はここまでで
失礼させて
頂きます
m(_ _)m

あまり更新できなくて
すいません;;

明日少し
更新するかもしれません

⏰:08/10/21 21:34 📱:D705imyu 🆔:UWVgo4yk


#213 [なお(・∀・)]

更新しなくて
すいません;;

読んでくれている方
呆れないでやって下さい。

今から更新します。

⏰:08/10/22 19:36 📱:D705imyu 🆔:0zjSlwP.


#214 [なお(・∀・)]


彼氏と別れてから
初めて沙千と会う日。

「!!
耳どうしたの?」

「えへへ〜。
空けてみた。」

「ふ〜ん。」

⏰:08/10/22 19:37 📱:D705imyu 🆔:0zjSlwP.


#215 [なお(・∀・)]


「痛くなかったよ。」

「ふ〜ん。」

「‥………嘘。
本当はすごく痛かった。
でも後悔はしてない。」

⏰:08/10/22 19:38 📱:D705imyu 🆔:0zjSlwP.


#216 [なお(・∀・)]


「そっか。
僕みたいな耳には
なるなよ?」

「絶対ないから
大丈夫。」

「うっせ。」

⏰:08/10/22 19:39 📱:D705imyu 🆔:0zjSlwP.


#217 [なお(・∀・)]


僕の耳の
9個のピアス。

沙千の耳の
1個のピアス。

それぞれの
意味があるピアス。

それぞれの
傷を追ったピアス。

⏰:08/10/22 19:40 📱:D705imyu 🆔:0zjSlwP.


#218 [なお(・∀・)]


「拡張もしてみよっかな。」

「絶対やめろ。」

「なんでよー。」

「うちでも痛かったから。」

⏰:08/10/22 19:41 📱:D705imyu 🆔:0zjSlwP.


#219 [なお(・∀・)]


「ぷっ。じゃあやめよ。」

「単純。」

「うるさいな〜。」

◆V end...

⏰:08/10/22 19:42 📱:D705imyu 🆔:0zjSlwP.


#220 [なお(・∀・)]



ねぇ
あさ。

あの頃から
僕等の歯車は
狂ってたのかも
しれないね。

⏰:08/10/22 19:43 📱:D705imyu 🆔:0zjSlwP.


#221 [なお(・∀・)]

ただ同じ方向を
向いていたかった
それだけなのに...

同じ人間なんて
居ないのに
どうして同じものを
求めてやまないんだろう

⏰:08/10/22 19:44 📱:D705imyu 🆔:0zjSlwP.


#222 [咲]

なお(・∀・)さんの
ペースで
頑張って下さい

⏰:08/10/22 20:31 📱:N702iD 🆔:jznK4zzM


#223 [なお(・∀・)]

>>222 咲さま

本当にありがとうございます
m(_ _)m

読者様のお声が
今の自分の原動力です
(´∀∩)

これからも
宜しくお願い致します

⏰:08/10/22 22:25 📱:D705imyu 🆔:0zjSlwP.


#224 [なお(・∀・)]


「見てれば分かるって。
お前分かり易いもん。」

「そっかな?
今度は幸せになるね。」

「今でも充分
幸せそうな顔しやがって。」

「分かる〜?」

「うっぜ。」

⏰:08/10/22 22:26 📱:D705imyu 🆔:0zjSlwP.


#225 [なお(・∀・)]


―季節はもう
春になっていた。

もうすぐ
新たなクラスになる。

また新たな出逢いが
始まる...

⏰:08/10/22 22:27 📱:D705imyu 🆔:0zjSlwP.


#226 [なお(・∀・)]


2年になり
沙千と絡むように
なってから
柄の悪い人達との
繋がりもすっぱり
切った僕は
平和な学校生活を
送っていた...

はずだった。

⏰:08/10/22 22:28 📱:D705imyu 🆔:0zjSlwP.


#227 [なお(・∀・)]


でも
そんなに世の中
上手くはいかない。

[女の子]みたいに
グループで行動せず
明るい人から
大人しめの人達まで
幅広く,でも深入りはしない
そんな付き合いを
していた僕に制裁がきた。

⏰:08/10/22 22:29 📱:D705imyu 🆔:0zjSlwP.


#228 [なお(・∀・)]


クラスのちょっと
やんちゃしてます
みたいな女子に
リンチを受けた。

体育の時間。

みんなが体育館に
移動する中
僕だけ教室に残され
いきなり殴られた。

⏰:08/10/22 22:30 📱:D705imyu 🆔:0zjSlwP.


#229 [なお(・∀・)]


殴られた理由は
簡単。

僕が気に入らないから。

「八方美人とか
要らねぇから。」

彼女達は
そういうと
僕を殴った。

⏰:08/10/22 22:31 📱:D705imyu 🆔:0zjSlwP.


#230 [なお(・∀・)]


でも顔は
分かり易いから
お腹・背中・太もも
ひたすら見えない場所。

「お前
身内だと思ってたのに
裏切るとか最低。」

⏰:08/10/22 22:32 📱:D705imyu 🆔:0zjSlwP.


#231 [なお(・∀・)]


彼女達の
意味が分からない
逆鱗に触れてしまった
僕はただ殴られるしかなかった。

殴り返したら
僕も彼女達と
同じ所まで
堕ちるんじゃないかと
思った。

ただ黙って
時間が過ぎるのを待った。

⏰:08/10/22 22:33 📱:D705imyu 🆔:0zjSlwP.


#232 [なお(・∀・)]


気が済んだのか
彼女達は教室から
出て行った。

「いってっ。」

誰もいない教室で
虚しく響く僕の声。

⏰:08/10/22 22:34 📱:D705imyu 🆔:0zjSlwP.


#233 [なお(・∀・)]


平気。

別に全然平気。

殴られてる時も
ちっとも怖くなかったし
僕には
怖いものなんてなかった。

⏰:08/10/22 22:35 📱:D705imyu 🆔:0zjSlwP.


#234 [我輩は匿名である]
この小説すき(。・ω・。)
更新楽しみにしてます☆

⏰:08/10/23 14:41 📱:P904i 🆔:s3A/Xzmo


#235 [かおり]
続き気になります
頑張ってね(¨#)

⏰:08/10/23 20:08 📱:L704i 🆔:5MVPxLAI


#236 [なお(・∀・)]

>>234 匿名さま

ありがとうございます
(´;ω;`)

本当に嬉しいです。

頑張りますので
見てやって下さい
m(_ _)m

⏰:08/10/23 22:04 📱:D705imyu 🆔:Aa488H9I


#237 [なお(・∀・)]

>>235 かおりさま

素敵なコメント
ありがとうございます
m(_ _)m

今から更新しますので
お暇があれば
読んで下さい★

⏰:08/10/23 22:05 📱:D705imyu 🆔:Aa488H9I


#238 [なお(・∀・)]

その日の学校帰り

沙千の家に寄った。

「?」

「どうしたの?」

⏰:08/10/23 22:06 📱:D705imyu 🆔:Aa488H9I


#239 [なお(・∀・)]


「‥……ピアスは?」

僕がそう言うと
慌てたように

「あっうん。
なんか少し膿んじゃってさ。
埋めたんだ。」

と沙千は言った。

⏰:08/10/23 22:08 📱:D705imyu 🆔:Aa488H9I


#240 [なお(・∀・)]


「‥……本当に?」

「どうして?」

「あんだけ
後悔してないって
言い切ってたのに
案外軽く埋めるんだなって。」

「‥…そうだっけ?」


⏰:08/10/23 22:09 📱:D705imyu 🆔:Aa488H9I


#241 [なお(・∀・)]


「彼氏さんに
言われたの?」

「‥………うん。」

「なんで嘘つくの?」

「なんか
彼氏に言われた位で
簡単に変える女なんだ
って思われたくなくて。」

⏰:08/10/23 22:10 📱:D705imyu 🆔:Aa488H9I


#242 [なお(・∀・)]


「だったら外さなきゃいいじゃん。」

「でも彼氏のこと
好きなの。
理想に近づきたいの。」

「だったら堂々と胸張って彼氏に言われたから
外したって言えば?」

⏰:08/10/23 22:11 📱:D705imyu 🆔:Aa488H9I


#243 [なお(・∀・)]


「‥………。」

「‥………ごめん。
言い過ぎた。
今日は帰るね。」

いつものように
煙草を灰皿に押し付ける。

⏰:08/10/23 22:12 📱:D705imyu 🆔:Aa488H9I


#244 [なお(・∀・)]


「icene...」

「ん?」

「あたしが勧めてから
ずっと吸ってくれてるよね。
それまではずっと
マルメンだったし。」

「まぁ。」

⏰:08/10/23 22:13 📱:D705imyu 🆔:Aa488H9I


#245 [なお(・∀・)]


「りょうはさ
何かに迷ったり
人の意見に
惑わされないよね。
自分が決めたものは
ずっと貫くって感じ。
羨ましいな。
そういうの。」

⏰:08/10/23 22:14 📱:D705imyu 🆔:Aa488H9I


#246 [なお(・∀・)]


「そっか?」

「うん。
あたしは駄目だ。
弱いから。
人の目を気にしちゃう。
人にこっちの方がいいよ
って言われたら
そっちにしちゃうし。
自分て何なんだろう
って時々思うよ。」

⏰:08/10/23 22:15 📱:D705imyu 🆔:Aa488H9I


#247 [なお(・∀・)]


「ふ〜ん。」

「りょうはさ
こいつ羨ましいな〜
って思った人いる?」

「いるよ。」

⏰:08/10/23 22:16 📱:D705imyu 🆔:Aa488H9I


#248 [なお(・∀・)]


「いるの?
りょうでも?」

「失礼な。
いるよ。
うちと同じ位
自由奔放ででも
自己中って感じじゃなくて。
絵がすっげー上手くて
馬鹿ばっかする奴。」

⏰:08/10/23 22:17 📱:D705imyu 🆔:Aa488H9I


#249 [なお(・∀・)]


「へ〜。
会ってみたいな。」

「いつかな。」

「うん。」

「じゃな。」

「ばいばい。」

⏰:08/10/23 22:18 📱:D705imyu 🆔:Aa488H9I


#250 [なお(・∀・)]


あの話の
羨ましいなって
思ってた奴は
もちろんあさ。

沙千は僕のこと
迷わない
人に惑わされない
って言ったけど
そんなの嘘。

⏰:08/10/23 22:20 📱:D705imyu 🆔:Aa488H9I


#251 [なお(・∀・)]


僕はずっと
あさみたいになりたかった。
あさが羨ましかった。
あさみたいに
孤独を愛し
気高く生きたかった。

⏰:08/10/23 22:22 📱:D705imyu 🆔:Aa488H9I


#252 [なお(・∀・)]


あさはずっと
左耳に1つだけ
ピアスをしていた。
空けたのは
僕よりずっとずっと前。
沙千の穴の埋まった
耳を見たら
何故だか
あさのこと
思い出した。

⏰:08/10/23 22:23 📱:D705imyu 🆔:Aa488H9I


#253 [なお(・∀・)]


あさの耳には
まだピアスが
光っているのだろうか。

なんてことを
思いながら
ゆっくり家路に着いた。

⏰:08/10/23 22:24 📱:D705imyu 🆔:Aa488H9I


#254 [なお(・∀・)]


次の日から
それは始まった。

イジメ。

シカト・わざとらしい悪口

手は出してこないが
ある意味
「暴力」より
「暴力的」だった。

⏰:08/10/23 22:25 📱:D705imyu 🆔:Aa488H9I


#255 [なお(・∀・)]


しかし
僕は色んな人と
幅広く絡んでいた為
味方でいてくれる子が
たくさんいた。

「なんかあった?
お昼一緒に食べない?」

そう言ってくれる子が
嬉しかった。

⏰:08/10/23 22:26 📱:D705imyu 🆔:Aa488H9I


#256 [なお(・∀・)]


でも僕は
みんなに迷惑を
かけたくないが為に
1人でいる道を
選んだ。

元々
[グループ]というものに
所属していなかったので
それまでの生活と
何ら変わりはなかった。

⏰:08/10/23 22:29 📱:D705imyu 🆔:Aa488H9I


#257 [なお(・∀・)]


それでも
[寂しさ]という奴は
僕を執拗に襲った。

人の優しさに
どっぷり浸かり
当たり前だと
感じていた自分に
腹が立った。

⏰:08/10/23 22:31 📱:D705imyu 🆔:Aa488H9I


#258 [なお(・∀・)]


その日家に帰り
初めて...






自分で自分を
傷つけた。

⏰:08/10/23 22:32 📱:D705imyu 🆔:Aa488H9I


#259 [なお(・∀・)]


死にたかった訳じゃない
ただ
自分に苛ついて

あさになりきれていない
自分が嫌だった。

⏰:08/10/23 22:34 📱:D705imyu 🆔:Aa488H9I


#260 [なお(・∀・)]


それからは
毎日学校から
帰っては
自分を傷つけた。

何度も何度も
寂しくなんかないと
自分に言い聞かせた。

⏰:08/10/23 22:35 📱:D705imyu 🆔:Aa488H9I


#261 [なお(・∀・)]


いくら傷付けても
沙千には言わなかった。

沙千の前では
いつでも
[無敵のヒーロー]で
いたかった。

⏰:08/10/23 22:36 📱:D705imyu 🆔:Aa488H9I


#262 [なお(・∀・)]


沙千が傷付いて
泣けば
いつでも
駆け付けて
笑顔にする。

そんな
[ヒーロー]であり続けたかった。

⏰:08/10/23 22:38 📱:D705imyu 🆔:Aa488H9I


#263 [なお(・∀・)]


今日の更新は
ここまでに
させて頂きます
m(_ _)m

少ししか
更新できなくて
すいません;;

⏰:08/10/23 22:42 📱:D705imyu 🆔:Aa488H9I


#264 [なお(・∀・)]

学校に行くと
腕がズキズキと
悲鳴をあげた。

最初は
かすり傷程度だったものも
いつの間にか
床に血が溜まる程度に
深くなっていた。

⏰:08/10/24 21:09 📱:D705imyu 🆔:aaMh1H2s


#265 [なお(・∀・)]


それでも
リスカ・アムカは
止められなかった。

やってる間は
sexをしてる時なんかより
よっぽどイケる。

⏰:08/10/24 21:09 📱:D705imyu 🆔:aaMh1H2s


#266 [なお(・∀・)]


痛みを感じず
血を見ると安心した。

その頃になると
沙千の家に行く頻度も
減っていった。

⏰:08/10/24 21:10 📱:D705imyu 🆔:aaMh1H2s


#267 [なお(・∀・)]


ある日
沙千がまた
泣いて電話を掛けてきた。

彼氏が
「もうやってらんねえ。」
と言い
沙千を突き飛ばしたらしい。

⏰:08/10/24 21:11 📱:D705imyu 🆔:aaMh1H2s


#268 [なお(・∀・)]


僕は
今度の彼なら
沙千をずっと
笑顔でいさせられると
信じてた。

けどやっぱり
男なんて信用ならない。

⏰:08/10/24 21:12 📱:D705imyu 🆔:aaMh1H2s


#269 [なお(・∀・)]


[無敵のヒーロー]は
いつだって僕だ。

それでも
すぐに彼と仲直りし
僕にも笑顔で接してくる。

⏰:08/10/24 21:13 📱:D705imyu 🆔:aaMh1H2s


#270 [なお(・∀・)]


か弱くて
寂しいと
死にそうで
愛を貰うと
すぐ元気になる。

沙千は兎そのものだった。

⏰:08/10/24 21:14 📱:D705imyu 🆔:aaMh1H2s


#271 [なお(・∀・)]


沙千が
変わっていったのは
この頃からだった。

⏰:08/10/24 21:15 📱:D705imyu 🆔:aaMh1H2s


#272 [なお(・∀・)]


お洒落だった服は廃れ
綺麗に整えられていた
眉毛は伸び放題。
落ち着いたよく似合う
ミルクティー色の髪色は
漆黒になり
よく磨かれて
洗練されていた爪は
短く切り落とされた。

⏰:08/10/24 21:17 📱:D705imyu 🆔:aaMh1H2s


#273 [なお(・∀・)]


「どうしたの?」

「何が?」

「‥……なんか
前の沙千じゃない。」

「そう?
変わってないよ。」

⏰:08/10/24 21:18 📱:D705imyu 🆔:aaMh1H2s


#274 [なお(・∀・)]


「ねぇ。」

「何?」

「彼氏との間決まり事。
言ってみてくれない?」

「ん〜?
髪染めちゃ駄目。」

⏰:08/10/24 21:19 📱:D705imyu 🆔:aaMh1H2s


#275 [なお(・∀・)]


「うん。」

「爪は伸ばし過ぎたら駄目。」

「うん。」

「服は彼氏が選んでくれるからそれ以外着ちゃ駄目。」

「‥……うん。」

⏰:08/10/24 21:20 📱:D705imyu 🆔:aaMh1H2s


#276 [なお(・∀・)]


「眉毛は彼氏が抜いてくれるからいじっちゃ駄目。」

「‥…………。」

「あとは,
夜遅く駅をうろついちゃ
いけない。
男となんか勿論
絡んじゃ駄目。
バイトの連絡さえもね。
駄目。

⏰:08/10/24 21:21 📱:D705imyu 🆔:aaMh1H2s


#277 [なお(・∀・)]

バイト先も彼氏が選んで
バイト先に1日1回は
来るよ。
遊びに行く時は
何処で誰と何時まで遊ぶか言う。
彼氏からOKが出ないと遊べないし。

⏰:08/10/24 21:22 📱:D705imyu 🆔:aaMh1H2s


#278 [なお(・∀・)]

ゲーセン・居酒屋は行っちゃ駄目だし。
あとは女友達も
彼氏が認めた相手じゃないと絡んじゃ駄目。
あと...」

「もういい。」

⏰:08/10/24 21:23 📱:D705imyu 🆔:aaMh1H2s


#279 [なお(・∀・)]


「そう?」

「もういいよ。」

「分かった。」

「ねぇ沙千?」

「なに?」

⏰:08/10/24 21:24 📱:D705imyu 🆔:aaMh1H2s


#280 [なお(・∀・)]


「彼は沙千をドールとしか
思ってないように
見えるよ。
自分が遊びたい時に遊んで,
着せたい服を着せて,
その他の時はお部屋に
飾っておく。
自分好みに仕上がった
ただのドールだ。」

⏰:08/10/24 21:38 📱:D705imyu 🆔:aaMh1H2s


#281 [なお(・∀・)]


「違う...」

「違くない。
彼は[沙千]を
好きなんじゃない。
[自分の言うことを
何でも聞く沙千]が
好きなだけだ。」

⏰:08/10/24 21:41 📱:D705imyu 🆔:aaMh1H2s


#282 [なお(・∀・)]


「違うよ。
彼はあたしが外に出て
他の男の目に届くのが
嫌なんだって。
子供みたいな人なの。」

「ねぇ沙千。
じゃあ聞くけど
彼の束縛を
どう思うの?」

⏰:08/10/24 21:43 📱:D705imyu 🆔:aaMh1H2s


#283 [なお(・∀・)]


僕は意を決して
聞いた。

今思えば
聞かなければよかったんだ。

そしたら
沙千は今でも...

⏰:08/10/24 21:44 📱:D705imyu 🆔:aaMh1H2s


#284 [なお(・∀・)]


沙千は間を置いて
答えた。








「うーん。
少し大事にされすぎかな?」

⏰:08/10/24 21:45 📱:D705imyu 🆔:aaMh1H2s


#285 [なお(・∀・)]


何故だか今
母親のあの目
あの言葉
あの頬の痛みが
僕の中を貫いた。

⏰:08/10/24 23:03 📱:D705imyu 🆔:aaMh1H2s


#286 [なお(・∀・)]


ーねぇ

無敵のヒーローは
悲劇のヒロインを
救うことはない
なんて
誰が決めたんだろうね。

悲劇のヒロインを
本当に救えるのは
白馬に乗った
王子様だけだって

もっと早く
気付けばよかった。

⏰:08/10/24 23:06 📱:D705imyu 🆔:aaMh1H2s


#287 [なお(・∀・)]


それから
沙千と連絡を
取ることを
一切しなくなった。

いや
沙千が連絡を
しなくなったんだ。

⏰:08/10/24 23:08 📱:D705imyu 🆔:aaMh1H2s


#288 [なお(・∀・)]


理由は分かってる。

彼氏に僕と
繋がることを
止められたんだ。

⏰:08/10/24 23:09 📱:D705imyu 🆔:aaMh1H2s


#289 [なお(・∀・)]


沙千から連絡が
来なければ
僕から会いに
行く用はない。

彼氏に止められたなら
尚更だ。

⏰:08/10/24 23:11 📱:D705imyu 🆔:aaMh1H2s


#290 [なお(・∀・)]


僕は未だに
沙千を心の何処かで
赦せないでいる。

一人が嫌いな
沙千が
友達より彼氏を
取るのは当然なのに...

⏰:08/10/24 23:13 📱:D705imyu 🆔:aaMh1H2s


#291 [なお(・∀・)]


沙千を1番幸せにできる
なんて自負するつもりは
さらさらないよ。

⏰:08/10/24 23:14 📱:D705imyu 🆔:aaMh1H2s


#292 [なお(・∀・)]


でも
僕は沙千を
哀しませることも
傷つけることも
涙を流させることも
しない。

彼みたいに。

⏰:08/10/24 23:16 📱:D705imyu 🆔:aaMh1H2s


#293 [なお(・∀・)]


でも
それを帳消しにできる
笑顔を与えられるのも

また
彼だった。

⏰:08/10/24 23:17 📱:D705imyu 🆔:aaMh1H2s


#294 [なお(・∀・)]


[無敵のヒーロー]の
役目は終わり。

悲劇のヒロインは
美しいお姫様になり
白馬の王子様に
救われたのです。

⏰:08/10/24 23:18 📱:D705imyu 🆔:aaMh1H2s


#295 [なお(・∀・)]


こんなことになるなら
兎のような彼女を
籠にでも
閉じ込めて
おくべきだった。

なんて
醜い考えは
もう止める。

⏰:08/10/24 23:20 📱:D705imyu 🆔:aaMh1H2s


#296 [なお(・∀・)]


沙千がそれで
いいのなら。

沙千がそれを
選ぶのなら。

僕は黙って
見守るよ。

⏰:08/10/24 23:25 📱:D705imyu 🆔:aaMh1H2s


#297 [なお(・∀・)]


ただ
傷付いて
前が見えなくなった時
だけでいい

鳴らしてよ。

いつでも
何処でも
駆け付けるからさ。

◆W end...

⏰:08/10/24 23:27 📱:D705imyu 🆔:aaMh1H2s


#298 [なお(・∀・)]



ねぇあさ。

人は絶対
誰かの[モノ]になんて
なるはずがないのに
どうして
僕はこんなに
その事実が
赦せないんだろう

⏰:08/10/24 23:29 📱:D705imyu 🆔:aaMh1H2s


#299 [なお(・∀・)]

あさは
誰の[モノ]にもならず
誰かを[モノ]になんて
絶対しないよね。

僕の中で
あんたこそ
[無敵のヒーロー]だよ。

⏰:08/10/24 23:30 📱:D705imyu 🆔:aaMh1H2s


#300 [なお(・∀・)]

役不足の僕を
赦して...

⏰:08/10/24 23:31 📱:D705imyu 🆔:aaMh1H2s


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